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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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281.  イーダ 《ネタバレ》 
全編モノクロームの静謐な映像。これがストーリーの雰囲気にとてもよく馴染んでいて良かった。 修道院の誓いを立てる前に自分のルーツや外の世界を知り、恋愛も経験して修道院に戻る。 そして、毅然たる表情で前に向かって進むイーダの姿。 最後はハッピーエンドと捉えました。 至る所に印象的なシーンがあり、オープニングのキリスト像を立てるシーンや、イーダがミュージシャンと夜を共にする時の髪を下ろす姿、ヴァンダが自ら命を絶つシーンなど、象徴的でファンタジー性を感じさせるシーンが特に印象深く響いてきましたが、その一方で、人物を右下に配する構図が多用され、人物を捉える際の引き出しの少なさが垣間見れたのは減点材料。 また、音に関して言えば、部屋で聞くクラシック音楽や車の中での歌謡曲、レストランでの生演奏、静かな部屋の中で聞こえる喧噪など、BGMを流さない分、どれも非常に耳に残っていたのですが、生演奏は何回も繰り返されて若干しつこい感じがしてしまいました。 自分としては、ポーランドの歴史的背景はあまりよく知らないままで観たのですが、イーダの出生を辿りつつ歴史に触れることができたのは良かったです。
[映画館(字幕)] 6点(2015-12-15 23:32:44)
282.  やさしい女 《ネタバレ》 
オープニングで、テーブルが倒れるモーションだけでブレッソン映画だと分かる。これって、凄いことですよ。 どうやったらあのようなショットが撮れるのだろう・・・ブレッソンに聞いてみたい。 それはともかくとして、これは超が10個付くくらいの超難解映画。 何故難解かと言えば、過去の出来事のみを一方的に語るというスタンスをとっているためであり、また、回想シーンにおいても女は男に対しての感情をほとんど口にすることもないままに物語が進行し、銃を男に向けるアクションですら動機が分かり辛く、死人に口なしのもはや八方塞がりの映画なのだ。 何が彼女を自殺に追いやったのかとか、夫婦間にどんな亀裂がなど、詮索する事が無意味であることは間違いなさそう。 ストーリーの辻褄合わせは無視して人物の心情を読み解くべき映画もありますが、これはそれすらも許さないであろう映画。 ただただ画面の中で起きているモーションに着目し、そこから何を読み取るかではなく何を感じるかに注力すべき映画。 これが並みの映画監督なら心理描写が全然出来ていないなどと酷評するところではありますが、最初に述べたテーブルの動きや死体の描写、視線などを含めた役者の表情、室内シーンの陰影の付け方、要所要所で聞かせる街の喧騒などなど、これぞブレッソン映画というべき本作に自分のような素人がいちゃもんを付けられる訳もなく、ただひたすらに映画に向き合うのみなのであります。 けど、これだけは問いたい。「やさしい」とは???
