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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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2881.  男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく
一作目でさくらは、寅さんを見ても最初誰だか解らなかったのに、本作では、さくらの同級生・紅奈々子は、とらやの店員に扮装(?)した寅さんを見た瞬間、一発で「おにいちゃん!」と気付いちゃう。倍賞千恵子しっかりしろっ! それはさておき、浅草のレビューの場面がたくさん盛り込まれた本作、木の実ナナのドハデな顔立ちとも相まって、なかなか賑やかな作品になっておりますが、華麗な舞台の一方、舞台裏では、年齢的な限界や結婚問題に悩む奈々子の姿があり、クライマックスの彼女の歌(これがまたイイんだな)へと、ドラマチックな盛り上がりのある作品になってます。寅さんの方はというと、後継者問題に悩むおいちゃんの病気をよそに、九州に飛び出して青年に説教したと思えば、心機一転、自分も身を落ち着けようととらやに「就職」してみたり、はたまた仕事そっちのけで木の実ナナにのめりこんだりと、まさに「わが道をゆく」。でもそんな寅さんも、踊りをとるか結婚をとるかという彼女の悩みに対しては珍しく深刻な表情を見せる。自分が彼氏なら、そんな彼女に決してそんな思いはさせないのに・・・。静かに去っていく寅さんの姿にホレボレしちゃうのでありました。一方、武田鉄矢が、寅さんの恋愛指南でも処置ナシという狂言回し役、これが出しゃばり過ぎることのない適度な盛り上げ役で、なかなかの好演でありました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-04 18:57:30)(良:1票)
2882.  Mr.インクレディブル
ダッシュがジャングルをダッシュしまくるシーンにホロリときました。う~む何でだろ。まあ(映画的にも)前半の抑圧が長かったから、ですかね。後半のスピード感はとにかく最高です。内容的には、「子供は強い、母は強い、赤ちゃんは一番強い(オヤジは一番ダメ)」という、誰もが薄々認識しているようなコトなんですけどもね、グスン。あと、シンドロームの計画があまりにも壮大すぎて、『オールド・ボーイ』をちょっと思い出しました(笑)。とりあえず、期待以上に面白かったです。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-31 18:55:05)
2883.  運命を分けたザイル
本人の回想に載せて綴られる壮絶な生還記。本人が語っているんだから、生還することはわかっているんだけど、それでも映画に釘付けになってしまう、怖い、怖い、とにかく怖い! 壮絶な雪山の映像と、淡々とした語りのギャップが、強烈なリアリティを発しています。いや、雪山は壮絶なだけじゃない、時に見せる美しい表情、美しいがどこまでも「非人間的な」その表情。彼らが山頂に達したとき、背景に流れる音楽は、トーマス・タリスの「スペム・イン・アリウム」、40声部からなるこのモテットの響きもまた、聴く者を威圧する不気味なものとして、この場面に暗示的に使われているように思います。そして不安に包まれるうちに辿る下山の途、ついに、まるで定められた運命であったかのごとく、恐るべき地獄へとはまりこんでいく・・・。この映画に出てくる人たち、決してスーパーヒーローなんかじゃない。無力な生身の人間が極限状態の中、絶望の中で、ただ「生き抜こう」とする姿。あ~あ、わたしゃこういうのにホント弱いのよ。とにかく、胸が熱くなりました。というわけで、まさにこれは、映画でなければ表現できない、迫真の映像体験であります。・・・・・・・それにしてもつくづく思います、人間って、やっぱり、すごいんだねえ、本当は。
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-31 18:22:46)(良:1票)
2884.  いかレスラー
