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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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361.  海炭市叙景 《ネタバレ》 
暗い救いがない、と有名な本作ですが、実を言うと、函館山の山頂から見た日の出のあまりの美しさに感動して、最初のエピソードから私は涙が出た。だがしかし、その光景を目にしながら兄は将来を悲観して自殺することを決心した。希望と絶望は紙一重であることを痛感させるエピソードのように思えた。 そして、土地開発によって立ち退きを迫られる老婆、プラネタリウム男、無能でパワハラ志向で浮気性でDVの二代目社長、、全てのエピソードとその主演者には、一つ共通点がある。それは家や歴史に頑なに執着していること。つまり彼らはみな、未来を見据えることができず、過去にすがって生きている、ということ。 救いがないエピソードの羅列だが、「函館」という街の衰退を描いた疑似ドキュメンタリーとしては秀逸だ。 ちなみに、函館山から望む市街地の夜景は「世界三大夜景」なそうだ。 美しい光の群れ、、もしこれから観光で訪れたとしても、それがSOSの救難信号に見えそうで私は少しだけ心配している。
[DVD(邦画)] 6点(2020-11-20 14:22:35)
362.  メランコリア 《ネタバレ》 
鬱病の話は散々出たのでもうやめておこう。 これはつまり、巨大惑星メランコリアを男性になぞらえた、壮大な愛の物語だ (笑) 全ての発端は、ジャスティンの「誘惑」だ。誘惑と書いて字の通り、彼女の美しい裸体が惑星を誘う。彼は地球の近くを素通りするつもりが、素っ裸で森林浴をする彼女に気づいてしまった。地球上で最高の「美」を見つけてしまったから、さあ大変。彼女に一目惚れしてしまった彼はしばらく悶々と地球付近に停滞したが、彼女の求愛サイン (枝のヤツ) にとうとう抑えきれなくなり、まっしぐらに彼女のもとへ、、 メランコリア (鬱病) とジャスティン (鬱病) は抱擁し合い、その愛は地球を救う・・・ どころか、その愛は地球を破滅させてしまった。 色々な警告だろうな、さすがは、ラース・フォン・トリアーだ。
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-22 02:21:35)
363.  ここは退屈迎えに来て 《ネタバレ》 
「私」が車窓から覗く田舎の風景。 チェーンの飲食店や電器屋が幹線道路に立ち並ぶ、よくある地方の街の風景だ。それは自虐的に言うほど、ド田舎ではない。かと言って、都会ではない。でも「中途半端」だから、なおさらもどかしいのかもしれない。 もどかしいと言えば、いったい友達なのか、恋人なのか、全くハッキリしないティーンエイジャーたちの距離感 (関係性) だ。それをまた、誰に肩入れすることなく、客観的に群像劇風に描いていて、最終的に勝者も敗者もないという、何から何まで中途半端で、なんとモヤモヤする映画なんだ。 そして「私」たちの今は、もう子供でもないが、大人にも成りきれないという、どこまでもモヤモヤさせてくれる。 だから本作は、どこからどう見ても大人たちのマキタさんと村上淳さんが秀逸だ。かつて思い描いた人生とは違うだろう、でもそれを受け入れて自虐的に語りながらも、真剣に今を生きている。実にいい大人たちだ。そんな彼らはもうモヤモヤしてないから、私もモヤモヤが少しは解消された。 きっと「青春」なんてさ、大人になるといつの間にか消えてる、モヤモヤモヤモヤモヤモヤのことなんだわ。
[DVD(邦画)] 6点(2020-09-30 12:12:17)
364.  私の頭の中の消しゴム 《ネタバレ》 
