21. ランド・オブ・プレンティ
アメリカは自分から傷ついたなんて言わないから、外国人(ヴィム・ヴェンダース)がこのように描くことにさえ、憤りを表明するかもしれない。でも直接言わなくたって、彼らの思いはあらゆるところに染み出ている。私は、アメリカは心配ないと思っていて、それでもこの映画を見られて良かったけど、普段そんな風に考えない人こそ見る価値ある映画じゃないか。メッセージがもっと直截でも良かった。 [映画館(字幕)] 7点(2006-02-19 17:49:33) |
22. ミュンヘン
答えのない映画です。重苦しいテーマでありながら、物語はテンポよく展開し、2時間44分の長さをさほど感じさせない。それでいて、最後にはその重苦しさがそのまま余韻として残る。という意味で、稀有な作品であると思います。ブルーがかった色調や、空間の奥行きのなさ、服装のちょっとした特徴などで、「70年代」を上手に刻印していました。死体から硝煙が上がるのだけは止めてほしいですけど。 [映画館(字幕)] 7点(2006-02-10 22:30:17) |
23. 秋立ちぬ
1960年に12歳・小学校6年ということは、48(昭和23)年の生まれ。つまり私の父と同い年・団塊の世代である。秀男は同世代より一足早く東京に出て、一人で全共闘を闘ったのだ。潰されンなよ。 [映画館(字幕)] 7点(2005-09-09 23:50:10) |
24. 八つ墓村(1977)
ハマる。確実に言えることはこれだけだ。この映画を観て魅力を感じなかった人は幸せだ。二度と見るべきでない。繰り返し繰り返し見るようになるゾ。夢の中に山崎努が出てくるようになったらもう遅い。怖いヨ~/ところで、リュウのアギトって、どこにあるんですか? 7点(2004-11-17 20:17:41) |
25. アラモ(2004)
まず行動で勇気と胆力を示し、次に権威者により権威付けの後押しがされ、最後に言葉(演説)によって感銘を与える。アメリカ映画が指導者の正統性を描く黄金パターンだが、やはり心を打つ。もちろんヒューストン将軍(デニス・クエイド)、ジム・ボウイ(ジェイソン・パトリック)、そしてデイヴィ・クロケット(ビリー・ボブ)もよかったが、トラヴィス”大佐”(パトリック・ウィルソン)がいなけりゃ、この映画を私の物にできなかったと思う。 7点(2004-09-26 01:25:49) |
26. デイ・アフター・トゥモロー
「地球温暖化について真剣に考えなくては」的な感想が意外に多い。この映画は冷房のガンガン効いた劇場で寒さを体感しながら観るとより楽しめるが、それって地球温暖化にとても貢献している。正しい鑑賞方法は、冷房のスイッチを切り、汗をダラダラ垂らしながら観ることだ。そう考えると、夏に公開していることがおかしい。話も冬に設定し、真冬に公開すべきだ。今年はいつもの年より雪が多いね、ってな始まりにして。→→→→矛盾。この映画を観る限り、地球「温暖化」の問題は解消して見える。 7点(2004-06-24 04:57:30)(笑:1票) (良:1票) |
27. 仁義なき戦い
現実の事件を題材としている為、複雑な背景を持った抗争劇となっているが、観る度にこの一作目は、「良く出来ている」と感心する。戦後という一つの時代の始まりと、その終末への予感が描かれ、全編への秀逸な序章となっている。 7点(2004-02-29 19:47:45) |
28. スクリーム(1996)
ホラー映画の見方を解説してくれる”これでアナタもホラー通!”的親切な映画。だが、それでホラー映画を怖がらずに済む、ってことはなかった… 7点(2004-01-15 21:52:57) |
29. 望郷(1937)
後半のたたみ掛ける展開に感情が揺さぶられました。それぞれ勝手な方向を向いた感情のベクトルが、うねりとなって一つの大きなベクトルを合成していく。このグルーブ感がたまりません。構成力の勝利でしょう。 7点(2003-10-26 21:32:52) |
30. 悪い奴ほどよく眠る
「そんな簡単にはいかないだろう、悪」とは思うが、たまにはこんな映画を観て無力感に陥ったり、見えない敵に向って怒りを掻き立てるのもいいのではないか? 7点(2003-10-21 00:36:56) |
