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361.  若草物語(1964) 《ネタバレ》 
 頭のクレジット表記で、「長女、次女、三女、四女」となっていたので、「名前なしで物語が進むのか、おもしれーな」と思ったら、そんな事はなく、ちゃんと名前があった。  それにしても、24歳の浅丘ルリ子と、19歳の吉永小百合だなんて、もう何と言ったらいいか分からない「お宝感」だ。   で、物語はとても普通の、女の子の恋愛話。この四姉妹のスタンスが、時代を古い順に表しているようで、興味深い。  長女は、お見合いで結婚相手を決めた、古い女性観。  次女は、自分の意志だけど、結局金持ちを選ぶ女。  三女は、自分の思い優先で、相手を追いかけてゆく、行動的な女。  四女は、恋も大事だけど、都会で生きていくのを優先にした、ちょっとドライな現代っ娘。   それぞれ自分の幸せを追い求めるのに一生懸命なのだろうが、女の子ってのは、何より恋愛の事が一番の関心事なのかなあ、とこれを見て思う。本家のリトルウィミンたちは、もうちょっと人間の幸せや将来の希望について、広い間口を持っていたように思うのだが。
[ビデオ(邦画)] 5点(2012-11-17 01:22:41)(良:1票)
362.  モスラ対ゴジラ 《ネタバレ》 
 VSモスラの時に感じた、羽ばたいてる感の無さは、あまり感じなかったので、モスラの動きとしては、いいと思う。  しかし、ドラマ部分のひどさはどうだ?カメラマンのネエちゃんが見つけたものは何だったのだ?まるで説明がない。島の子供たちの危機も、その前に普通に遊んだりしているカットの一つもなく、唐突すぎる。先生が島の裏に回ると何故か分かっちゃってるのも雑。   ところで、モスラを借り受けるシーンと、ラストで主人公たちが言及した「人間不信」が、この映画のテーマなのだろうか?  神の火を弄んだ人間たちに、自業自得と言い放った、神の火の被害者たちの守護神が、なぜかその人間たちに協力し、自業自得の象徴とも言えるゴジラを倒すというのは、それでも人間を信じましょう、という事なのだろうか。  しかし、この人間たちは、卵を返すでもなく、少美人さえ見世物にしようとする。結局、人間たちはモスラに礼すら言わずに、「礼はよりよい社会を作ることだ」などとキレイ事を言う。   前作『モスラ』のレビューで、この守護神を私は「軍」だと表現したが、核の脅威に対して守ってもらうようにお願いした今回のモスラは、さながら在日米軍といったところだろうか。この時代の怪獣映画が(と言うかゴジラシリーズは平成になってもまだ、《海外作品でもまだ》)、怪獣同士を戦わせて、その脅威を取り除こうとする精神構造は、ここに由来するのではないか、と疑ってしまう。
[DVD(邦画)] 4点(2012-11-09 03:15:57)(笑:1票) (良:2票)
363.  モスラ(1961) 《ネタバレ》 
 モスラは平和の使者だという人がる。本当にそうだろうか?  モスラの特徴は、他の怪獣たちのように、只々人間の町を破壊するわけではないということだ。モスラは明確な目的を持っている。目的を持ってはいるが、善悪を判断する思考は持っていない(少なくとも今作では)。そして、その目的行動の後には、破壊された町が残るだけだ。正しくこれは、軍隊そのものである。  いまさら、怪獣という強大な破壊力を軍隊になぞらえるのは、当たり前すぎて間抜けな感じではある。ところが、この映画のユニークなのは、この軍隊側に理があることだ。モスラを送り出した精神は、全く正しい。悪はあくまで人間(文明人)側だ。   無責任な同胞の悪事によって、軍事的被害を受け、その同胞が罰を受けて、軍隊が去ってゆく。公開時、たった16年前だった日本の戦後の姿をダブらすのは、穿ち過ぎだろうか?  かつての軍部の暴走を止められなかった日本人は、今度こそこの人攫い共の悪事を止められるかというと、やはりアメリカ(あ、ロリシカだっけ?)に犯人を捕らえてもらわねばならない。この辺もこの物語の悔しい所、そういう意味では、ロリシカ国への展開は、契約上の必然と言うよりは、物語上の必然だったような気がする。   この物語を逆の立場から見てみると、どうだろう?制作当時には思いもよらなかった、攫われた側に現在我々は立っている。平和こそは、永遠に続く繁栄への道である。と、映画は締めくくるが、「平和のため」に行動を起こさずにいるのが、「永遠に続く繁栄」をもたらすのだろうか?