若年性アルツハイマー病の描写について、なかなか手厳しい意見も多いが、まあ純愛映画として見るならそう悪くはない。 愛するスジンがそうなった、彼女の父は「いずれ下 (しも) の世話もできなくなるぞ」とチョルスに忠告した、彼はそれを理解した上で覚悟を決めた、それでいいじゃん。言いたいのは、この患者と暮らすのは想像以上に壮絶であることを知らないわけじゃない、でもこの映画としてはそういう生々しい部分は見せません、そういうこと。 それにしても、スジンの切り替えの早さったら、すごい。始めの展開を見るかぎりでは、元カレと別れた日にチョルスに一目惚れしたわけでしょ? まさに清純派らしからぬ肉食系恋愛脳なわけだけど、このおかげで難病が発症する前に、ギリギリセーフで彼と恋人になれたわけだ。もしかしたら、虫の知らせが急がせたのかも。 とにかく、自分も健康なうちに早くいい人見つけておこう、ってのは本気で思った。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-28 18:13:39)
365.  ゴンドラ 《ネタバレ》 
主演の少年少女はオーディションで選んだと思われるが、ここまで幸うすそうな二人をよく探し出したものだ。特に女の子は、まだ若いのに人生を諦めたような暗い双眸が印象的。物語にしても、この年代ならではの清廉さとか青春のきらめきとはほど遠く、あまり必要性の感じられない性描写もあるし、全体的にとても生々しくて、都会の空気そのものが二人を突き放すように冷たい感じ。母が在宅なのに、マンションの鍵を開けて中に入っていく少女の姿がとても痛々しい。 でも彼の故郷を訪ねる後半から空気は変わります。少女は田舎の風景に癒され、きっと人生の風景自体も変わって見えただろうし、彼にとってもいつもとは違う色をした一夏の風景だったはず。 タイトルのゴンドラ、そしてプールやブランコは地に足がついていない少年少女の心理の象徴。そしてラストは、まるで果てしない試練のような、見渡す限りの大海原。たった一人では足元のおぼつかない人生でも、二人で力を合わせて舟を漕いでいけば、何とか渡っていけるのだろうか・・。
[DVD(邦画)] 6点(2020-09-17 21:59:02)
366.  南極料理人 《ネタバレ》 
本作における「南極観測基地」は言わば舞台装置。従って、映画の作りとしては舞台劇仕立てのグルメ系コメディ。だから、極寒の地で生きることの苦しさ、そういうリアリティを求めてはいけません。 そしてもちろん、次から次へと出てくる料理が一層うまそうに感じるのは、食べるしか楽しみがないこのシチュエーションだから。「食」を際立たせるためのロケーション設定、ですかね。堺雅人くん、と言うよりは、フードスタイリストの飯島奈美さん、今回もごちそうさまでした。 そして、観測隊員たち。さすが地球の最果てに左遷されるほどの選ばれし8名だけあって、優秀そうな面々ばかりでした (笑) とにかく、笑いもありますが下ネタがないので、家族そろって安心してみれそう。それって、ありそうで意外と少ないので実は貴重な一作かもしれません。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2020-09-17 18:57:49)
367.  釣りキチ三平 《ネタバレ》 
原作漫画は小学生の頃に夢中になって読んだなぁ。 本作は言っちゃあなんだが、「釣りキチ三平」という設定と知名度を借りた、夏休みの小学生向けのネイチャーアドベンチャー映画でしたね。そして、釣りを通して描く家族ドラマの映画。原作の再現度はさておき、童心に帰ったつもりで気軽に楽しむのが吉なのかと。だから、鮎釣りがいちいち説明台詞つきだったり、子供心に憧れたあのクールな魚神さんがチャラ男に成り下がっていたり、一平じいちゃんに吉幾三はナイスキャスティングと思って観ていたら実は渡瀬恒彦さんだったり、そのへんは微笑ましく観れましたよ、私は。 それよりも残念だったことは視覚的な部分。矢口高雄氏の原作は、鬱蒼とした木々や川や湖の水面に映る魚影など、それが実にぞくぞくするタッチで描かれていて、そういった美術的な感性にこそ真骨頂があったとも思っていますが、どうしても実写映画になるとそういった個性が皆無で、どこにでもありそうな普通の邦画 (の風景) になっていました。お魚もそう。CG感ありありで、これにはがっかり。 また、原作にはあれほどたくさんの名エピソードがあるのに、どうして夜泣き谷編だったのだろう? と議論はするべきだろう。ハワイのブルーマーリン編はわかる。これは予算の都合でダメだろう。呪い浮子編もわかる。ホラー映画になりそうだ。現実的な例として、ムツゴロウ編でも面白そうだし、壮大な釧路湿原を舞台にしたイトウ編でもよかった気がする。個人的にはいっそのこと、「O池の滝太郎」編でも面白かったと思うが? 監督が滝田洋二郎だけに。
