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ヒナタカさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 252
性別 男性
ホームページ http://kagehinata64.blog71.fc2.com/
年齢 38歳
自己紹介 ブログを開設しました(2010年10月30日作成)。
映画と漫画のレビューブログです。
映画のレビューは一部抜粋して「みんなのシネマレビュー」にも載せています。


B級映画が大好きな20代前半、ヒナタカと申します。

かれこれ6~7年はみんなのシネマレビューを見ていたので、今回登録できて感激しています。(2010年7月11日登録)

好きな監督は
岩井俊二
クエンティン・タランティーノ
デヴィッド・リンチ
ティム・バートン
ロバート・ロドリゲス
などなど


↓自分の書いたレビューで特に気に入っているのは
・トイストーリー3
・クレヨンしんちゃん オトナ帝国
・死霊の盆踊り
・ジブリ作品の大体
です。

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21.  アフター・アース 《ネタバレ》 
本作に「アバター」のような大作っぽさを期待すると確実に裏切られます。 何せ、ストーリーは「危険な状態になった地球で、息子がちょっと離れた場所におつかいに行き、父がそれをサポートする」というだけです。 舞台は「人類抹消のために進化した地球」という設定ですが、そんなすごそうなもんじゃなくちょっと危険なジャングル程度の印象です。 登場人物も両手で数えられる程度で、それほど劇的な展開はなく、かなり地味な映画と言っていいでしょう。 こうなったのは、ストーリーの原案が(本作で主演も務めた)ウィル・スミスであることも関係しています。 さらに本作は「幸せのちから」と同じく、ウィルとそのリアル息子のジェイデン・スミスが共演している作品でもあります。 つまり、ウィルの「息子に役者として成長して欲しいなあ」という願いが込められた親バカムービーと考えて差し支えありません。 「親に反発していた息子が成長する」という要素なんて、まんまウィルの「理想」としか思えませんもの・・・ でもわりと面白かったのは、登場人物の「内面」を丹念に描いているからです。 親が子を想う気持ち、子が親を疎ましく想う気持ち、自身のせいで肉親を失った苦しみ・・・そうしたものを大切にしているのです。 個人的に印象的だったのは、サイファーがモニター越しに、バースデーケーキのロウソクの火を消してくれと頼まれるシーンです。 このときサイファーは息を吹きかけ、ローソクは消えたように見えましたが、実際に火を消したのは見えないところにいたキタイでした。 父は家族に影響を及ぼしているのですが、それ以上に影響を与えるのは近くにいるものなのです。 息子のキタイが、父と同じような影響を与えることができる・・・そんな描写だと思います。 しかし他のサイトの評判が散々なのに、このみんなのシネマレビューではそれなりに高評価というところも、観る人の違いを感じて面白いです。
[映画館(字幕)] 6点(2013-06-29 15:41:12)
22.  はじまりのみち
これは素晴らしい日本映画! 本作は実在の映画監督・木下惠介を主人公とした伝記映画です。 この手の映画は、その人物のことを深く知らないとシーンの意味が理解できなっかたり、不親切に感じることも多いのですが、本作はそれも心配無用。 木下監督作品を知らなくても、全く問題なく楽しめます。 そもそも木下監督は(評価が高いにも関わらず)それほど認知度が高い監督ではありません。 同世代の監督には黒澤明がおり、精鋭たちが活躍する時代で、自分の信条を大切にした作品を作ってきたのが木下監督なのです。 本作は、原恵一監督の「世の中の人に木下監督の映画の素晴らしさを知ってもらいたい」という気持ちにあふれています。 そしてその試みは成功しています。 押しつけがましさはほとんどなく、木下監督という人間と、その作品の魅力をこれ以上ない方法で伝えています。 「はじまりのみち」にこめられたメッセージは「母が子を想う気持ち」、「親孝行」、そして原恵一監督作品の「戦国大合戦」でも描かれていた「戦争がないことの幸せ」です。 そしてそれは作中で引用される作品『陸軍』のテーマにも通ずるものなのです。 難点もあります。 それは原監督の「木下監督愛」が強すぎて、木下監督作品の引用シーンがとても長いことです。 流される木下監督作品は本編のストーリーと巧みに絡み合っているのですが、少し冗長さは否めません。 しかしそんな不満も、作品の素晴らしさからすれば大した問題ではありません。 何気ないシーンの意味を知り、人間模様と込められたメッセージに感動できる本作は、もっともっと多くの方に観てもらいたい作品です(興行収入が初登場10位圏外って・・・)。 予備知識は特に必要ありませんが、できれば「戦国大合戦」を観てから劇場に足を運ぶことをおすすめします。
[映画館(邦画)] 9点(2013-06-09 20:07:40)
23.  オブリビオン(2013) 《ネタバレ》 