[DVD(邦画)] 6点(2012-11-08 23:49:17)
364.  戦闘機対戦車<TVM> 《ネタバレ》 
 TSTAYA提供のラジオ番組で、おすすめしていた発掘良品というものの中の一作。   飛行機と戦車が戦ったら、圧倒的に飛行機に部があると聞いたことがあったから、逃げ回る戦車と追いかける戦闘機の戦いなのかと思っていた。それをすっかり逆転した設定、飛べなくなって、地面を逃げ回る戦闘機と、追いかける戦車の闘いにして、戦闘機のアドバンテージを無くしている。おかげでかなり映画が地味になったが、最後の対決時の、騎士の戦いのような真正面からの一騎打ちは、ちょっとだけ盛り上がる。  だが、この物語の本当の敵は、戦闘機でも戦車でもないところにあって、それがこの作品の魅力になっている。   しかし正直言うと、あと10分長くてもいいから、もう一波乱の戦いを工夫してみたら良かったんじゃないか、とも思う。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-07 02:29:00)
365.  海燕ジョーの奇跡 《ネタバレ》 
 最後の結末だけ憶えていたが、他は殆ど憶えていなかった。まだ高校を卒業したての頭の悪い青年だった私には、海燕と奇跡が繋がらなかったのだ。  劇中で、海燕はすばしこいという説明はあるが、海の上を歩いたとされる聖人ペテロになぞらえて、英語ではペトレルと名付けられた旨の説明を入れるべきだった。まあ、パンフ読めば良かっただけだが。  さて、それが分かったところで、面白みがないのは変わりない。最後の「奇跡」を気持ち的に受け入れるには、ジョーへの感情移入が出来る事、あるいはもっと何かを求める気持ちが感じられること、フィリピンの地でのそれを含む逃亡の旅が、もっと波瀾万丈である事などが、必要ではないだろうか。   とは言いながら、若者の海への投石で始まり、主人公も劇中悲しみをぶつけるように海に石を投げたこの映画は、最後に自分自身を海に投げて終わるのか、綺麗な海に飛べてよかったな、などと思ったりもするのであった。
[DVD(邦画)] 4点(2012-11-06 03:03:07)
366.  昼下りの情事 《ネタバレ》 
 若い奥さんの昔の男の話は、目一杯の背伸びが付かせたウソかあ。……まてよ、それって、父親の証言だものなあ。あれ?なんか、心配になってきたぞ…。   という続きの展開の妄想が、頭からはなれない。   大丈夫なのか?フラナガンさん。
[DVD(字幕)] 4点(2012-11-05 01:39:54)
367.  キングコング対ゴジラ 《ネタバレ》 
 公開時から、そういう意図で見られていたものかどうか、判らないが、このおかしな感じ、皮肉な感じはどうだ?  鋼の硬さと、絹のしなやかさ、という新繊維素材を作ったメーカーとのタイアップだというこの映画に、これだけコマーシャリズムをおちょくった内容を持ってくる、まぁ普通なら怒られるか、あるいは批判精神を評価されるかなんだろうけど、あまりそういう事を聞かない。コミカル路線に紛らされているのもあるだろうが、当時はマジでああいう商業・経済優先神話みたいな気持ちがあったのだろうか。  そういう思いを持って見ると、この映画は、一作目と並ぶ厳しい社会風刺と見ることができて面白い。  特に、劇中で治安関係各所から、「一切の責任を負うもの」とされた、パシフィック製薬の、コング騒動の賠償金のことなんか考えると、東電の対応を思い出して、笑うに笑えない。   映像的には、コングの造形が非常にマヌケ顔なのが一番の痛恨だ。ゴジラに関しては、尻尾の躍動感が、生き物っぽさを出していて、意外と良い。   ところで、しんにょうがかかる、なんて言い回し、初めて知った。古い映画ってのは勉強になるものだ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-11-04 03:15:43)(良:1票)
368.  王様と私(1956) 《ネタバレ》 