[DVD(邦画)] 6点(2020-09-06 12:29:46)
368.  ウィーアーリトルゾンビーズ 《ネタバレ》 
「何もないーー」耳に残るわ~このフレーズ (笑) 確かに少年たち四人は (心の) 被害者です。でも最大の被害者は実は死んだ親たちなんですが、どうせなら被害者ヅラして調子に乗ってやれ、という発想の転換がまずあります。初代ファミコンを彷彿させる、シュールなアイコンや単音。それは、悲しみや怒りの感情を強調することなく、あえて虚しい心境 (虚無感) を強調してやれ、という考え方を表しています。そもそもセオリー通りならば、冒頭の火葬場の場面は曇りや荒天のはずですが、雲一つない快晴を選択するという念の入れようです。 だから本作のテーマは、人生の苦境における "発想の転換" なのかと。ありがちな "ポジティブシンキング" とはちょっと違う。そこが、凡庸な映画とはあきらかに一線を画すところ。 シンプルイズベストなのか、「ウィーアーリトルゾンビーズ」のテーマ曲はやたら耳に残るし、前述のファミコン演出も斬新で印象には残ります。「不幸」をオープニングとする少年たち四人のRPGに見立てる発想もいいとは思う。でも、面白かったか? と言われるとそこまで楽しめなくて。皮肉にも僕自身が空虚な心境で、どこか冷めた目で彼らを見てしまったんです。そんな私に彼らは気づいたのか、「どうせ他人事と思ってるでしょう?」と訴えるような少年たちのカメラ目線、その眼差しが心に突き刺さりました。
[DVD(邦画)] 6点(2020-08-29 12:01:52)
369.  トイレット 《ネタバレ》 
一度体験して、その素晴らしさを知ってしまったら、それがない生活にはもう絶対に戻れないもの。その例えとしての「ウォシュレット」なんでしょう。 もし今を記憶したまま、とつぜん30年以上前の昔にタイムスリップしてしまった、としよう。僕としては、スマフォもネットもYouTubeもないのはたぶん我慢できる。不便にはなるけど、煩わしさを感じることも多いし、こんなものたちはなければないで何とかなるよきっと。しかし、ウォシュレットは別格。もうこの爽快感と便利さを知ってしまったからには、それがない生活 (ウォシュレットの存在しない世界!) にはもう戻れる気がしません。 だからおそらくは、過剰な便利さよりも本当に一つだけ必要なものとは何だろう? といった問いかけのお話しなんです。 「システムの氾濫と腐敗」 見逃しがちですが、おもちゃ屋の彼が詩の朗読会で読んだこの言葉が意味深だったように思えます。荻上監督らしく、まったりとしたとぼけた味わいでしたが、本作は発展する過度な文明社会に対する監督なりの答えかもしれませんね。 もちろん、ウォシュレットにこだわらず、考えるもよし。 なくても大丈夫なもの、そして本当に必要なもの。 あらら、、なぜか今ある人間関係がたくさん浮かんでしまったわ (笑)
[映画館(邦画)] 6点(2020-07-25 01:06:15)(良:1票)
370.  ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ) 《ネタバレ》 
