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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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301.  肉屋 《ネタバレ》 
この映画を見終って、以前にも似たようなエンディングを見たことあるなぁと記憶をたどっていたら、自分がちょっと前に観たシャブロルのあの映画にありつきました。 まぁ、この映画にも一応ストーリーはあるのだけど、どうも面白くない。 主人公の周りで殺人が連続して起きるのだけど、見ての通りの小さい村で、犯人として第三者が新たに介入してくる可能性もなさそうなので、観る側としては男の心理描写や殺人を犯すいきさつなどに焦点を絞って観ることになるのですが、特に殺人を犯した理由などは特に見当たらず衝動に駆られての犯行のようで、観る側としてはそういうのが一番タチが悪く、またレビューにも困るわけなのです。 ストーリーがなくても入り込める映画というのは何回も観てきましたが、面白く感じられる映画というのは、そこに描かれた世界観に入り込めるかどうかというのが一番のポイントとなると思います。 この映画の場合、死体の映し方が特別綺麗な訳でもなく、また、殺害方法が目を奪われるような巧妙さがあるわけでもないため、殺人という犯罪が、非道徳的な面がそのまま出てしまい、それを感じさせないほどのストーリーや映像面での面白さがないのが入り込めなかった理由のような気がしました。 ステファーヌ・オードランは綺麗だったし、最後の朝焼けの美しさは印象に残りましたが。
[映画館(字幕)] 5点(2009-03-08 15:52:05)
302.  ユリシーズの瞳 《ネタバレ》 
アンゲロプロスには申し訳ないですが、ストーリーの中での出来事、主人公がどんなことに出くわしたかとか、いつの時代にどこの国でどんなことが起こったかとかは、はっきり言ってどうでもいい事だと思う。 話の大筋、主人公が幻のフィルムを求めて国境を越え、戦禍をくぐり抜けながらフィルムにありつく。この程度のことが読み取れさえすれば、あとは主人公がフィルムを追い求める情熱を感じ取るのみ。 この映画は他のアンゲロプロスの作品同様、旅を描いた映画。東欧の実情を主に描いてストーリーは副次的なものにしたいのか、またはその逆なのかはわかりませんが、少なくとも自分は画面の中で起きていることを見ているだけでも十分入っていけました。 途中、夢だか回想だかのシーンが出てきますが、これが少々解り辛い。特に入り方。ワンシーンで一気に時代がジャンプすることが珍しくはないアンゲロプロスの映画の中では、何が起こっても全く不思議ではないから。 最後、幻のフィルムにありつけるわけだけど、フィルムの内容などどうでもよくなるくらいの救いようのない結末には絶望してしまいます。せめて、霧の中で音楽を奏でているシーンで締めて欲しかったと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-06 00:31:55)
303.  赤い風船 《ネタバレ》 
赤い風船・・・それはまるで、ちょっとしたペットのよう。 捨て犬や捨て猫のように、誰かが膨らまして街灯にくくりつけたのでしょう。捨てられた風船を見つけた少年はその風船を可愛がり、風船もまた少年のそばにいようとする。この両者の関係がほんわかと暖かくて、見ていてとてもピュアな気分になれます。 大人の目線でこの映画を観てしまうと、ついついあの風船をどうやって動かしているのかが気になってしまいますが、そんなことを詮索するのは野暮というもの。 グレーの建物をバックに大きな赤い風船。そのコントラストや、奇想天外摩訶不思議な動きをする風船と、純真な少年。それだけでもう十分、幸せ一杯な映画なのです。 最後の方で、いじめっ子が風船に悪さをし、風船は割れてしぼんでしまいます。すると、町中から風船の仲間たちがぞくぞくとやってきて、そのいたずらっ子に仕返しをするのかと思いきや、そこはフランス映画。日本のドラえもんの道具のようなことはいたしません(笑)。集まった風船たちは、少年を空の旅へと連れ去っていくのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2008-11-03 17:35:07)
304.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 