31. ソウ2
よく出来たサスペンス。同じ騙されたは騙されたでも、前作の騙されたは「やられた!」だが、今作のは「なぁ~んだ」。面白い映画を作るって、やっぱ大変なことなんだなあと、あらためて認識する。と同時に、それなりに面白く出来上がっていることに思いが至り、そこはきちんと評価してあげたいと思う次第だ。 [映画館(字幕)] 6点(2005-11-05 00:17:29) |
32. 無法松の一生(1943)
無法松と未亡人の関係(と言っても、無いに等しい関係、なのだが)を、「一生」という形で描くことに意味のある作品だと思いました。原作・岩下俊作氏の『富島松五郎伝』とのことですが、こんな奴が本当にいたんだろうか。男として、惚れます。でも、維新以降(?)廃れていた祇園太鼓を復活させる松五郎、当時から「古い奴」だったんだろうなあ・・・右も左も真っ暗闇(関係ない) [映画館(字幕)] 6点(2005-09-27 23:19:18) |
33. ナショナル・トレジャー
巨大な陰謀/壮大な謎に挑む冒険大作、みたいのを期待してたわけですよ。そしたら一つ一つの謎はなんかナゾナゾみたいのばっかりでねえ。一応そういったナゾを、膨大な知識と明晰な頭脳の持ち主ニコラス・ケイジが解いていくんだけど、彼はちっともそんな男にゃ見えない。せっかくアメリカ独立宣言書の裏に書かれたという設定を持ってきてるわけだから、頭のいい奴はいくらでもいて謎もほとんど解かれていたけど勇気だけが足りなかったとか、民衆の自由を本気で信じる心が試されていたとか、もっと精神的なものと結び付けるようにすりゃ良かったのにね。ケイジもそんなキャラの方が似合うと思う。とはいえそこはハリウッド、そこそこ楽しめる作りです。 6点(2005-03-29 00:57:35) |
34. ツイステッド
怖い映画だった。何が怖いって、アシュレイ・ジャッドのこめかみに浮き出る血管がツイステッド。 6点(2004-10-26 01:31:54) |
35. キャンディ(1968)
超大物が出演とは聞いていたが、誰が出てるかまでは知らなかったので、超びっくり。あ!×××だ!え?これ△△△?お!◇◇◇まで!出るわ出るわ。しかしエンドロール見るまで○□◎が出てたことに気づかなくて、マジ?何処に出てた?状態。アレしかないと分かったときにはぶったまげました。・・・カルトな楽しみ方に適した作品です。 6点(2004-10-11 08:59:01) |
36. 21グラム
ここに描かれるのは、映画を観ない人たちの、神より他にすがるものなき孤独感であるが、それを理解することで、私の孤独感は癒される不思議。 6点(2004-06-07 00:28:36) |
37. 時をかける少女(1983)
《ネタバレ》 なんとも切ない話だね。深町との失われた記憶を、吾郎との間のわだかまりとして、自分でもはっきり認識できぬまま抱えていくしかないのだろう。我々の実人生でも、本来は大切な人との間に、説明できないわだかまりを感じてしまうことがある。その背景にこんな物語が隠れているとしたら、ちょっとロマンチック――な訳ないか。 6点(2004-05-01 20:00:12) |
38. パール・ハーバー
メロドラマとして破綻している点が駄目。イブリンはどうしても尻軽に見えるし、ラストの小難しい独白はそのイメージを打ち消すというより、増幅してる。だが映画好きとして、真珠湾攻撃シーンの壮観さは手放しで賞賛。 6点(2004-03-29 23:32:09) |
39. キル・ビル Vol.1(日本版)
この映画が、いろんな所からのオマージュ&コラージュで成り立ってるのはわかるけど、それで形式が凄いと言うためには、最低限、内容で面白さを感じさせる必要がある。寄せ鍋は、どんな具を入れても美味くなる、ってもんじゃない。「知識」が深いほど映画を楽しむ幅も広いってのは真理だと思うけど。 6点(2004-01-30 22:09:51)(良:1票) |
40. 2001年宇宙の旅
この映画に予定通りナレーションがつき、映画を見た誰もがその意図を理解していたら、ここまでの語り草にはならなかったろう。つまり”意味不明映画”として完成度が高い。 6点(2004-01-23 22:39:35) |