261. 安城家の舞踏会
華族制度廃止をリアルタイムで尚且つ終戦直後に豪華キャストで豪華セット装飾に驚き。財産税で没落してゆく安城家、新興成金親娘、元運転手の会社社長。各人思惑が生々しく迫ってきます。浮世離れした安城家の面々で長男を演ずる森雅之さんの不安に蓋をして斜に構える言動が絶品。いつの間にか無くなってしまったたおやかで美しい日本語が印象的。育ちの善し悪しがあっても自分の価値観に従って生きる事に考えが及びました。秀作です。 [インターネット(邦画)] 8点(2022-05-13 14:40:08) |
262. 熱砂の秘密
連合国万歳作品であってもスリル満点での怒濤の展開はワイルダー作品ハズレ無しの快作。 怪物チックなロンメル将軍を演じたエリッヒ・フォン・シュトロハイムの強烈に過ぎる怪演が特筆もの。ジェームズ・メイソン版ロンメル将軍とどちらが実際人物に近いのか興味深いところです。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-05-09 03:05:52) |
263. 廃墟の群盗
練り上げられた起承転結どこをとっても見応えたっぷり、魅入ってしまった画の美しさも特筆もの。リチャード・ウィドマークはデビュー2年目にしてあの「フェフェフェ」笑いを炸裂させる狡猾キャラが抜群の存在感。グレゴリー・ペックありきな脚本と割り切れば白ける一歩手前で超オトコマエな小悪党を堪能出来ます。グーパンチ一閃でペックをダウンさせたアン・バクスターのキラキラした美しさも印象深い。「約束とは」を見せてくれた名匠ウィリアム・A・ウェルマンの快作。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-05-04 20:49:45) |
264. アイム・ノット・シリアルキラー
《ネタバレ》 昼食摂りながらの鑑賞は無謀でした。即停止、仕切り直し(恥・省) ゲテモノ作品かと思いきや、しっかりとした筋立てでした。 ソシオパス≠シリアルキラー、尚且つ、妻を守る為に生きる、その為の殺戮行為≠シリアルキラー 脚本にも携わっているクリストファー・ロイドは流石の名演熱演怪演。 もんの凄いシーンには息が止まりました。掘り出し物の一品です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-04-27 16:12:07) |
265. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
43年間の映像技術の進化をまざまざと感じるシーザーの喜怒哀楽ぶりと躍動感に満ちたカメラワークに釘付けでした。新薬に関する雑な展開は鑑賞後に「そういえば・・・」思い返されるものでした。 [DVD(字幕)] 8点(2022-04-11 11:39:01) |
266. 天国の笑い声
DVDタイトルは「オードリー・ヘプバーンの 素晴らしき遺産」ですが、彼女の出番は2回で計1分程。画面に映えるキュートな姿が目を惹きましたが、彼女お目当てで鑑賞された方はがっくりかもしれません。 しかしながら本作は掘り出し物でした。 イタズラ好きな富豪の遺産を相続する4人はそれぞれに与えられたムチャクチャな課題をクリアしなくてはならず、四苦八苦模様に大笑いさせられ、お金は必要だけど重要ではない事に気づく姿にしみじみとさせられ、何となく予感があったオチにスッキリ爽快。 全員の達者な演技に魅入ったウェルメイドなコメディであり、多くの方に観ていただきたい作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-30 02:13:58) |
267. 狂恋(1935)
《ネタバレ》 医学を征服した天才外科医の私なのだから、舞台女優のイヴォンヌも征服出来る!狂信に満ちたゴーゴル博士。ハリウッドデビューのピーター・ローレの血の通わない語り口にゾッとさせられ通しの怪演ぶり。列車事故で両手が潰れたピアニストである恋敵なフィアンセを陥れようとナイフ投げ名人にして殺人罪でギロチンにかけられた男の手に付け替える。落語「犬の目」のような話で何となく展開も分かるのですが、当然ながら笑い話ではなく哀れな結末に行き着きます。博士の終盤の暴走ぶりがいまひとつだったものの、短い尺に詰め込まれた見事な脚本でのキレのよい展開に緊張が途切れる事の無かった秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-27 12:50:34) |
268. マーズ・アタック!
