281. 長ぐつをはいたネコ(2011)
《ネタバレ》 なかなか面白かった。どうしようもなくネコなプスが可愛くて仕方がない。 シュレックの大好きなキャラだが、こうも素直にスピンオフされるとうれしい。ペローのお話とは全く関係がないので読んだことがある人でも安心して楽しめるはずだ。 今回もDREAMWORKSは非常に良い仕事をしている。既にリアルさではなく、いかにリアルさを削ぐことが効果的なのかと言う実証段階に入りつつあると感じさせる絵作りにはスゲーと思わされる。屋根伝いの追いかけっこや、空からの落下シーンなどでは素直に「アヒャヒャそんな訳ねー」と笑い飛ばせる。 話もオーソドックスで、どこかで見たようなものが組み合わさってやさしさが伝わってくる。残酷にならないように、ひどいヤツはひどく見せる。この辺のさじ加減が絶妙だ。エンディングも決していい加減ではなく、きちんと主張が込められてて小さい子供には是非見せてあげたいと感じさせられた。良い映画だった。 IMAXで観たのだが、3Dの立体感は弱めでバランス重視。CGのキャラ造形がくっきりと見えて楽しかった。CG好きにはIMAX版推奨。2012年現在日本のIMAXデジタルシアターは2kでは有るが、4kリマスタリングの映画は殆どないので今観られる映画で観たいものがIMAXで上映されているなら逃すべきではない。2200円の特別興行料金に損はない。 今後は映画自体が徐々に4kの路線になっていくかもしれない。そのうち4kになって、4kキャンペーンかなんかでリマスタされた同じ映画を同じ劇場で観たときに「201x年くらいはIMAXは2kでさ、こんな風にも違うんだよね」的な能書きを楽しめるのだろうか。 [映画館(吹替)] 7点(2012-03-25 23:52:51) |
282. ダンス・ウィズ・ウルブズ
《ネタバレ》 ヨーロッパ人がアメリカ大陸とその住人を殺戮しなければ、とか。 ユーラシア大陸は様々に文明が発達して、多様な技術を持っていた。そのために為す術がなかったのは仕方ないにしろ、当時の人類に残虐性が強かったのは何とかならなかったのだろうか。 メキシコやアメリカ南部ではその風潮が最後まで続いた。だからこう言う物語が産まれるんだろう。ただ仮に、反対に有色人種が優勢な技術を持っていて原住民が白人だったら。見た目の美しい白人女性とか、絶滅しちゃってたんじゃないだろうか。恐ろしい。 そういうわけで、人権とかそういう法治的な概念がしっかりしていない時代の話って言うのはやりきれないものがある。けど、なにか美しさがある。人間の汚らしさから産まれてくる美しい話って言うのがまたやりきれない。 [映画館(字幕)] 8点(2012-03-25 07:19:15) |
283. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 何か起こるようでいて、何も起きていない。 外観がもたらす緩やかさのなかに、人の内面が作り出す温かさがある。 とても心地よい時間を過ごすことが出来た。 [ビデオ(字幕)] 6点(2012-03-24 08:46:39) |
284. トロピック・サンダー/史上最低の作戦
《ネタバレ》 壊れている。大事な部分が壊れている。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2012-03-23 05:43:06) |
285. ガール・ネクスト・ドア
《ネタバレ》 結構面白い。 色々温いのだが、その温さがよかったりする。もうちょっとハードな展開とか、痛い展開とかをやると妄想アニメみたいになってイヤだったりする。別れちゃったりしなくてよかった。 最後もうまくいってよかった。切なくなっちゃったらどうしようとか心配したけど、直球ど真ん中な話もたまには良いな。うまくいって何が悪い。切ない展開悲しい展開はスイマセン自己憐憫で死にそうになるから止めてください耐えられないんですゴメンナサイ。 アーア。こんな夢みたいな卒業してミテエ。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-03-23 05:38:05)(笑:1票) (良:1票) |
286. キング・コーン 世界を作る魔法の一粒
