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サーファローザさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 111
性別 男性
自己紹介 日本映画好きです。以前、Yahooブログに1000本掲載していたのが削除されてしまいました(涙)DVDよりスクリーンで観た作品の方が点が高い傾向にあるようです。月に3・4回は東京にある名画座に通ってます。

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21.  ハッピーフライト(2008)
面白かったです。肩の力を抜いて楽しめる群像劇ですね。様々なトラブルが発生しうるので小ネタが満載なんですね。俳優陣の好演も作品の雰囲気やテンポに収まっていて監督が巧いのでしょう。管制官の人たちが味がありました。
[DVD(邦画)] 8点(2011-02-08 12:11:37)
22.  座頭市(2003) 《ネタバレ》 
正直な感想ということで、やはり勝新の座頭市を比較してしまう。北野武監督も無論、違うアプローチを意識したと思う。そのせいか娯楽として楽しめた。ただ、時代劇として違和感をいくつか持った。■両親を殺された姉弟の復讐劇と市との出会いが柱となっている。この姉弟が市との出会い後に殺気を失ったかのように大人しくなる。後半に子供の回顧シーンで悲劇チックとなるが、そもそも、復讐を果たすためとはいえ人殺しをしている悪党なのである。しかも、復讐は市がトドメをさしている。■市が何故、居合の達人なのか?この正体が解らない。勝新のように社会への反骨という訳でもなく、その精神を引き継いでいる訳でもない。それが、何故にあそこまで肩入れをするのか?■勝新の「座頭市物語」には無論、殺陣の素晴らしさとしてのヒーローとしての魅力もあるが、好敵手・天知茂と心底通じる仲となりながらも雇い主の対立に巻き込まれ、立場故に対決をする。その無常さ潔さが美しくあったりする。そこが傑作たりえるが、この作品にはスジがあかんかった。ただ、市の存在感、何か俯瞰・いや、回りを引き立てているいるような印象があったのですが、これは監督兼主役だから?
[DVD(邦画)] 7点(2011-01-24 07:24:02)
23.  白痴(1951) 《ネタバレ》 
「黒澤明生誕100年」ということですが、「七人の侍」「用心棒」などはもう充分に評価されているのだから、こういう松竹・大映で撮った作品にも評価・批評が欲しいと感じます。作品はかなり原作を踏襲されていると思います。特に、台詞なんて「劇?」と思うほど、役者の演技が脚本設定どおりに制限されているかに感じます。ただ、それは主役4人を除いての話。原節子・森雅之・三船敏郎と久我美子の演技が凄いんです。他の役者さんには申し訳ないが、四人の引き立て役です。 冷静に観ると、札幌の冬の中であんな日本人同士の恋愛・嫉妬劇がある分けないじゃないかと思うのですが、それが、それが、那須ターシャこと原節子と森雅之のすざましい演技を観るにつけて、もはやどうでもよくなる。上手く書けないのですが凄い。「赤ひげ」「生きる」「七人の侍」などの名作たる所以に、人や社会との関連を訴える必然があるのですが、この作品は、青年の純真無垢なオーラに回りの人間が 己の良心とエゴが衝突し、波紋を拡げる。その緊張感が凄くて、森雅之と原節子、久我美子、三船敏郎の素晴らしい演技でもって描ききってしまう強い力があった。そもそも、激しい嫉妬や憎悪というのはなかなか日本人として表現できない印象があるのですが、原節子と久我美子の終盤のやり時なんか、凄いですよ。皆、良心は持っているのに。。。黒澤作品の名作の殆どは「脚本の妙」というものが必ずありますが、この作品は『日本人・侍・日本社会』を描くという次元ではなく、『人間』(核心的なもの)を描いている崇高な作品。傑作であると思いました。やはり、原作を読んでから観るべき作品なんでしょう(原作をきちんと理解していない私が言うのも変ですが)。  フィルムセンターで近々上映があるので必ず見に行く。あと、完全版!出てこいや(笑)
[試写会(邦画)] 10点(2010-11-13 02:12:19)
24.  白と黒(1963)
よく出来た作品ですね。良心の呵責に最後まで苛まれる難しい役目が仲代達矢で良かった。小林桂樹さんは本当、庶民的で正義感ある日本人のイメージにピッタリで、刑事や検事の役が合う。松本清張原作で黒澤明作品でもおなじみの東宝製作陣がしっかり作りあげた作品でした。白と黒という題に反してカラーで作ったら面白いのに・・・