主演はあの不屈のレスラー・西村修。若手時代には柔軟な肉体を駆使したスープレックス系の技を得意とし、新日本プロレスとしても将来のエースとして大きな期待を寄せる存在であった。しかし思うように結果を出せない。海外修行もゴネて延長させてもらい、ようやく帰ってきたがやはり結果が伴わない。周囲の期待に反し、チャンスをイカせない日々。やがて西村はリングから消えた。月日は流れ、久しぶりに彼をプロレス中継で見た時、彼の長期欠場の理由を知って私は驚いた。彼はガンに冒され、その病魔を克服してリングに帰ってきていたのだ。その彼を天山や小島がリングでメッタ撃ちにしたのは、彼らなりの西村へのエールだったのだろう。そして、西村は持ち前のクラシカルなレスリングスタイルを貫き、やがて負けないレスラー(あんまし勝てないけど)、不屈のレスラーとして、ファンの感動を呼び起こす数々の名試合を繰り広げるのである。G1クライマックスの数々の名勝負、あるいは伝説の「対カレーマン戦」(カレーマンに対抗しヨガをマスターした西村、スリーパーを取られたらそのまま瞑想に入っちゃったという、ナゾの好試合)は忘れられるものではない(笑)。さて本作ですが(前フリ長すぎ)、藤波から西村へ受け継がれた「無我」の思想が炸裂した、深みのある内容になってます。深すぎて私には多分5%くらいしか理解できてない、かも。現代のプロレス界の根深い問題、あるいは家族の絆など、テーマは多岐にわたって、もうシチャカメッチャカ。イカがタコにダブルアームスープレックスをかけるシーンはまさに大爆笑。たくさん腕があるのに何で2本しかキメないんだっての、あはは。ラストでは西村のいつものファイトスタイル(倒立!)も堪能でき、ニコニコ。演技はちょっとハズカシかったね。唄はうまかったけど(ウソつけ)。しかし、AKIRA(=野上彰)の演技はさすが、堂に入ってます。西村、ちょっと見習えっての。・・・という訳で、リング上の哲学者・西村修の生き様を、どうかご堪能ください。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-23 23:16:23)
2885.  スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
最近のCG技術の発達で、「CG部分が実写と区別できない!」という映画もよくあるのですが、本作はその逆で、怒涛のCGタレ流しの中、「一体どれが実写かわからない!」と言いたくなる程、CG主体の軽い軽い仕上がりになってます。この映像、古いモノクロ作品にそのまま着色したような感触も、ちょっと感じさせるのですが、いやいや、やっぱりコレは似て非なるもの。CGをあまりじっくり見られては、安っぽいと見抜かれるので、場面がとにかく目まぐるしい。本当に落ち着きません。実写部分まで決してじっくり見せようとはしない。これは紛れも無く現代の映画。ついでにストーリーも行き当たりバッタリ、まったくマトマリというものがありません。最初に襲撃してくるロボットに、こりゃメチャメチャ楽しい映画ではないかと期待が膨らんでしまったが、映画の途中でそんな期待は放棄した。このトコトンまで軽いノリ、驚くべきマトマリの無さは、ここまで来ると間違いなく確信犯。結局、映画はサラサラ流れつづけ、印象に残るシーンやエピソードのたぐい、なーんにも無い。このことが実は皮肉にも、「最後に残ったフィルムで何を撮るか」というオチを結果的に盛り上げてしまってる・・・・・・・ム?本当に「皮肉にも」なのか?まさか、このオチ(とそれに続くオチ)のために、あくまで「計算の上で」こんな中身スッカラカン映画を作ったのではなかろうか。だとしたら、恐るべし! オチのために映画すべてを犠牲にするとは!
[DVD(字幕)] 6点(2005-12-23 22:43:23)
2886.  ブレインデッド
これも今は昔、甥っ子がまだ小さかった頃。まあ、こんなどーしようもない映画であっても、やっぱり小さい子にはとってはトテモ怖いらしく、ビデオ開始早々から「コワイコワイ」と逃げ回り、じゃあ見なきゃいいんだけど、台所辺りの遠くの物陰から、恐る恐る画面をうかがっておりまして。で、そのとき、棒立ちに硬直しながら彼がつぶやいた言葉、「・・・・・・くび とれた・・・・・・」がいまだに忘れられません。これほど端的に本作を表現した言葉を、わたしゃ知りません。まさに、絶妙のレビュー、ですよ。っちゅうか、子供にこんな映画見せるなっての(ちなみに私が見せたんじゃないからね~)。なぜ子供に見せてはいけないか。まあ、子供がカンフーを誤解しちゃマズいから、ですかね、へへへへ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-12-19 22:49:36)
