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 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。141ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3877
性別 男性
年齢 53歳

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2801.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎
まず面白いなーと思った点、冒頭の主題歌の部分。主題歌が流れる中、映像は旅先の寅さんを映し出す。主題歌が流れているわけだから、普通ならこの主題歌の映像は「効果音」の無いパントマイムとなる。しかし今回、映像がお祭りのシーンとなったところで、珍しいことに、祭囃子の音が主題歌に重ねて流れ出す。この音の重なり方自体には、何の計算も何の調和も感じられない、およそデタラメなカオス状態。しかしゲテモノ音楽に多少なりとも関心があると、こういう瞬間に、つい興奮してしまう(笑)。主題歌という言わば「恒例行事」に、思わぬ音が交じり合い、両方の音は反発し合いつつも、背景の祭りの映像が両者をギリギリ接着している、という、このスリル。ああ、楽しい(←バカ)。さて、次に本作で面白いと思った点はというと・・・何かあったっけ?(笑) この映画、基調はどうにも暗い。主題は要するに「女心は謎」、まさに単純な男にとって最大のミステリー。この壮大なる謎だけでも充分に映画全体に暗雲を立ち込めさせ、空気を重くする。このジメジメ感をどう映画的に処理するかが腕の見せ所だろうけど、これがあまり上手くいったようには感じられませんなあ。充分に重苦しいクライマックスの背景に、わざわざ嵐の効果音だなんて、ナントモ工夫が無い。結局、テーマを丸投げしたような強引な展開となりますが、劇中の二度の結婚式シーンが、唐突ながらも華やかさを見せ、かろうじて映画のバランスを取ろうとした、と言うところでしょうか。ラストも飛び切りおバカなドタバタ。あのクマはスゴい。CGですかね(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-11-03 23:04:21)
2802.  処刑遊戯
「殺し屋の孤独」とか、「裏切り」とか、はたまた「寡黙さ」とか、まー言ってみればその方面の作品としては常道のキーワードで成り立ってる映画で、そういう意味ではアリキタリなんだけれど。でも、そういうアリキタリさを、村川透が、あるいは松田優作が、どう料理するか、ってところが、やっぱり楽しみだったりするのであります。王道と邪道のせめぎ合い、とでも言いますかね。そう言っちゃうと大仁田厚のプロレスみたいでイヤですね、うひょひょ。 およそ、感情というものを一切排したまま映画は進行し、いよいよクライマックスには、例によってド緊迫の超長回し銃撃戦が展開! 「ヨッ!待ってました!」と声のひとつもかけたくなる、というもの。
[地上波(邦画)] 7点(2006-09-28 22:53:19)
2803.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 
この頃にもなると、渥美清も、寅さん役がキツくなってきてたのか、派手なパフォーマンスが見られなくなってきてますが、その点、本作は、「寅さんが僧侶見習いになっちゃう」という設定が実に秀逸。あんまり動かずに笑いをとる、ということに成功してます。博の父・ウン一郎氏の墓参りに来た寅さん、墓石にシンミリ語りかけ、ホロリとさせる場面ですが、その後がイケナイ。ひょんなことからナマグサ坊主と意気投合、しかも坊主の娘が美人とくれば、もう寺にすっかり居座ってしまい、坊主の代理で大活躍。諏訪家の法事に、坊さんに付いてノコノコやってきちゃう。これが可笑しいのなんの。博が実兄を「兄さん」と呼んだのに寅さんがウッカリ返事しちゃうシーンには、大笑いしてしまいました。これと似た場面がもうひとつ。本物の坊さんと共に諏訪家にやってきた僧侶姿の寅さんに、「おじさんだ!」と満男だけが気付く場面があるが・・・これは本当に寅さんを見て「おじさんだ」とつぶやいたのか?もしかして、ホンモノ僧侶役の松村達雄の方を見て、「あ、2代目竜造おじちゃんだ」と指摘したのではなかろーか?(笑)。ってか、てめーだって2代目満男だろうが、と、つい、つっこんでしまう。←こんなことばっかし言ってると、それこそ竹下景子に「そこまで考えなくても」と突っ込まれそうですが(笑)。ところで、この映画の物語、実に何も解決していないお話であります。諏訪家の遺産騒動に始まり、松村坊さんも息子とギクシャク。息子・中井貴一は勘当されたまま、東京で冴えない暮らしを続け、杉田かおるとの長距離恋愛もこの先どうなることやら(いずれ結婚しても飛び蹴りくらうだけ?)。そんな中で比較的うまくいきそうなのが、寅さんと竹下景子の関係。いやいやそう上手くはいくまい、しかししかし・・・と宙ぶらりんのまま、別れの柴又駅。ここでの2人の関係の微妙な揺れ動きは、まさにサスペンス映画と言えそうな程のドキドキ感、しかしやがて電車が着き、彼女は乗り込み、ドアが閉まり、あっさり電車は去っていく! この無情さ! 哀しい別れに、おもわず「あー」とつぶやいてしまいました。一方、諏訪家の騒動も、亡父の生家を売り払うという現実的な選択に終結しますが、それを補うごとく、「なんと博が、遺産をタコ社長の工場に投資しちゃう」という、現実離れしたファンタジックなオチ。うーむ、博、次期社長の座を狙っているのか?