リリとハーゲンが小高い丘の上から見下ろす風景の美しさに息を吞むとともに、あぁこの瞬間が少女と犬にとって幸福の絶頂なんだなあ、と予感めいたものが確かにありました。 そのハーゲンが捨てられた直後、いったん彼目線の展開になるので、このまま「銀牙-流れ星」のような犬目線の冒険活劇になるのかな (笑) と思いきやそうでもなく、なかなか壮絶な人生、、ならぬ犬生ではありました。 どうしても犬の殺処分ばかりを問題提起しがちですが、そもそも血統書付きと雑種を区分けしたり、リリを「ホワイト・ゴッド」と称するあたり、人間が気づかぬうちに血によって「命」の重さそのものを値踏みしている事実、その警告が含みとしてありそうです。思えば、冒頭の白衣に飛び散った食用牛の血、拭っても消えないその濃さが、本作の根の深さを暗示しているようにも思えます。 市街地を疾走する野犬の群れはスペクタクルではあるし、トランペットの音色が実は重要な伏線であったり、映画としてツボは外していないと思います。 ただ、本作は怒りとか悲しみとか、そういった心が揺さぶられるような感情はなかったです。 知っていながら見て見ぬふりをするしかない、というやり切れなさ、そういう嫌な部分を見透かされたような、そんな心境になりました。
[DVD(字幕)] 6点(2020-06-19 22:47:55)
371.  シンプルメン 《ネタバレ》 
いきなり強盗の場面だし、見ての通りストーリーはぶっ飛んでるけど、演出自体はいたっておとなしいです。そう、映画は初めから最後まで、頑なに36.5度の平熱を保ってる。当然、たまにウトウトしかけるんだけど、いいタイミングで強烈なビンタが入ったり、狂ったように踊り出すから、眠気覚ましにはちょうどいいです、はい。 しかしながら、何かとてつもない出来事が起こりそうな緊張感だけは持続していて、なんやかんやで最後まで引っ張ります。でも、やはり最後まで大したことは起こらない (笑) 我が道を往く登場人物たちの誰にも共感できないし、映画はむしろそれを拒んでいて、お客さんは黙って映画を眺めていろ、って感じ。 つまり、ありがちでありながら、どの映画にも属さないという、「ハル・ハートリー」という映画のジャンル、は確立させています。 色使いと、その「透明感」は必見。
[DVD(字幕)] 6点(2020-06-03 22:37:43)
372.  ハッピーエンド(2017) 《ネタバレ》 
題名に嘘偽りなく。トランティニャン爺がこの結末を自ら望んだのだから、彼の主観的に見るならば、紛うことなきハッピーエンドなんでしょう。そして、誰もが羨む金持ち一家が迎えた終焉ということで、客観的には "他人の不幸は蜜の味" というハッピーエンドでもある。そこが、ハネケのイヤラシイところ。 しかし、これをSNSというフィルターを通して見れば、少女が見ず知らずの車椅子の老人を快楽的に海に突き落として動画撮影しているようにしか見えず、残念ながら当事者たち以外には「ハッピーエンド」には全く見えない。 要するに、世界中に溢れる芸術性のかけらもない稚拙な映像作品によって、意図的あるいは偶発的に真実が歪曲されて伝わること、そこをハネケは警告しているのだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2020-06-01 14:07:41)
373.  アナコンダ 《ネタバレ》 
「真夜中のカーボーイ」「帰郷」の名優ジョン・ヴォイト。個人的には、「チャンプ」の印象が強い。とにかく、とても好きな役者だ。 だから、アナコンダに飲み込まれた彼に、私は涙ながらに叫んだ。「チャンプ、起きてよ、、お願いだ、起きてよ、チャンプ!!」 そしたら、、奇跡が起きた! ウインクされたよ!! 最後にもう一度だけ言わせてほしい。 名優ジョン・ヴォイト。代表作、真夜中のカーボーイ、帰郷、チャンプ、アナコンダ・・。
[映画館(字幕)] 6点(2020-05-16 22:43:10)
374.  北京的西瓜 《ネタバレ》 