《ネタバレ》 面白い。小粒だが良くしまった味のドキュメンタリが堪能できる。 そうだ。そうそう。 何でもかんでもアメリカのせいにして、廉価で栄養もキチンと含まれる食事に感謝もしない。しまいには食糧事情までアメリカの陰謀になっちゃったりする。馬鹿馬鹿しい。 この映画が扱う問題はきわめてデリケートで、果たして何が正しいのかを判断するのが非常に難しい。と言うのも、社会の基盤になっている明かされない何かが歴史の中で既に決定されており、それに対する結論は出かかっている状態に過ぎないからだ。 この映画の主人公二人は、問題の根源と見なした農務長官を訪ね核心を突いた気になったその直後、現実を知ることになる。現代の形を作っているこの変遷は彼だけが決めたものでもアメリカという国家の我が儘でそうなった訳でもない。老人は静かに語る。 「誰だって豊かな生活がしたい。食料が圧迫していた家計に余裕を作り出したい。それを叶えたかった」 この言葉に嘘はない。そして、 「私たちの生活は食費に悩まされることはなくなって、その余剰を他の事に回せる。幸せなことだ」とつぶやく。 残酷な言葉を突きつけに行った二人は求めていたものと余りに姿が違う事実を目の前にすると言葉も出ない。 この問題は、いろいろな物事に内在する同種のジレンマを一度に思い出させる。答えはあるはず。しかし、その回答までの複雑すぎる行程を探し出せないのが人間なんだろう。私たちは明らかに存在する答えに向かっているのかさえも解らず、それを探してウロウロしている。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2012-03-22 23:13:20) |
287. 戦艦ポチョムキン
《ネタバレ》 1925年にこれほどの物を撮っているソ連。恐るべし。 そして連呼したくなる。ポチョムキン。 [DVD(字幕)] 7点(2012-03-20 18:25:03) |
288. タワーリング・インフェルノ
《ネタバレ》 子供の頃に観たこの映画で、一番印象に残ったのは 「イニシャルコストをケチると、取り返しがつかない」 と言うような台詞。実際これはこの映画の骨子になっていてなおかつよくできている。 ところが、この映画の細かい部分は結構やっつけで惜しい部分がいっぱいある。 主演二人を使うことがいかに重大な問題だったかが窺われる。この映画自体がグラスタワーだったような気がしてならない。建築物に興味がないパーティ参加者にとってはこの災禍は理不尽きわまりない物だっただろう。同様に、あちこちに見られる荒っぽさは主演二人に思い入れがない私にとって非常に残念な部分だった。 こういう建築物、首都圏に無数にあるよね。非常ドアがどこにもないデパートとか、非常階段にすらたどり着けないビル内の映画館とか、非常階段そのものを出入り口に使っている量販店とか無数に。決してザルではないんだよ、この設定は。 [地上波(吹替)] 6点(2012-03-20 17:33:06) |
289. デジャヴ(2006)
《ネタバレ》 なかなか良かった。 妙に漫画っぽい時間装置にしっくりこない感覚を受けた。でもその辺は気にせずに見ていくと、アクションをさせるには丁度良いのかと納得したりする。 主人公は死んでしまう訳で、厳密には最後の彼とは別人だ。同僚も死んでしまう。監視機関によって客船の被害者達ははじめから助かるところをもう一人、クレアを助けたいという彼の我が儘で物語は転がる。自分の中に産まれそうな恋のような感情について、彼は気づいているようで気づいていない。 何となく画面からは二度のタイムスリップという風に読み取れるが、何度も過去に戻って、何人もの自分が死んで、その積み重ねで何も知らない自分がクレアと出会う。そういうラストなんだろうきっと、その方がちょっとだけぐっとくる。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-03-17 08:25:00) |
290. ザ・インターネット
