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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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241.  間違えられた男 《ネタバレ》 
この映画では、取り調べってこんなことをさせられるのかという、刑務所の中の様子を描いたドキュメンタリー映画に似た雰囲気を味わうことが出来ます。 この映画では最初にヒッチコック自身が実話だということを明かしますが、私はこの方法が正しいやり方だと思います。 というのは、この映画で出てきた数々の取り調べ方法のほとんどが観る側の人間にとってとても非日常的だからです。私も面通しなんて初めて見ましたし、店の奥まで行って引き返して戻ってくるというのも、本当にこんな取り調べの方法が実際にあるのだろうかという疑問まで浮かんできそうです。前もって実話と断りを入れておけば素直にストーリーに入り込めますが、最後まで実話だとわからないまま観ていたとしたら、何ともリアリティに欠くストーリーに思えたに違いありません。 最後はバッドエンディングで終わっちゃうのかなと思っていたら、最後に家族4人の幸せな後ろ姿で締めくくられていたのでホッとしました。あのワンカットで救われたような気がしました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-20 22:43:42)
242.  チート 《ネタバレ》 
アラカウ氏の「承知ですね?」のひと言(&不敵な笑い)だけではその意味が全く解りませんが、夫の投資が成功して「このお金を返せば白紙に戻せるかも」と思いついたときの表情で少しずつ状況が把握出来始め、「金で解決する気か!」でやっと状況が飲み込めるわけなのですが、この段階を踏んだ表現のしかたが絶妙です。 ところでこの映画のタイトルですが、夫が株で儲けた金のうちの1万ドルを妻に渡し、その後に妻の後をつけて様子を探るところで“the cheat (裏切り)”と字幕が出るところを見ると、実はこの映画は、夫が妻を愛し妻がそれに応える、というごく単純な夫婦愛を描いたものだったのかもしれません(この映画のクライマックスはアラカウ氏が刻印を無理やり押し付ける場面や法廷のシーンなどではなく、実はこのシーンなのかも)。実際、夫が妻に愛情を注ぐ姿がはっきりと描かれていて、最後に妻が本当のことを法廷で訴えるという形で夫の愛を受け止める、という全体のストーリー構成からもそう言えるのではないでしょうか。“チート”というタイトルを付けておきながら実は夫婦愛を描いている。この逆転の発想が唸らされます。 それにしても、早川雪州の演技は見事!「これは私のものという印です」や、上記「承知ですね?」の表情にはなんとも言えない恐怖感が滲み出ていてゾクゾクしてきます。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-24 23:42:33)
243.  巴里の女性 《ネタバレ》 
久々に観てみて大正解。6点→7点にアップです。 光と影だけで電車の到着を表現したと、評論家もそのアイディアを絶賛するほどの例のシーンですが、現代の映画しか見ない人にとっては、“たかが光”と、目もくれないでしょうが、それは感性が鈍っている証拠でしょう。 また、冒頭でマリーの父親が階段を登るシーンですが、壁に映る影を異様に大きく見せることにより、これだけで怖い人物が上がってくるということが、影を見ただけで解ってしまう。 今の世の中、電車を画面に出さずして電車が到着したことを表現し、階段を上がってくる人間の顔を見せずしてどんな人なのかを描くことができる映画監督が一体どれだけいるでしょうか。 他にも、チャップリンの優れた映像作家としての仕事だけでなく、人間に対する鋭い視点というものも見て取れたような気がします。 それは、マリーがマッサージをしてもらっているときに、その隣で女性たちが色々と噂話をしているときのエステティシャンの軽蔑の表情を何度も何度も執拗に映していたところや、窓の外にネックレスを投げ、それを通りかかった男に持っていかれて慌ててネックレスを取り返しに行って戻ってきたときのピエールの笑い方もどことなく不気味な感じもします。 また「最後にもう一度だけ会いたい」と、好きな相手に渡した手紙を他の男に見せてしまうというのは、差し出した男にとっては相当な屈辱に違いありません。 母親と息子の関係もしっかりと描かれていますし、どんな境遇のどんな人間に対する描写も、ぬかりなく良く描かれているなぁと感じました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-05-09 01:01:20)
244.  サーカス(1928) 《ネタバレ》 
