241. 仇討(1964)
《ネタバレ》 すばらしいですね、錦之介の目の演技。必ず討たれてやらなければならない、つまり殺されてやらなければならない仇討の場所へ歩を進めていくときの絶望と怒と恐怖の入り交じった表情!「ラストサムライ」の渡辺謙の目の演技が話題になっていますが、あれは比較的単純な心の動きの表現にすぎません。また、下っ端の侍の役人が、この仇討が腹に据えかねて悪酔いしつつ上司に食ってかかる演技も秀逸でした。俳優の演技に価値を認める方、必見です。ただ、テーマや結末が暗いんですよね。胸にずっしりとしたものが残って、カタルシスがない。 8点(2004-01-01 22:35:07)(良:1票) |
242. ラストエンペラー
映画としての出来は良かったと思いますよ。特に音楽が。しかし、私が本で読んだ溥儀の人物像とあまりに違うんだよね。れいによって日本がどうしようもない悪者に描かれているし。嘘も100回つけば本当になると、たしかヒットラーが言っていたと思うけど、こうした政治的アピールのある映画が美しく叙情的に作られるということに、たまらない危険を感じる。よってこの点数。ご覧になる方は、フィクションにすぎないのだということを、くれぐれもご注意くださいまし。 0点(2004-01-01 21:30:13) |
243. ローマの休日
最初に見たのは小学生の頃でしたが、ラストでの彼らの行動が理解できませんでした。とにかく天真爛漫な影の無い映画で、それだけにかえって味わいの薄い映画になってしまっています。もっとも私は5~6回見ましたが。 9点(2004-01-01 19:13:13) |
244. タイタンズを忘れない
《ネタバレ》 勧められて見たんだが、黒人差別とは無縁の日本人からみると、楽しそうな黒人達に比べ、白人たちの苦悩の方がより強く感じられる映画だった。喚きまわるだけで傲慢なデンゼルワシントンは好きにはなれず、むしろ白人のコーチや交通事故にあう白人選手の方に共感を感じた。ところで映画としてのおもしろさは、いまひとつだね。 3点(2004-01-01 18:32:00) |
245. 海底軍艦
《ネタバレ》 日本SF映画史上の白眉。地殻変動のため滅亡の危機に瀕するムー帝国が、その特異な科学・軍事力をもって地上を攻めようとするが、立ちはだかったのが旧帝国海軍軍人が密かに建造していた海底軍艦だった。映画は海底軍艦側の視点から描かれるが、最後には滅ぼされることになるムー帝国側を単純な悪としては描いていない。捕虜になったムーの女王が、海底で大爆発を起こし荒れ狂う海に飛び込んで故国へ戻っていく。それを海底軍艦の軍人達も止めようとはせず、見送ってやるシーンがいい。この映画が作られた時代には、まだこうした武人の心というか、人間の魂というものが理解されていたのだろうなと思う。 9点(2003-12-31 21:13:33)(良:1票) |
246. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 若い人には分からない映画かもしれない。しかし、主人公と同じくらいかそれ以上の年齢の方なら、きっと心に響いてくるものがあるはず。失ってしまった夢、仲違いしたまま死に別れてしまった父。それが心の中にわだかまり、しこりとなっていく。もしそうした過去ともう一度向かいあい、おりあいをつけることができたなら。それをこの映画ではすてきなファンタジーとして描いてくれました。野球映画ではありません。頭で、理性で見てはいけません。あなたの心の奥底にある魂で感じるように見てください。 9点(2003-12-31 21:02:42)(良:2票) |
247. 野菊の如き君なりき(1955)
「おばさん、あたしもう死んだ方がいい。」そう静かに死の床で話す民やの姿に、私は涙がとまりませんでした。 10点(2003-12-31 16:42:15) |
248. 永遠の人
《ネタバレ》 木下恵介監督作品には当たりはずれがあるように思うが、この作品は大当たり。恋人のいる小作人の娘高峰秀子に横恋慕した地主の息子仲代達也が、彼女を強引に自分の女房にしてしまう。女はそれを恨んで夫を憎み、憎みつづける。娘の元恋人佐田啓二は別の女をめとるが、かつての恋人を忘れられないのか、彼女に愛を向けることはなく、離婚してしまう。被害者的なこの元恋人2人が、それぞれ他人に残酷な仕打ちをしながらその非に気づかず、かたくなな心を捨てようとはしない。この作品はその様をじっくり描いていく。その心理描写がこの映画の魅力だろう。この映画が初出演となった田村正和も、母親の愛薄き少年のさびしさをうまく演じている。なお、映画のラストは、憎しみも解け、その後の平穏な生活を暗示する救いのあるものとなっている。 10点(2003-12-31 16:31:52)(良:1票) |