[映画館(字幕)] 6点(2015-11-07 22:03:16)
283.  イントゥ・ザ・ワイルド 《ネタバレ》 
序盤の家族間の会話のシーンまで見てこの映画ダメだと思ったけど、大自然という良質な素材があれば誰が撮ってもそれなりの映画が出来てしまう、そんな一本。 冒頭で車を降りて雪原を歩くシーンの不可解な視点による奇妙な構図でハナっからセンスのなさが出てしまった上に、無駄にスローモーションを多用したかと思えば、家族間の会話のシーンではほぼ全てのショットがクローズアップという有様。 ただ、猟をして獣の肉をさばいたりするアドベンチャーっぽい場面や、革のベルトに自分の旅を一大絵巻のように描いたりするアイディアは面白いと思いましたし、最後のチャプターでの老人との交流は心温まるような一節になっており大自然の雄大さのみならず人間性を丁寧に描いていたところは凄く良かったと思いました。 旅の最終目的はアラスカに行く事だったようでしたが、最初に廃バスに辿り着いてそこを拠点にして生きているように見え、且つ、そこで最期を迎えていたことから移動感が感じられず“アラスカに向かう”という大局的なテーマが薄らいでしまっていた事がちょっと残念に感じました。
[映画館(字幕)] 6点(2015-10-17 13:32:10)
284.  コールド・フィーバー 《ネタバレ》 
両親の供養をするという旅の目的がいい。 永瀬の運転する車が危険地帯に入り込んでしまい、立ち往生してしまったところで不思議な力を持った少女が奇声を上げて車を直してしまったりするシーンを見るに、この映画は恐らくファンタジーなんだろうと思います。 ただ、ストーリーとしては非常に好感が持てるのだけど、画面作りやストーリー進行における演出が凄く下手。 ゴルフボールがリモコンに当たると両親のビデオレターがパッと流れるくだりなんか失笑モノだし、アイスランドの空港を出てスーツケースを他のツアー客と一緒に持って行かれたシーンなんかも、他のサスペンス映画などと比べてしまうと歴然とした差を感じてしまったりして、序盤では特にそういった不自然さのようなものが顕著に出ていたと思います。 中盤でも、アメリカ人カップルの男が売店の中で銃声を響かせた後でカウンターにいた女の子が外まで追いかけて来なかったりするのも見る側への配慮に欠ける感じがありますし(撃たれてしまったのかと気になってしまう)、その時に車内では女が永瀬の首元にナイフを突き付けていたのも当の本人は気が付いていない様子で、映画の至るところで不徹底さが垣間見れる作品という印象です。 また、1ショットの中で画面の色調が少しずつ変化していくのも、もし故意でやっているとすればセンスを疑うし、そうでなければ無頓着と言わざるを得ないでしょう。 ラストの川辺のシーンでも、遠くから永瀬の行動を見つめている人がいましたが(送ってくれたおじさん?追いかけてきた?何故?)、おじさんから永瀬を見ているカットが入っていないものだから二人の位置関係がわからず、最後まで素人が撮ったような映画を見せられていた感じでした。(て言うか、おじさんを登場させる意味ないし。)
[映画館(字幕)] 6点(2015-10-12 15:41:19)
285.  ラルジャン 《ネタバレ》 
ストーリーが凄く淡々と進む感じがするのですが、やはりモンタージュがスタイリッシュで抜群に格好良い事があげられると思います。 写真屋の店主が偽札に気付くシーンからガソリンを扱う手のショットへ、また、ベッドの裏から出てきた大量の睡眠薬から救急車と白衣の人物を捉えるショットへの移行などなど、スパッと明快なモンタージュのオンパレードが見ていてとても心地良いのです。 また、ここまで見てきた観客は画面の中に斧を目にすることになり、当然背筋が凍るような感覚に襲われるわけですが、ここからがブレッソンの凄いところ。 イヴォンは家事を手伝ったり果実を採って食べさせてあげたりと一旦は善人となりハッピーエンドに向かうのかも、と思ってしまう。自分はラストよりも、むしろそういった見る側の人間を食ってかかるような“フェイント”や“焦らしテク”にやられました。 ところで、それぞれの立場を考えてみると、偽札を掴まされたイヴォンは善良な一市民。 食事の会計時に衝動的に乱暴な振る舞いをしてしまったり、仕事を解雇され妻子を養うべく銀行強盗の輸送役をやるも、根が善人であるのは間違いなさそう。 また、イヴォン以上に善良なのが写真屋の雇われ従業員ルシアン。 写真屋の金庫を荒らしたり金属片を使って他人の預金を引き出したりと悪事を働く姿が描かれていますが、自分の読み間違いがなかったとすれば、これらの一連の行いは偽証によって罪を着せてしまったイヴォンのため。自ら刑務所に入りイヴォンを救うため。(結局、イヴォンは脱獄の誘いを断りちゃんと刑期を終えて出てきましたが。) 出所したは良いが、全てを失ったイヴォン。 偽札を作って何事もなく生きてゆく学生と、偽札によって人生を狂わされる善良な人間たち。彼の手にかかった人達も同様。 偽札とは一体??
