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カリプソさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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自己紹介 うどんと映画とマーク・ノップラー。これさえあれば幸せです。

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21.  BU・SU
若かりし頃に一度見ているが、その時は何も感じなかった作品。そして本日、取り寄せていたビデオを再見。いや素晴らしかった。溜息のでる映像の数々と八百屋お七のキーワード「火」をうまくリンクさせた演出は流石の一言。作品として原由子の曲以外は文句のつけようのない出来でした。そして見事だったのは主演の冨田靖子。鬱積の溜まった社会に押しつぶされ、どこにも発散できない若者の感情を無表情でありながらも演じきっていました。モノクロでかぶさるエンドロールの成長した姿の対比もよかった。彼女は83'に「アイコ16歳」でデビューし、85'に大林宣彦監督「さびしんぼう」で主演。そしてこの市川準初監督作品「BU・SU」でも好演してみせた。主役を張る美しく上手な女優さんは数あれど、作品に恵まれる人は一握り。近頃の彼女を思うと心苦しいが、それでも一瞬の輝かしい時に名を残す作品で演ずることのできた彼女は本当に幸せな女優さんだと思う。80年代に二人の巨匠に見出された稀有な存在としても。それにしても彼女は時折、とても魅力的な表情をする。
[ビデオ(邦画)] 10点(2008-05-24 23:45:24)(良:1票)
22.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
いや~かな~りスケールアップしてますね~。全米を巻き込んじゃってます。そしてマクレーンの身のこなしや不死身っぷりにも老いを前に進化が伺えますね。とんでもなくアクロバティックな動きを見せるF35のロックオンを三度もかわす様は神懸り的でした。でもハイテク機器は凄いのですが、敵の強さがあまり感じられなかった。ターミネーターみたいなのが出てくるが以外にあっさりやられてゆくので対人間ではちょっと消化不良です。唯一、FBIに化けた綺麗なおねえちゃんが頑張ってまいしたが。でもそれ以上に合衆国政府が情けなすぎるのが気に掛かりますね。いくらなんでもこれはないでしょう。やり過ぎです。どっかんどっかんの連続で飽きはしませんが、規模がでかすぎて収集が付かなくなってるのが残念です。やはり一作目くらいに程よくコンパクトなほうが良いですね。あとファレル君のボソッというセリフが面白いです。ブルース・ウイリスのこと「ハゲ」っていったりしてまいした。
[DVD(字幕)] 6点(2008-04-15 23:13:18)(良:1票)
23.  アヒルと鴨のコインロッカー
アヒルと鴨のコインロッカー。って、どんな題名だよと思ったけどちゃんと意味があるもんだな。  The Essential Bob Dylan。Amazonのマケプレで売ってしまった。なんだか恥ずかしい。  Blowin' In The Wind。今、聴きながら書いている。時々、口ずさむ。  外国人。昔、梅田で道を聞かれ「Go Strait!」なんて片言で教えたもんだからBigMan前の人ごみの中を自転車で突っ切っていった外人さんに唖然としたことがある。  動物。爬虫類までは殺したことがある。子供の頃に。  
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-14 02:26:16)
24.  東京兄妹 《ネタバレ》 