《ネタバレ》 そこそこ。 当時見てもそんなわけ無いじゃん。っていう設定だったが、今観てもこういう冗長性が全くなく人間自体が端末に表示された情報を原本と全く同様と思い込み、さらに社会自体が訂正機能を実装してないとか言うのはちょっと雑だ。観た人を何人だませるかなっていうのが勝負。明らかに設定を練る方向にして金が掛かるのを嫌っているのが透けて見える。 そのせいでコンピュータを使った駆け引きが無く一方的に追いかけられるサスペンスで作られていたため、普通の量産サスペンスになってしまい問題提起も嘘っぽくなっちゃっていてあまりうまくいかなかったようだ。 飽くまでも量産型という雰囲気で、すべてがそれなりだった。でも、95年にしては80年代っぽ過ぎやしないだろうか。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2012-03-17 06:57:39) |
291. NEXT-ネクスト-
《ネタバレ》 設定が良い。 自分の能力の縛りが二つあったことに自分自身が気づいていないというオチ?あれはよかった。自分の命を守るのは二分先だけど、自分も気づいていないリズの生命を守る事になっているという縛りは未来の分岐点が見えるとかそういう設定は、絞りが足りなくたぶん読み取れないとご都合主義とか言われて無視されるのではないだろうか。わざとらしくなってもなんかで説明したらよかったのではないだろうか。対象年齢をどこまでも下げてしまうのを嫌ったのだとは思うが。 プロット自体は結構よかったが、ディック物らしさがあまりなかったかなと思う。もっとぶっ飛んで良いように思うが、こぢんまりとした終わり方。ディックからは設定やアイデアをいただいたら、嘘だろ?っていうくらい色々やらないとこうなるって言うパターンに填ってしまっているような気がする。 ともあれ、難しい材料をここまでまとめてくるあたりにハリウッドってスゲエって思ってしまう。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2012-03-17 05:45:42) |
292. キャノンボール2
《ネタバレ》 いや、2の方がちゃんとしてないか? [DVD(吹替)] 6点(2012-03-17 03:51:33) |
293. バトルクリーク・ブロー
《ネタバレ》 これはね。ジャッキー補正が掛からない貴重な作品なんだ。 [地上波(吹替)] 2点(2012-03-17 03:49:52) |
294. 少林寺木人拳
いや、確かに大して面白くはないけど、ジャッキー補正で全然ok。 いろんなアイデアが詰め込まれていて良いもんは良い。でも、テレビ局が勝手に入れたBGMとかが今のDVDには入っていないらしい。それってどうなんだ?石丸博也じゃないとかもうそれはジャッキーじゃない。ジャッキーはジャッキーが声を当ててはいけないんだって。 [地上波(吹替)] 6点(2012-03-17 03:34:57) |
295. 東京オリンピック
《ネタバレ》 記録映画って特に興味がないので仕方がないが、楽しくはなかった。 でも、あの場所?え?あそこ?へー。的なおもしろさはあった。 感受性の低さを思い知った。ちくしょう。 [DVD(邦画)] 6点(2012-03-17 03:23:24) |
296. キック・アス
《ネタバレ》 典型的なアメリカンコミックの主役たちを、現実の世界でやったならどうなるのか。それを主人公が体現しようとする。 むろんそれは不可能であり、犯罪者にとっては死にに現れた異常者にしか映らない。冒頭でそれが当然のように説明されると、アメリカンコミックの典型のような、「悩みだらけ」で「事情だらけ」で「ドーピングだらけ」な中身人間なヒーローが現れてしまう。この表現自体の異常性が物語を引き立てるのだが、人間の体が物理的に壊れて生き物から物に変わる瞬間を全く躊躇無く映像にしてしまうことで現実には正常な人間がこのような事をすることができないことを思い出す。意外と巧妙な作りだ。 殺害シーンは終盤アクションの連続になるが、ゲームのインターフェイスや古典的な映画手法を使ってスタイリッシュに見せている。特に暗視装置のような主観視点からのFPSをイメージしたような殺害シーンはその瞬間の罪悪感を感じさせないところに恐ろしさがある。だが、普通の人間ならあとからこれは飽くまでも作られたショーだから許されるという心の節度が効くことが想定されているのは当然だろう。 ところで米軍では、無人戦闘機や有人兵器での暗視装置を使った遠距離からの一方的な殺害をすることで、オペレータの生命を守る事に成功しているが、同時にゲーム然としたインターフェイスを倫理観が受け入れることができないのだという。