[映画館(字幕)] 6点(2015-08-24 23:33:35)
286.  ドラえもん のび太と竜の騎士 《ネタバレ》 
ドラえもんはやっぱり強大な悪と戦わないとダメ! んなもんだから、どこが盛り上がり所なのかわからないまま終了してしまっていました。 序盤で、スネ夫が恐竜の大群と大平原を発見して竜の騎士が出てきたところまでは良かった。 更に、地磁気で動く船が出てきたりして期待が持てたのですが、辻褄を合わせるためとか誤解を解くために動き回るっていうのは、やっぱり物足りなかったです。 悪役がいないというのは確かに斬新な発想ではあるのですが、というよりも竜の騎士たちが味方なのか敵なのかのキャラ設定を一貫してしっかり確立した方がストーリーにメリハリがついたのではという気がします。 物語の本線からは少し外れますが、序盤で○×うらないというアイテムを使っている時にのび太のママが部屋に入ってくるというシーンがありましたが、ママとの会話に道具がいちいち反応してしまいのび太が慌てて抑え込んだりしていた時のテンポの良い会話の流れが面白かったです。 本作で出てきたアイテムで一番好きなのは、どこでもホール。 タイムマシンやどこでもドアに次ぐ、冒険に導く可能性を秘めた道具。ワクワクします。
[映画館(邦画)] 6点(2015-02-07 23:18:56)
287.  ドラえもん のび太の恐竜 《ネタバレ》 
映画ドラえもんシリーズ第1作。 子供の時に観た作品を見直してみようと再鑑賞してみたものの、公開当時はまだ小さすぎて見てなかったみたいでした。 というのも、自分が小さい頃に見た作品と雰囲気が少し違っていて、例えば序盤でのび太が恐竜の卵を見つけて部屋に持ち帰った時に四股を踏む真似をしておどけてみせたり、ジャイアンたちにハッタリをカマした直後に反転画像になったりといった所に当時観た時との作風の違いが出ていて古さを感じましたし(悪い意味ではなく)、よく見るとしずかちゃんの表情も若干違っているような気がしました。 後の作品を本作よりも先に観てしまったこともあって、スケールの大きさやそれに伴うハラハラドキドキ感、大人でも楽しめるかどうかなどという要素においては後続の作品に劣る感じがするのですが、純粋に考えて、拾ってきた動物をペットとして可愛がるというストーリーは普遍的なものを感じますし、まだこの頃はアドベンチャーを充実させるよりもハートウォーミングなファンタジー映画に仕上げようという意図が強かったのではと思いました。 本作で出てきたアイテムは初期の作品という事もあって定番アイテムばかりでしたが、強いて好きなのを一つ挙げるとしたら、通り抜けフープかな。
[映画館(邦画)] 6点(2015-02-04 00:17:20)
288.  赤い河 《ネタバレ》 
ウエスタン+ロードムービーの淡々とした物語という印象。 街へ向かう道中で仲間割れや牛の逃走、赤い河を大挙して渡ったり女と出会ったりと様々な出来事が起こりますが、どれも皆過程の一部にしか感じられず、盛り上がる要素に乏しい感じがしました。 ダンソンは勿論、彼を取り巻く仲間たちも皆悪意のある人物はおらず、仲間割れはあるとはいえ男気プンプン漂う雰囲気は決して悪くはないと思います。 要は、遠路はるばる牛を引き連れて仲間と共に大移動する苦労が伝わって来れば良いわけで、そこはコントロールし切れない牛の大群を追いかけるシーンだったり、インディアンの襲撃を受けるシーンを見れば勿論わかるのですが、キートンやほかのウエスタン映画でも似たようなシーンを見たことがあるからなのか、自分にとってはワクワクドキドキしたり唸らされたりといった事が少なく、楽しさという点では他のウエスタン映画に譲らざるを得ないという評価になってしまいました。
[映画館(字幕)] 6点(2015-01-29 00:02:12)
289.  キートンの蒸気船 《ネタバレ》 
