301. 深夜の告白(1944)
《ネタバレ》 けっこうエゲツない話。最後はローラまでは仕留めようとしていたんだから、フィリスによるディドリクソン一家惨殺事件(未遂)じゃないですか。自分で手を下さない計画なのがまたひどい。そんな中、ワイルダー色を一手に引き受けていたキーズが好き。いつか、追い詰められたネフがギースにタバコの火をあげない瞬間がくると思ってみてましたが、最後にキーズが点けてやるんじゃないですか。頭のいいチビ、カッコいいよ。 [DVD(字幕)] 9点(2020-02-23 21:20:07) |
302. エアポート’75
《ネタバレ》 もっと、鬱陶しい正義の人とか、陰々滅々とする絶望する人とか、カンに触る天然の人とかを出して、非常事態での人間模様を見てみたかったですね。そういう意味では、病気の子が、むしろ母親を勇気付けてた意外性はよかったです。てっきり、助けられる方になるのだと思ってましたので。マスコミへの有無を言わさぬ塩対応は良かったですね。ナンシーを無線で誘導してたパートが一番面白かったので、その筋で着陸して欲しかった。飛んでるジャンボジェットにヘリから乗り移るってのは、どう考えても無理筋だと思いますので。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-02-19 05:41:55) |
303. パラサイト 半地下の家族
《ネタバレ》 たぶんスラップスティックコメディなんだと思いますが、笑えない。くすぐりどころはわかるんだけど、笑っていいのかわからない感じ。庭での誕生日のシーンも、あそこにとんでもないものをぶつけたくなる気持ちは分かるが、予定調和でもある。ただ、終幕近く。通常届くとは思えないメッセージを息子に託す父と、息子の決意。こんなとんでもない家族はきっと仲間割れするか、実は擬似家族なんだろうと思いながら見てましたが、最後まで揺るぎなく崩れない家族の信頼関係。そこが物語の核だとは思いませんが、ああ、いいなと思いました。 [映画館(字幕)] 8点(2020-02-17 16:23:21)(良:1票) |
304. 寒い国から帰ったスパイ
《ネタバレ》 コートのポケットに手を突っ込んで歩く、リチャード・バートンのカッコつけっぷりに嫌気がさして、観るのを何度止めようとしたことか。ところが。放蕩が演技と分かった頃から、見方が変わりました。物語の二転三転があるのですが、登場人物の目的が、冷戦を大義にした組織内の権力争いにしか思えない。そこをスパイのリーマスが右往左往しているんですが、スパイもつまるところ、公務員。官僚主義の不条理さが、ワタシにとっては本作のテーマです。 [DVD(字幕)] 7点(2020-02-17 12:14:12) |
305. トランス・ワールド
少し粗い感じの寒々しい映像も相まって、なにか夢を見ているかのよう。趣のある話だったのですが、いかんせん尺と合わない。60分以内で、スパッと見せられたら、語り継がれる作品になったのではないか。【追記】なぜ、こんな邦題にしたのか? [インターネット(字幕)] 5点(2020-02-02 08:49:51) |
306. ピラニア 3D
《ネタバレ》 ホラーとか、パニック映画とかではなくて、グロで、エロ要素もあって、コメディでって、言うなれば「バラエティ映画」とでもいうもんじゃないでしょうか。だから、見ていた頃には面白がってたんですけど、見終わってこうしてコメントを書く頃には、もう眉を潜めたくもなるんですよ。観客がどうせこういうもん見たいんだろって、割り切って作っている清々しさに6点です。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-01-31 20:57:54) |
307. 殺人の追憶
《ネタバレ》 サイコサスペンスみたいなもんだろうという思い込みが良くなかったのかもしれません。その予断の上を、コントの刑事さんみたいなやりとりが続く。これ、実話ベースという断りがなきゃ、んなことねーだろって話ですよね。なんでアメリカからの調査結果を見ないで、現場に届けるんだよ。「母なる証明」でもそうでしたが、この監督の作品の見方がワタシはわからないのかもしれません。 [DVD(字幕)] 3点(2020-01-19 22:08:24) |
308. 男はつらいよ お帰り 寅さん
《ネタバレ》 最後のマドンナたちのシーンは、ニュー・シネマ・パラダイスのキスのシーンのよう。山田監督が最終回の構想として持っていたという、子供らとかくれんぼをしていて、隠れているうちに息を引き取る、ってシーンが見たかったなあって思います。でもそれは、どんなに技術が進んでも、かなわないことなんだと思います。 [映画館(邦画)] 8点(2020-01-02 17:59:47) |