2887.  純愛中毒 《ネタバレ》 
ドラマ『美しき日々』の室長役で全国のマダム(ウチの奥さんを含む)のハートをわしづかみにした韓流スター、イ・ビョンホン主演の問題作!(以下、妻に倣い、ビョンビョンと呼ぶことにする。トホホホ) 観ながら、「まさか、こ~んな感じのオチだったりしてねえ、うひょうひょ」と冗談で言ってたら、なんと、まさにその通りの展開となり、何だか嬉しくなっちゃいました、うひょひょ。偶然、兄弟で同時に遭った事故、ビョンビョンはナゼ、兄も自分同様に事故にあったと知っているのか?しかも実際は兄は昏睡状態だったのに、死んだと思い込んでいたのは? こりゃまさか、兄の事故そのものが、ビョンビョンの仕組んだ壮大なスリ替わり計画の一端だったりして、と深読みしてしまった私、これはさすがに深すぎました。兄の私生活に詳しいのは結構だが、「机の下のコイン」まで知ってたら、こりゃマズイでしょ。それにスピード馬鹿のビョンビョンが器用な兄に成りすまし続けるのも、「兄嫁さんが余程ニブくなければ」まず無理でしょう。ミステリでこんなミスディレクションかましたら、読者にボロクソ言われまっせ。それに、こんな回りくどい責め方するより、自慢のキラースマイルで兄嫁に正面からアタックした方が100倍くらい成功確率高そうなんだけどなあ。というわけで、ストーリー的にはどうにも納得いかず、ビョンビョンの魅力の面でも、単調な表情でイマイチ、演出の面でも、あんまり感心しなかった、そんな映画だったのですが、それでも、ラブシーンはなかなか良かったですねえ。決してイヤラしく描くことなく、(夫なんだけど)夫でない男性に身を任せていく、誰も知らない二人だけの静かな夜の片隅、その物悲しさというか、切なさというか、をじっくり描き、ここだけはなかなか美しかったですぅ。さすがビョンビョン!
[CS・衛星(字幕)] 5点(2005-12-18 22:05:27)(笑:1票)
2888.  眠狂四郎 悪女狩り
雷蔵晩年ということもあってか、殺陣が少ない、いやそもそも狂四郎の出番自体が少なく、なんとも物足りないのであります。それを埋め合わせるため、完全にエログロに走っちゃってます。これは、好感が持てますね、うひょうひょ。モーリス・ベジャールも真っ青のヘンテコ舞踏集団の舞など、ただでも短い映画なのに間を持たせようと一生懸命、このサイケ調のノリは、狂四郎版『ゴジラ対ヘドラ』とでも言えましょうか。雷蔵の代わりに映画を盛り上げようと一生懸命奔走するニセ狂四郎、バレバレの仮面姿が不気味だが、これがまたホンモノ狂四郎よりもしっかりとエロく、いやこちらの方が余程狂四郎らしい。しかし結局、本作の結論は、「狂四郎はふたりは要らない」という、非常にまっとうなものでした。確かにこんなヒトが二人もいたら、大変ですね。でもそのせいで、雷蔵が他界したら、シリーズおしまい。寂しいですね。寂しいと言えば、最終作が「円月vs円月」という、シリーズ別作品の蒸し返しだったのも、寂しいなあ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-12-18 22:01:23)(良:1票)
2889.  刑事ニコ/法の死角
合気道のスゴ味を世界に知らしめた点では高く評価されるが、合気道の誤解を世界に広めた点では低く評価される本作。冒頭の道場で指導しているシーンから、なんとも変。間違った日本が早くも展開されとります。しかし、当時、「合気道と関西弁をマスターしたスーパースター」との触れ込みが(一部に)ありましたが、まあ当たらずとも遠からず、この映画の見所をよく表現しています(他にあんまし見所ないしね)。格闘シーンは実に見事、小気味よいとはまさにこのことでしょう。それに、そんじょそこらのアクションスターとは一味違った、身の軽さ。マッチョではなくスマート、走る姿もカッコいい!どのシーン観ても、やたら背筋が伸びて姿勢がいいなあ。観てて気持ちいい。さて一方、もうひとつの特技、関西弁ですが・・・「ソレジャ、ソチラノホウ、行ッテミマスワ。ヨロシクドーモ」とか言った後、してやったりという表情のセガール。コレコレ、充分変なニホンゴですよ。この映画だけ観てると、このヒト本当は日本語知らないんだろうなあ、と勘違いしちゃいマス。