281. ヘルシンキ・ナポリ オールナイトロング
ミカ・カウリスマキなら「GO!GO!L.A.」よりも断然こっち。しかしなかなか話が本題に入らないので、ウトウトしてきたところでようやく銃声で目が覚めるといった按配。その後のやけにのろのろしたカーチェイスも見応えがありますが、全体的にこれなら「ナイト・オン・ザ・プラネット」の方がよっぽどドラマチックなのでは?と思えるほど、良くも悪くものんびりとした映画でした。洒落た台詞にも切れが無く、コメディパートの間の取り方も弟(監督)アキの方が秀でていると思います。とは言え嫌いな作品ではないですよ、念の為。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-13 16:30:47) |
282. セイ・エニシング
キャメロン・クロウ監督作品の中では、これが最もナイーブな感じがして好き。主人公の恋する狭間で揺れ動く、未来への希望と不安の心情がよく描かれています。確かにその辺の高校生でも考え付きそうなストーリーではあるけど、"シンプル・イズ・ザ・ベスト"の自分にとってはこれが青春映画の秀作にも思えるのです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-04-13 16:24:06) |
283. 笛吹き男
これは凄い!ある意味ティム・バートンの「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」と共通しています。ドイツ表現主義のような街並みのデザインに、極度に屈折した世界観が気持ち悪い…。今まで観たイジー・バルタ作品の中では最も分かり易く気合が入っていて、そして好きです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-09 09:41:57) |
284. ロイヤル・セブンティーン
最初は父親の不在に悩む少女の物語かと思い「おっ!」と思ったのですが、途中からは完全にありふれたティーン映画になっていましたね。それでもそこそこは楽しめました。もうこの手の話はいい加減に見飽きた感がありますが。取って付けた彼氏はご愛嬌♪ [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-04-09 09:25:24) |
285. 素晴らしい風船旅行
《ネタバレ》 来たー!癒し系映画の真骨頂。近頃は心身共に疲れているので何か美しいものでも見て 気持ちをリフレッシュしなければ、ということでこの『素晴らしい風船旅行』を観てみました。いや~、本当に素晴らしい映画ですね。時にはゆったりと、また時にはダイナミックに動く俯瞰カメラの映像にはまさに脱帽。はっきり言って『WATARIDORI』よりも「一体どうやって撮ったんだ?」と思うシーンが満載。しかし気が付けばムニャムニャ…なんてことにもなりかねないから怖い。怖いと言えば一回目の着地の時になかなか気球から降りられなかったり、車の手放し(なんてものじゃない)運転や、小型の気球が爆発したかと思えば次のカットでは森が燃えていたりと、けっこうハラハラ・ドキドキの連続でもあったりする。そして極め付けはラストの決死のダイビング、ある意味息も付かせぬ展開とはこのこと。もしもこのサイトに美観評価なんていうものがあったら確実に満点でしょう、少なくとも鑑賞後の後味は絶対に8点以上。風に飛ばされた洋服が空中でヒラヒラと舞うシーンは、まるで陽気なゴーストが空の上を泳いでいるかのようで楽しく印象的でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-08 11:17:03)(良:2票) |
286. 家での静かな一週間
はっきり言って訳が分からないけど好き。最初におっさんが双眼鏡で偵察しているところから、全力疾走して家に駆け込むところなんかも面白くて好きです。それから何だかあの主人公の生活に憧れてしまうのは自分が駄目人間だからでしょうか?それにしてもこの頃のヤン作品は本当に目が悪くなりそうなものが多いです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-08 09:15:53) |
287. 時の支配者
確かに伸びやかなアニメではありますが、未知の生物のデザインは良いのにそれが人間になると急にショボくなるのはどうしてでしょう?親近感のあるキャラクターに、謎に満ちた世界観には引き込まれます。最後のオチも衝撃的でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-06 15:41:01) |
288. 手袋の失われた世界
《ネタバレ》 ゴミ捨て場から見つかった一巻のフィルム、そこに映し出されたのは手袋たちの失われた世界…。チャップリンやキートンを思わせるサイレント期のスラップスティック・コメディから始まり、メロドラマからSFまでもを網羅したパロディ全集。これらにはちゃんと明確な元ネタとなっている作品があるらしいのですが、自分は残念ながら「アンダルシアの犬」くらいしか気付きませんでした。合間にちゃっかりグラスなんかを用意している観客のおじさんが面白いです。とにかくかなりマニアックであることは間違いありません。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-05 13:17:13) |
289. リュミエール工場の出口
ヤバイ、三回も巻き戻して観てしまった!それでも3分弱だけど(笑)。お喋りする女性たち、犬に追いかけられる男。彼らは自転車に乗り、煙草を吸い、そして動いていた…。まさにこの瞬間、映画の誕生を目撃したという何とも言い知れぬ感動の波が押し寄せてきます。気分的には8点を付けたいところですが、如何せん本当に歴史的な価値だけしかないものなので今日のところは7点にしておきます(何じゃそりゃ)。ちなみにその他のリュミエール作品では「赤ん坊の食事」や「雪合戦」などが好きです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-05 13:10:15)(笑:1票) (良:1票) |
290. カンガルー・ジャック