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-25 22:37:10)(笑:4票)
2804.  男はつらいよ 翔んでる寅次郎 《ネタバレ》 
このシリーズ、ワカリヤスサが売り、という部分があり、状況説明のセリフが必要以上に入ってしまって、「今のセリフは無くてもよかった(無い方がよかった)のに」と思ってしまうことがあります。しかし一方、それを補うかのように「観る面白さ」を全面に押し出した場面、というのが盛り込まれていて、その代表がやはり冒頭主題歌の背景に流れる、寅さん帰郷のシーンですね。特にこの本作、サイレント時代の喜劇映画を思い起こさせる、久しぶりに活きのいいドタバタを展開してくれます。このドタバタを、“一歩引いて”撮る。という「一歩引いた感覚」、コレが、本作は、全編にわたってしばしば見られます。前半の、北海道の雄大な自然を捉える場面などのロングショットもそうですし。それに、何と言っても、一つの画面の中で複数の物語が同時進行する場面が頻繁に見られるのが、目を引きます。画面手前においてある会話を捉える一方で、画面奥では別の会話が始まっている。そのようなシーンが、意識的に多く取り入れられているようで、何だか実験的なニオイすら感じられます。そしてこのニオイが、クライマックスでしっかり活かされていたりする。クライマックス、最後は寅さんが失恋して旅に出る、というのがいつものパターンだけど、本作では寅さんは予想に反し、柴又に残り、マドンナの結婚披露宴に出席します。この披露宴の席で、宴が進む中、画面奥にマドンナの母親がひっそりと現れる、という、例の「同時進行」のパターンが登場。これにより、感動がさらに盛り上がります。失恋相手の仲人役というつらい立場の寅さんも、この素敵なラストには、まさに柴又に残った甲斐があったというもの。さらに最後は大サービスで、新郎・布施明が歌を披露するというオマケつき、「素人のくせにウマすぎるだろ~」なんて、言いっこなし。こういう楽しさもまた、いいじゃないですか。というわけで、伏線による統一感と、物語の爽快感が、心地いい映画でした。ところで、桃井かおりの花嫁姿、何だかコワかったですねえ。やっぱり、何か特殊メイクでもして、あのコワさを出したんでしょうねえ。まさか本当にあんなコワい顔なんじゃあ、ないでしょうねえ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-18 23:06:17)(良:2票)
2805.  特攻大作戦
重罪人を掻き集めて作ったポンコツ特攻部隊。前半は彼らの特訓が描かれますが、何ともユーモアにあふれてます。そもそも戦争自体にヒューマニズムは無い、だからこそ映画も、「ホラ、戦争ってこんなに非道なんですよ」、なんてことは改めて語ったりしない。「ホラこんなに残酷」などと、「ある点」を強調してしまえば、ひとつの残酷さは示せるが、一方で「他の点」を糾弾しないこと、間接的に「認めること」になりはしまいか。戦争とは首尾一貫して矛盾に満ち、残酷なものなのに、「あるキタナい一面」のみを強調するという「キレイ事」に走ってしまうと、その先にあるのは単なる安心感でしかない。この映画はそのような態度を否定しています。あえてコミカルなタッチで描き、それと同時に、描かれる内容は決してキレイ事ではない、ということ。ここで描かれているのは、「善い」とか「悪い」とかいうことではなく、強いて言えば、この「汚い12人」のギラギラした生命力、でしょう。このキレイ事ではない、という点は、クライマックスの特殊作戦にてさらに顕著になります。作戦中、あのギラギラしていた「汚い12人」はバタバタと倒れていき、そこには何の感傷もなく、まさに消耗品としか言いようが無い。作戦自体も、無抵抗のドイツ人を一方的に虐殺する、という、まるでヒロイズムが感じられないもの。