オープニングのパンニング。 小川のボートを捉えるカメラが左へと移動し、2隻の蒸気船を写し出す。 ここが映画的でカッコイイなぁと思ったのですが、前半ではあまりコメディとしての面白い個所が見つけられなかったです。 船長である父親とキートンが出会うシーンで「きっと俺より大きくなっているに違いない」と、ギャグの前フリをしっかり立てているからには当然その期待を越えなければ二流以下である訳ですが、ネームプレートを見て察知し乳母車の中の子供をあやしている姿に唖然としているだけでは、ギャグとしてはちょっと物足りなさがあるように思いました。 帽子を選ぶシーンもやはり今ひとつという印象で、他にも抜きん出た見どころは少なかったのですが、やはり最後の空撮ならぬ風撮のスケール感は見事と言えるでしょう。 前半でチョロっと出てきた水にドボンと落ちるのは、あれはあくまでも前フリ。 留置所ごと流されて父親がアップアップしたり、建物のセットを吹き飛ばすほどの風量ってどんだけデカい扇風機使ってんだというくらいの大胆なクラッシュでしたし、大木ごと飛ばされるシーンもクレーンで吊ってる事は分かり切っていながらも楽しく見れたと思います。 最後の牧師さんを救うというオチが若干弱かった感じもあり、6点止まりとさせて戴きます。
[映画館(字幕)] 6点(2015-01-03 21:31:54)
290.  聖職の碑 《ネタバレ》 
自分は山岳映画と思い臨んだこともあってか、序盤の駒ヶ岳登山の計画の話に入るまでは少々長く感じられてしまいました。というか、そのいらぬ予備知識ばかりではなく、序盤の人物相関やそれぞれの境遇を描いたシークエンスそのものに若干の説明不足なところがあったのも事実で、ここはもう少し簡潔に要領よく進めるべきだったと思いました。おまけに、子供たちがランニングをするシーンや音楽の授業で歌を唄うシーンにおいて、カメラの横移動が速すぎるために子供たちの表情が捉えられていなかったところを見ても、序盤からあまり期待が持てないまま観ていたような気がします。 同様に、終盤で記念碑を建てるくだりもやや蛇足気味のような尻すぼみの展開になってしまっていて、どのような理由で反対しているのかというのと、思い切ったように決断していたようでしたが建立の決め手となったのは何だったのかなど、論点が見出せずにいたのは脚本に原因があるのではと思いました。 しかし、登山シーンは総じて良く、特に雲海の果てからの神々しい御来光と、朝日に照らされる三浦たちの表情が非常に素晴らしく、彼らの置かれた境遇が境遇なだけに何と皮肉めいた美しさだろうと、ここは特に印象に残りました。
[映画館(邦画)] 6点(2014-06-01 16:42:18)
291.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
この映画はレビューするのに困る。なぜなら、自分も吃音者だから。 自分の場合ですと、やはり英国王同様、家族や親しい友人などに対しては吃音が出にくくなる場合が多いため、そういった身近な人ほどなかなか自分が吃音持ちだという事をわかってくれず、他所でどもると、「単に緊張しているだけだからそのうち慣れる」「場数を踏めば大丈夫」などというトンチンカンな指南を受けるのがオチ。 難病でもなければ障害でもないこの吃音という症状が世に広く認知されるのは喜ばしい事ではあるものの、「吃音?」「じゃあ、英国王みたいに練習で治るでしょ」と、軽く考えられるのも困るわけで、そもそも、最後のスピーチを立派にやり遂げたように描かれていましたが、あれは対処療法的にその場を凌いだに過ぎず、根本から克服したと勘違いされてしまうのは吃音者である我々としては何とも微妙な所なのであります。 さて、ここからは映画のレビュー。 一番気になったのが、人物を画面の中心からずらした構図が多用されていた事なのですが、ただ単に中央に配置しないだけならまだしも、本当に画面の隅っこ1/4くらいの場所に人物を配置していたりといった極端な構図が多かったということ。 