オープニングクレジットの背後に映る野生の馬の群れ。全てのスタッフの紹介が終わると、いそいそと野に散っていく。なんか、馬を操っているみたいな感じで、不思議な感じがした(もちろん編集ですが)。 自分がこの映画が好きなのは、馬の精悍な出で立ちはもちろんですが、それを引き立てる自然の無表情な美しさ・・・水面の静けさであったり、荒野の乾いた感じ、生い茂った草むらのざわめきや、海の容赦ない荒々しさ・・・などです。 特に、馬が干潟を駆け抜けるシーンが最高に好き。馬が走るのに丁度いい具合に水が浸っていて、水しぶきを上げながら走り抜けるシーンに妙に感動してしまいました。 この白い馬は、少年になついてじゃれあったりして可愛い面を見せるわけでもなく、どんなときも、怪我をした脚を見てもらう時も、群れのリーダーらしく孤高な姿でいるのがとても良かったと思います。 最後、どこまで走って行ってしまうのだろうか、きっと追っ手を振り切ってくれるだろうと思い見ていたら、とても切ないラストを迎えてしまう。 動物は演技なんか出来ないから、余計に心に響くものがありました。
[映画館(字幕)] 9点(2008-11-03 15:18:32)(良:1票)
305.  輪舞(1964) 《ネタバレ》 
オープニングの影絵&キャスト・スタッフ紹介は大好き。 その直後の、夜の街の街灯の光の色加減なんて、もう堪らなく好き。 終始に渡って、ただ何の脈絡もなく語り合っているだけの映画なので、ハッキリ言ってストーリー的な面白さは全くないです。 しいて見どころを挙げるとすれば、登場する女優さんたちを眺めるのと色鮮やかな画面模様くらいでしょうかね。 色使いなんかは、この時代の特徴とも言える独特の色合いが出ていて凄く好きなのですが、スコープサイズの画面を使っているだけに、ちょっと画面の構図がイマイチなシーンがいくつかあったのが残念でした。 先にレビューなされた方のコメントを拝見すると、オフュルス版のオリジナルの方が評価が高いようですが、この映画は観ての通り、ストーリーを語る映画ではなく、画面の華やかさが求められるべきであるので、これはこれで成功しているのではと思います。オリジナル版は未見なので何とも言えませんが。
[映画館(字幕)] 6点(2008-10-30 01:15:43)
306.  気のいい女たち 《ネタバレ》 
クロード・シャブロルってこんな映画を撮る人だったっけ?って思ってしまうほどストーリーに面白味がない。 ところどころでバカ騒ぎしているシーンがありますが、どうもイマイチ面白くない。何でかはわかりませんが、その場の楽しさが伝わってこないんです。 それと、序盤のうちからバイクに乗って追い回す男が小さく出てきますが、こんなサスペンスの雰囲気が出る筈のシーンであるにもかかわらず、サスペンスの“サ”の字も感じられないまま時間だけが進んでいくといった内容・・・。 この男、中ほどでコミカルな一面を見せますが、そのお陰で、その後の森の中を歩くシーンが全然シマリのない画面になってしまうのです。 クールな印象を持たせておいて、時にコミカルな一面を覗かせる、というのはそのギャップが良い方に働くものですが、あの男のようにレストランでバカやった後で真顔で森の中を歩いても、やっぱりどこかミスマッチで、殺人のシーンも見ていて嘘臭く感じてしまいます。 ラストシーンも意味不明で、チョビ髭の男の存在や役柄も良くなかったし、登場する女優陣が皆個性が出ていなかったのも、ダメな原因の一つかなぁと思いました。
[映画館(字幕)] 5点(2008-10-29 00:04:15)
307.  めんどりの肉 《ネタバレ》 
金の魔力というべきか、人の浅ましさというべきか。ただひたすら、おぞましいものを見てしまったという感じです。 登場人物のほとんどが悪い奴ばかりで、この手の犯罪ものは、悪事を働いた人間は逮捕されるか死んでしまうかでラストを迎えなければ道義的にマズいので、そこを上手にまとめられるかが監督のセンスの見せ所なわけです。 まぁ、女は撃たれて死んで1人の男は最後に車が炎上して終わったし、もう1人の男もいずれ捕まるでしょうから道義的にはオッケーなんですけど、どう見ても重すぎる。リアルに懲らしめるラストよりも、笑いや皮肉を込めたエンディングにした方が、もう少し娯楽色が出て良かったのになぁと思いました。 他にもいくつか意見を述べさせていただくと、あの女の悪女ぶりは他の映画にも類を見ないほど悪びれていたので、あのようなアッサリした死に方よりももっと残酷な死に方を見せてほしかったというのと、ガレージを掘り返そうとしたあの犬がもう少し深く穴を掘ってくれてればもっとスリルが出たのに、という事です。新聞紙のモンタージュ写真で、ちょっとしたサスペンスなワンシーンがあっただけに残念。 あと、映画の後半辺りで、トマの前妻の兄というオヤジに熱湯をかぶせたシーンが凄かった。体張りすぎでビックリしました。ポテトを揚げるシーンでしたけど、まさか本当に油を浴びせたんじゃないよね???