サーカスという題材は、チャップリンが一番得意としている分野なのではないか、と思います。そして、ヒロインとの甘く切ない恋を描くのもまた、お得意のパターンですね。この映画でもチャップリンは色々な才能を発揮してくれるのですが、本作の場合、どうしてもそのネタのウラを読んでしまうのです。ライオンと虎には前もってたらふく餌を食わせているんだろうなぁとか、綱渡りのときももっと細い糸で上から吊っているんだろうなとか、ロバの好きなにおいをチャップリンの体に染みつけたんだろうなとか、色々・・・。けど、(綱渡りに限った話で言えば)命綱なんかやらずに芸を成功させているわけですから、やっぱりスゴイ。この曲芸は何かタネがあるだろうと思ってしまうようなことを実際にタネなしでやってのけてしまうところが見事なのです。 
[映画館(字幕)] 7点(2005-05-08 01:11:04)
245.  哀しみのトリスターナ 《ネタバレ》 
どのように撮ったのか全くわからない。ドン・ロペの生首、片足のドヌーヴの撮影トリックには舌を巻くしかありません。本当に想像もつかない。その映像テクニックにドヌーヴのリアルな演技がかみ合って実にリアルな映画に仕上がっています。 話の前半は、養父である筈のドン・ロペが「私はおまえの養父であり夫である」などと言ってトリスターナを束縛し、都合よく体を求めてきたりと息苦しさが伝わってくるような毎日。画家と結ばれて好転すると思いきや、病気を患い再び元の家に戻ってきてしまい、後半に入るとトリスターナの人生はますます転落していくのですが、圧巻なのは、ドン・ロペがホットチョコレートを飲んでいる間のトリスターナの廊下の往復シーン。ドヌーヴの表情を執拗なまでに何回も見せているところがとにかく気味が悪い! この表情も不気味で不気味で仕方ないのですが、街中で車椅子に乗っているときにその隣を乳母車が通り過ぎると、自分自身も乳母車の中の赤子のような気分になり、見せる屈辱の表情。そして、口の利けない若者に自身の裸体を晒したときの表情には思わず息を呑みます。 タイトルは“哀しみのトリスターナ”なのですが、実は哀しむべきはもう一人の登場人物ドン・ロペではないかという見方もできると思うのであります。というのは、この映画が作られたのがブニュエルが70歳の時。しかも、彼自身も無神論者とのこと。と言うことは、この映画のドン・ロペはまさにブニュエルそのものである、という解釈も可能なわけです。私は、彼は原作の中のドン・ロペに自らと共通する何かを見出し、映画の人物設定にも自分自身の姿を組み込むことにより自らの苦悩を描き出したのではないかと思いました。この映画にとても自虐的でマゾヒスティックな一面をブニュエルのプロフィールを見てから感じました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-03-29 23:06:51)(良:1票)
246.  チャップリンのゴルフ狂時代 《ネタバレ》 
他の方のレビューと被ってしまいますが、この映画一番のツボはやはりシェイカーを振るシーンです。ここでは本当に大爆笑!口から出てきたボールをノーバウンドで打つチャップリンも凄いですが、忘れちゃいけないのが、ボールを吹き出すオッサンでしょう。表情を変えずにやるから凄い。この時代からあんな曲芸ができる人がいたなんて驚きです。 全体のストーリーについてですが、私はバカなのでこの映画が風刺映画だということは解説を聞くまで全くわかりませんでした。私にとっては、下手に風刺や隠喩が入っていない単純な笑いのほうが合っているような気がしました。なので、控えめに7点ということで。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-03-21 23:34:15)
247.  偽牧師 《ネタバレ》 
ラストを飾る本作は、オープニングの音楽からして好印象!♪I'm Bound for Texas land~ですよね。しかし、最後のあれは解説を見るまで意味がわからなかったなぁ。 「犬の生活」でも犬の見事な役者っぷりに感心してしまいましたが、本作に登場する餓鬼もそれに負けず劣らずの見事すぎるくらいの暴れっぷりをカマしてくれます(あみものの棒を手にしたときの表情にご注目!)。 本作で驚いたのが、パンケーキをデコレートするシーン。笑いを取るのはもちろんのことなのですが、しばらくして持ち主が帽子を探し始まってから、帽子が出てくるのを今か今かと待ちわびているとき、帽子がケーキの上に被さっている事を知っているのはもちろん(当たり前ですが)それを観ている観客のみなのです。この、ちょっとしたドキドキ(ワクワク)感がこんな映画で味わえるなんて意外でした。これは、ホラー映画などでよく出てくる“観客が劇中の役者よりも先をいく(例えば、主人公が背後から襲われるシーンは、その役者は背後に気づいていないのだが観客はそれを知っているので、より一層のハラハラした緊迫感が生まれる)”という見せ方でしょう。さすが!