そもそも、アメリカ軍人がドイツの軍服を着て戦うのって、ヒギンズの「鷲は舞い降りた」にもあったように、ジュネーヴ条約違反だったりするのでは? などなど、普通のアクション映画であればクライマックスを観りゃあストレス解消、スッキリするものを、この映画では、それまで物語の背景に隠れていた(とは言え薄々感じていた)「戦争の矛盾」というものが、クライマックスで容赦なく噴出して、スッキリしないような、ちょっとスッキリしたような(←ドンパチ観るとやっぱり興奮しちゃうんだもん。笑)、複雑な気分になる映画、であります。ちょっとケチをつけさせてもらうと、12人の罪状というのが、少し同情できるような点のあるものが多く、ちょっと「キレイ事」っぽくて、イヤでしたね。「無難なバランス感覚」という打算を感じてしまう。当時はこの辺が限界、だったのかなあ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-09-11 22:04:48)(良:1票)
2806.  男はつらいよ 花も嵐も寅次郎
ジュリー演じる三郎青年。奈良生まれとのことで、関東で動物園の飼育係を勤めるも、関西弁がまったく抜けていませんね。これをもって、「ああ、このヒトは口ベタで友人も少ないから、方言が抜けないんだなあ」、と判る・・・という意図が込められているのかな? だとしたらそれはアマい! いくら関東に住み、いくら周りと交流しようが、関西弁を捨てない関西人はいくらでもいます。ワタシもそうでしたからねえ。うふふ。しかしそれだけにワタシとしては、自分の東京在住時代なんかも思い出したりして、この不器用な三郎青年には何かと共感する部分もあったりするのであります。さて、映画の内容はと言いますと、ジュリーと田中裕子の恋愛にかなりの比重が置かれ、寅さんは狂言回しの役に徹しています。これがトンチンカンで笑えると言えば笑えるけど、寅さんの存在感が薄く、少々物足りない。最後には、恋愛を見届けるでもなければ田中裕子にチョッカイかけるでもなく、「そろそろ仕事があるから」と旅に出ようとするしなあ。ま、前作よりは元気な寅さんが拝めましたが・・・。それにしても、寅さんの一人芝居が長々と続く場面、いわばシリーズ恒例の場面ですが、ここを「寅さんとジュリーのツーショット」で撮ってますね。せっかくジュリーを出演させているのだからなるべく写しておこう、ということなのかもしれませんが、寅さんの横で微妙な表情の演技を続けるジュリーが、何だか微笑ましい。なかなかの役者ですな。天草四郎役も良かったけどネ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-10 23:15:30)
2807.  レ・ミゼラブル(1998)
ええと、スミマセン、原作未読、ああも長いと、読むのに躊躇してしまいます。で、ついつい、こういう「適当な長さにまとめた映画」ってのに頼ってしまうのです。ホンマにスミマセン。「読むのが面倒だから映画を観よう」ってのは、我ながら情けない。しかし、この映画、そういう不純な動機を差し引いてもなお、観た甲斐がありました。実に雰囲気がよく出ており、まるで当時にタイムスリップしたかのような気分。さらに劇的ストーリーをこうサクサクと纏めてくれるのでは、目の離しようもなく、しっかりトリップさせてくれました。いや、ちょっとサクサクし過ぎな気もしますが、それでも、印象的なラストがしっかり映画を締めてくれます。ところで。葬列の場面で楽隊が演奏している曲、これは、ベルリオーズの「葬送と勝利の大交響曲」ですね。舞台となっている年代、1832年でしたっけ(?)、にこの曲が演奏されるハズはないのですが(作曲1840年)、「それでもこの曲がこの場面で選ばれている」、といこと。歴史考証という客観的必然からではなく、それを超えてでも、あくまでこのシーンにはこの曲が相応しい、と製作者が選択したことは、意識の片隅に置いておいてもよいかもしれません(とは言え、革命追悼のために作られた「関連曲」ではあるので、ちょっとベタな選曲、かもしれませんが)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-10 22:21:03)
2808.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