《ネタバレ》 クリストファー・ウォーケンの演技がクスリとも笑えない、この人もうちょっと仕事選べよと思ってしまう。最後もジェリー・オコネルが美人の彼女をゲットして金持ちになって終わりというラストに嫌味らしさが感じられる。カンガルーのCGは良く出来ていたけど、その代わり愛敬はゼロ。くだらなすぎて失笑を通り越して、もはや凍結という感じです。オーストラリアの広大な舞台に期待しただけに残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2005-04-03 12:40:12) |
291. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 復讐が復讐を呼ぶ、まるで御伽噺ですね。前半は開放されたばかりのオ・デスの奇妙な言動がコミカルで面白く、生きた蛸をそのまま頬張るシーンはグロテスクでありながらもユーモラスでした。アクションシーンもまるで二次元の格闘ゲームのようでパク・チャヌク監督のビジュアルセンスの良さを感じます。そんな訳で最初から最後までインパクトの強い作品であることは確かですが、一日経ったら「結局あれは何だったんだ?」という感じですっかり興奮が醒めてしまったので7点です。観た直後だったら間違いなく8点でしょう。それから思っていたより痛いシーンが多いですね、同時期に観た『SAW』よりも辛かったです。しかし毎度の事ながらこれをわざわざハリウッドでリメイクしなければならない必然性が分かりません、このままで十分傑作でしょうに。 [DVD(字幕)] 7点(2005-04-02 11:21:12) |
292. ソウ
《ネタバレ》 してやられた。撃たれたはずのアダムが起き上がった時点で「何故?」と思わずにはいられなかったが、それでも犯人の方が一枚上手であった。途中で共犯がいるのだろうくらいには思ったけど、まさか目の前にある死体がジグソウだったとは…盲点でした。7時間以上も身動き一つ取らないというのは、さすが死を覚悟した人間はやることが気合が入っているということで目を瞑っておきましょう。とりあえず長いレンタル待ちをして観た甲斐がありました(それでもビデオだけど)。生きる意欲が湧くという意味では『ショーシャンクの空に』を遥かに越えている映画。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-02 09:55:03) |
293. ジャバウォッキー
《ネタバレ》 人形から人形が生まれ、人形が人形を食べる…。C-3POじゃないけど気がおかしくなりそう。ナイフが楽しそうに飛び跳ねてやがて自滅する。子守唄的でどこか心地良ささえも感じる不思議な作品です。迷路をクリアした時のカタルシスといったら堪りませんでした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-03-30 13:35:07) |
294. 石のゲーム
如何にもNH○でやっていそうな感じの内容、イマジネーションを刺激されます。しかし子供には見せられない、というか見せてはいけないもののような気がする。ただの石のはずなのにこんなにもエロティシズムを感じさせます。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-03-30 13:21:30) |
295. 浮雲(1955)
暗い、暗すぎる…。高峰秀子と森雅之、この二人が一緒にいるだけでどんな部屋でも陰湿なムードになってしまう。こんな映画が人気だったなんて当時の日本はよっぽど落ち込んでいたのでしょうかね。もっとポジティブなものを想像していましたが、まさかここまでネガティブだとは思いませんでした。ヤルセナキオってこういうことか…。 7点(2005-03-28 16:07:54) |
296. ガンダーラ
青に包まれた神秘的なガンダーラの世界が美しい。絵はレトロだけどハイテクみたいな。相当評判の悪い作品のようですが、僕はルネ・ラルー初体験ということもあって大いに楽しめました。トランスフォームやメタルマンのキャラクターも秀逸で好きです、特に機械軍の行進シーンなんて見ていてゾクゾクしてくる(ヤバい?)。 8点(2005-03-26 11:27:30) |
297. みなさん、さようなら(2003)
《ネタバレ》 う~む、嫌な親子だ…。てっきり単なる父と息子の物語かと思いきや、それによって周りの人々も変化していくお話でした。「ビッグ・フィッシュ」が御伽噺ならこっちはあくまで現実の話。裏から麻薬を調達して来たり、見舞い客を金で雇ったりと。しかしながらそんな現実面が嫌い、何でも拝金主義で罷り通ってしまう物事。死に際まで女のことを考えている父親は幸せを通り越してある意味救い難い、息子は息子でプチ浮気なんかしちゃっているし。アカデミー賞外国語映画賞を受賞したにも関わらずここでの評価の低さが納得できます。 5点(2005-03-24 14:46:19) |
298. フード
"シュヴァンクマイエルの食物狂時代"とでも呼びましょうか。『ザ・グリード』の「食って、食って、食いまくれ!」というキャッチコピーは寧ろこちらの方が合っているのでは?多分僕だけだろうけどとても食欲の出る映画だと思いました、あ~お腹空いた。あ、ウェイターさん!…仕方ない、まずはこのパソコンから食べ始めるとしよう(笑)。 9点(2005-03-23 17:13:11) |
299. 昨日消えた男(1941)
《ネタバレ》 「あ、なるほどね」「いや、まったく」。まるで良質のコメディ作品でも観ているかのようにゲラゲラと笑ってしまいました。殺人事件によって浮き彫りになっていく人間関係、皆がそれぞれ少しずつ事件に関わっているというタネ明かしにもワクワクさせられます。犯人の名前を言われた時に密かに「誰?」と思ったのは内緒ですが…(もう一回最初から観ようかな)。豪快なアクションも有り、たった9日間でこれほどのものを撮り上げたというマキノ監督の手腕にはただただ脱帽です。姉妹編『待って居た男』も非常に楽しみであります。 8点(2005-03-23 17:00:59)(良:1票) |
300. 地上最大のショウ
《ネタバレ》 ジェームズ・スチュワートの何やら暗い過去を背負ったピエロのキャラクターが好き。この映画の良いところは観客とサーカス団員の両方になれるところでしょうか。子供よりもパレードに夢中になってしまう父親や、固唾を呑んで曲芸を見守るカップル、道化師を見て笑う子供たち。そしてどんな犠牲をも厭わずに危険に挑戦する曲芸師。自らの命を賭けて人々を楽しませようとする彼らの行為に改めて敬意を表したくなりました。 7点(2005-03-23 16:53:06) |