以前に観ているのですがジャック・ニコルソン出演以外記憶無し。 豪華キャストの中でシルヴィア・シドニー86歳のお姿が拝めるとは奇跡的で無限へぇ。笑顔に往年の面影があり、美味しいところを持っていったラストパフォーマンスに大拍手。 問答無用の殺戮集団火星人は突き抜けぶりに笑わされ、且つ、アメリカの建国に於ける先住民に対する仕打ちそのもので萎える部分もありました。 今度は記憶に留まるであろう怪作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-14 16:20:10) |
269. 続・猿の惑星
現在の紛争模様を見聞きしていて、荒唐無稽なバカ話には思えず、始終息を詰めて観ていました。 子供や孫の世代が陽の光を浴びず地底人として生きなきゃならんのか、エトセトラ、エトセトラ。考えさせられた作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-11 03:24:05) |
270. 手錠のまゝの脱獄
《ネタバレ》 脱獄ではなくて逃走話。いがみ合いながら絆が深まってゆくというのは予定調和で淡々と眺めていたところでの子供の登場に仰天。その子の母親によろめきドラマに話が向かうのかと思いきや。当時の世相を浮き彫りにさせる彼女の言動は本作MIPで見事な脚本に唸ります。ヒトとヒトとの繋がりを世に問うた名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-06 22:54:29) |
271. 狂へる悪魔
《ネタバレ》 邦題と画質の荒れが102年前を感じさせるジキル博士とハイド氏が描かれた無声映画。 ジョン・バリモア>>>>>フレデリック・マーチ(1932版)>スペンサー・トレイシー(1941版) 超絶過ぎるオトコマエ貴公子が特殊メイク無しのアイーン顔での最初の変身シーンは強烈にも程があり久々のリプレイタイム。 哀れを誘う最期の横顔の美しさも目に焼き付きます。 本作がデビューとなった毒婦女優ニタ・ナルディを初めとする共演陣が影が薄く、字幕で語られる個々の胸中が今一つ表現されていないところの物足りなさもバリモアの怪演に押さえ込まれます。 善だ悪だと言っても価値観、本質は一つだと思わされる秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-02-04 14:26:13) |
272. いのちの紐
《ネタバレ》 先日94歳で大往生を遂げられたシドニー・ポワチエ出演作で共演がご贔屓アン・バンクロフトに惹かれての鑑賞。 眼力が持ち味の両優ガップリ四つな演技に釘付け。一度も相まみえることが無かった演出は粋ではありますが、そのシーンが見たかった欲張りな思いが止まりません。テリー・サバラスを始めに脇を固める面々も機能しており、一人の身勝手な女性を救うべく一丸となる協会、警察、電話局の仕事ぶりにハラハラし通しでした。 錚々たるキャスト・スタッフを束ねる31歳シドニー・ポラックの監督デビュー作というのに「へぇ」が無限大。良作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-01-30 18:47:44) |
273. しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
《ネタバレ》 私的にはエベレットの物語でした。不器用で無骨な彼が自分に正直になっての「捨てないでくれ」にはこちらも感無量。静かな語り口での深い愛情物語は記憶に留まる秀作でした。 [DVD(字幕)] 8点(2022-01-23 00:07:38) |
274. 猿の惑星
《ネタバレ》 初見。チャールトン・ヘストン出演以外の知識無し。 言葉を発せられなく猿に先祖返りしたような人間達とオランウータン、チンパンジー、ゴリラの上下関係を持った人間さながらな猿達の対比が興味深い。 結末に唸らされると共に千年万年単位の地球の有り様や生まれてこれまでの自分の有様に思いを馳せる余韻の深いSFの名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2022-01-17 15:29:49)(良:1票) |
275. エースの中のエース
二日間に亘って劇場鑑賞した5作品の中でピカイチ。良く練られた脚本での奇想天外に過ぎる展開でジャン=ポール・ベルモンドは言うに及ばず登場人物&小熊が味わい深くスクリーンに釘付け。中でも音楽が特筆ものの素晴らしさで少年救出に空路かけつけるシーンに鳥肌がたち酔いしれました。鑑賞後にウラディミール・コスマによるものと知り納得脱帽。ジェラール・ウーリー監督快心の傑作に大満足であります。 [映画館(字幕)] 8点(2021-12-27 23:57:44) |
276. リオの男
意外としっかりしたストーリーに於いて理屈抜きで彼女救出に奮闘するジャン=ポール・ベルモンド。その全力疾走シーンに惚れ惚れ。突き抜けたアクションにも体を張って全力で挑んでいるのでしょう。大満足の良作です。 [映画館(字幕)] 8点(2021-12-27 01:42:35) |
277. 007/リビング・デイライツ
ティモシー・ダルトン初体験。硬軟自在の姿に大いに惹かれました。しっかりした筋立てで目の離せないスパイ活劇でした。ただ、ジェームズ・ボンド像としては何か違和感がありました。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-12-09 00:27:26) |
278. 007/オクトパシー
オープニングクレジットでのルイ・ジュールダンに座り直しました。往年の二枚目色男らしい紳士然とした立ち居振る舞いでありながら、狡っ辛く冷酷な悪役ぶりは期待以上で大満足。手を汚さない彼に絶対服従なターバン姿の手下が贔屓のタイガー・ジェット・シンを思わせる迫力で満足。征服欲の塊な将軍とのスリーショットは悪の枢軸でありゾクゾク。ストーリーがしっかりしていて最後まで結構手に汗握りました。お顔立ち、色気、哀愁、キレ、甚だしく欠けるモード・アダムス(-1点)のミスキャストが実に惜しいところです。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-12-06 15:53:30) |
279. 飢ゆるアメリカ
WW1で武勲を横取りされドイツ兵との捕虜交換により帰還。戦傷が原因でのモルヒネ中毒で職場である銀行の金を使い込もうとするのに行き着く所まで堕ちて行く姿を想像しましたが。この件は話の糸口に過ぎず、71分によくこれだけ盛り込めたと驚く山あり(僅か)谷あり(大部分)の展開で、それぞれ自分の事しか考えない、資本家、労働者、共産主義者、赤狩りにいいようにされ貧乏くじを引き続けるリチャード・バーセルメス。それでも腐らないばかりか他人を思いやる姿は信じ難いもので、大恐慌の最中でヘイズコード制定直前に「負けたらアカン」監督の熱いストレートな思いが迫ってくる秀作です。 若きロレッタ・ヤングの瑞々しさに好感。アリーン・マクマホンの存在感も印象的。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-11-29 02:18:00) |
280. 弾丸か投票か
《ネタバレ》 冒頭にニュース映画という形で金儲け以外頭にない阿漕なギャングの実態を提示しておいてイザ始まる対決模様。エドワード・G・ロビンソンが強面刑事。バートン・マクレーンがギャングボス。ハンフリー・ボガートがナンバー2。途中までミスリードしてしまった(恥ずかし)脚本がお見事。死亡フラグがしっかり立っている三人と紅一点ジョーン・ブロンデルそれぞれ手堅い演技を見せてくれます。ブロンデルとの別れ(切な過ぎる)からエンドマークまで握り拳硬直状態「・・・・よう、頑張った!」43歳若き千両役者ロビンソンが作品の着地をピタリと決めてくれました。秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2021-11-23 22:54:38) |