309. 母なる証明
《ネタバレ》 本作のやりきれなさは、本当の真犯人はジョンバルではないかもしれない、トジュンを信じ切ることができないということではないでしょうか。親は因果な商売です。【追記】詐話師の鉄くず屋の親父さんを、不必要に殺してしまった話かと思っていました。他の方のレビューをみて、愕然。そういう筋だったのですね。さらに、やりきれない。+2点。恥ずかしいけど、このままにします、 [インターネット(字幕)] 8点(2019-12-31 07:45:15) |
310. 男たちの大和 YAMATO
《ネタバレ》 エラいホラー映画があったもんだ。ワタシ、一番怖かったのは渡哲也です。まったく感情を表に出さず、生きた幽霊のようでした。「日本海軍最後の艦隊として、全国民の輿望に応えよう」って、いくら何でも歴史的に後出しジャンケンのセリフでしょう。あそこで、こういうことを言えたとは思わない。それに呼応して、艦隊総員、「オー!」って何よ。全員、レミングの例の習性を見るよう。戦争で守れるモンなんて、ひとつもないんですよ。ひとっつも。 [インターネット(邦画)] 1点(2019-12-27 16:55:02) |
311. 教誨師
《ネタバレ》 70%くらいのシーンが教誨室で撮影される本作。これは、見応えがありました。何をどう受け止めたらよかったのか、今、ものすごく困っています。6人の死刑囚のうち、進藤と高宮のストーリーが太い筋(とはいえ、他の4人のエピソードも趣深い)。黒頭巾をかぶせられた高宮が発した「あれ?」。自己中のサイコ野郎の仮面がはがれ落ちる瞬間でした。進藤がしたためた聖書の一説。お人好しのホームレスがひらがなを覚えて、初めて書いた言葉は、世の中を糾弾するものでした。簡単に整理できない。何か、本物を見たような気がする。左向大監督、注目監督。 [DVD(邦画)] 9点(2019-12-22 06:44:26) |
312. ダンスウィズミー(2019)
《ネタバレ》 日本人にミュージカルは受け入れ難いということを前提としつつ、「シャル・ウィ・ダンス」で周防監督が社交ダンスをモチーフに成し遂げたように、本作は、ミュージカル、どうしても恥ずかしいけど、なんかいいじゃんっていうところに落ち着く映画かと、自分勝手に思っていました。だから、肩透かしはこっちが悪いんだとも思いますが、途中からミュージカル要素を捨てていますよね。その設定でつづけると、時間かかってしょうがないから、ロードムービーに切り替えたんじゃないか?と勘ぐってしまいます。そんな中、好きなシーンは「年下の男の子」。大事なシーンとも思えないんですが、なんか演者がとっても楽しそうだったんだもんで。 [DVD(邦画)] 3点(2019-12-21 23:03:30) |
313. i 新聞記者ドキュメント
《ネタバレ》 政権側のなめたやり口もだいぶ腹が立ちますが、それよりも、会見場で一心不乱にパソコン打ってる記者クラブに腹が立つ。質問しようって、気持ちはないのか。作中、表現の自由にかかわるデモのシーンで、大意として「望月記者の発言の援護ができない、記者クラブの問題である」というメッセージが入りますが、それに尽きるのだと思う。心ある記者もいるはずだと思うが、本作中では、望月記者の発言に呼応して、菅官房長官に二の矢を放つ記者がいない。本当なのか。せめてブーイングもしないのか。演出上の作為なのか。いつか、望月記者が倒れてしまった時の、反動が怖い。あいつ、あんなにムキになってたのに、やっぱり何も変わらないって。なんかもう、いやだなあ。 [映画館(邦画)] 8点(2019-12-16 19:29:22) |
314. コンフィデンスマンJP
《ネタバレ》 逆転劇があるんだろうって思いながら見つつも、面白かったですよ。エンドロール後のアレも納得。そういや、アレも詐欺ですよね。(ファンの人以外にとっては)。 [DVD(邦画)] 7点(2019-12-15 22:00:04)(笑:1票) |
315. 泣き虫しょったんの奇跡