ま、それはともかく、ストーリー的にはコレと言って魅力ないですが(冒頭のヘンリー・シルヴァとの絡みが、殆ど生かされてない気が)、格闘アクションとしては、結構魅力を感じちゃいます(駐車場からの転落シーンには度肝抜かれます)。 ※合気道をやってた私の友人の師匠は、セガールのライバルだったらしい。では私にとっても間接の間接の間接的な敵だ(ホンマか?)。でも本作だけは許してつかわす。 ※ウチの奥さんが以前勤めてた頃に先輩にこの映画を薦められてたのを最近思い出したらしい。だもんで、「何で今さら」と思いつつこの度、DVD借りて久しぶりに再見しました。観終わって「この映画もレビュー投稿するんですか」「いや、何も書くことがないので勘弁して下さい」などと言ってたのですが、一応書いてみました。こんなのですみません→ウチの奥さん。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-18 21:47:04)(良:1票)
2890.  キングコング対ゴジラ
哺乳類の王者・キングコングと、爬虫類の王者・ゴジラはどちらが強いのか?という誰しもが決して考えない夢の対決が、ここに実現。ついでに軟体動物頭足綱の王者・大ダコまで登場というのがたまらない。前半の冒険物語のショボさは涙が出るほどだけど、それでも大ダコ大暴れシーンでは、ストップモーション(とおぼしき)特撮を(ごく一部に)駆使し、なかなかの迫力、うれしくなっちゃいます。後半にはいよいよキングコングとゴジラの死闘!キングコングの造形美には、これまた涙が出ちゃいます、ああ、ショボい。北京原人の逆襲なみ、クイーンコングなみ、キングコング(’76)なみ。じゃあ、標準レベルじゃないか・・・。それはさておき、この両者の死闘が、まさに日本中を股にかける、といった感じのスケール感あふれるダイナミズム。細かいカット割のスピード感。スーツアクターの大熱演もあって、ああなんでこんな変な戦いに興奮してしまうんだろう、とつい悔しくなっちゃうほどの興奮を呼びます。ゴジラの尻尾による「水面蹴り」など心憎く、もしかしたら故・橋本真也も参考にしたのか?とすら思えてきたりすると言えばウソになるが(どっちやねん)。実は昔は、キングコングの造形のヒドさ故、拒絶反応が出て、どっちかというと苦手な作品の部類だったのですが、久しぶりに観たら、いや、観ててちょっと燃えちゃいましたよ。ところでなんでもいいけど、この映画の結論が「人間は改めて、動植物の自然に適応する生命力に学ぶべきだ」というセリフだなんて、これまた一体、どうしたらそんな結論が出てくるんだ???
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-17 23:49:15)(良:1票)
2891.  男はつらいよ 望郷篇 《ネタバレ》 
この映画の寅さん、いかにも「ヤクザもの」の色合いが強く、言動はいつにも増して軽薄、少々コワモテの面すら感じさせます。が、これは実は、本作のテーマ、「カタギになろうと心を入れ替える寅さん」をより浮き立たせるための仕掛け。前半の、親分のために奔走するエピソードを通じ、珍しく人生について悩む寅さん、これまた珍しく無口になってしまいます。が、ここから一転、地道な人生を送ると称し、さらなる勘違いへと突っ走っていく姿が笑いを呼びます。ある意味、フツーの人っぽい挙動をするだけでこれだけ笑いを取れるというのも、うらやましい。でまあ、結局は女性目当てでしか行動していなかった寅さん、あっさり恋に破れ、約束もすっぽらかして遁走してしまうあたり、ほとんど薄情とも言えるほど。ここでは「喜劇映画的ヒーロー」としての寅さんではなく、人間的な弱さを伴った、平凡なひとりの男としての寅さんの姿があります。この『男はつらいよ』というシリーズタイトルに、非常によくマッチしているのが、実はこの作品なのかも知れません。内容的には、前半と後半のつながりにややご都合主義的なものがあり、逆につながりを弱めた感があります。が、前半の北海道での蒸気機関車の描写、これはまさに、「これを描きたいがためにのみ、舞台を北海道に設定したに違いない!」と思わせるほど、機関車の迫力を存分に伝えており、見ごたえアリ、です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-17 23:21:03)(良:2票)
2892.  鶴八鶴次郎(1938)