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-01-11 00:50:31)(笑:1票)
248.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
オープニングのお城の動く画に度肝を抜かれ、そのまま持っていかれたって感じですね。私にとって、あの動く城はネコバスに匹敵する驚き・感動があります。 この映画は、動く城の挙動の方に注目してしまいそうですが、むしろ主人公ソフィーの方に焦点を合わせて見るべきだと思います。ソフィーがお城の掃除をし、城の住人達と仲良くなり、母親役として貢献し、その過程でハウルに恋心を抱くわけですが、その時その時でソフィーの心情によって外見が若返えり、生き生きとしてくるところに本作のアイデンティティーがあります。なので、この映画はある程度お年を召した方が見ると、とても勇気付けられる印象深い作品に映るのではないでしょうか。観る前まではお城の構造や美術面の方に期待を向けてしまっていたので、テレビCMなどで流れていた主題歌を聞いたときはちょっと違和感があったのですが、ソフィーをメインにこの物語を追っていくとラストで流れる主題歌が非常にマッチしてることがわかり、倍賞千恵子の歌声が非常に心に染みわたってきて思わずじーんときてしまいました。 また、ソフィーと千尋を置き換えて考えると、主人公の成長を描いたという見方をすれば前作とも似ていなくもないような気がします。 確かに皆さんの仰る通り、登場人物たちのそれぞれの行動の理由(特に後半)や心情の描写が描ききれていなかったようにも思えますが、それを差し引いても素直に良かったと言える作品だったと思います。DVDの販売を最低でも1年以上は空けるらしいので、是非もう一度観に行ってみようと思います。ところで、ハウルの人物像は(キムタクがハウルを演じたというよりも)ハウルをキムタクのキャラに似せて作ったのではないかと思いました。
[映画館(邦画)] 7点(2004-12-02 13:59:31)
249.  熊座の淡き星影 《ネタバレ》 
初鑑賞から約3年ぶりに、観る機会があったので観て来ました。 映画が始まって間もなくのオープニングクレジットはやはり格好良かった。 2回目の鑑賞で、モノクロ映像の美しさを存分に堪能できる作品だということを再確認。この映画は、ストーリーがとにかく暗い。映像もまた、非常に暗い。地下室のシーンだったり、夜に散策するシーンだったりと、とにかく光のない場面のみを選んで撮っているかのように、暗さが目立ちます。しかし、顔をアップにして映すシーンでは、表情がわからないくらいの暗さでありながら、目の中の白目だけが表情を出し“演じて”いる。また、地下の螺旋階段の下で姉弟が出会うシーンでは、ジャンニの指に光る指輪を水溜りの水面に反射させ、巧みにその存在を強調することによって、ジャンニの異常さを醸し出している。モノクロ映像は白か黒か、である。画面が黒で満たされれば、おのずと白が際立つ。カラーの映画ばかりを観てばかりいると見過ごしてしまいそうですが、映像のみでその存在を際立たせるというのは、やはりモノクロ映画の真骨頂でしょう。 また、音楽の使い方も個性的で面白い。映画全体の半分近くのシーンにピアノのBGMが流れていたように感じられましたが、これが何とも言えぬ哀しげな旋律で、非常に美しく、これも印象に残ります。 ストーリー展開も、物語の中に存在する“過去の出来事”を最初にほのめかすことによって観客を引きつけ、話が進むにつれてだんだんとジャンニの本性が現れ、歪んだ姉弟愛が暴かれるラスト(特にジャン・ソレルの演技)は圧巻の一言。 ただ一つ、カメラのズームイン・アウトが非常に多かったのがちょっと違和感があったように思えます。ちゃんと普通にカットを割っても問題ない箇所ばかりだったので、ちょっとこれは勿体無いような気がしました。 この作品も貴族階級の廃退やそれぞれの人間模様が描かれていて、ヴィスコンティ監督のファンにとっては十分に楽しめる作品であると思います。自分としては貴族階級を描いた作品というのは肌に合わない気もしますが、監督したほとんどの映画に、テーマが一貫して存在するというのはやはりカッコイイですね。