切ない。画もきれい。音楽もよい。でもなんだこのシュチュエーションは。「みゆき」のような展開をみせるのか、はたまた別の展開が用意されているのか期待してみていたが、ほとんど何も起こらなかった。生活感を出すためなのはわかるが、冒頭の無意味な妹の入浴シーンや緒方直人があの童顔で、ちゃぶ台の上の冷奴を瓶ビール片手につっついたりするもんだから余計に違和感が出る。若くして両親をなくした兄妹という設定はいいんだけど、昭和30年代の年季の入った夫婦のような佇まいはどうも馴染まない。その上、兄を想う特別な理由でもあるような献身的な妹がある日、男の元へ出てゆくのも解せない。行って戻ってでは市川監督らしくない。結婚を先延ばしにする兄への想い的なものがほしかった。ただ妹の心象変化として喫茶店でのシーンなどはうまさが光る。背筋をピンと伸ばした硬い姿勢から、ある時フッと背筋を崩す描写などは見事。細かいところでは市川監督らしさが覗えるのだが、ラストの展開といい、どうも腑に落ちないところも多い。話としては散漫とした印象は拭えません。やっぱり設定に無理があったのかな・・。情緒のある美しい画はまちがいないのだが。 
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-04-12 17:29:10)
25.  転校生-さよならあなた-
30℃を超す気温の中、久しぶりに大阪駅から梅田スカイビルまで汗だくになりながら歩いた。4Fに着くと涼しげなホールは人もまばらでとても静かだった。15分前に整理番号が呼ばれたが20数番までと、とても少ない。あんまり人気ないなぁと思いながら真ん中の席に腰を下ろした。いくらかのCMのあと、鳳凰の絵と共に本編が始まった。情感ある音楽と共に転校生と暗い画面に書き出される白い文字にもうじーんときてしまった。前作と舞台は違えど、よく似た流れで話が進んでいく。携帯も持っている現代なのだが学生たちの佇まいは昔のまんま。良い子ばかりだ。あまりに前作と似た作りに少し不安になったが中盤辺りから様子が変わってゆく。その展開に自然と涙が出そうになるが、必要以上に泣かそうとしない。というかあえて盛り上がりを押さえた作りになっている印象を受けた。穏やかな感動を残したままラストに向かい、清々しい気分で映画を見終わったと思ったのだが、最後の最後で画面に映し出された監督からの語り掛けに涙が溢れた。まだ少年だったあの頃から25年、再び出会えたことに感謝したい。
[映画館(邦画)] 7点(2008-03-22 18:29:09)
26.  それでもボクはやってない
被告側の視点に立った話だと理解はしているが、体の中が震えるてくるほど腹の立つ作品でした。駅員に押し込まれるほどの満員電車に乗ったことのある人(大勢いるでしょうが)なら判ると思いますが、故意にしろ過失にしろ何が起きても不思議ではないあの空間は、本当に異常です。もう随分前ですが、ある日の車内で僕の後ろにいたOL風の女性が突然、「いつまでさわっとんじゃ!ボケ!!」と大声でまくし立てたことがありました。当の女性はそれだけ言うと素知らぬ振りをしていたのですが、その女性を取囲む男性陣(6~7人)は僕も含め穏やかではありません。離れている乗客たちは、(どいつやどいつや)という風にこちらを興味深げに覗っています。そして次の瞬間、僕ら男性陣の下ろしていた手がもぞもぞとゆっくり上げらてゆく光景は、緊張感の中の変な可笑しさと(あ~みんな考えるのは同じなんだな)という妙な連帯感を感じた忘れられない体験でした。そんなこともあり、ちょうどTVなどで騒がれていた痴漢犯罪の問題は予備知識としてもっていたので、一方的とはいえこの作品の進め方に異論はありませんし、警察の体質や裁判の在り方に問題があるとは思いますが、裁かれるべきは何が起きてもおかしくないあの通勤ラッシュの殺人的混雑に元凶があるような気がしました。そんな特殊な空間での難しい犯罪だけど、改めてこういうことが起こっていると今一度“傑作”として仕上げ、世に送り出した本作の功績と静かで熱い演技をした役者たちには素直に拍手を送りたいものです。最後に一言いわせて下さい。日本アカデミー賞のバカヤロ~!