[映画館(邦画)] 7点(2010-11-04 23:21:50)
25.  近頃なぜかチャールストン
ATGの低予算ながら豪華なベテラン俳優陣で、しかも滅茶苦茶面白い作品です。千石規子・小沢栄太郎もそうですが、田中邦衛の陸軍大臣が面白かった。 設定から高度成長を迎えつつある世相に、「右」を意識しているのでしょうか、だからこそ役者もその時代のベテラン役者を起用たのか。ただ、作風がとにかく肩の力が抜いていて、それが逆に物悲しいような気持ちになった。
[DVD(邦画)] 8点(2010-11-02 23:51:44)
26.  どん底(1957)
役者が強く喚いたり、強い主張をしたりする黒澤明の演出の一部にはロシア文学の影響を感じます。特にゴーリキあたり・・・この原作は未読ながら、やはり、劇のような台詞回しが黒澤演出を感じさせます。これが、時代劇であれば良いのですが、現代劇とかになるとどうも違和感を持ってしまう。それに、「白痴」でもそうなんですが、ロシアの原作をした場合、舞台設定が消化不良で役者達の巧い演技が作品の質をなんとか高めているような印象があります。山田五十鈴の狂人ぶりなどは、なんか日本・江戸?という設定とは離れているような気がする。面白いのだが私にはなにか引っ掛る作品でした。 私個人の推測ですが山中貞雄の「人情紙風船」を意識しているのかな?と感じさせるシーンがいくつかありました。山中貞雄はさらりとみせている(庶民的な世界)のに対し、黒澤明は力が入り過ぎているような・・・
[DVD(邦画)] 6点(2010-11-02 20:55:02)
27.  にごりえ 《ネタバレ》 
DVDではなんだか良く解らなかったのだが、文芸座で観て「フィルムの方が遥かに画像・音声が良いじゃねえか」と驚いた。私は「映画的」には第一話が素晴らしいと思う(原作は第三話と「たけくらべ」が好き)。 他の二作は写実的な描写であるのに対し、第一話は叙情味に溢れている。『嫁ぎ先の理不尽な扱いにお関は離婚を覚悟して実家へと帰るが、父に諭されて再び嫁ぎ先へと帰る』という話ですが、彼女が実家の門を出たところからの描写に映画の真価が発揮されていた。  上野広小路(鶯谷あたりから)までの暗い夜道、幼馴染(芥川)と出会うが、彼は落ちぶれているわけです。相手はお関の事を「裕福な家に嫁いだ幸せ者」と思っている・・・が、お関は「そうではない、私もとても辛いの・・・」と訴えたいのだが、言葉にできないまま上野広小路へと着く(右手にはセットながら不忍池が!)、二人の別れの先には全く希望は見えない。今井正はこの二人の刹那の時間そして空間に着目した。映画的だと思う。  第二作・三作ともに良い出来なんですが、二作目はドラマチックにカメラを動かしていたのが面白く、久我美子の行為は『是か否』ということが気になった。  三作目は、原作の素晴らしさに監督が映画化に困ったのではないかと思わせる印象を受けた。山村聡と淡島千景よりもとにかく杉村春子が持っていっているような・・・  三人の女主人公ともにともかく悲惨です。 ただ、第一作の丹阿弥谷津子が、一番の成功者のようにみえて一番残酷なような気がしました。子供・家族の経済的支援のために半ば奴隷になるかのような決心をし、更に幼馴染の落ちぶれを見、暗い夜道で別れていく。希望が本当にみえない。 溝口健二「浪華悲歌」のラストのような暗さです。
[映画館(邦画)] 9点(2010-08-13 23:26:55)(良:1票)
28.  お嬢さん社長
川島雄三松竹時代の作品。お嬢さんのひばり嬢が菓子会社の社長になるのは強引だったが、専務に諌言したり、宣伝で番組に出演したり、会社経営を建て直す部分をしっかり描かきつつ、ドラマあり、歌あり、得意のユーモアとテンポまで加わり見応え充分の逸品と仕上っている。美空ひばりの才能を生かしつつ、所々に川島節を持ってきているのは流石。「美空ひばりを前に出して一本撮ってくれ」とまだ若くて力のない川島雄三が言われて、「ハイハイやりますよ」と撮った感じがする。 
[映画館(邦画)] 6点(2010-04-08 18:08:42)
29.  孫悟空 前後篇(1940) 《ネタバレ》 