それと、どのシーンにおいても(特に療養所のシーン)画面が暗いことが多く、人物を正面からクローズアップで捉えたショットなど、ここぞという場面であっても顔に当たる光が弱いため、あまり上手くはないなぁと感じました。 ストーリーに関しては、英国王が医者と公園を歩いていたシーンで、口論になって別れた際、煙草に火をつけるというアクションが仲違いを象徴するするように機能していたのが良かったというのと、冒頭とラストでスピーチする時の独特のハラハラ感などは他の映画では味わったことのないような独特の感覚があったりして、自分にとってはいろいろとレビューが難しい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-06-01 15:20:36)(良:1票)
292.  氷壁 《ネタバレ》 
序盤から、不倫関係をもってしまったという二人の人物描写のシーンなどを見て、かなり熱の入った恋愛話だなぁと思っていたところ、突如として当時普及し始めたであろうナイロンザイルの信用度の話が入ってきてしまい、これが本題に水を差しストーリーそのものにブレを生じさせる形になってしまっているのが実に勿体ないと思いました。 人物を丁寧に描き彼らの心の動きを機敏に捉えているわけでありますから、単純に事故が起こったという事象のみを描いて話を進めれば良い作品に仕上がったと思えるだけに、ここは残念に感じました。 映画後半で魚津が単独で山に向かうシーンで、山を越えた先には小坂の妹、戻っても八代が待ってくれているというシーンがありましたが、どっちに転んでも美女の歓待を受けるという実に贅沢なシチュエーションで、男としては何とも羨ましい限り(笑)だなぁなどと思っていたところに悲劇が起きてしまう。不倫仲の仲裁に入ったりしながらも、何の因果だろうかと自然現象の無常さを描いていたところに、この映画を読み解く難しさがあったように思えます。 また、終盤で雑踏の中を一人歩く八代と魚津の遺影に花を手向ける小坂の妹の両者の姿がそれぞれ描かれていましたが、この場面から両ヒロインの微妙な心情をどう解釈するかといったところでもこれまた一筋縄ではいかないものがあり、再考が必要な映画だと感じました。
[映画館(邦画)] 6点(2014-04-28 00:50:08)
293.  恋人泥棒 《ネタバレ》 
タイトルは原題邦題共にダメ。シナリオもまぁ、可もなく不可もなくといったところ。 それよりも、やはりアメリカのテクニカラーの映像が個人的にはあまり好きにはなれず、おまけに、意図を理解するのに苦労するようなカメラワークがこの映画の価値を下げてしまっているように思いました。 ズームインを多用していたのと、変に凝った映像を作ろうとしたのか、男が警部としてフェアチャイルド家に入った時に乾杯するシーンで物の陰から撮っていたり、二人で地下室に忍び込むシーンでも同様に“物陰ショット”をやっていたりして、視点が定まらないというか、かなり奇妙な撮り方をしていたのが勿体なかったと思いました。 また、音の使い方もあまりセンスが良いとは言えず、映像が切り替わるのと同時にBGMも途中で寸断される事が何度もあって音に対する無頓着さを感じさせられましたし、やはり何と言ってもクラウディア・カルディナーレの声が嗄れていたのが非常に残念なところでした。 しかし、しかーし、唯一にして最大の見どころは下着姿のクラウディア! 灼熱の地下室の中、服を脱ぎ捨てた彼女のスーパーボディーには目を釘付けにされてしまい、更に炭酸を浴びせられて身悶える抜群のサービスショットなんて、思わず身を乗り出して見てしまうほど!何であんな所に都合よく冷蔵庫が置いてあるのかはさておいて、ここはもう自分映画史上最大と呼ぶに相応しい超奇跡的なワンシーンです!!! この潜入シークエンスを何とか終盤に持ってこれるようにストーリーを組んで、最後に「ローマに、また宝石を一緒に戻しに行きましょ」で終わりにした方が良かったんじゃないかな?