今回もなかなか渋い作品、やはり寅さんはおとなしめ。マドンナはさらに渋い。いしだあゆみ。渋すぎ。舞台はまず京都。これがいい。実に京都らしい京都の雰囲気をよく表していて、これだけでも充分、観た甲斐があるというもの。で、それ以外の見所はというと、ううううむ、これがあんましはっきりしない(笑)。いや、この曖昧さ。物事を正面から描かずオブラートにくるみながら、そっと、寅さんとマドンナのすれ違いが描かれる、この微妙な味わいこそが、本作の魅力でありましょう。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-05 21:52:08)
2809.  男はつらいよ 寅次郎紙風船
設定の上手さで勝負アリの一本。いや、上手いのやら上手くないのやら、ようわからんが、何だかオモロイ。まず、(1)ナゼか寅さんと相部屋になってしまう岸本加世子 → 彼女も、寅さん&さくらのような、離れ離れの兄妹。だけど、兄貴は遠洋漁業で真面目に働いており、妹の方がぶっ飛んでいる(妹の方がやや寅さん型、かな)。寅さん兄妹と、オーバーラップしているような、正反対のような。 (2)寅さんの同窓会。寅さんツマハジキで可哀想でもあるけど、しょうがない面もある。寅さん以外は皆、大人になり、社会人になり、大きなモノを背負っているのだ。 (3)テキヤ仲間の寅さんへの頼み。オレが死んだら妻と結婚してくれ → 結婚という言わば「社会」そのものが、今度は自ら、寅さんへ接近してくる!しかも例によって美人だ(という設定)。こりゃ一大事 → で、寅さんの就職活動騒動へ・・・・・・ こうしてみると、なかなか盛りだくさん。そしてマトマリがあるような無いような。しかしその各エピソードの噛みあい、あるいは食い違い、これが妙にオモロイ映画でありました。ラストも予想通りの展開でありながら、予想を越える感動・余韻があり、心憎いばかり。 それにしても、今回の寅さん、渋いと言えば渋いが、ちょっと元気無いかなぁ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-05 21:33:18)(良:1票)
2810.  老人と海(1958)
『老人と海』、中学の頃に初めて読んだ際には、ハマリ過ぎて、「気が付いたら読み終わってた」という数少ない作品のひとつ。何度も読み返したなあ。で、これを映像化するとどうなるか。⇒ジジイの一人芝居がどこまでも続くぞ~。しかも、スタジオ度満点、プール度満点、ハリボテ度満点の映像が続く。水シブキの描写だって、「チャプン」ってな感じだぞ。ううむ、小説を読んだときのあの興奮は、いずこへ。しかも、連続したシーンなのに天候がバラバラだったりするから、さらにずっこける(スタジオ撮影と海上撮影のシーンの繋ぎが無神経)。さらには、映像を見て判る事(あるいは、映像で判らせることができる事)を、わざわざナレーションで説明するから、ナントモ味気無い・・・・・・いや、これに関しては、必ずしもそうとは言えない気がしてくる。この淡々としたナレーションのために、サンチャゴ老人が、感情移入の対象ではなく、景色の一部というか、自然の一部のように見えてくる(「海」に対し戦いを挑んでいるようで、実は彼もまた「海」に属した存在であるかのような・・・)。実は、コレはコレで、ヘミングウェイらしい世界が表現されているのかもしれない。もうちょっと手抜きしないで、ちゃんと撮影してくれてさえいれば・・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-08-21 22:10:49)
2811.  男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎
正直言って、かつては「え~寅さんなんでこのヒトに一目ぼれしちゃうの~」と、少々納得のいかないマドンナもおりましたが、本作は、もうこれは文句なし、フェロモン出しまくりのお色気マドンナ、慶子ちゅわんが登場。いやあ、寅さん、こんなマドンナを狙うとは、もうこりゃ失恋間違いなしじゃないですかニコニコ。というわけで、久しぶり(?)に、あんましヒネリのない直球勝負の寅さん映画、ヨッ、待ってました。しかも舞台は大阪、「東京vs大阪」という、これまたベタなネタで直球勝負。どこまでもまっすぐな映画だけに、失恋直後の寅さんの落ち込みようも、痛々しいほど。うひょひょ。←喜ぶなっての。でも何だか嬉しくなっちゃうこのマンネリ感。それにしても、この頃から比べると、大阪の街はずいぶん様変わりしたもの。当時の大阪って、高い建物が殆ど無かったのよね。ちょっと懐かしいですな。その一方で、寅さんとマドンナが生駒の宝山寺を訪れるシーンがありますが、さすがにこちらは今も当時も変わりません(←実は私、先月お参りしてきたトコなのよね)。映画が製作されてから年月が経ち、変化した光景・変化しない光景をそこに目にする時の感慨深さ、これってやはりロケ撮影した映画の魅力の一つ、ですよね。ちなみに、宝山寺自体はあまり変わってないけど、そこに至るケーブルカーは今では大きく変わってまして、イヌとネコのキャラクターが全体に施されたド派手なデコケーブルカーになっちゃってます(ミケ号とブル号)。もし今、ここで参拝シーンをロケ撮影したら、さすがにギャグになっちゃいそうです(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-20 00:27:53)(良:2票)
2812.  キャンディマン2
都市伝説の殺人鬼・キャンディマン。って言っても、見るからにフツーの黒人の兄ちゃんだしなあ。キャンディマンの哀しい生い立ちが明らかに! 観てて思わず涙が。出る訳ないってば。これじゃますますフツーの兄ちゃんです。でも、よくあるタイプの無機的な殺人マシンみたいな殺人鬼(←よくあるタイプって何だよ)とは一風異なり、もっと有機的な「怨念」のようなものが背景にあるのが、日本人にも馴染みやすい普遍的なところ。過去の怨念は時代とともに風化し、一見、現代の都市とは無関係に見えるが、その痕跡はちゃんとそこかしこに残っていて、現代人の心に引っかかり続けている。過去、すなわち「済んでしまったことの重み」という呪縛。いいぞ、クライヴ・バーカー。ぜひ日本を舞台に怪談映画を作ってくれ。ところで音楽は、現代楽壇随一のヒットメイカー、フィリップ・グラス。いつも通りのミニマルミュージックで・・・もう飽きたよ(笑)
[地上波(吹替)] 5点(2006-08-19 13:05:55)
2813.  太陽を盗んだ男
街のど真ん中での大捕り物やカーチェイスという、実にダイナミックなシーンが目を引くものの、その反動か、細かい部分にはまーったく神経が届かず、腰砕けになった作品。原爆を手作りし国家を脅迫する中学教師、彼に見込まれ交渉の最前線に立つことになる豪腕刑事、そしてこれまたひょんな事から犯人と警察の間に立つことになるラジオの女性DJ、という三つ巴の関係が織り成すサスペンス・・・ってか?これがもう全然ダメで、この女性DJが、とにかくイモ。「先の行動が読めない」という魔性みたいなもの、があればサスペンスも盛り上がるだろうし、映画的なリアリティも充分に備わろうというもの。しかし、先が読めないどころか、いかにも「さあ今からアホな事します」「今からアホな事言います」と言わんばかりの、究極レベルの単細胞的言動の数々。ワカリヤスイにも程がある、深みも含みも一切無いキャラクター。唯一、ラジオを通して犯人を煽るため、本音を隠した発言をするシーンがあるかと思えば、わざわざ風間杜夫が横から出てきて「判った、犯人を挑発してるんだな」と注釈をのたまう。もー勘弁してくれ。肝心の、一連の犯罪描写についても、どうだろう?プルトニウム原料をドエラくあっさり盗んだり、プルトニウム抽出シーンがとにかくアヤシかったりするのは、この際、許せてしまえるレベルの話。とにかくおかしなシーン続出。中でも、現金強奪のくだりで、主人公の電話が逆探知されるシーンには、もう失笑を禁じえない(略して失禁)。主人公が使う公衆電話以外の回線が切断されていることで、警察が大規模な逆探知を行っていることに主人公は気付くんだけど、要するにこの場面、主人公以外のヒトたちは、回線が切れてから何十秒間も、揃いも揃って「もしもし!もしもし!」