観てる間は「!」と思っていたのにラストで「?」となってその落差にアゼンとなる映画、ってのもたまにありますが、コレもそのひとつ。主人公は芸の道に生きる男女2人。今で言えばさしずめ、鳳敬助・京唄子みたいなものか。古いっての。そんな2人は仲良くケンカの毎日、この様子が、いかにも洒脱、コメディタッチと言ってもいいような軽やかさで描かれます。が、後半にいたって様子は一変、孤独な鶴次郎。空を流れる雲に孤独感は深まり、彼のポスターは子供らにビリビリ破かれて折り紙の舟にされ、川を流されていく、この哀れ。いや、コレはコレでちょっと風流かもね(笑)。というわけで、前半のユーモアと後半の寂寥感の対比に、ふむふむ、と見入っておりましたら、ラストの鶴次郎のセリフが・・・突然映画が親切になって頼んでもいない種明かしをしてくれたかのような、はたまた豪華料理のデザートにバナナが一本出てきたかのような、この見通し良すぎる終わり方。まさかこれは単なる負け惜しみのセリフ?・・・っぽくもないしなあ。でも本気で言ってるのなら、ちょっと歯が浮きますぜ。ダメな男を描いていたはずが、一発逆転、男の優しさが炸裂するハードボイルド映画になってしまいました、ポテチン。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-12 22:40:31)
2893.  ビッグ・フィッシュ
私は子供の頃から何でも信じやすいタチでした。親も、子供に夢を与えようとして、アレコレ真偽不明の話をするのですが、大抵は信じてましたね。テレビ番組とかも、何でも真に受けてましたし。でも年とともに、世の中ウソが多いな、と気付いてくる。もう騙されないようにしよう、と、世の中を斜に構えてみようとするようになってきて。でどうなったのかと言えば多分、信じるべきものを疑い、相変わらず疑うべきものを見逃してるだけなのかもしれない。というわけで今では結局、「斜に構えた自分」をさらに斜に構えて見つめていきたい、と思うようになり、物事の裏側を知りたい、何でも真に受けないようにしたい、と思いつつ、「でもまずはオモシロければいいんじゃないの、ゲラゲラ」、と。たとえ内容的にウソであっても、「オモシロイと感じた」という事自体、ひとつの真理として受け入れようじゃないか。ウソをウソと見抜くことも「オモシロ」ければ、ウソをウソのまま楽しむことも「オモシロ」い。一体、「オモシロイ」とはなんだろうか。それを追い求めることが例えば「映画作り」であったり、「映画鑑賞」であったり、するべきなんだろう、と。というわけで前置きが長くなりました、本作についてですが、ホラ話のスケールがもうひとつ小さいのがちょっと残念でしたね(これなら子供の頃の私なら軽くダマサレてたなあ)。あと、「ホラ話のようで、実は結構、ホントでした」というオチ、これでいいのか?「ホラ話をするオヤジ」の株は確かに上がったが、「ホラ話」というもの自体の株が落ちちゃった気がするぞ!ホラ映画作家ならもっと自信持ってよね! ・・・でも美しい映画でした。ホラ話のシーンよりも現実の室内の方が、美しかったかも・・・?
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-11 15:25:41)(良:1票)
2894.  アリス(1988)
人形アニメ地獄。です(笑)。観てるうちに、「人形アニメ」の部分よりも「実写」の方がアブノーマルに見えてきちゃうのが不思議(←不思議がってる場合じゃない、という気もする)。と同時に、アリス役の女の子、もしかして騙されてこんなコトやらされてるんじゃないか、と何だか心配になってしまうのは、これは余計なお世話でした。ところで、引き出しのノブ、これってまさか男性のアレの象徴だとか言うんじゃないでしょうねえ、まさか。イテテテテ。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-11 11:34:12)
2895.  続・男はつらいよ