全般オペレッタ形式で、日劇ダンシングチームが中国風、砂漠のオアシス、大宮殿など各エピソードで豪華絢爛のダンスショー。そして、半蔵・悟空・八戒・沙悟浄らの「学芸会的」なエノケン一座のおとぼけ劇がミックスされるという何ともスケールの大きい娯楽映画だ。  もう、ハナから娯楽を目的としていて「孫悟空」という物語は借りただけに過ぎない。悟空の如意棒は「プロペラ機」に変身するし、金角大王・銀角大王は科学者で遠隔カメラで監視をし、光線やロボットが出てくるんですよ。完全に未来要塞。 テレビがまだ無い時代に良くぞやった!  後半、一行が「お伽の国」の夢を見るシーンなどは完全にハリウッドの影響もあり、ディズニー「白雪姫」などの世界がそのまんま。それでいて、ポパイのテーマソングがバックに「ほうれん草」を食べて元気いっぱいになったり、太平洋戦争開戦間近によくOKでましたね。  高峰秀子・李香蘭などの両姫も素晴らしい輝きを放ったし、もうお腹が膨れてしまう。  あげくに最後は戦闘機同志のドッグファイト!もう「孫悟空」はそっちのけなのが良いですなあ。これらのシーン全てに関わった特撮監督の円谷英二の技術は脅威的。  映画を観ることに自由が利かなかった時代(1939年に映画法が施行【脚本の検閲、制作・配給の許可制、外国映画の上映制限など】)であった中で、国民に希望を与えるべく、こういう仕事をしたというのは奇跡に近い。娯楽映画としては夢のような作品だと思います。  
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-04-08 17:58:38)
30.  夢を召しませ
松竹歌劇団を総動員した豪華レビューもので、少女が夢を見るところからは完全に川島雄三ワールドが展開される。「陰を食べる」というは、陰陽を日常・非日常で揶揄しているのかもしれない。しかし、まぁ、相当ヒネクレテいるのだが、その分、ラストのミュージカルシーンが一層映えて皮肉にも見せ場になっています。  あと、早送りとスローモーションを1950年にやるわ、岡本喜八や市川崑よりも前にアニメーションを導入していたり、時代を先取りしている。それが、作品に活きているかどうかは別にして。  後期川島作品は完成された「変調」なのだが、松竹時代は本当、悪戯心とイマジネーションやリズムのみで持っていっており、そういう意味では川島ファンを釘付ける魅力を持っている。  しかし、まぁ数多くの目茶苦茶なシーンを川島監督はどうやって演出してたのだろうか?想像しただけで笑いが止まらない。
[映画館(邦画)] 4点(2010-04-08 17:53:20)
31.  羅生門(1950)
1950年製作ということを考えると凄い作品だと改めて思った。  人間が自ら弁護・主張する際の歪曲誇張(なにか隣の某国のようだ)、それが三人三様違うとしたら私も恐ろしくなってしまいます。しかし、それぞれのエゴあれこそが真実でもあるようにおもう。  ストーリーの妙が出色、大きな羅生門のセット・雨などの美術も出色、宮川のカメラワーク(志村喬が山道を歩く様子を回り込んで撮るシーン、疾走するシーン 等々)も出色、そして、三船敏郎・京マチ子・森雅之が場面によっては正反対の性格を演ずるのですがその演技も出色、場面場面で雨・汗・風を使う独特の表現も○と、この1950年の作品としてかなりのアイディアと完成度が詰まっていると思いました。  ただ、巫女が登場するシーンが異様に不気味。怖い!巫女の声は森雅之でしょうか(笑)淡白なセットが余計拍車をかけています。  京マチ子を馬上に乗せ、護衛一人だとそりゃ襲われるでしょ? とか、幾つかのツッコミは野暮っすね。  映画技術・演出が素晴らしいだけではなく、人間の本質にも迫る内容をも併せ持った作品ではないでしょうか。
[映画館(邦画)] 9点(2010-04-07 17:28:19)
32.  戦国野郎
この作品はもっと評価されて良い作品だとおもいます。  「独立愚連隊」などに比べても好きなんですが、あまりにも「良く出来過ぎた軽妙アクション時代劇(いや西部劇?)」になってしまったがために(笑)目立たなかったのかも。  この時期は加山雄三と星由里子が出演すると、どの作品も清い空気になってしまいますが、この時代劇でありながら現代劇のような雰囲気にマッチしていると思う。  加山(吉丹)・中谷(播磨)・佐藤(秀吉)の三人の取る行動と進む道には監督のメッセージが込められていますね。
[DVD(邦画)] 8点(2010-04-07 16:47:17)
33.  あなた買います 《ネタバレ》 
大分前に、池袋新文芸座で観た作品で、野球界のスカウト活動の裏側を描いた作品です。単なるスカウト合戦に終わらずに、徐々に人間の信頼関係についてのドラマに持っていくところが小林監督の非凡さを感じました。伊藤雄之助や三井弘次を金欲しさに動く役に置いたのも正解!  そして、佐田啓二と岸惠子が喫茶店かなんかで出会うシーンがあるんですが、このシーンだけハリウッドの恋愛映画のようなオーラを発していて、このドロドロした雰囲気にモヤモヤしている観客を浄化してしまった。それだけ光がありました。