と受話器に向かって叫びつづけているワケですな。隣の電話の回線も切れてる&一台だけ回線が切れていない、というこの異変に、誰も気付かない(ってか、主人公より先に気付くわけにいかない。ストーリーの都合上。笑)。まさにマンガ以下の光景であり、ここまで来たら、社会派サスペンスではなくてむしろ不条理幻想映画(にしても中途半端だが)。主人公が刑事に抱く感情も、同性愛的なものなのか何なのか、結局コントのような格闘で終わってしまい、激しく消化不良。スペクタクルシーンはホントに良く撮ったと思う、それだけに、スペクタクルシーンが泣いてる。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2006-08-19 12:29:05)
2814.  ブラックマスク2
アメリカ人の好みそうなジャンクフードを中華鍋にブッ込んで、オイスターソースと鶏ガラスープで軽く味付けしたような映画。うわー脂っこそう。だけど、ジャンクフードを食べ慣れていれば、結構イケなくもない。プロレスラーに特殊な処置を施して動物化させ、強~くしてやろう、という、“逆・ドクターモローの島”方式のおバカな内容。バカバカしさに怒るもよし、また私のように「おい、プロレスをナメとんのか」と怒るもよし。いずれにしろ、CG+カンフーというこの定番映像には、違和感も60%くらいに抑えられ、怒りも次第に静まることでしょう。内容はカラッポで、安心して気を抜いて鑑賞できるし。ロブ・ヴァン・ダムがこっそり(?)出演してたりするし(笑)。それにしても、主役の“ブラックマスク”とか言うやつ、黒いキャップに黒いマスク姿で、どうしても、レイザーラモンHGを思い出してしまう。
[地上波(字幕)] 6点(2006-08-19 10:43:49)
2815.  男はつらいよ 寅次郎純情詩集
母娘にちょっかいかける寅さん、「親子ドンブリの巻」ってか。まず前半、とにかく寅さんのデタラメぶり。満男の代理美人教師(美人教師って言っても所詮、壇ふみだけど)の家庭訪問をブチ壊しにし、これには博も大激怒。とらやを飛び出し、旅先で今度は事もあろうに無銭飲食という卑劣極まる犯罪に手を染める。連絡を受けたさくらが駆けつけると、何と現地の警官達まで寅さんに懐柔され、店屋物を頼んだり温泉に行ったりと、好き勝手の毎日。大体、無銭飲食をやらかした寅さんに対し、これをたしなめるどころか、カネも持ってないのにさらに出前を頼みまくる、なんて行為を警察が認めるか? もうメチャメチャの展開・・・だが、これには一応、映画の展開の上での必然性がある。後半、例の美人(?)教師の母親に夢中になる寅さん、しかし、その母親は余命幾ばくもない、という重いテーマが展開される。前半の寅さん(及びそれを取り巻く状況)のケーハクさは、後半のテーマの深刻さ・寅さんの真摯さとの対比になってるワケですな。しかーし。これって寅さん映画に向いたテーマだろうか?キャラの出来上がった「寅さん」で描くには不適切ではないの?いやむしろ「適切すぎて」「“そのまんま”過ぎて」「意外性がなくて」手抜きっぽく感じる。シリーズ18作にもなって今更、ここまでの単純化・図式化は、許されないのではないか・・・。それに、肝心の映画後半だって、充分ヘンテコ。年上でしかも言動がチョットおかしいオバチャンマドンナに惹かれる今回の設定には違和感バリバリ(このマドンナ、とらやに突然たずねて来て一人合点で喋りまくり。「目の小さい面白い顔の坊ちゃんはどこ?」って、アンタのすぐ隣に立ってるっての。異常なまでの浮世離れぶり)。娘も変で、先生が特定の生徒の父兄の家に入り浸って食事とかしてていいのか? というわけで、もうちょっと脚本&設定に神経を使ってくれなくちゃ、観てて困っちゃうのよね~という映画でした。ラスト、柴又駅ホームのシーン、最初は寅さんとさくらが離れて立っているが、マドンナの話題をキッカケに二人の距離が縮まる。前半の、全く会話が成立せずさくらが溜息をつく別所温泉の場面と対を成す、印象的なシーンであります。が、その直後、寅さんが乗った電車が発車するシーンでは、電車の窓にスタッフ(監督も?)と思しき姿がしっかり映りこんでて、またまたガックリきてしまったのでした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-08-17 11:09:32)(良:1票)