[映画館(字幕)] 6点(2014-03-16 13:34:47)
294.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
軽妙なBGMと共に頭を刈り上げるオープニングや最後のミッキーマウスマーチなど、この人の皮肉がかったジョークは自分には全く響いてこず、映画として面白いかどうかは言うまでもなく、またしてもキューブリックとの相性の悪さが出たように思いました。 映画の前半と後半で全く別の映画となってしまっており、どちらからも伝わってくるのは戦争という異常な世界による人間性の喪失であって、前半では前線に立った時に躊躇う事なく人を殺せるような殺人マシーンの製造過程の中、精神を崩壊させて脱落する者が出てくるほどの過酷な環境が丹念に描かれており、また後半では、苦しんでいる少女の息の根を止める時にふと出てしまうわずかな人間性が訓練よって形成された非人間性とぶつかり合う様を描いたところが最も大きなテーマと言えると思います。 前半部分で、タイトルの「Full Metal Jacket」がデブの訓練生が発狂した時の台詞で出てきましたが、この場面を一番のテーマと捉えているからこそこの映画のタイトルとなったと考えましたが、だったら何故、そのシーンのすぐ後で物語を分断してしまったのか、ここは大いに疑問を抱かずにはいられません。しかし、タイトルの意味を深く考察した他のレビューを拝見しますと、まぁ納得はできますが心に響くほどではないというのが正直な気持ちです。 後半部分は、スナイパーの少女が出てくるまでは単なる断片の寄せ集めという印象しかなく、ヘリからの銃乱射や新聞製作の会議や兵士のインタビューなど、どれも本題(少女と対峙する場面)に関係のないシーンやサブプロットばかりだったように思えました。 それよりも、この映画を観終わって自分が一番気にかけてしまうのが戦争が終わった後の事なのですが、前半に出てきたあのような軍曹は当時数多くいたと思われますが、あれはどう見ても“彼自身”であって教官の任務として罵っているとはとても思えず、もし戦争が終わり平和な日常に戻った時、暴言を吐くことなく“人間”らしく生きていくことが出来るのだろうか、また彼らの訓練を受けて非情さを植え付けられた人間はその数十倍におよぶはずで、彼らもまた戦争時の非人間だった自分自身をリセットし切り替え、再び心を持って生きていくことが果たして出来るのだろうかと、心配せずにはいられません。 ベトナム戦争が終わりPTSDで苦しむ人が数多くいたというのも、この映画を観れば分かる気がしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-01 19:18:22)
295.  オズの魔法使 《ネタバレ》 
テーマソングの「Over the Rainbow」と、竜巻が過ぎ去ってドアを開けてみるとそれまでのモノクロ映像から色鮮やかなカラーの世界が広がっていた、という所までは良かったと思います。 ストーリーが全体的に行き当たりばったりの安っぽさがあり、HDDで録画しておいたものを見返してみるとそのような箇所は数えきれないくらいに多く、とてもこのレビューで挙げていられないほどあったように思えます。 緑の城へ向かうのは、それぞれが自分に欠けているものを得るための旅でしたが、いざ大魔法使いに会ってみると実は自身の奥底に元々持っていたものだった、というのがこの映画のテーマだったようですが、この辺りの話で自分に響くものがなかったのが楽しめなかった要因のような気がします。 しかし、自分が飼っている動物と二人三脚で困難を乗り越えるという物語は何か普遍的な感じがあって好きですし、良い魔女の登場シーンでシャボン玉が出てくるところなどの特撮映像は今見てもどうやって作ったのか分からないほど良く出来ていていると思いました。 それと、最後で再び家に帰ることが出来ましたが、ここは別にまたモノクロ画面に戻らずにカラーのままでいても良かったんじゃないかな?