[映画館(邦画)] 8点(2010-04-06 22:34:13)
34.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
この作品は、数年前のNFCの特集で鑑賞したのですが、その後、半藤一利さんの幾つかの著書を読んだり、日露戦争・満州事変の本まで手を出したり・・・ 「東京裁判」もしかりですが、いかに戦後の教育(特に戦争に関する情報)が歪んでいたものか、私自身教えれた、その契機となった作品です。  戦争を扱った作品は、特に観るものの感じ方が違ってくるのでしょう。8月15日正午を終点とし、そこへ向かう様々な人間のドラマといえばそうですが、日本がはじめて「負け」を認め、迎えようとしている未曾有の事態を国のトップから軍人・庶民にいたるまで、様々な行動と思想が凝縮されている。かなり難しい題材で、よくぞ岡本喜八監督がやり遂げたといった印象があります。  また、俳優陣のテンションが凄かった。三船・笠・山村らの堂々としつつも、国の重圧をずっしりと背に受けたかのような演技の素晴らしさ。高橋悦史と島田正吾(森師団長)の緊迫感、天本英世の芝居を超えたといえるハイテンション。等々、きりがありません。  「アメリカに勝つ可能性はゼロ」という事は、誰しもが解っているのに何故・・・日露戦争のように「6対4で講和に持ち込む」という政治判断が、軍部によって完全に機能停止。軍部も一番軍隊で必要である組織としての体制がなっていない。ほんと、はじめから玉砕の運命だった・・・ある意味、その幕をよくぞ下ろしてくれた・・・いや、何故もっと早く・・・ 複雑な心境でありました。  日本がかつて持っていた気概というものが、戦後アメリカの影響で大きく失っていく現状(勿論、恩恵も沢山受けているのでしょうが)。明治から昭和、戦後から現在までの変遷を知らない事には、この先、日本は日本でなくなってしまうのではないかと真剣に考えてしまいます。映画から追っていくというのも有りかと思います。
[映画館(邦画)] 10点(2010-04-06 22:12:32)
35.  女吸血鬼
池袋・新文芸座の「中川信夫オールナイト」で観ました。たしか「地獄」「東海道四谷怪談」「憲兵と幽霊」という最強のラインナップでとても楽しめました。その中の一本でした。新東宝なので題名に騙されてはいけません(笑) 新東宝の低予算という事を考えると、私は良くできていると、中川組の職人技が良い意味で出ている作品に思いました。特に、天地茂のダンディズムであり怪しげであるという特異なキャラクターで三原葉子と池内淳子に迫るというのが魅力たっぷり。そして、秘密基地のセットはいかにも新東宝で大爆笑しました(井上梅次=京マチ子の「黒蜥蜴」の感じで)。
[映画館(邦画)] 7点(2010-04-06 21:23:22)
36.  狙撃 《ネタバレ》 
車と銃に興味ある人は必見の作品でしょう。堀川監督からは考えられないアクション映画で加山雄三VS森雅之の対決はなかなか見ごたえがあります。日活・東映のアクション作品にはない展開、なにより、二人のキャラクターがカッコヨイですよ。 口を開けて呆然としたのは、やはり土人のシーンです。突然、加山雄三と浅丘ルリ子がありえないコスチュームになります。私の中でもベスト3に入る位の意味不明なシーンで、どういう意図なのかが判らない(笑)お二人にどういう気分で撮影したのか、聞いてみたい。 (シネマヴェーラ渋谷「東宝アクション映画特集」)
[映画館(邦画)] 7点(2010-04-06 12:49:53)
37.  次郎長三国志(2008) 《ネタバレ》 
久しぶりに新作の映画2本も映画館で観ちゃった。「次郎長三国志」はやはり観なけりゃいかん!と。で、面白かったし、泣けた!  マキノ雅弘監督9部作のうち、3部の途中あたりから6部まで、特に6話の部分を取り上げています。どうしても尺の問題があるので「子分との出会い」が入らないのはしょうがない。それでも楽しめた。  この物語はRPGのような個性ある仲間が加わっていく楽しさもあるが、一番はやはり「次郎長一家の連帯」にあると思う。堅気の世界からはみ出したどうしようも人間たち。そんな彼らが「義理と人情」に、惚れて恋して必死に生きる姿。そこに、観るものは泣いたり笑ったりする。