八百春や居酒屋における人々のやり取りは、カメラを意識しない自由さで、ドキュメント調のようなつくりになっています。このあたり台本はつくり込まずに、場面場面において出演者の即興に委ねた印象を受けました。そして超常現象も奇をてらった演出もなくて、およそ大林監督らしくない映画でしたが、、 最後、強烈なのがありましたねえ (笑) 特にカメラに向かって語りかける演出は、近年の戦争3部作を彷彿させます。しかし、確かに画期的な演出とは思いましたが、スタンダードな人間ドラマとして流れが秀逸でしたので、そこは中国で撮影したふりをしてでもそのまま行ってほしかった、という思いが強かったです。 ストーリーとしては、国際交流を描いた美談であるし心温まるいい話です。ただ春三さんは家庭や店が崩壊寸前になるまで中国人に肩入れして、家族に対してその謝罪が最後までなかったのは残念です。店が持ち直して事態が好転したため、そこだけがうやむやになってる。この映画だけを見ると、春三さんよりもむしろ彼を支え続けた美智さんの忖度や忍耐こそ讃えられるべきでは? ・・でもそう考えると本作は、大林監督の妻であり映画プロデューサーでもある大林恭子氏に、感謝の意を込めた映画かもしれませんね。
[DVD(邦画)] 6点(2020-05-06 13:11:31)
375.  ダンス・ウィズ・ウルブズ 《ネタバレ》 
180分もありながら、なぜジョン・ダンバーの生い立ちを描かないのだろう。このせいで、なぜ彼がそれほどまでに未開のフロンティアに魅せられているのか、とか、なぜインディアンに肩入れしたがるのか、私にはまったくわからない。ついでに言うなら、切断を覚悟するほど重症だった右足が、いつどうやって完治したのか、それもわからない。 先に登場したポーニー族の戦慄。ここは今までの西部劇にならって、インディアンは白人を見つけたら殺る、ただそれだけである。彼らには人格すらまともに与えられていない。しかし、温厚なスー族が登場すると、様相が変わってくる。本作は彼らを通して、インディアンたちの生活を中から描いて、一人一人に個性があること、そして白人側に和解する覚悟があれば手を取り合う意志があることを充分に見せてくれた。ジョン・ダンバーをインディアン集落への (白人代表の) 潜入捜査官のように見立てて、彼が苦労し、発見し、打ち解けて、恋をして、衣食住をともにする過程の中でインディアンを描いているのが斬新で面白いところか。 始めに、ジョン・ダンバーという男がよくわからない、と書いた。そんな彼について、一つ、確かなことがある。それは、とてつもない強運の持ち主、ということ。南北戦争では、あれほどの銃弾が全て彼をよけて通った。砦にたった独りで籠城しながら、初めに出くわしたのが、好戦的なポーニー族ではなかった。 そして何より、彼は狼に咬まれなかった。 以上。
[DVD(字幕)] 6点(2020-04-22 17:51:54)
376.  愛しのタチアナ 《ネタバレ》 
音楽の趣味は明らかに違いますが、これはまるでジム・ジャームッシュの映画のよう。アキ・カウリスマキ監督、こういうスタイリッシュなのも撮るんだ、と感心します。 男二人はいなかもんですが、センスある監督の撮り方によってそれなりにカッコイイ二人組に見えます (笑) そして女二人は面白いお顔ですが、センスある監督の撮り方によってなかなかキレイな二人組に見えます (笑) ホテルの部屋を共にしながら寝ないという選択、レストランでダンスを踊らないという選択、そして結局は共に暮らすという結末。 まあ、でたらめな選択を続けても、生きていれば人生何とかなるさ、ということか。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-18 15:53:02)
377.  トランス・ワールド 《ネタバレ》 
退廃的な映像美はいい感じだし、森の奥にたたずむ廃屋のような山小屋の姿もとても雰囲気があります。まるでホラー映画みたい。もしかしてそっち系? と疑ってしまったほど。で、そこに迷い込んだサマンサの服装がまたよろしい。山歩きの服装とはほど遠い、きれいめカジュアルというのが、どうにも場違いな感じで不安感をあおります。いや、不安感というよりは、違和感、といいましょうか。この何かがおかしいという違和感、そして三人の関係という謎。私にとっては、これが本作の全てでしたね。謎が解き明かされてからは、もうすでに映画への興味が薄れたと言うか、、。誰かさんが犠牲になって誰かさんの未来を変える (救う) 、これも何かありがちだし。 個人的には、この監督にはホラー映画を撮ってもらいたい、と思いますが?