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-18 20:27:09)
250.  或る夜の出来事 《ネタバレ》 
この映画は話の展開がとにかく面白いです。現代の感覚で見ると“お約束”ギャグ満載なストーリーなんですが、ギャグのオチがわかっていても十分楽しめます。若干ではありますが、ややご都合主義なストーリー展開も“お約束”としてつっこまずに見れば良く出来たシナリオだと言えるでしょう。 この映画は、なんといってもエリーですよ。最初はイヤな女に見えていたのが、ストーリーが進むにつれ段々とチャーミングに見えてくるから不思議。ヒッチハイクの時、「私は寝てるから、つかまったら教えてね」なんて言って寝てしまうシーンとか、その直後に車を捕まえて後部座席で楽しそうに話をしている表情なんか凄くカワイイじゃないですか。 クラーク・ゲイブルとのコンビもまた絶妙で、彼がモーテルで服を脱ぐシーンやヒッチハイクのやり方を雄弁に語るシーンなどは脚本の良さはもちろんですが、やっぱり彼の演技力がとても光っていたと思います。 ところで、「ブランコ乗り」の歌をみんなで唄うシーンですが、どうやってあのシーンを撮影したのかがちょっとわかりません。カメラの位置ですが、まず運転手の前に1台、前方からバス全体を見渡すカメラが1台、エリーをサイドから映すカメラが1台、後部座席の楽器を奏でる人たちを映すカメラが1台あり、一つのシーンをその4台のカメラで同時に撮っているだろうと思われますが、エリーのサイドのカメラは被写体から1メートルくらい離れているように見え、エリーの脇には壁がないにもかかわらず、前方からバス全体を俯瞰するカメラに切り替わるとエリーの横にはちゃんと壁があるわけなんですが、このシーンはどうやって撮影したのでしょうか???歌も口パクで唄っているようには見えないので後から音楽だけ付加したようには見えず、かつ、音楽もモンタージュで途切れることなく流れているのでどう見てもワンテイクを複数のカメラで撮影しているに違いないと思うのですが・・・。 それにしても、芸能人でもないただの民間人の一挙一動が新聞のトップを飾るなんて、いい時代ですよね。
7点(2004-11-07 12:53:15)
251.  ローマの休日
オードリー作品は「麗しのサブリナ」に続いて2作目なのですが、これもなかなかいいですね。 まず、ストーリーはこの時代に公開したら絶対ここまで人気が出なかっただろうなという、とんでもなくシンプルなもの。50年以上前に作られたからこそここまで人気があるんだろうな、と思います。 この映画はやっぱりモノクロで正解ですよ。中途半端な新しさがあったら絶対にこんなに人気出ないはず。不朽の名作と言われるまでの長い歳月がこの映画の面白さを外側から助長しているのではないでしょうか。この映画を見て感動した人にはもっと色々なモノクロ映画を見てほしいと思います。そして、自分だけの“不朽の名作”を見つけて下さい。必ず見つかります! 今は価値観が多様化してしまっている時代ですから、こんな万人受けするストレートなストーリーを作るのはこの時代じゃまず無理な話でしょう。この時代の作品だからこそできたこのストーリー。そして、この感動。 そう、この“普遍的な感動”こそがクラシック映画最大の魅力なのです!※
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-07 00:47:41)
252.  まぼろし 《ネタバレ》 