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-23 23:30:09)
308.  太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 
愛の不毛3部作のうちのひとつ、というくらいの予備知識しかないままで観ましたが、さすがアントニオーニ。やはり、わからない・・・。 この映画は、前半1時間は寝ててもいいと思う(ウソウソ^^)。 延々と続く証券取引所のシーンは、あからさまにストーリーの本筋から外れる箇所と判るだけに、かなり退屈してしまいますが、面白くなってくるのはその後のシーンから。 モニカ・ヴィッティ扮するヴィットリアは「何で質問ばかりするの?」「互いに知り合わなくても愛し合うことは出来るわ」と言う。 実際に彼女はその言葉通り、相手をよく知らないまま情事に耽る。しかし、アパートを出た後の彼女は、やはり満たされることがないまま、虚しさだけが残り町を彷徨う。その時に映し出される風景の強烈な寂寥感・・・。これでもかというくらいの、無機質なカットの数々。 時代はカラーに変遷していく中、あえて(?)モノクロでこの映画を撮ったのは大正解でしょう。 原題のEclipseが意味するのは、何か一部が欠けるという事だそうで、登場人物、すなわち現代人の心が満たされない様を描いた作品、と解釈しました。 ところで、これは自分なりのアホな解釈ですが、前半の証券取引所のシーンも実は意味があって、つまり、恋愛も株の取引も同じだという事かなぁと・・・。 恋愛もお互いのことを知らずに、事だけを済ましてしまうと良くないし、株についても、会社の中身を知らずに投資すると痛い目に合うぞ~という、アントニオーニの愛とお金に関するちょっとした人生指南の映画・・・・・んなわけないっつうの! 