《ネタバレ》 見終わって半日たって、じわじわいい映画だったなと思います。瀬川役の松田龍平が異色。映画の主人公らしからぬ、喜怒哀楽の薄さ。もともと、そういう抑えた演技の俳優さんだったと思いますが、そこがいい。この映画は詰まるところ、瀬川を中心に、さまざまな人が一つの夢を紡いでいく話だと思っています。鹿島澤先生、おとうさん、親友でありライバルの鈴木君、将棋道場の席主、喫茶店のウェイトレスさん、会社の同僚、三段リーグの仲間(戦友?、敵役?)たちなどなど。松田龍平の瀬川が激情型とは対極のキャラなので、これらの人たちの糸がしっかりと編み込まれていくのがわかります。そして、奇跡ができあがる。表情の乏しい瀬川が、ホッとして、笑顔を浮かべようとする瞬間が本作のラストシーンです。あえて繰り返しますが、さまざまな人たちの手により、一つの夢が紡がれていくさまを描いた本作。良かった。 [DVD(邦画)] 8点(2019-12-12 20:17:06) |
316. ターミネーター:ニュー・フェイト
《ネタバレ》 「T2」の正当な続編、と聞いた時には、見ずには死ねないと燃え上がったモノです。公開されるや、本サイトでもレビュー数が駆け上るのではないかと思いましたが、しかしさにあらず。嫌な予感。そして、ワタシにとっては、エメリッヒが撮影したんじゃないかというターミネーターです。ターミネーター:インディペンデンス・デイ。なんか、道具立ての大きさばっかり目立って、雑なお話。飛行機のシーンでは、いったい何が行われているのか、よくわからない。大物然とした伝説のサラ・コナーことリンダ・ハミルトンが鬱陶しい。新型のターミネータが、口数多いのも嫌だったな。ターミネーターは、黙ってついてこい。T‐1000が懐かしい。ただし、本作でもうターミネーターの新シリーズに積極的に付き合おうという気持ちがなくなったので、ある意味ワタシにとっては完結編です。あきらめがつきました。 [映画館(字幕)] 4点(2019-12-09 12:20:18)(笑:1票) (良:1票) |
317. ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
《ネタバレ》 「俺はコンセプトを作った」と言われたときに、胸をつかれた気がしました。ああ、この創造性のないおっさんがのし上がっていく物語り、気に食わんわあ、と辟易していましたが、そういうことなんですね。彼は彼なりに、新しい価値を作り出しているつもりだったのですね。そうなのかもしれない。彼にとっては、マクドナルド兄弟のシステムは、単にビジネスのリソース。自由に使っていいもの。弱肉強食なんて、思ってなかったんじゃないでしょうか。単に自分の執念に基づいて、合理的に行動しただけ。「紳士協定」って言葉が出たときも、ハッとしました。レイはそのときは、可能であれば守るつもりだったのだと、ワタシは思っています。ま、ワタシ、マクドナルド嫌いですけどね。「コンセプト」って言葉を使う人、うさんくさいと思っていますけど。【追記】すきやを、吉野家はどう思っているんだろう。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-12-07 00:57:24) |
318. ターミネーター2
《ネタバレ》 「ニュー・フェイト」のキャンペーン期間中なのだと思いますが、Amazon Primeにあるんじゃないですか、本作。もちろん面白いんですが、液体金属ターミネーター T−1000。溶鉱炉に落ちると死んでしまうんだとしたら、ショットガン等でバラバラになったときに、パーツごとに拾い上げて液体窒素で固めて、溶鉱炉に落とすのがいいって今後の対策ができますよね。少しパーツが減ると、お巡りさんのサイズが小さくなったりして。ということを、皆さん、本当は考えてませんでしたか?かけらごとに、小さいお巡りさんとか。絶対、考えていたと思います。 [インターネット(字幕)] 9点(2019-11-23 07:29:51)(笑:1票) |
319. たそがれ清兵衛
《ネタバレ》 いい。しずかないい映画。真田広之氏、田中泯氏がいいのは、言わずもがなですけど。井上陽水。この映画の最後に「決められたリズム」。さすが、わかっている。オレも、そういうことだと思う。【追記】決戦の前の準備をするシーンが2回ありますけど、そこがすごくいい。そこでワクワクさせる(棒を振るシーンとか)、真田広之はすごいと思う。 [インターネット(邦画)] 9点(2019-11-18 22:22:21) |
320. トイ・ストーリー4
《ネタバレ》 9年の歳月を経て、ワタシの方がこのシリーズの面白がり方がわかるようになってきたようです。ワタシ自身があちこち故障してきて、置き去りにされつつあるおもちゃの気持ちに寄り添うえるようになったから(なんちゃって)。ウッディの行動も、年取ると手前勝手になるんだよなあ、って解釈しています。今作は、バイクのディーン・カブーンが大ヒット!でした(前作のケンの役回り)。 [DVD(吹替)] 7点(2019-11-06 06:19:59) |