 オリジナル版、各種再演版、サントラ版、、スタジオ録音版、はては日本公演版まで、様々な王様を聴き比べてみても、やはりユル・ブリンナーの王様は、ずば抜けている。個人的にはブリンナー再演版の、ラストの次世代王の誕生のシーンが大好きだ。   この映画を見て、白人優越主義などとは、思わない。アンナ先生はそんな事は言ってはいないし、制作側だってそう思っているとは思えない。彼女は「人は対等だ」と、直接は言っていないが、王様に対して他の家臣のようにひれ伏したりしない態度で示しているだけだ。一方、自国の近代化のために、教育から始めようと考えた王様もスゴイ。  そういう意味では、アンクル・トムの劇中劇が実に素晴らしい。奴隷制度という非人権的な制度を批判したこの劇は、同時に先生に習った知識のおさらいになっている。アンナ先生のもたらしたものの成果として、ここをゴールと目指した物語にしても良かったくらい。  だが、物語はもっと先へ進み、名曲『Shall we Dance?』を聴かせてくれた後、クライマックスへ。思えば、シャム国を近代化する、という手段に教育係を呼んだ意義が実を結ぶ瞬間だ。人が乗れるほどの氷、雨が凍って降る雪、それらを信じない子らを叱責した王様が、自身の考えと違えども、新しい王の考えを支持したこのシーンは、子供たちだけでなく、王様をも変えた、実に感動的な場面だ。これはシャム近代化に対する、アンナ先生のみならず、王様の勝利でもある。だから、私はこのシーンが大好きなのだし、だからこそ、様々な録音盤で、このシーンが収録されているのだと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2012-11-03 01:08:19)(良:2票)
369.  空の大怪獣ラドン 《ネタバレ》 
 ミニチュアによる、建物の破壊シーンは、文句の付けようがない。東宝特撮の中でも、屈指の出来だろう。特に、『怪獣大戦争』の中で感心したカットが、ここからの流用であったのは驚きだ。参った事に、その撮影方法までWikipediaに書かれていた。有名なカットだったんだ…。  ヤゴの怪物とラドンの造形がチャチい事は、この際我慢する。しかし、人間側のドラマがつまらない。といか殆どドラマらしいドラマがない。また、ゴジラ映画の基本原理とも言うべき、核兵器の実験によって生み出された生き物、という説明を付けようとしているが、地理的にもかなり厳しい。  劇中、阿蘇周辺が溶岩流の被害に遭うのと、市街地に「怒りの持って行き様のない被害」に遭うのとの、択一の決断を迫るシーンがある。これに焦点を絞ったドラマを展開すると面白かったのではないだろうか。
[DVD(邦画)] 4点(2012-11-01 23:27:43)
370.  ゴジラの逆襲 《ネタバレ》 
 核の脅威の象徴であるゴジラを、多くの犠牲を出しはしたものの、超科学ではなく、通常兵器と人間の知恵で封じ込めたこの作品は、その部分においては、かなり評価されるべき事だと思う。人の知恵が核の脅威に打ち勝ったのだ。  しかし、いかんせん、人間のドラマが面白くない。人間側の主役は、どうやらカッコイイ青年パイロット、月岡クンのようだが、カノジョとよりもゴジラと運命の糸が繋がっていそうな、小林パイロットの方のドラマをもっと見たい。特に写真でしか出てこない、小林の想い人との話を、もっと展開すべきだった。  また、時代とはいえ、民間人を自衛隊の、しかもミサイル搭載のジェット戦闘機に乗せてしまうって、乱暴な話だ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-10-31 22:59:41)
371.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 