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-21 00:02:49)
309.  霧の中の風景 《ネタバレ》 
映画のワンカット目の幼い子供の後姿から、いつものアンゲロプロスの映画らしい陰鬱な雰囲気がすぐに伝わってきます。彼らの身に何かあるんだなというのは何となく分かるのですが、決してそれを表情や言葉には出さないまま物語は進みます。 しかし、何が何でもドイツに行くんだ!という内に秘めた悲壮な決意が、もうとにかく凄い。 ここまでくると、あれはもう本能じゃないかと思ってしまうほどの凄まじい気概が、あのあどけない2人の姿からひしひしと伝わってきて、それがこの映画を終始に渡って緊張感溢れるものにしていると思うのです。 たとえ無事にドイツまで行けたとしても、生みの親に会えるとは限らない。いや、可能性は恐らくゼロなんだろう。けど、純粋で一途な彼女たちの気持ちに本当に感動しました。 途中で、フィルムの中の霧の風景を見つめるシーンとか、雪景色をみんなで立ち止まって空を見上げるシーンとか、石像の手を吊り上げるシーンとか、印象深いシーンがいくつかありましたけど、必見は最後。向こう岸に辿り着いたときのいつか見た霧景色。徐々に霧が晴れ、草原の向こうには大きな木が一本。 2人が木の中に飛び込むシーンの幻想的で感動的なワンショットに鳥肌が立つ思いがしました。それまでの2人の涙を思い出すと、観ている方も彼らを見守っている気分になり、とても感慨深いラストでした。
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-20 02:13:08)
310.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 
まず、ストーリーが全く面白くない。事実を忠実に再現したということでしょうが、話が一向に進まないのは勘弁してほしいです。 ポスターの風景にあこがれて海岸まで行ったはいいが、思い描いていたイメージは全くなく、それどころかミサイルの洗礼を受けるばかり。やっとこさ船に乗り込んだと思いきや、海上でも爆撃の嵐。再び海岸に戻ってきてもまたミサイルミサイル・・・。堂々巡りなストーリー。 この映画唯一の華(花?)、カトリーヌ・スパークもベルモンドと会って間もないうちから「あなたを愛してる」とか言い出すし、もうストーリー的な深みも全く感じられない。 劇場のパンフによると、ジャーナリスト出身の監督作だそうで、事実をありのままに伝えたいという気持ちはわかりますが、娯楽映画の要素もほとんどなく、またメッセージ性も弱いので、大筋の部分で失敗してしまってるように思えます。 枝葉なポイントで言えば、エキストラとか凄く大人数使ってたり、スケールがデカくて迫力があるところなんかはいいですし、人だかりの軍服や顔についた土の黒さ、爆発時の黒煙の黒さが印象的で、それが兵隊たちの異常心理や戦争の無意味さ残酷さを連想させるように思えました。 ベルモンドは相変わらずカッコイイですね。
[映画館(字幕)] 5点(2008-10-15 02:04:38)
311.  赤い砂漠 《ネタバレ》 
アントニオーニの映画は5本ほど観ているのですが、ワケがわからなくてレビューのしようがない映画の方がほとんど。で、今回もその例に漏れず、やはりストーリーはまるでわからない・・・・・のですが、この謎めいた雰囲気、サスペンス感は大好き。 冒頭で、何処からともなく現れた1人の女性とその子供。身なりはしっかりしているのに、慌てた様子で道端の男から食べかけのパンを譲ってもらう。子供に食べさせるものがなく彷徨って歩いていたのかと思いきや、子供はそのパンをいらないと言う。さらに見ていくと、女は店を出したいと言うが、何を売るかもまだ決まっていなく、しかもその店の前の通りは人影はほとんど皆無(こんな所で商売が出来るのか?)。 過去に起きた交通事故で精神異常になってしまった女の奇怪な行動が映画全体を覆い尽くす非常に奇妙な映画で、彼女は何故こんな行動をするのか、といった謎めいた空気が常に漂っており、この女の存在そのものがまさにサスペンス。 ラストの黄色い煙が暗示するのは、危険なもの、害のあるものと判っていて自ら近寄らないもの。人間の世界に例えると、それは一体なんだろうか・・・? 