[地上波(邦画)] 8点(2008-03-22 18:27:12)(良:1票)
27.  トキワ荘の青春 《ネタバレ》 
原案は読んでませんが、寺田ヒロオを中心に据えたのは市川監督らしいですね。そうすることでトキワ荘での劇的な変遷も、創明期の若い漫画家たちの同志的な繋がりもよく表現されていたと思います。そう手塚治虫が寺さんを晩飯に誘うプロローグ的なエピソードからトキワ荘の性格を形付け、それから始まる青春群像へすんなり誘ってくれます。出前に来た店員だけに演技させた描写も素晴らしく、優れた小説の情景描写のように全てを静かに物語れるカメラワークは秀逸です。人間模様もうまく表現されていて、成功と挫折だけではない尊厳までもしっかりと描かれています。自分の世界を確立していても時代に取り残されるように、漫画のもつ無限の可能性と子供の娯楽といった要素との葛藤も寺さんを透して見事に表現されています。様々なジャンルがある現在ならば、寺さんの作品にも居場所があったのではないでしょうか。ラストの後輩たちからの相撲の誘い。トキワ荘の軒先から通りまでを捉え続けたアングルの中で一心に相撲をとり続ける寺さんの汗と涙がとても良かった。静けさの中、丁寧に散りばめられたエピソード一つ一つとそれらを優しく包みこむ素晴らしい選曲も心に沁みました。唯一、サントラもDVDも発売されていないのが悔やまれます。
[ビデオ(邦画)] 9点(2008-03-22 18:24:59)
28.  つぐみ
牧瀬里穂はいい表情してますね~。感情豊かなツグミを見事に演じていたと思います。するどい目で睨みつける表情から一瞬で涙を流すシーンは感心しました。深刻になりそうだなと思ってもコロッと呆気ないくらいの展開を見せたり、まるでツグミの性格のような描写も面白かったです。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-03-01 03:13:35)
29.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
現在と過去を行き来するテーマ性のある話ではあるけれど、現在と過去とのギャップがありすぎて別の人物の物語を見ているようでした。これは幼少期が凄まじ過ぎるのもありますが、いかにも絵の具で書きましたという空に代表される背景セットの質感の違いも大きな要因になっているようです。現在の普通のロケーションに台湾の美しい街並みも織り交ぜるから余計にそう感じます。シリアスなドラマだけにもうちょっと何とかしてほしかったです。執拗な虐待シーンも目一杯暴れてはいるがプロレス的な甘さが目に付くし、どこかでアメとムチというか母の優しさが表現されていなければこのテーマが成立しません。髪をとかすシーンだけでは難しいと思いました。いきなり台湾へ飛んでたり、17才からが描けていなかったり、あげくは娘の忍者ばりの隠密行動といった演出には唖然とすると同時に、脚本にも疑問が残ります。それなりのテーマで望んではみたが、まとめきれずに全てが中途半端に終わったような、ただ原田美枝子だけが際立つ作品でした。
[ビデオ(邦画)] 4点(2008-03-01 01:20:16)
30.  東京物語
尾道から東京までの長い旅路。容赦ない夏の暑さ。息の詰まるような東京の町。着物の重苦しさ。履物の不安定さ。気を使う息子たちの家。これでは気の休まる暇も無い。唯一、親身になってくれる紀子だけが救いである。遠くの親戚より近くの他人と言うが、本作は遠くの親戚より遠くの他人(他人ではないが)といったところか。たしかに世間では相続争いや兄弟喧嘩、果ては更に悲惨なことまで毎日のように起こっている。本作にも「それを思えばまだ幸せだ」というセリフがあるが、そうであったとしても老夫婦には心身ともにつらい旅となった。そういった老夫婦の寂しい話ではあるけれども作品としてはとてもよかった。朴訥としながらも品のある老人を演じた笠智衆を筆頭に美しいとは思わないが気品溢れる原節子の優しい眼差しにも心が洗われた。そして尾道の美しい風景や東京の復興目覚しい街並といった背景も印象的で、穏やかな情感ある音楽も作品の雰囲気に合っていたと思う。傑作であると素直に感じられた。本作が上映された1953年というと「雨月物語」といった後世に名を残す名作が封切られた稀有な年でもあり、更にこの50年代は両監督にとっても日本映画界にとっても黄金時代にあたるのだなと改めて感じた次第です。 
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-20 23:40:03)(良:1票)
31.  二十四の瞳(1954) 《ネタバレ》 