 それまで怪獣バトルの映画シリーズとしてしか、ゴジラを知らなかった私は、今から約30年前、高校を卒業した頃にやっと、これを見て驚いた。怪獣映画ではあるが、一般のパニック・サスペンス映画として、たいへん優れていると。   発端の事故から、次第に事の真相が明らかになってきて、その正体を現す厄災。船なんか3回も沈められて、まだ姿を現さない。この焦らし方、ゾクゾクさせるやり方は、サスペンスの定石だ。どう結び付くのかわからないサイドストーリーが、解決に結び付くさま。そして、何と言ってもゴジラの銀座での大暴れ。俯瞰のショットを巧く使っているとはよく言われることだが、もう一つ、計算ずくなのかどうか不明だが、黒つぶれで、全てをくっきり見せるわけではない画面、それによる恐怖。実に見事なパニック映画だ。  そして、ゴジラが評価されている最も大きな理由、ゴジラの精神的柱とも言える、核兵器への批判、反戦・平和への主張。長崎から逃げてきた女や、戦争によってお父さんを失った家族などを巧みに描写して、戦争・原爆の記憶を引き出し、その恐怖とダブらせて、巨大生物を見せる手管。全く見事だという他ない。 【訂正】俯瞰ではなく仰観でした。
[DVD(邦画)] 9点(2012-10-31 22:54:00)(良:2票)
372.  拳銃無宿(1947) 《ネタバレ》 
 昔の西部劇は、非常におとなしい。この作品で人が殺されるのは、悪役3人組が、牛の群れを横取りする場面だけだ。  物語は、無法者としてその名を知られ恐れられていた男が、クエーカー教徒の女と知り合い、トラブルを起こし起こされつつ、その女と添い遂げる話。  その悪名ゆえと言うよりは、自分の起こした悪事による自業自得によって、命の危険に陥れてしまった女の復讐の場面。うっかり丸腰になった男の大ピンチに対する解決が、ちょっと安易な気もするが、その後の展開が良い。最後のカットの二人のやり取りも粋だ。   ところで、トゥームストンでクラントン一家をやっつけた、カート・エバンスって誰?
[DVD(字幕)] 5点(2012-10-30 23:32:43)
373.  ブラックブック 《ネタバレ》 
 ラジオ番組での、田原総一朗のオススメにより鑑賞。   ナチスとレジスタンスの闘いだから、戦争の話に決まっているが、物語の興味は、それよりも人間の暴虐についてなのでは、と思う。  基本的にユダヤ人迫害は暴虐だが、それをいい事に、財産横領のための大量謀殺。無意味な死刑を望まないドイツ将校がいる一方、終戦後にナチス軍の論理によって行われる、銃殺刑。  この辺までは、直接戦争行為の一部といってもいいが、終戦後のナチス協力者たちへの、市民による残虐。丸坊主にされた女の写真は、教科書で見たことがあるが、切られている場面を動く映像で再現されると、ちょっとショッキングだ。囚人を裸にして、汚物を浴びせる連中を見ていると、戦争が人々に与えたストレスと、その反動というのは、尋常じゃないと素直に思える。  正直言うと、レジスタンスの裏切りに関する話は、それほどの興味をそそられない。終盤、何か犯人探しみたいになったあたりで、かなり興味が萎えた。ドイツ将校と主人公の恋愛事情には、もっと興味がなかった。   悪事への制裁とは言いながら、戦争後に一般人を殺してしまった主人公が、その後尼寺にでも入るように、ギブツで暮らす結末は、何故かちょっとショック。結局は、ナチスのためにと言うよりは、富に目の眩んだ犯罪者のために家族を失った事が、彼女のその後の生き方に影響しているのだろうか?   本題とは関係ないが、ヨーロッパでも、進駐軍はイン・ザ・ムードの音楽に乗って、チョコレートばらまいていたんだな。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-29 21:46:49)(良:1票)
374.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
 ジュダ=ベン・ハーが、復讐を果たすまでの波瀾万丈なさまは、本当に面白かった。ガレー船による海戦も、馬車レースも迫力があり、手に汗を握った。そりゃあ、もう8点を付けるだけの面白さだ。  しかし、この物語はイビツである。ジュダは、復讐を遂げた後に、イエスの磔刑を目にして、その教えに心奪われたように描かれる。物語の主題もおそらくそこにある。だが我々はすでに、騎馬戦の勝利と復讐の成就に感情を移入し、大いに溜飲を下げた直後なのだ。ここから「汝の敵を愛せよ」に涙するには、相当な、それこそ宗教的な説得力がないと難しい。元々キリスト教の素地がない普通の日本人には、もっと、ジュダの考え方を根本から突き崩すような、そういうエピソード、そういった描写が必要だったろう。  イビツと書いたのは、ジュダの復讐の成就までと、その後のイエスの奇跡に涙するまでの物語のバランスの悪さと、彼の心の転換部分の判りずらさだ。しかし考えてみると、これは、聖書における旧約と新約のそれに近いのかもしれない。もしかして、これは、一人の人間の人生を使った、聖書そのものだったのだろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-28 13:18:00)(良:1票)