寅さんシリーズに「抱腹絶倒」という形容は似合わない気がするのですが、この第2作、いやあ、本当に爆笑させていただきました。生みの母を訪ねるくだりが最高、ほとんどシュールギャグとも言える無類の可笑しさ。一方、落ち込んだ寅さんを迎えるとらやでの「禁句」のくだり、こちらはお約束と言えばお約束だけど、ちょっと落語っぽい可笑しさが効いてます(ハナマルキのCM、懐かしいなあ。とは言え当時まだ私は生まれてないが)。というわけで、「大いに笑える」作品に仕上がっておりますが、実はストーリー的には、寅さんの生い立ちに関わる哀しいものがあり、フト、こんなに笑ってていいのだろうか、という気にもなったりします。実際、映画の中で、寅さんが泣いてる場面が、本当に多いんですねえ。そこで笠智衆演じる御前様が寅さんをたしなめるシーンが挿入されるわけですが、「男は人前で涙を見せるもんじゃない」という信念をつらいた笠智衆、彼の言葉であればこそ、の重みを感じます。また、この御前様に限らず、この映画では、チョイ役の人も含め(財津一郎!)、登場人物が皆、魅力的で印象深いです。が、やっぱり蝶々さん、ですねえ。蝶々さんは確か、東京生まれなんですよね?普通の関西系オバチャンとは一味違い、江戸っ子風にキップ良く関西弁をまくし立てる、という彼女の独特のキャラ、この役柄にぴったりです。清水寺や嵐山・渡月橋などの京都の名所でのロケもまた関西情緒を醸し出し、東男vs京女という永遠のライバル対決(?)を盛り上げるのでした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-12-11 11:04:40)(良:2票)
2896.  シービスケット
疾走する競走馬の美しさ、その美しさを見るだけでも一見の価値アリ。ヤサグレ馬のシービスケットを成長を、やはり恵まれない境遇の若き騎手の成長に転写し、ダブらせて描くことによって、ワカリヤスイ成長記として描いたのが成功、物語の基本的な軸は「騎手の成長の物語」のハズなんですが、それでもナゼか、「馬の成長物語」を観たような気になってくる。どんな馬でも(つまり、どんな人でも)、必ず誰かの役に立ち助けとなることができる、というメッセージ性がクリアに示されており、故障し殺される運命にあった馬が調教師に命を救われ、後に、気難しいシービスケットをなだめる役をこなす、なんていうエピソードがうまく物語を支えています。というわけで、判り易い分、例えばラストなどには「オイオイそんなんでいいのかよ」と思っちゃう都合のよさを感じたりもするのですが、この映画は、そこに至る経緯と、それを描く圧倒的な映像、これが重要なのであって、もうラストはどう終わってもよかったのかな、と。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-06 23:01:17)
2897.  デイ・アフター・トゥモロー
ちょっと寒かったり暑かったり大雨ふったりするとすぐ、「異常気象や」「ぜったい地球温暖化の影響やで」と騒ぐ、小市民的な発想、そんな発想が生み出した一大勘違い叙事詩。ストーリーは簡単で、‘寒くなったから暖をとって過ごしました’コレだけ。何とか盛り上げようと、オオカミに襲われてみたりするのが、これまたエメリッヒらしくもない思い切りの悪さ。どうせなら、氷河期が訪れたついでに突然マンモスなんかもよみがえったりして大騒ぎ、という展開だったなら、もっと彼らしい映画になったかもしれない(でもこの場合さらに1点減点だけど)。大体、映画を作る側、演じる側、観る側、みなそろって「んなアホな」と思ってるワケですから、まあ、何となくそこに連帯感を感じちゃったりしなくもないのですが、内容的には盛り上がりも何もなく、氷河期なみに「お寒い」映画でした。
[DVD(字幕)] 4点(2005-12-06 22:42:31)
2898.  男はつらいよ 寅次郎頑張れ! 《ネタバレ》 
中村雅俊演じるワット君!キミ、ずいぶん薄情ではないか。自分の恋愛についてはあんなに寅さんの世話になっておきながら、自分の恋愛がさえうまくいったら、今度は寅さんの恋愛のバックアップするどころか、いきなり引導を渡してしまうとは! え?別に寅さんの世話にはなってない? まあそりゃそうなんだけどね、いひひ。しかし中村雅俊が演ってると、どうも腹黒い人物に見えてしまうのは、私だけなんですかねえ。さて、大竹しのぶを無事デートに誘い出したワット君、池のほとりで重大な告白をするのかと思いきや、「お金貸して」、財布がカラッポになっちゃったのでした。でもあの池は不忍池、上野から柴又なら運賃の安い京成電鉄で帰れる行程。ホントに完全に金欠になっちゃったのね。で、後日、プロポーズに臨むが、このシーンが天井からのカット、ちょっと意外な感じ。どうでもいいけどワット君、寅さん以上に変なヒトかもしれんなあ、と思えてきた。