空にゆったりと浮かぶ雲。陽光を反射してきらめく凪の海。遠くまで霞むように連なる瀬戸内の島々。桜の森の中を連なって遊ぶ楽しい日々。みんなで撮った思い出の写真。修学旅行の船上での楽しいひと時。そしてその船をそっと見送るまっちゃん。悲しい時も嬉しい時も大きな声で唄を歌い、励ましあって成長する。忘れてはいけない大切なものがいっぱいに詰まった心温まる珠玉の名作です。
[DVD(邦画)] 10点(2008-02-20 23:36:45)(良:1票)
32.  東京マリーゴールド 《ネタバレ》 
雨のおかげで扇風機もいらぬ程、めっきり涼しくなった日曜日の午後に鑑賞。最近になって市川作品にはまったおかげで、タイトルの語感は好きだったもののアイドル映画と思い込んでいた本作を手に取ることとなった。敬遠していた自分が悔しくなるほど言葉では語り尽くせない切なく美しい画が続いてゆく。話の流れはゆったりとし、登場人物も台詞の数もとても少ないのだけれど、ちょっとした仕草や表情、背景で言葉より饒舌に表現してゆく。深い青に包まれながら握り合う手。駅に向かう陸橋。一度だけある階段でのキスシーン。徐々に変わる気持ちの移ろいまでも映像で見せる。その映像表現ゆえ、不器用で真面目すぎる二人ゆえに最後で別れを拒むエリコと鼈甲飴を握り締め一人咽ぶ田村の気持ちの解放が際立つ。ただ少し気になったのは、バスの中での偶然すぎる出会い。話の展開自体はいいのだけれど、他にも表現方法があったのではないだろうか。でもそれも些細なこと。名作には違いない。
[DVD(邦画)] 10点(2008-02-20 23:13:51)
33.  ビッグ・リボウスキ
流暢なメロディーに乗せて転がるタンブルウィードに、もう始めっからやられてしまいました。そのオープニングに違わず、本編も実に滑稽で、デュードを筆頭に愛すべきダメダメキャラクターのオンパレード。ほんと、出てくる人がみんな強烈な個性を発揮していて面白い。ジプシーキングス“ホテルカリフォルニア”にのせて登場する“ジーザス”ことタトゥーローなんか、その素性ともども最高に粋ななさけなさがありました。キューピーのような大家とか、執事を演じたフィリップ・シーモア・ホフマンのデュードへの対応に苦慮する演技も絶品でした。グッドマンやブシェーミにいったてはもう本編でお楽しみください。兎にも角にも、コーエン兄弟独特のブラックなユーモアとジャンルに縛られないバーウェルの選曲にサイケでカントリーな映像美で彩られた最高に粋な男達の物語です。
[DVD(字幕)] 9点(2008-02-20 23:06:17)
34.  大いなる休暇
カナダというよりはイギリス映画っぽいですね。再生をテーマに寒村にバーに教会と村人をワンセットとして、コミカルに仕上げる。もはや民話化してます。”ウェールズの山””ローカルヒーロー”などがピタリと当てはまります。かといって、この手のシュチュエーションは個人的に大好きで、寅さんと同じように飽きることはありません。本作も楽しめたのですが、上記2作品と比べると、なにかドタドタした感じで静と動のメリハリがなかった。笑いも少し強引で、ニンマリさせてくれる描写がほしかったです。
[DVD(字幕)] 4点(2008-02-16 20:52:58)
35.  明日、君がいない
大きな流れとしてまず結果を描き、それからそこに行き着くまでの経過を淡々と映してゆくという手法。一つのエピソードの中にも登場する人物ごとに視点を変え、同じエピソードを繰り返す。たしかに、そうすることで相関関係もよく判るし、共有している時間も認識し易い。でもこの作品のテーマに対する犯人探し的な見せ方はよく判らなかった。喪失を描くにしても互いの関係は薄く思えるし、斬新だからやってみたかっただけという気がしてならない。ただ一点、2:37分に起こる出来事を真正面から描ききったことは評価できる。これは描写も含め、演ずるという意味でも目を背けたくなるほどのリアルさがあった。邦題から受けるテーマ性と無機質な原題とのギャップはあるだろうが、全体としてはやっぱり若さが目立つ作品でした。
[DVD(字幕)] 5点(2008-02-14 01:29:06)
36.  洲崎パラダイス 赤信号
洲崎パラダイス 赤信号。もうネーミングの響きがいいですね~。冒頭の洲崎パラダイスの通りに連なる賑やかな店先を、上から見下ろし延々と横移動するシーン。長回しもさることながらエネルギッシュな芝居にも感服。ああ、こんな風に物語は進行するのかと思ったが、ここからが少し違った。本編は洲崎パラダイスの入口手前で進行する。溝口健二は中からこの世界を描いたが、この設定は正直、斬新です。しかしそれからの展開は男と女の愛情のもつれに終始し、前半ほどのインパクトはありませんした。玉ちゃんの扱いも中途半端だし、ラストもね・・。でも背景はおもしろかったですよ。秋葉原(でしたっけ?)の電気街などは賑やかさも建物も壮観でした。それにしてもこの時代は勢いがありますねえ。