[CS・衛星(吹替)] 6点(2014-02-23 11:32:27)
296.  バシュフル盆地のブロンド美人 《ネタバレ》 
「盆地」というタイトルからして、平原でじゃじゃ馬を乗り回してドンパチやるシーンを想像していましたが、観てみると意外とスケールが小さく拍子抜けしてしまった気がします。 ストーリー全体では、結構テキトーな感じが見受けられ、過程や動機が見えにくい部分があったり、トントン拍子で事が進み過ぎる所があったりと、物語に関しては少々軽い所が見えてしまい、あまり深く印象に残るものはなかったように思いました。 冒頭、射撃を教える爺さんから画面が切り替わると撃っていたのはなんと可愛らしい小さな女の子というオープニングと、インディアンの真似をした二人組を教室に残して彼らをビビらすシーンの二つが一番好きシーンです。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-07 21:41:44)
297.  幌馬車(1950) 《ネタバレ》 
ストーリーを考えると、まぁやむを得ない所ではあるのですが、馬の疾走するシーンが余りにも少なかったのがちょっと残念ではあります。 そういった楽しみにしていたシーンがない中でも、平穏で長閑な移動風景とその一方で何か良からぬことが起きるのではないかという緊迫感が充満した停泊時との対比が、西へ向かって進むたび、馬を休めるたびに幾度となく繰り返されるのが印象に残りました(ついでに、仲間内での賑やかなダンスシーンと足音のみのマホバ族のそれも対比が出ていて面白い)。 序盤の、馬の売値の話からモルモン教徒一行と仲間になるまでのくだりも若干繋ぎの弱さを感じますし、旅芸人の若い女を絡めた恋物語も希薄な印象ですし、角笛のおばさんに至っては角笛を吹くシーンでもマホバ族とのダンスのシーンでも全く台詞が与えられていなかったところを見るに、やはり傑作と呼ぶには難があると思います。 しかし、肩を怪我した盗賊の親玉が最後まで根っからの悪党でしっかりと息の根を止めてくれた所なんかは爽快感がありましたし、銃を撃ち合うアクションの一瞬のタイミングにもこだわって撮られていたのは、やはりジョン・フォードの仕事でしょう。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-04 23:07:15)
298.  ストロンボリ/神の土地 《ネタバレ》 
いきなり結末についての考察になってしまいますが、バーグマン扮するカリンは夫のもとに戻るのでしょうか?「神様!神よ、私に力を!」と叫ぶところで終わってしまい、ここから戻るくらいならここで死んだ方がマシ、という意志の固さを自分は感じました。 映画の序盤に話を戻すと、カリンは「自由を求めてアルゼンチンに行きたい」と言い、また「私は文明社会の女」とも。 夫を捨て、噴煙を上げる火山を命懸けで乗り越えてまで女が手に入れたかったもの・・・自由とは一体なんだろうと、映画を観終わって考えた。 イタリア本土やアルゼンチンに行けば文明的な生活ができ、自由が得られると考えていたようですが、文明的な生活をすることが自由なのか? カリンは自分の中に新たな命を宿し、夫からの愛を受けているにもかかわらず、色目を使って本土へ逃れようとしていましたが、夫の愛や子供の命よりもそれは大事なものなのか?疑問を抱かずにはいられません。 また、島民の閉鎖的な気質も理解が難しい。よそ者だろうとお互いに助け合う精神が見えないのは何故なんだろう?あれほど自然災害が頻発する場所だと、大抵は協力し合う気持ちが自然と出てくるような気がするのですが。この住民の環境も映画用に作られたような気がしてならず、ヒロインの心情も含めて疑問点の多い物語のように思えます。 これを踏まえると、この映画の言いたかったことは一体なんだったのだろう??いくら考えても自分には分かりません。 一方で島での生活についてですが、こちらはかなりリアルに捉えている印象。 やはりマグロ漁のシーンは必見で、大勢で歌に合わせて網を引き、大量のマグロが水面に上がるシーンは圧巻。銛で巨体を船に引き上げ、幾重にも重なるマグロの姿。複数のカメラで捉えたこの一連のシーンは、自然からの恵みを享受し喜びに溢れる一場面と言えるでしょう。また、噴煙や土砂が村全体を覆い島民が逃げ惑うシーンも嘘偽りのない本物の噴火現場を撮ったと思われ、これほどの災害を生で撮影に挑んだ監督やスタッフ達の情熱には頭が下がる思いでありますし、最後の噴火口付近でバーグマンが火山灰を吸い込み咳込む姿を見ても並大抵でない苦労が伝わってきて、劇中でのカリン役の島を出るのだという強い意志とがオーバーラップし、自分がそれまで感じていた疑問など吹き飛んでしまうほどの圧倒されるような気持ちになりました。