皆さんのレビューにも書かれている通り、テクニカラーによる見事な色調が最高に格好良い。特に、夜の波止場の仄かな街灯の光に照らし出されるモニカ・ヴィッティの表情、港を出る時の霧の加減、映画前半の夜の寝室とラストのベッドシーンでの光の当て方に違いをもたせていて、後者の方が妖艶な雰囲気を漂わせているところなんかは非常に興味深い。また、色使いだけでなく、星の声を聞くためというアンテナが幾重にも繋がっているシーンの幾何学的な美しさなども目に留まります。 子供に話を聞かせてあげるシーンも、物語と画面の両方でちょっとしたアクセントになっていて、すごく良かった。 こういう映画って、自分ひとりで部屋で何もしてない時にBGM代わりに流すのに最適だと思います。モニカ・ヴィッティも最高に綺麗ですしね。
[映画館(字幕)] 7点(2008-10-13 02:04:03)
312.  コレクションする女 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第4作。 同シリーズの中でこの作品だけ観てなかったので、運良く劇場公開に巡り合えたことが非常に嬉しい。 この作品も同シリーズ第5作目の「クレールの膝」と同じく、バカンスの男女関係を描いた作品で、ネストール・アルメンドロスの神懸かり的カメラワークが存分に堪能できる一本。この人はモノクロでも色々と映画を撮ってきたが、世の中がカラー映画全盛になって、よりその才能が開花されたと改めて感じさせられる。 さて、映画の肝は、己の欲望のまま自由に生きる女アイデに対し、道徳的で教養があって自信家でもあるが女性にアプローチする方法を知らず能書きが先行する男アドリアンが振り回される様を丹念に描いたもの。 この映画の面白いところは、ヒロイン役アイデが特別に性的な魅力もなく軽薄な女なため、いとも簡単に落とせそうな役柄を演じているところがポイント。どこか少しでも魅力を感じさせてはダメで、要するに、主人公アドリアンの苦悩が上手く描かれれば面白さが出てくるわけ。 例えて言うなら、サッカー日本代表がアジアの超格下の小国相手に手こずっているような感じ(笑)。 アドリアンとダニエルはアイデを馬鹿にして尻軽さを非難する一方、2人ともなんだかんだと理由つけてアイデとヤっちゃうところなんか、オマエら口だけじゃねぇかよ!とツッコミたくなるのと同時に、同じ男として気持ちが分からなくもなく、非常に滑稽な2人の姿である。 最後に古物商サムから逃れて、アドリアンが自身の欲望に従おうとした途端にアイデを連れ去られるというオチがあり、これで終わりかと思いきや、さらにもう一段。 日常の雑念を払おうと静かな環境で読書に没頭しようとしても出来なかった主人公が遂に1人になることが出来た途端、ふと電話に手を伸ばし、帰りの(しかも今日!)航空券の予約をしてしまう。 フランス映画ってみんなそうだけど、“FIN”の画面を出すタイミングがあっさりしているというか大胆というか、この映画もかなり潔い結末で好き。
[映画館(字幕)] 7点(2008-09-15 02:25:58)
313.  マヅルカ 《ネタバレ》 
場末の飲み屋のステージで唄うちょっと陰りが出てきた感じの女歌手と、音楽学校に通う母子家庭に育った女学生との交差を、大胆かつドラマティックに描いたストーリー。 一番驚いたのは、映画序盤で女学生リサが母親に届いたドレスを鏡に向かって合わせてみたり母親に着てみるように勧めているシーンが、ヴェラの回想シーンの時にヴェラの立場から全く同じそのシーンが回想の中に組み込まれているというストーリー構成。 1つのシーンを後に違う角度から再度用いることによって、2人のそれぞれの物語を繋げているわけなのですが、この手法って映画全盛期といわれる1960年台くらいから使われるようになってきたとばかり思っていたので、これにはかなり衝撃を受けました。 しかも、ヴェラの語る回想が、映画を観ている我々までが彼女に同情してしまうほどのシリアスな過去で、ラストの別れのシーンは、ヴェラが実の娘を思いやる気持ちで一杯で、涙が出そうになってくるほどです。 序盤の軽いコメディタッチな所も面白く、素直に感動できるストーリーですし、何といっても全体的に物語が非常によく練られていて予想外に楽しめたのが良かったです。
[映画館(字幕)] 8点(2008-09-06 16:26:47)
314.  リラの門 《ネタバレ》 