[DVD(邦画)] 7点(2008-01-30 00:28:09)
37.  ざわざわ下北沢
まず映像はこの上なく美しい。フィルムの色、光の使い方、構図の取り方とどれも素晴らしい。机に向かい日記をめくる有希のカットなどは絵画のよう。下北沢のどこかノスタルジックで程好くとっちらかった街の風景も愛情をもって切り取られているのがわかる。その反面、物語性が薄いと感じるのも確か。でもそれは、モノローグやモンタージュを多用し、なるたけセリフを排除する俳人のような監督だからそう感じるのだと思う。本作は少女有希が下北沢というフィルターを透して、大人へと成長する物語。ただ表面的な下北沢の魅力を描くのではなく、この時期の人間にとって住み慣れた街や友人というぬるま湯から距離を置くことの大切さも描く。店のテーブルで煙をくゆらす蚊取り線香のカットの後に、「真っ直ぐな蚊取り線香のよう」と自身を評する有希。そして監督は彼女を旅立たせる。いいじゃないですかこの締めくくりは。雰囲気だけではなく、目を凝らせば何かが見えてくる。こんな監督なかなかいませんよ。なのに市川準作品の多くが未だにDVD化されていない。僕には不思議でなりません。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-01-29 22:59:55)
38.  ゲド戦記
原作未読だが世界観はよかったと思う。質の悪い物や偽物が溢れ、人心は荒び、人が人を売り買いするという虚栄と背徳に満ち変形した社会。この現代をそのまま当てはめたような舞台は面白い。ある意味、製作者側も今の日本や世界の情勢を意識して作ったのではないだろうか。その荒廃した社会を「生と死」という普遍のテーマによって修復しようとする物語も素晴らしい。しかし、これを2時間弱の映画でどう表現しようというのだ?そう見ている途中から感じた。案の定、じっくり作れば面白そうなエピソードも次々に駆け足で通り過ぎてゆく。無理やり2時間に詰め込んでしまっていた。しかも今まで駿作品で見たシーンがあちこちで散見される。画がどうこういうつもりはない。ポートタウンの雰囲気などは好きなほうだ。でもそれは、スタッフが一緒だからというレベルを通り越してオマージュかと思えるほどだった。いくら吾朗作品とはいえ、スタッフは天下のジブリである。何か意図するものでもあるのだろうか・・。わからない。ロードオブザリングという先人があったのにもかかわらず、これだけのテーマ性をもった物語を何故こんなにも中途半端な作品にしてしまったのだろう。作る前にわかっていただろうに・・。次回があるならじっくりとエピソードを書き連ねていってほしいものです。
[DVD(邦画)] 5点(2008-01-23 21:58:30)
39.  田園に死す
イメージとしては面白いと思いましたが、自分探し的なものを延々と見せられただけのような気がしました。それは恐山やイタコといった東北独特な風景を背景にしてはいるが、僕がこの地に抱く恐れにも似た畏れをほとんど感じなかったせいかも知れない。期待していたが結局は何も感じぬまま終わってしまった。本も含め、寺山修二にはあまり縁がなさそうだな。音楽は良かったんだけどね。
[DVD(邦画)] 5点(2008-01-23 01:34:35)
40.  津軽じょんがら節
びょおびょおと吹きすさぶ寒風にしぶきを上げ、次々と打ち寄せる小山のような波。強風に煽られ貝のようにへばりつく村。そんな圧倒的な自然が支配する津軽の風景を、見事なまでに美しい映像で表現しています。だがその反面、ストーリーが少し弱かったように思いました。東京を追われ郷里津軽に逃げ帰った女と男。そんな二人に土地に住む盲目の少女ユキが絡んで物語は進行するのですが、せっかくの気合の入ったタイトルも男と女の情事に終始し、この作品の肝となるはずユキの存在が中途半端になっているように感じました。斎藤真一の唸るような絵。津軽の荒々しくも美しい映像の数々。厳しい自然に対峙する生き方を表したような叩きつける三味線の音。これだけの素晴らしい背景を生かすためにも瞽女(ごぜ)になるとまで宣言したユキの生き様を、津軽三味線を支えた視覚障がい者たちの物語を見せてほしかった気がします。
[DVD(邦画)] 6点(2008-01-23 00:30:07)
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