[映画館(字幕)] 6点(2013-12-23 15:05:34)
299.  イースター・パレード 《ネタバレ》 
結論から言ってしまうと、アステア出演作は4,5作は観ているので彼の流麗なステップには以前ほど驚きも少なくなってきたし見ていて楽しいといった感覚も薄らいできてしまっているので、自分としてはダンスよりももう少しストーリーの方に重点を置いた映画の方が好きかなぁという気がします。 しかし、オープニングでアステアが帽子屋に入り女性がズラズラと奥から出てくるところから帽子を受け取るまでの流れが、具体的・現実的な動作が一切なく「シェルブールの雨傘」を彷彿とさせられたのには驚きました(こちらの映画の方が先だから尚更ビックリ!)。 さらに、ウサギのぬいぐるみを手に入れるまでのシークエンスでは、今まで自分が観てきたアステアのどのダンスよりも華麗なもので、ここまでは目を奪われるシーンが続いたこともあって凄く期待して見ていたのですが、その後がどうしても普通のミュージカル映画に成り下がってしまい、物足りなさを感じてしまいます。 終盤の方になるとダンスシーンが多くなっていき、アステアの動きをスローモーションで見せる演出なんかもややクドい感じがしてあまり好きではないですし、それよりも、ハナー・ブラウン役の女優をもう少し若い人を起用するとかして、二人の女優に年齢差を付けた方が互いにキャラが立っていて良くなったと思います。 サラダ・フランソワの説明をするウェイターや、ナディーンに振られた時に飲んでいたバーテンダーなど、脇役の方はなかなか個性的だったんですが。
[映画館(字幕)] 6点(2013-12-21 20:14:25)
300.  魔人ドラキュラ 《ネタバレ》 
自分が今まで観てきたトッド・ブラウニング作品でよく出てくる、目を背けたくなるような描写は少なく、思ったよりも大人しい印象だったと思います。 というか、しゃべりがゆっくり過ぎてテンポが悪く、ひたすら“緩”やかなシーンが続いていたので、せめて最後くらいは“急”を出してフィニッシュして欲しかったところ。やはり、終盤にかけてまでもスローな展開であったため「The End」もすごく唐突に出たように思えてしまいました。 この映画のドラキュラは、いきなり部屋に入ってきてス~ッと首元に顔を近づけるシーンばかりだったところがあり、主人公やヒロインが襲われる映画はいくつも観てきましたが、もっと多く間一髪のシーンを増やすとかドラキュラのクレバーさを描くとか、もうひと工夫あればと思いましたし、最後のやっつけられちゃうシーンも、ちょっと杭が細すぎると思ってしまったりして、人物設定やストーリー展開ではちょっと物足りなさが残りました。 まぁ、サイレント愛好家の自分としては、扉がゆっくりと開くモーションにドキドキしたりするのですが、トーキーの映画でこんなシーンを見ると、扉が軋む音が鳴っているのが何だか斬新な印象を受けた気がしました。 オープニングの、白鳥の湖の綺麗な旋律は良いのですが、この映画にマッチしているかと言えば、ちょっと疑問符が付くところでしょう。 
[映画館(字幕)] 6点(2013-07-06 11:00:46)
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120.37%
230.55%
391.66%
4295.35%
58515.68%
614426.57%
716630.63%
87313.47%
9234.24%
1071.29%

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