作戦を実行するオペレーターは白兵戦で感触の伝わる距離での殺害をしてきた時代以上に、重度の精神的な負担にさらされることになり、このことは兵員にとって深刻な問題になっているという。 結局、殺害を職業とする、専門の科学的なカウンセリングと教育と訓練で精神的な調整を施された人間たちでさえ結果として重度のストレスにさらされている。人間が残酷なシーンをアクションシーンと言って見ていられるのは、これが作り物であるという節度が効いているからである。 本物の殺害であったなら、職業として決められ遊び感覚の環境が用意されてさえ罪悪感につぶされてしまうのが正常な人類だ。だからこそ現実の戦争や事件とは切り離して考えるのが妥当ではないだろうかと思う。自分にもできると確信して、本心から嬉々として楽しんでいる人間がいるとしたら異常者の性向がある。 そういう訳で、正常かどうかのリトマス試験紙として普通に楽しんだらいいと思う。 [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2012-03-11 21:49:42) |
297. ベスト・キッド(2010)
《ネタバレ》 どう考えても THE KARATE KID では無いはずなんだが、面白かったからいいや。 良くできてるわ。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-03-11 01:38:43) |
298. 幾つもの頭を持つ男
実は幼稚園児だった時に見て、もんんんんんのスンゲー驚いたんだこれ。 予備知識がなかったらもんんんんんんんのスンゲーよこれ。 で、以来テレビの特撮とかを下に見る性格になってしまった。良くないね。多分に良くない。 [インターネット(字幕)] 8点(2012-03-11 00:09:41) |
299. 絶体×絶命
《ネタバレ》 結構面白かったのだが、人が傷つきすぎる代償のバランス感覚がよく分からなくなってきてしまって最後まで楽しむ事ができなかった。 二人の主人公の対決自体は面白く、悪役のキートンが時折見せる悪性と軽妙なタッチの対比が物語を引き立てる。一方ガルシアの方は脚本から削られたとおぼしき父性が物語からも緊迫感を削いでしまっていると感じた。おそらくそこまでやるリソースが無いランクの映画だったとも言え、その辺は割り切ってみるのだが、被害の大きさから納得することができなかった。 最後シーン。あからさまに、拘束もしないでそんなに近づいたら危ないだろ。って言う緊張感がたまらない。全編こんなだったら良いのに。でもそしたら全然違う規模の話になっちゃうんだろうな、きっと。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2012-03-11 00:05:13)(良:1票) |
300. あらしのよるに
《ネタバレ》 可も無く不可も無く。 やはりどうしても、なんで男同士なんだと思ってしまう。なぜ友情じゃ無きゃいけないんだろう。男女には超えられない壁があるとか言うが、それって言うのは性欲が立ちはだかるからだろうどうせ。物語として子供がターゲットであるとこれではまずいというくだらない配慮は理解できないでもないが、家族ではない男同士の愛情というのは余り感心しない。男女のセックスよりずっと感心しない。 どう考えても同性愛をわざと臭わせているが、男女の性欲は駄目で何で同性愛的な表現は良いのだろう。訳が分からない。確かに友情物の定石展開はあるのだが、そのことごとくに男同士の性を臭わせるのは大きな違和感。 同性愛てきな感情が理解できないと難しいんじゃないだろうか。同性愛が解ればこの程度の関係に性的なメタファーを感じることがないだろうから、純粋な友情物語としてみることが出来るのかもしれない。ただし、直接同性愛を嗅ぎ取ってしまうとキャラクターのちょっとした行為が同性愛者のそれなのではないだろうかと距離をとってしまう。 そういうわけでワタシはこの映画が理解できなかった。 絵本を映画化するのは良いが、原書を軽く見すぎではないだろうか?所詮絵本的安易な改変が入っている節があり、作家を冒涜するなよと言いたい。 絵本を馬鹿にするな。 [DVD(邦画)] 5点(2012-03-07 00:13:24) |