249. カサブランカ
《ネタバレ》 尊敬はしているが必ずしも愛してはいない夫と逃亡する途上で、かつての恋人リックと再会するバーグマン。その驚きと悲しみと愛情とがない混ざった微妙な表情は、見るものの心を揺さぶらずにはいられない。相手役リックを演ずるボガードは決してうまくはないが、しかし彼の持つ雰囲気、存在感がこの映画に見事にはまっていると思う。他の方も指摘されているように、この映画はメロドラマであるが、製作されてから60年以上たつのに色あせていない。 9点(2003-12-31 15:59:41) |
250. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 どんでん返しがあるとのことで、期待して見たものの...。最初から「怪しくない」男が一人いて、「あっ、こいつね。」とストーリーが読めてしまう凡庸な映画。全体の雰囲気もB~C級の出来。 3点(2003-12-31 15:49:49) |
251. 回路
全然恐くない。ただ、だらだらと、だらだらと画面が移っていく。カタツムリがはうところを2時間観察していた方がずっと楽しい。金払ったからしかたなく我慢して最後までみた。おれの2時間を返してくれ~。 0点(2003-12-30 11:02:28) |
252. リリイ・シュシュのすべて
青少年が出会うかもしれない「いじめ」などなどの題材を散りばめた作品だが、ただそれだけで、登場人物たちの苦悩を描くことには失敗している。 3点(2003-12-30 10:57:45) |
253. スパイ・ゲーム(2001)
《ネタバレ》 定年退職の日を迎えたCIA局員が、かつての部下を救うため組織(CIA)に一杯食わせる話。それはありえないだろうというストーリーではあったが、単純なエンターテイメント作品としては許容範囲か。 6点(2003-12-30 10:51:11) |
254. ダークネス(2002)
《ネタバレ》 みなさんの評価はいまひとつですね。最初のほうで、子供部屋で男の子がひとり遊ぶシーンがありましたね。ひとりでにころがる鉛筆、ベッドの下でうごめく暗闇など、シャイニングを彷彿とさせるような出だしでこれは期待できると思いましたが、そのあとのストーリーに盛り上がりが欠け、残念な仕上がりになりました。しかし、個々のシーンではけっこう恐いところも少なくなく、私は楽しめました。 6点(2003-12-29 16:06:38) |
255. アザーズ
子供の病気のために、分厚いカーテンを閉めきって、昼でも暗いお屋敷と、「いかにも」の設定。まんなかくらいでオチも分かってしまったし、ぜんぜん怖くなかった。ところで、いつも薄ら笑いを浮かべているような表情のニコールキッドマンは恐怖ものには合わないと思う。 3点(2003-12-29 16:01:38) |
256. サイン
シックスセンスが面白かったので、この映画もと期待して見に行ったものの、大はずれ。ドラマとしても恐怖ものとしても○○としても中途半端でいいとこなし。 3点(2003-12-29 15:57:45) |
257. 座頭市(1989)
《ネタバレ》 宿屋に泊まる市を殺しに行った浪人 緒方拳が、何も気がつかぬ風の市の背後に立って刀を抜いたものの、その市の姿にどうしても切る気にはなれずにそっと刀を収める。じーんとくるシーンではありませんか。剣を振り回すところを見せず、音や天井に突き刺さる刃、刀を収めるカットなどで、剣豪による一瞬の早業を見せるシーン。子供達が無心に遊ぶシーンや群衆のさりげない表情など、監督勝新太郎でなければ撮れないカットが満載の映画である。麻薬問題などで晩年を棒に振ってしまったが、私生活はともかく、俳優、監督としては日本の中で彼にかわるものはいないと思う。 9点(2003-12-29 15:52:51) |
258. たそがれ清兵衛
果たし合い?! 上意討ちでしょう、上意討ち。たるいストーリーとたるい剣劇シーン。山田監督には時代劇は無理なのか、それともお年のせいか、いずれにせよ、もう新しいことに挑戦してはいけませんね。宮沢りえは悪くなかったが、しかし演技で観客を引き付けるというようなシナリオではなかった。 3点(2003-12-29 15:42:04) |
259. ガタカ
ストーリーは荒唐無稽です。なのに、主人公のあこがれがよく伝わってきます。 8点(2003-12-29 15:33:20) |
260. ロレンツォのオイル/命の詩
私にも同じくらいの年頃の子供がおり、ロレンツォが苦しむさまを見て、胸が切り裂かれるような思いを味わいました。子供を持つ方、必見です。 9点(2003-12-29 15:15:01) |