「あなたには重みがないのよ!」で、後ろに座ってたバカな男があのセリフを鼻で笑っていたんですが、ホント最低ですよ。あのセリフはあくまでも“重み”であって、物理的な“重さ”ではないです(多少はあるかもしれませんが)。その少し前のベッドシーンの時には「だって、あなたって軽すぎるんだもの」と、まだ笑うこともできるくらいだったのかもしれませんが、時が経つにつれてだんだんと夫をなくしたという、事の大きさを認識し始めたということでしょうか。 最後の、マリーが夫に向かって駆けていくラストはいろいろな解釈が可能だと思いますが、私はあのシーンで目を疑いましたよ。私にはマリーは夫よりも先の方まで走っていってしまったように見えました。つまり、あのときマリーは夫が見えていなかった、マリーにはもう夫のまぼろしさえも見えなくなってしまった、と解釈しました。気分が晴れることによってまぼろしを見なくなるのではなく、見えなくなってしまったのではないでしょうか。 おすぎがこの映画を絶賛してたらしいのですが、「ラストがも~スゴイ!」のようなことを言ってたそうで、おすぎのラストシーンの解釈をぜひとも聞いてみたいものであります。 しかし、このフランソワ・オゾンという監督は最後の“締め”が非常にうまい。私はこの監督の作品を見るのはこれで3作目なのですが、この人はエンディングを考え出すことにおいては明らかに特異な才能を持っている。特にラストのエンドロールに移るワンカットを選ぶセンスが素晴らしい。 全体の流れとして終始単調なリズムだったのと、ベッドシーンでの露骨な描写(スイミング・プールのアレとは違いこの映画ではヌードをさらす必要性が全くない)をもう少し抑えればもっと良い作品になったと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2004-11-05 00:17:03)(良:1票)
253.  穴(1960) 《ネタバレ》 
「大脱走」、「アルカトラズ~」と見てきましたが、ウワサ通り(笑)やっぱりこれが一番面白い。この2作品は看守の甘さなどが原因でやや不満もあったが、本作においては不満のつけ入る隙が全くといって言いほど存在しない。 他の脱走ものと決定的に違うのは、囚人たちの真剣さが見ている側にもひしひしと伝わってくるところであり、ストイックなまでにひたすら穴を掘り続けることによって映画全体に並々ならぬ緊張感が生まれているところだ。床に穴を掘るところを見ると文字通り“力作”だなぁと感じてしまう(終盤の下水道の壁に穴をあけるシーンにカットが入ってしまっているのが非常に惜しい。2時間半の映画になってもいいからあのシーンはぜひ長回しで撮って欲しかった)。 また、小物の使い方も極めて秀逸であり、柱を影にして看守の目を逃れたところは、あれが映画の演出でなく本当にあれで難を逃れたのだとしたら驚愕ものである。 そして、最後にロランが放った「情けない奴だ」のセリフ。これは極めつけのセリフだ。 ガスパールは裏切ったのか?ということを後から考えているようではダメである。 これは無知な自分に向けられているようであり、非常に痛かった。※
7点(2004-09-19 20:00:27)
254.  ボウリング・フォー・コロンバイン
素直に面白かった。取り上げているテーマも興味深く決して見て損はないと思う。ドキュメンタリー映画って初めて見たけど、こういうのも悪くない。よく、映画の中で出演者が監督のメッセージを代弁していたり映画全体が比喩的な表現をしていたりする映画ってあるけど、そんなイヤラシイ訴え方よりも断然この映画のやり方のほうが自分は素直に受け入れることができると思う。結局、答えは出ずじまいのままで終わったけど、アメリカの銃社会について考えるきっかけを与えたこの映画の功績は評価したい。※
7点(2004-09-16 23:55:53)
255.  麗しのサブリナ 《ネタバレ》 