が、結局うまくいっちゃうのは、これはお約束。とらやでは皆大盛り上がりだが、その中で、ワット君に「見捨てられた」寅さんの階段での後ろ姿が物悲しい。場違いな「菩提樹」(シューベルト歌曲集「冬の旅」)でひとり盛り上がる店長、周りは白け切っているが、寅さんは「冬の旅」か、としみじみ。「冬の旅」もまた、恋に破れた青年の絶望的な彷徨を歌ったもの、シューベルト晩年の心境が染み渡り、死の匂いが強くたちこめた作品である。ここで我々は気付くのだ、そうか前半のワット君の自殺未遂騒動は、物語の伏線となるモチーフだったのだ、そう、これから寅さんは旅先で自らの命を絶とうとしているのだ!・・・え?考えすぎだって?いやいや、はたしてそう言い切れるのか!(←言い切れます)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-12-04 19:53:22)
2899.  スターシップ・トゥルーパーズ
その昔、ウチの姉の2人の息子(つまり我が甥)の、兄の方がまだ小さくて、弟の方がさらに小さかった頃。この映画のビデオをつけると、兄の方は怖がって「消して!消して!」と逃げ回ってたのですが、弟の方は、普段は寝つきが極めて悪かったのに、このビデオを見ながらだと必ずすぅ~っと眠りについた時期がございました。その効果は実にテキメンでした。この映画にはアルファ波を誘発するような「何か」があるんでしょうかねえ。とてもそうは見えませんけどねえ。さて、原作はご存知ハインラインの『宇宙の戦士』、ま~正直、理屈っぽく退屈な小説なんですけども、その分、骨のある小説でもあるわけで、スタジオぬえの「パワードスーツ」挿絵のカッチョよさとも相まって、それなりに人気のある作品であります(わたしゃチト苦手、読みづらかった~)。ところがいざ映画化されてみると、がーん、パワードスーツが出てこない!そりゃまあそうで、バーホーベンがやりたいのはあくまで“人体損壊”、生身の兵士が(あらゆる軍事的常識を無視して)昆虫軍団と白兵戦を繰り広げることに意味がある!というわけで、だいぶ中身が乏しい映画にはなりましたが、これはこれで原作よりも面白かったりするのだから(恋のかけひきみたいなのも一応あったりして、カワユイではないの)、世の中不思議に満ちてます。ところで、バグが襲撃してくるシーン、普通は、カメラが兵士と同じ側に立ち、バグが「向こうからこちらへと」襲ってくる形でCG描写されるのが、このテの映画の常道だと思うのですが、そして実際この映画でもそのようなシーンは多いワケですが、その一方ナゼか、「向こうにいる」人間に、バグが「観客側から」襲い掛かる、ちょっとミョーなシーンもいくつかあり、これが意外にも意外な味があります(実は撮影上の都合だけだったりして)。この雰囲気、ハリーハウゼン風の味わいを少し思い起こさせますね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-28 23:02:39)
2900.  WATARIDORI
空を駆け巡る鳥の姿をまざまざと目にし、我々は何を思うか。美しさに惚れ惚れしてもいいし、自由な姿に憧れを感じてもいいし、あるいは「美味しそう」、かもしれない(じゅるじゅる)。いずれにせよ、圧倒的なインパクトをもつ映像世界である。これを実現するには、とてつもない苦労があったであろうことが偲ばれる。例えば、海上を飛ぶ渡り鳥が、通りかかった船に舞い降りる。空中のカメラは船上へのカメラと切り替わり、これは間違いなく自然な渡り鳥の姿をそのまま捉えた映像ではなく、まさに編集のなせるワザ。しかしこのようなアプローチだからこそ、我々は鳥とともに空を飛び、鳥と共に船に「舞い降りる」、その感動。この映画は、確かに、ひとつの稀有な映像体験には間違いない。そしてこの「ドキュメンタリ風作品」は、渡り鳥のもつ「宿命」によって環を閉じ、そのとき、この生き物たちに敬意を感じずにはいられない・・・それにしても、鳥ってのはよく喧嘩するなあ、そういうトコだけは人間によく似ているね。(ついでにもう一言。傷ついた鳥がカニの群れに襲われるシーン、あのカニの種類は、実は“WATARIGANI”だった、というオチは、いかがでしょうか ←つまんね~)
[CS・衛星(吹替)] 8点(2005-11-28 22:19:09)
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