♪♪俺の家系は下戸を知らない~代々皆酒飲み~~♪俺は幼い頃~母の乳は飲まなかった~~♪飲んでいたのは~葡萄の汁~~~♪♪ いやぁ、このしょーもない歌最高! この、映画後半に出てくる“芸術家”の歌↑や、バルビエが回復してラジオ体操していたり、新聞の一面にデカデカとバルビエの写真が載っていたり、警察犬が後ろめたそうにしていたりといった、全編に渡って至るところに出てくるコメディの雰囲気が大好きです。 それと、自分が一番興味を引かれたのが、バーでみんながたむろしてる時に、新聞に書かれているバルビエが逃亡する前に起こした事件のいきさつを詳細に読み上げているところで、窓の外の子供たちが、新聞の記事の内容と同じアクションを同じタイミングでしていたシーン。新聞を読んでいる最中は一切カットなしの長回しだったにもかかわらず、タイミングがバッチリ合っていて、これには脱帽です。 本筋のストーリーも勿論面白いのですが、自分にとっては、それを薄めてしまうくらいのたくさんのコメディと、子供たちのファインプレーの方がより深く印象に残ってしまいました。 あと、ジュジュの憎めない人柄もとてもいい感じで、ピエール・ブラッスールはこれが彼のベストアクトだと私は思います。
[映画館(字幕)] 8点(2008-08-30 23:57:04)
315.  ヒッチコックの ファミリー・プロット 《ネタバレ》 
晩年のヒッチコックの作品ということで観る前から全然期待していなかったのですが、DVDのメニュー画面を見ると早くも駄作オーラがプンプンと・・・。 登場人物も知らない人ばかりだし、会話も下ネタに走ってるし、観始まってから更にトーンダウン。 けど、ストーリーはよく練られていてなかなか面白いです。しかも、最後の方の家に忍び込むシーンなんて「サイコ」の終盤で感じたようなドキドキ感が味わえて、このシーンは特に良かったと思います。 自分はコメディの要素は余り感じられなくて、むしろその方が良かったような気がしました。 ちなみに他の方のレビューにある「ステーキばかり・・・」というセリフはDVDにはなかったです。
[DVD(字幕)] 6点(2008-08-25 01:50:43)
316.  眼には眼を 《ネタバレ》 
「すいません。山を一つ間違えました。あなただって間違うことあるでしょ?」という台詞を聞いて、このタイトルにした理由がわかりました。 ここまで徹底した不条理劇もそうお目にかかれず、なかなか面白い。 最初は、訳もわからずイタ電かかってきたり監視されたりと、主人公と同じ気持ちで不安になったりイライラしたりしていたのが、冒頭の1人の女性が亡くなったことと結びついてから徐々に面白くなってくるという、観る側を主人公に感情移入させる演出が上手く、また、晩年のヒッチコックのような車のサイドミラーに相手の顔が映っているというサスペンスな演出も、なかなか見ていて面白い。 しかし、夜の街を歩いていると後ろから車が突っ込んできたり、物音がする方を見たら犬が生ゴミを漁っていたりとか、脅し(フェイントというべきか)が多すぎて拍子抜けしてしまうシーンが多かったのがちょっとクサイかなぁと。一連のこういうシーンを見ると、やっぱりこの監督は二流なのかなぁなどと考えてしまうんですよね~。ここが大きな減点ポイント。 執拗なまでの砂漠の放蕩シーンは最初だけは見ていて面白く感じられるのだけど、2回目以降はもうイイやという感じで、おなかいっぱいになりそう。初めて観た時は、これから先どうなるんだろうといった好奇心のようなものは確かにありましたが、恐怖感とかは特になかったです。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-11 01:26:06)
317.  ピカソ-天才の秘密 《ネタバレ》 