375.  幸福(1981) 《ネタバレ》 
 正直なとこ言うと、「色が邪魔」だったのなら、モノクロで撮ればよかったんだ。更にいうと、DVDで再現されたシルバーカラーも、劇場で見た時の印象よりは、セピアに偏っている気がする。何だか、懐かしい感じになってしまっているが、もっと、灰色っぽい、無機質な感じの、"都会の色の抜けた感じ"のする色調だったはずだ。   物語は、殺人事件を通して浮かび上がってくる、現代社会における家庭崩壊、親と子の姿、幸福とは何かを追求している。…そうである。そうである、というのは、パンフレットに書いてあるからそうなのだろう、と思うだけで、自分では納得していない。  まず、その親子・夫婦と家族の姿が、物語として有機的に機能していない、というか、それを知った主人公刑事の行動に結び付くさまが、見えないというか。ただ並べて描写しただけ、という印象。事件が「彼の事件」になっていない感じ。  主人公刑事は、事件によって明らかになった幾つかの家族の姿に触れなければ、あのままだったのか?普通女房に逃げられたら、まず会いに行って、どういう事か問い質すのではないか?ましてや子供のいる家庭で。居場所が判らないというでもなく。   シルバーカラーの色調だけしか印象に残っておらず、物語をすっかり忘れていて、今回すごく新鮮に見られたのは、公開時に同時上映した『アモーレの鐘』の城戸真亜子の、豊な胸の印象が強すぎただけでは、なかったようだ。
[DVD(邦画)] 5点(2012-10-27 23:35:17)
376.  哀しい気分でジョーク 《ネタバレ》 
 そりゃあ、泣いちゃうけどさ。泣かすように仕組まれた設定にストーリーだから。だけど、公開当時見た時には、実際のたけしと同じ、コメディアンという設定が、今よりももっと、あざとく感じられて、とても印象が悪かった。   当時の漫才ブームというのは凄まじく、劇中で描かれるように、サイン攻めなどは当然、人気者ではあるが個人のプライベートなど、考慮される風潮はなかった。  だからこそ、そんな芸人の裏には、それぞれこんな人間のストーリーがあるのだ、という事なのだろう。そういう物語の構造は悪くはないと思うのだが、そこで語られるのが、難病の子供が死ぬ話という、鉄板の感涙ストーリーだというのが、「ズルさ」を感じさせるのだ。
[DVD(邦画)] 3点(2012-10-26 23:14:47)
377.  皇帝のいない八月 《ネタバレ》 
 こういう、どこもかしこもダメな話って、後味悪い、と言うか憤りの持って行き場がなくて、とてもストレスがたまる。クーデターの理由が、古臭いただの軍国主義で、一片の理解もできないし、それを抑えようとしている側も、腐っているし。  で、結局、何が言いたいのか分かんない。皇帝のいない八月って、意味有りげなタイトルだけど、架空の曲で、作戦名以上の説明が無く、ガッカリ。  乗客を人質にした、列車ジャックのサスペンスで魅せるかと思っても、列車って最後必ず駅で止まる運命だし、イマイチ、ドキドキ感が無い。   そもそも、山本圭の搭乗阻止の理由は何だったのか。小百合ちゃんを強引に奪っておきながら、今更昔の彼氏の命を守る意味は何か?  特殊な口径の弾薬で示唆した、アメリカ軍の関与の詳細は描かないのか?そもそも、あれだけの国粋主義者が、米軍の援助でクーデターを行うものだろうか?   当時33歳という、小百合ちゃんの、絶妙な女っぷりだけが、救い。   
[DVD(邦画)] 4点(2012-10-25 23:09:51)
378.  3時10分、決断のとき 《ネタバレ》 