2816.  新・ドラゴン危機一発
黒田アーサーと雛形あきこを足し合わせて、市川雷蔵をちょびっと加えて、さらに隠し味としてゴージャス松野を少し混ぜ合わせたような、ビミョーに甘いマスクの主人公、ドニー・イェン。いやホントにこれがビミョーなんですな。しかし体のキレは最高。素晴らしいアクションを見せてくれます。でもちょっと出し惜しみし過ぎかも。映画の内容自体、何だかヘロヘロだしなあ。 ○村人に突然襲いかかるフータウ団!「大変だ、皆が襲われて血だらけだ!」「かかわるんじゃない」「僕らは医者なんだ、助けないと!」 ⇒ いきなりナゼか乱闘に参加!おいおい、医者ならまず怪我人の保護と治療が先ではないのか ○テーブルを囲んでうどんをすする団欒シーン、画面手前にはうどんを茹でる鍋が配置される。暖かい雰囲気が深く印象付けられる和やかな場面である ⇒ と思いきや、手前のうどん鍋から、湯気が出すぎで、肝心の団欒がよく見えません。 ○フータウ団が集団で闊歩するシーンは、基本的にスローモーション! 確かにワルそうだ!・・・・・・こんな感じで、艱難辛苦の映画の進行。ドニー・イェン監督、頑張れ! しかし、この後、思いもかけない予想通りの展開(笑)で、映画は結構盛り上がる。そして、ついにフータウ団と主人公の全面対決か!? ○枯れ葉舞う中、フータウ団の襲撃! 枯れ葉舞い過ぎ(笑)。しかもこの周囲だけピンポイントで枯れ葉が降ってる! ○突然流れる歌と歌詞!画面はカラオケ仕様に! ○なーんだ、あれだけ盛り上げて、クライマックスはスケール縮小、1対1の対決か。でもカッコいいんだまたこれが。
[地上波(字幕)] 6点(2006-08-16 13:21:56)
2817.  ある殺し屋
物語の時間進行がバラバラになっているトリッキィな構成。なぜ寿司の折り詰めを「3つ」買うのだろう・・・? 主人公のセリフが切り詰められていることもあって、最初は謎めいたストーリー。これが、映画の進行とともに徐々に明らかになっていくところに、ハードボイルド的シブさと、謎解きのスリルがあります。雷蔵の表の顔は、7・3分けカツラ風髪型の飲み屋のオヤジ、しかし裏の顔は切れ者の殺し屋。いや、切れ者と言うのとはちょっと違うのかもしれない。ヌカリ無く着々と準備を進める有能ぶりとは裏腹に、どこか生死を超越したような、雷蔵の虚無的な表情(←いつもどおり、という話もある)。その姿はまるで死神のようでもあります。ラストの後ろ姿が実に印象的。その後の成田三樹夫のセリフは、直前の雷蔵のセリフをそのまま頂いたもので、映画のオチとしてはピシッとキマったシーン、のハズだけど・・・「おいおい、シタリ顔でそのまんまヒトのセリフをパクりやがって。オマエは寅さんか!」と、つい突っ込んでしまいました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-15 13:10:42)(笑:1票)
2818.  BLOOD THE LAST VAMPIRE
面白いねえ。このリアルなようでいてどこか異質な感覚。“丁寧に描き込んで実写と見紛うばかり”ってのとは違う。やはりアニメらしさが横溢しており、フムそうですね、いわば超豪華な影絵芝居を観ているような感じ、とでも言いますか。独特の質感は、生身の人間の演技とは違った、一種の硬質な肌触りであり、これが幻想的な雰囲気を醸し出してます。そして全体的に暗い色調の中で、ラストの明るい青空がとても目を引き、何だかホッとしてしまいます。
[地上波(邦画)] 8点(2006-08-14 00:28:39)(良:1票)
2819.  男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 《ネタバレ》 