「この映画は、ストーリーはあってないようなもの・・・」というレビューを過去にいくつも書いたことのあるこの自分でもこの映画にだけは馴染めませんでした。 ストーリーを語る意思がないというような映画にはよくお目にかかりますが、この映画はとにかく単調すぎる。デッサンそのものに興味がある人ならば垂涎ものの映画ですが、自分にはデッサンの過程をただひたすら繰り返すというのが決定的にだめなんです。 途中からいきなり、スコープサイズの画面になってそれに伴い劇場のカーテンも広がり、終盤への盛り上がりも出てきて、最後の絵も映画を締めるに相応しいような壮絶な(!)デッサンだったのに、ただただデッサンを繰り返すだけという余りにも単調すぎるストーリーのみが低い評価をするに至っただけです。 一番最初のインターバルでピカソが「楽しい!寝ないで朝まで描ける」と、楽しそうな表情を見せていたところが唯一の救いのポイント。もっとインターバルが多ければもっと面白く感じられたと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2008-08-10 02:32:35)
318.  となりのトトロ 《ネタバレ》 
小学校の時に観て以来の鑑賞でしたが、何て夢のある映画なんだろうと素直に感動しました。 一番大好きなシーンは、庭の種を撒いた所でサツキとメイたちがトトロと子トトロ孫トトロ(←名前はワカラン)と一緒になって伸びをしているシーン!みんなで一緒になって伸びをしながら念じているとグングン芽が出て、みるみるうちに大樹になって、トトロにその大樹の上まで連れて行ってもらうというシーンでは、不覚にも涙が出るくらい感動してしまいました。 ネコバスも大好きで、特に2回ある登場シーンがどちらも好きです。 また、メイが家の階段を上り下りするシーンも可愛さを強調するように描かれていたり、家族三人でお風呂に入るシーンでも、サツキがお尻に泡が残ったまま湯船に入っちゃうところとか、宮崎映画でよくあるような、妙にリアリティのあるシーンが、この映画では特に面白く感じられてしまいます。 他にも、庭に撒いた種が芽を出す瞬間の音とか、ネコバスの扉が開く時の音とかも、とてもいい味出しているんですよね~。 自分が宮崎映画で一番好きな「もののけ姫」のような教訓話とは異なり、こちらはストーリーは二の次といった完全なファンタジー映画ですが、こちらもまた違った趣があって両者とも大好きな映画です。
[地上波(邦画)] 8点(2008-07-19 14:33:49)
319.  狩人の夜 《ネタバレ》 
人形の中に収まる程度のお金に何でそこまで必死になってんだろうと考えてしまうと、急激につまらなくなってくる。 それに、もともとはあのお金って銀行強盗してかっぱらって来たお金でしょ。劇中でも言われてる通り“汚れたお金”のはず。それを親子の絆とか男同士の約束といったもので本質を誤魔化して見せているところがあまり好きになれないです。 子供は好きですし、どんな子供でもかわいいと思うけど、いくら父親でも、いくら将来の子供の為だとしても、悪事に加担させて騙しちゃいけないでしょ。少なくとも、映画というメディアを通じて観客に見せちゃいけないと思う。 あと、マネキンを使って水死体を撮ったのは大幅減点。リアリティーを追求するのが困難なら他にも方法があった筈。 まぁ、モノクロ映像における水面の月の光の乱反射なんかはモノクロの長所を最大限引き出しているし、野生の動物たちの息吹を感じ取れたことだし、リリアン・ギッシュも綺麗に撮られていたし・・・・・ギリギリの及第点という事で、6点。
[映画館(字幕)] 6点(2008-05-29 00:42:06)
320.  外套と短剣 《ネタバレ》 
まぁ、面白くないわけではなかった。 エンターテイメント作品として、ラブロマンスをストーリー中に組み込むのは間違いではないとは思いますが、如何せん本題のストーリーが薄まりすぎな感がありました。 病院にいる女研究者を尋ね、イタリアの初老の研究者に会いに行き、娘と会わせてくれるならという条件を受けたジェスパーですが、そこからのストーリーが本来の任務とはやや離れてしまい、男女の恋愛もののストーリーにガラッと変わってしまったのは、あまり面白い展開ではないような気がします。 初めてヒロイン役のリリー・パルマーを見ましたが、最初に登場したときの男勝りな雰囲気から一転、鏡の前でブラッシングをしている頃になると、何故か不思議と女の色気が出てきてしまうところなんかは思わず感心してしまいました。 また、エンターテイナーのフリッツ・ラングらしく、やはりラストの銃撃戦や取っ組み合いのハラハラ感がとても見応えがあって、さすがだなぁと改めて感じさせられます。
[映画館(字幕)] 6点(2008-05-22 01:47:36)
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