 50年前の西部劇のリメイク。  凶悪な強盗団の首領を裁判にかけるために、コンテンション駅まで護衛する、牧場主の話。   こちらの版は、いろいろな面が加速されている。ダンは、暴力立ち向かわないさまが、息子にも反発されているような、ちょっと情けない感じが強調され、チャーリーはより凶暴に、コンテンションの人たちは金で強盗団に協力してしまう。ベン・ウエイドは、知性的な部分が強調され、絵なんか描いてたりする。  ダンと息子の関係の改変、護送への介入により、ベン・ウエイドの、最後の決断の意味が、よりしっくり感じるようになったと思う。原作付きに言っても詮無いことだが、酒場の女が最後に何か、絡んできてもいいと思う。   最近の、アメリカ映画の中の悪漢は、とにかく凶悪だが、チャーリーのそれは、知性的なベンの描写と比べ、狂気という感じ。その極地とも言える、男たちを買収して、ホテルから駅への二人に、弾丸の雨を浴びせる様は、かなり見応えのあるものになった。  しかし、途中のインディアンとの銃撃戦、トンネル掘り連中の件は、冗長。  そして最後、何もかもうまく行った、前作と比べ、今作の結末は哀しい。息子が、その雄姿を目にしていたのが救いか。 
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-24 00:56:19)
379.  決断の3時10分 《ネタバレ》 
 捕らえられた強盗団の首領と、その男を列車で送致するために護送する男の物語。  リメイク版と比べると、非常にスピーディでテンポよく話の進む、コンパクト版。 チャーリーの残虐性も抑えられていて、最後の突撃に対する銃撃も、かなり少なく地味。リメイク版の、弾丸の雨をかいくぐる緊張感と、撃たれるか、いつなのか、というこちらオリジナル版の緊張感、どちらも甲乙つけがたい魅力。  汽車に乗り込む瞬間に、撃たれない工夫として、もうもうと煙る汽車の蒸気を使うのは、上手い。ただ、何もかもうまく行った「ハッピーエンド」が、若干安易にも見えるも事実。殊に、命を救われた借りを返しただけ、的な説明はいらなかった。ベンは、もっと違うもののために、汽車に乗ったのだと思う。それは、リメイク版を見ると、よりはっきり分かるようになっているのだが。  最後に、牧場主の求めていた雨が彼らに降り注ぎ、爽やかに物語を締めくくる。ダンを苦しめた干ばつの終わりを告げる、雨なのに明るいこのシーンは、彼らの明日を暗示していると思いたい。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-23 23:49:24)
380.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 
 何年も前に新薬被験者の登録をした時に、随分といろいろな妄想と、戦ったことを思い出す。もちろん、現在の試験は安全なのだろうけれど。  そう考えると、麻酔という技術が、半ば伝説としてしか無かった頃に、失敗したら死ぬかもしれない実験に、体を提供するのは、並の精神力ではない。   世界初の全身麻酔、と言う部分にはもちろん興味深さはある。しかし、スゴイと思うのは、母と嫁の被験者競争だ。子を溺愛して嫁に意地悪をする母、というのは、物語や幾人かの知り合いの話などで、聞くことはあるが、その張り合いが人体実験にまで及ぶというのは、大した狂気だ。  この部分の、二人の狂気的な張りあいを見ると、人間の一念、思いの強さ、を恐ろしい思いを持って観てしまう。と、同時に、顔も見ずに嫁入りし、新婚生活をも姑にコントロールされてなお、人体実験を申し出る、お武家さんとは、大したものだとも思う。   その人は、医者の家の美しい女将さんに憧れて、そこに嫁入りし、その美しい姑にいじめられ、さやあてのように被験を申し出る。まさしく「美しい花には毒があ」ったけど、そのおかげで「毒薬変じて薬とな」ったという、ことわざ通りのお話なわけだ。そういう意味では、これは『華岡青洲の母』でもあった話かもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-22 22:59:56)
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