それは、50年以上経っても色褪せない「普遍的なもの」であるんだなと私は観て実感しました。  キャスティングも好感です。一人一人かくと凄く長くなるので省略しますが、マキノ版で個人的に弱いと思っていた<次郎長&お蝶の弱さ>を中井貴一と鈴木京香になって、良かった。二人がベタベタかなとも思えるが、鈴木京香美しいねえ。 子分達はみな○、女性陣は 久慈あさみのお仲が高岡早紀、越路吹雪のお園が木村佳乃と豪華になっているが、貢献が少なかったのが残念。「投げ節お仲」は「森の石松」と並んでファンが多いと思うので・・・ でも、やはり時間が限られているからしょうがない。  この作品については、映画内での演技も勿論そうですが、キャスト間の結束が大事なのではないかと思う。それも、結束しているなあと感じさせた。お蝶の最後のシーンが素晴らしく、中井貴一が櫛を口で抜くのと同時にカメラを回して全員の表情を撮っているんですが、「次郎長一家の連帯」をしっかりと演出していた。 個々の登場時間が限られている以上、この連帯はポイントなんだと思う。  マキノ節も引き継がれている。中井貴一が口でお蝶の櫛を抜く仕草はあの独特の色気が出ており拍手。不安な点は、50年版の各エピソードを短縮して繋いでいる内容なので、少し物語が飛び飛びに感じるかもしれない。  久々に庶民的で笑って泣ける娯楽作品に出会ったのかも知れません。
[映画館(邦画)] 7点(2010-04-06 12:29:01)
38.  石中先生行状記(1950)
青森、岩木山の麓弘前を舞台に、原作者(石中先生)が見聞したエピソードを綴る三話からなるオムニバス映画。成瀬監督にしては(失礼?)、肩の力を抜いて観れて、かつ、ユーモアと田舎の純粋さ暖かさをも丁寧に演出しています。特に第二話と第三話が素晴らしくて、第三話の若山セツ子の清廉で明るい女性がよいし、髪の毛をぴたっとポマードで押さえつけた三船敏郎には爆笑させていただきました。青森(私の故郷であります)に、本当に居そうな「しゃべるのが苦手なシャイで暖かい青年」でしたね。実際、三船さんってああいうタイプの人じゃないかなとも思った。田園風景をバックに若山と三船、そして村の人間との面白い交流は暖まります。観終わった後、とても清々しい気分に。
[映画館(邦画)] 7点(2010-04-06 12:28:33)(良:1票)
39.  傷だらけの山河
山本薩夫監督の中ではあまり目立たない(若尾文子出演にも関わらず)ためか、なかなか上映されない作品。後の、「華麗なる一族」であり「白い巨塔」であり「戦争と人間」等々の大作群に使われる展開から構図まで、様々な要素の基礎がこの作品にはあるような気がします。名前はバレバレっすね(私の知る会長の先代か、私の両親が詳しく知ってました)。とにかくあくどいです。ただし、先の方のコメントどおり、山村聡を完全な悪者として描いていないところが興味深いです。企業や会長の私欲の犠牲となる高松英郎であり高橋幸治のエピソードも淡々と。さらに「企業悪」が強調されず、あくどい住民らも出てきたり、「社会構図」を打ち出すというよりも「欲によって動く人」を優先して描いているように見え、やはり一筋縄の作品ではないなと実感。脚本・新藤さんの腕もあるのでしょうか。「社会に貢献するという気概を持たなければ事業が出来ないよ」という山村聡会長の真意はさておき、結局は、ああいうブルドーザーの如き、欲とエネルギーが倫理をなぎ倒してしまう人ではないと、大事業は成功しないようにも思えてきました。今の政治家を見ているから余計にそう実感するのかも知れません。
[映画館(邦画)] 8点(2010-04-05 16:27:30)
40.  血槍富士
シンプルな演出に見えますが、従来のお決まりの時代劇とは違う、何か淡々としたロードムービーのような印象を持ちました。 宿における群像劇のような展開・演出は次作の「たそがれ酒場」にも感じます。リアリズムといっても溝口健二よりももっと距離を置いた、自然的なものも感じます。主人や槍持ちというよりも、むしろ、まわりの登場人物たちの哀歓や、その背景にある社会そのものを描き出すところに内田監督の狙いがあったのではないかと感じました。 とはいえ、片岡千恵蔵さすがです。常に仏のような表情だった彼が鬼の形相に変わる最後の場面は、やはり彼以外には出来ないと感じました。必見です。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-05 16:01:47)
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