ビリー・ワイルダーの映画は初めて見ましたけど、この映画でワイルダー好きになりました。随所にちりばめられた小ネタにヤラレタって感じ。 「The moon's reaching for me.」や「今は月にロケットを飛ばす時代だ」もいいのですが、私が一番気に入ってるのが、「幸福な恋ならスフレが焦げ、恋に破れてるとスイッチを忘れる」(←なんとなくそんなような気がする)でしょうかね。あと、「昨日はお湯の沸かし方を習いましたが・・」にも笑わせられましたが、サブリナのお父さんが手紙を読んでいるときの「That's good.」と「That's bad.」の繰り返しが最高でした! 穴のあいたハンモックやラージサイズの気付け薬などの小物使いもとても良く、また、メインのラブストーリーはともかくとして、この映画に出てくるララビー社がプラスチック会社だというのがうまい設定で、むしろそっちの方にストーリーの良さを感じてしまいました。サブリナの心変わりに疑問を感じる人がいて、それでこの映画をつまらないと言う人もいるのはわかりますが、フランスに恋するサブリナの気持ちが映画全体に溢れていてそれが主人公の人物像をうまく引き出しているところや、「前の席と後ろの席があって、間に仕切りがある」などのキーワード的なセリフがあったりと、トータルに見て一作品としての構成が良く、最も(?)映画らしい映画って感じがします。 あと、♪We have no banana~は私も好きですよ(笑)。
7点(2004-09-12 13:39:00)
256.  人間椅子(1997) 《ネタバレ》 
これも、「双生児」と同じ日に拝見しましたけど、こちらもなかなか面白かった。 この映画では、家具職人がふとしたことがきっかけでちょっと変わった性癖を持ってしまうのですが、まぁ、これはわからなくもないような気がしますよ。 最近の世の中は昔と違い、価値観が多様化してきてますから実にさまざまな要求や願望がいろんな場面で交わされるわけです。もちろん異性の好みや性癖についても同様のことが言えます。しかも、この多様化した好みというのはなかなかそれに合う人が見つかりにくいのもまた事実で、もし、それが偶然にもうまい具合に合う人がいれば、それはもう水を得た魚のように二人の絆は一昔前の今ほど価値観が多様化していない頃の異性の結ばれ方とは比べものにならないくらいの強い絆で結ばれるものではないかと思います。 この映画では結局、こんな風変わりな性癖がきっかけで夫婦間の仲を取り戻すことができ、ハッピーエンドとなったわけですが、これは現代人へのちょっとしたメッセージとしても取ることができます。 同じ性癖とまではいかなくても、同じことを考え、同じ趣味を持ち、同じ苦痛を共に感じるってすごく大切なことですよね。 ところで、佳子が手紙を読んでいるとき、「もうお気づきのことと思われますが・・・」の後、佳子と同じように後ろの椅子に気を向けてしまっている自分がいました(笑)。※
[映画館(邦画)] 7点(2004-09-10 00:00:56)
257.  双生児 《ネタバレ》 
面白かったです。今まで日本映画バカにしていました。 世界観というか雰囲気というか、映画全体に流れている独特な感じが妙に綺麗で怖かったです。井戸に落とされるシーンで「りん か?」って言った瞬間いきなりワッ!と来たときは、かなりビビッた。ケツが1センチ浮きました(笑)。来るぞ来るぞ~って思わせといて、ワッ!とビックリさせられるのも怖いけど、ああいう驚かせ方もいいですね。 もっくんも良かったけど、それ以上にりょうの演技がとても魅力的で印象に残りました。※
7点(2004-09-09 18:15:45)(良:1票)
258.  十二人の怒れる男(1957)
この映画を見た後に思い出したのが、何故か「サイコ(60)」のマーティン・バルサム演じる私立探偵アーボガストの「我々の仕事は、世間で評判の善人を疑うこと。」というセリフ。この作品にも通じるところがあるなぁと余計なことを考えてしまいました。 それはこの映画で、誰が見ても明らかに有罪であるというこの事件を疑うことから出発した第8陪審員ヘンリー・フォンダの勇気ある態度からこのセリフを思い出すに至りました(笑)。そのマーティン・バルサムはこういう役(議長役)がすごく合ってると思う。「サイコ」の私立探偵役も良かったがこの作品でも見られるまじめな態度が好印象だった。 さて、肝腎のこのストーリーもなかなかのもの。