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-11 15:43:59)
378.  ウルフ・オブ・ウォールストリート
すまん。 ディカプリオ渾身の180分より、M・マコノヒーのたった数分の方がはるかに強烈だったわ。彼 (マーク・ハンナ) のスピンオフ映画、やらないかな? (^w^)
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-31 18:12:50)
379.  π(パイ) 《ネタバレ》 
これは、モノクロの終末的な映像のなか、無機質で閉鎖感が漂う街に住む、悲壮感漂う辛気臭い男が、意味不明な数字の謎に取り憑かれて、自らドリルで穴を開けて砕け散るという、とても救いのない物語です。雰囲気はまるで、リンチの「イレイザーヘッド」を彷彿させます。かなり影響受けてますよね。一見、とてもミステリアスなストーリーですが、要するには "中毒性あるもの" とその依存症 (中毒者) の恐怖を描いた物語と思います。この数学の謎を薬物やギャンブルの依存症に置き換えるとわかりやすいかな? だから本格的な数学の謎解きを期待しても肩透かしを食らうし、数学の描写もそこまでのリアリティはありません。(サスペンスの要素としての数学、なんです) そしてこの映画に夢や希望はいっさいありません。ただ、逆説的にそれを提示はしています。爺さんの台詞が全て意味深で、特にアルキメデスのエピソードが面白いです。彼は歴史の偉人に対して、その功績や閃きに触れることなく、「最も大切なのは妻の存在だ」と言いました。もちろんこれは、マックスに遠回しに提言しています。彼は隣人の女性の好意、つまり目の前にある幸せに目もくれず、答えのないもの (=叶わない夢) を追い求めて砕け散った。本作は極めて作家性が高くカルト映画のにおいが漂いますが、もっと身近な小さな幸せに目を向けよう、という等身大で普遍的なヒューマンドラマである、と断言します。
[DVD(字幕)] 6点(2019-12-07 23:03:01)
380.  アダムス・ファミリー(1991)
これ、ティム・バートン監督の映画ですか?(笑) でもティム・バートン監督は人間よりの目線によって異形を描くことに執着しますが、こちらはあくまで怪物目線。そして彼らは人間たちの視線を全く気にしません。そこが決定的に違うところ。まさにアダムス・ファミリーによるアダムス・ファミリーのための映画、なんです。個人的には、コメディとしてはそれほど笑えませんでしたが、ここまで独自の世界観 (雰囲気) を作り込めるのはすごいと思うし、視覚的にはわりと楽しめました。特にモーティシアとウェンズデーによるゴス系ファッションは雰囲気抜群で素敵でした。反対に残念なのはおばあちゃん。一人だけありがちなんですよね。年老いた魔女と言うよりは、これでは市川崑監督の金田一シリーズに出てくる老婆にしか見えなかったです。今にも、「これは村に伝わる祟りじゃあ~~」とか言い出しそうで。 (俺だけか?)
[DVD(字幕)] 6点(2019-11-24 18:38:01)
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