今回の作品は、うーむ、何だか良かったなあ。というか感動した。今回の寅さんは、男女の仲としてマドンナに惚れるんじゃなくて、いわば父親的立場からの惚れ方、なんですね。ミリオンダラー・ベイビーみたいなもんですね、本作をハリウッドでリメイクするなら寅さん役はイーストウッドで決まり、ですね(何でやねん)。やはり父親にとっての娘ってのは限りなく恋愛対象に近い、あるいはそれを超える存在ですからね(←あくまで想像。何しろウチの娘はまだ0歳でちゅからね~。笑)。だから、いわば恒例である寅さんの失恋は、今回は、「娘」が他の男のもとにはしっていくという形になるわけで、何ともタマランものがあります(想像ですが。笑。←笑ってられるのも今のうち?)。ちなみにラストのお寺は、四国八十八箇所霊場の一番札所「霊山寺」ですね。一瞬、寅さんも今回ばかりはコタえて歩き遍路に挑戦するのかと思いましたが。そんなわけでともかく、父性愛がテーマのひとつにはなっているのですけども、その一方でしっかりと寅さんが稚気を発揮してくれているのが、嬉しくもあり、また切なくもあるところ。それが定時制高校のシーン。窓の外は夜、教室の明かりのもとに様々な年齢、様々な立場の人たちが集い授業を受ける独特の雰囲気のシーンだけれども、伊藤蘭を送り迎えするうちに、ついつい学校に入り浸る寅さん、やはりここにもしっかりと馴染んじゃう、このいつものノリに、ついつい苦笑。ここで、先生役の松村達雄が実にハマってる(おいちゃん役よりもピッタリ)。詩を朗読するシーンのうまさ、私も授業を受けてる気分になっちゃう。で、寅さんも仲間になりたいと思ったか、こっそり入学願書を出していたことが最後に発覚するけど、中学を卒業してない寅さんには入学資格が無いという残酷な事実(寅さんはそうとも知らず、中学中退の件を教室で楽しそうに語っていた!)、そして願書に貼られた写真の寅さんの、何とも言えないシカメッ面。本当に切ない気持ちになるシーンであります。とまあ、結構ホロリときちゃった作品なんですけども、バラエティに富んだ脇役陣、伏線を張り巡らした脚本の上手さなど、色々な面で楽しませてくれて、非常に魅力を感じた作品であります。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-08-14 00:10:09)(良:1票)
2820.  大怪獣ガメラ
先日行われた、亀田興毅選手の、ボクシング・タイトルマッチ。ボクシング(って言うより、格闘技全般)が好きな私としては、結構面白い試合だったと思うし、もともとこの業界に色々問題があることは感じていたし、ってなワケで、対戦前のマスコミのバカ騒ぎと、対戦後のマスコミのバカ騒ぎには、とてもじゃないが付き合いきれない。そんな中で、(私の目から見て)大変気の利いたコトをやってくれていた放送局が、KBS京都。亀田戦中継の裏番組として、あえて、この亀映画を放送するという快挙(しかし実際は、試合開始を21時頃まで引っ張るという暴挙のため、KBS京都で『大怪獣ガメラ』を最後まで観て、さらに中島貞夫さんの長い長い解説を最後まで聞いてなお、試合開始に間に合っちゃった、という顛末。渾身のギャグをかわされたKBS京都こそ、今回の最大の被害者かもしれない)。とまあ、それはともかく。ガメラ初登場の本作。ゴジラよりは10年以上遅れての登場ですが、いやこれがなかなかのもの、合成撮影によるガメラの巨大さのアピール、大規模なミニチュア撮影、これらが迫力をよく伝えております。が、その一方、大暴れする凶悪な大怪獣に対し、「仰向けにしちゃえば亀は自力で起き上がれないはず」、という超絶的にシンプルな作戦で立ち向かう、このワカリヤスサ。これがガメラシリーズの魅力ですかね(笑)。そして、何やら要領を得ないZ計画、従って釈然としない強引なラスト。確かにこれぞガメラ映画、かもしれない(笑笑笑)。ところで、この映画のセリフ中の“ガメラ”を、すべて“カメダ”に置き換えると、さらにわかりやすい、かもしれない(「カメダは本当はいいヤツなんだ!」「カメダは寂しがり屋だから、友達を捜してるんだ!」・・・・・・)。
[地上波(邦画)] 7点(2006-08-13 23:09:30)(笑:1票)
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