すべての議論にこじつけがましい点も矛盾点も一切なく、見る側の人間のほとんどが完全に論破されたに違いない。やはり多くの方が仰る通り、それは脚本が優れているからなのだと思う。また、登場人物の一人一人においてもうまく個性が出されており、これもまた優れた脚本によるものである。 ひとつ不可解な点があるのだが、後半部分でエド・ベグリー演じる第10陪審員が議論を展開しているときにみんながそっぽを向いてしまったところがどうしても理解できない。リー・J・コッブだって有罪派のはずなのになんであのような態度をとったんだろうか。議長までもが無視してたのは過剰な演出では?それと、後ろに流れる音楽もいまいちだと思う。もっと重厚な音楽を使うべき。ラストシーンには合っているかもしれないが、2回目の投票のときにあの曲が流れたときは、ちょっとシラけた。 ヘンリー・フォンダは、自分は先に「未知への飛行」を先に見てしまったため、この映画でのヘンリーはこれ以降の作品よりも若いためか貫禄がなく、この映画の衣装も庶民的だったため今ひとつの印象を受けた。ヘンリー・フォンダのファンは「未知への飛行」を見るべし。
7点(2004-09-06 19:19:07)
259.  マッハ!!!!!!!! 《ネタバレ》 
とにかく「凄い」の一言!「スゲ~」の連発ですよ。 個人的には、序盤の逃走シーンが一番好きですね。あれはもはや曲芸でしょう。アクションそのものもスゴイけど、それの見せ方がうまい。主人公の走る先に車を写しといて「もしかして飛び越えちゃうんじゃぁ・・・」って思ったら本当に飛び越えちゃったり、前方にガラスが立ててあるところを先に見せといて「もしやあの隙間を・・・」と思わせて本当に間をすり抜けちゃう!車の下の隙間が見えたときも「まさかこの下を・・・」と思ってると本当に下をくぐり抜けちゃう!!この見せ方、ある意味サーカスですよ。格闘シーンもまたスゴイ!もう、目つきからしてハリウッドの映画スターとは格が違う。真剣味が全然違う。頭蓋骨割れちゃうんじゃないかってくらいの肘鉄・膝蹴りのオンパレード!回転蹴りも普通より余計に廻っているような気がして迫力があった。スローでじっくり見せるリプレイも主人公の表情がよく見えてて気迫まで伝わってきました。鬼気迫るあの表情だけでもこの映画を見る価値はあります。 名台詞の投稿の所の「せめてエンジンくらいかけさせろ!」にはホント同感。あれには笑わせてもらいました。 キアヌ・リーヴスが1年間かけて特訓したというマトリックスとは違い、こちらは5年間かけて準備したというから頭が下がります。やっぱり、違いがよく出てますな。
[映画館(字幕)] 7点(2004-09-02 12:43:06)
260.  鏡の国の戦争 《ネタバレ》 
戦争の非情さが痛いほど伝わってくる重い映画だった。 戦争の悲しさや無常感を描いた良作は他にも多々あると思うが、それらに決して劣ることのない出来だと思う。エイブリー演じるアンソニー・ホプキンスの言葉一つ一つが痛切で心に重く焼きついてしまった。本作のタイトル通り、国境を境にしてそれを鏡に見立てたサブプロットも興味深い。 途中で出てきた自転車の集団や羊の群れは一体何を意味していたんだろう・・・。 ちなみに、原題The Looking Glass Warの“looking-glass”は鏡という意味で、mirrorよりも上品な言い回しだそうだ。※ 
7点(2004-08-31 17:51:06)
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230.55%
391.66%
4295.35%
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716630.63%
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9234.24%
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