<超絶ネタバレ注意> 映画のラストにびっくりしました。 ジュリアは小屋に暮らしはじめるのですが・・・・ そこにやってきたのは、スカブの人々、そして「もうひとりの」ジャックである「52番」でした。 「49番」にふん縛られていたあと、3年間もジュリアを探したようです・・・って、(もうひとりの)ヴィクトリアはどうした! なんでヴィクトリアを連れてきていないの? 52番は管理室にヴィクトリアをほうっておいて3年間もジュリアを探していたの? いくらなんでもヴィクトリアが可哀想すぎます。 さすが「忘却」をタイトルにしていることだけはありますね。ヴィクトリアという重要人物をオブリビオンしているんだもんね。 ラストが「二都物語」のプロットとそっくりだったり、絵画「クリスティーナの世界」でジャックとジュリアの境遇を表しているのは好きですけど。
[映画館(字幕)] 5点(2013-06-03 22:44:24)(笑:1票)
24.  リアル 完全なる首長竜の日
原作と全然違います。 原作小説と映画の違うところを範囲で書き出すと、こんな感じになります。 ・主要人物の2人は原作では姉弟だったが、映画では恋人になっている ・主役は原作では「敦美」だったが、映画では「浩市」になっている ・原作の重要人物だった「仲野泰子」が映画には登場しない。他にもキャラの改変が多い。 ・原作で引用として用いられた胡蝶の夢や、J・D・サリンジャーの「バナナフィッシュにうってつけの日」の話題は映画には出てこない ・作中に起こる悲劇の内容が違う ・「完全なる首長竜」が描かれた理由も違う ・どんでんがしの内容も異なる ・クライマックスも全く違う ・ホラー演出もほぼ映画オリジナル 共通しているのは相手の意識の中に入るという「センシング」という機器の概念、首長竜というモチーフ、ヒロインの敦美が漫画家という設定くらいのもんでしょうか。 ここまで原作と乖離があるのも、なかなか類を見ません。 黒沢清監督(脚本も兼任)は原作をそのまま映像化することに難しさを感じ、途方に暮れた末に大幅な改変をする決断をしたそうです。 原作者もこれに快諾されたようですが、原作の骨組みだけを残し重要な要素も改変してしまったこの映画は、原作のファンにとっては賛否両論のことでしょう。 原作と映画を見比べて違いを楽しむのも一興かもしれません。 そして出来上がったのは、もはや黒沢清監督の独壇場と言える映画作品でした。 本作には監督ならではのホラー演出が満載なのです。 いつの間にか恐怖の存在が画面に映り込み、世界が侵食されていくような感覚を得ます。 これは同監督の「回路」を思い出されるもので、見ごたえがありました。 原作にもホラー要素はわずかながらにもあるのですが、本作にある恐怖演出はほとんど映画オリジナルです。 明らかに黒沢清監督は好き勝手やっていますが、そこが映画の魅力になっているのだから、なんとも複雑な気持ちになります。 しかしクライマックスのつまらなさは想像を絶する勢いでした。無理に娯楽映画っぽくしなくてもいいのに・・・
[映画館(邦画)] 5点(2013-06-03 22:40:10)
25.  ホーリー・モーターズ 《ネタバレ》 
面白かった。 しかし、パンフレットを読まないとわからないことがあったのは歓迎できないところがあります。 多くの方が思ったであろうことが、映画のはじめのほうに出てくる窓から外を見ている女の子と、エンドロールに登場する女性は誰なのかということでしょう。 実は女の子は監督の娘で、エンドロールの女性は2011年に亡くなった監督の妻だそうです。 そして冒頭のシーンでは、レオス・カラックス監督自身が「扉を開けて劇場へ行く」男を演じていました。 つまりこの映画は監督自身が人生を顧みる映画でもあるのです。  よくわからない映画ですが、わからないなりに人生観や、生と死を見つめれるのはなんとなく漫画の「火の鳥」を思わせて魅力的でした。 「火の鳥」っぽいことがもうひとつあります。 それは主人公・オスカーの不死身っぷりです。どんなことがあっても、オスカーは死なない(死ねない)のです。 このことは一番初めに演じた老人とシンクロしています。 いくつのも人生を生きたオスカーは、自分の存在を確かめられない男です。 さらに死ぬことができない彼が、少し哀れに思えました。
[映画館(字幕)] 7点(2013-06-03 22:35:47)
26.  中学生円山 《ネタバレ》 
この映画で皆が思うのは「どこからが妄想で、どこからが現実か?」ということでしょう。 自分は、円山が警察の話を聞いたあとからが、円山の妄想であると思います。 学校で羞恥心なくズボンをおろすこともありえないし、一度は戸惑いがあったとはいえみんなが「自主トレ」を応援してくれることも常識で考えればありえません。 円山は見事な軟体でヤクザの攻撃を避けていましたが、最後に清水さんに再会した時には、もとの体の硬さに戻っています。 そもそも、下井のベビーカーが銃に変形し、下井がヤクザを倒すという展開がもっともありえないでしょう。 この妄想は、円山の願望が現れていると言えます。 円山は、清水さんから「どうして人を殺してはいけないのか」と問いただされていて、上手く返すことができませんでした。 その後、円山は自分の妄想の理解者であった下井が、人殺しであるかもしれないと告げられるのです。 円山にとって、それは現実だと信じたくないことだったでしょう。 だからでこそ、円山は自身がみんなに祝福される上に、下井が大暴れをするという妄想をしたのではないでしょうか。 団地に平和が訪れたあと、円山は清水さんに「正義のヒーローっていうのは、人を殺しちゃいけない理由を知っている人だよ」と言いました。 妄想の中でも下井はヤクザを撃ち殺しています。 円山にとって、下井は正義のヒーローではありません。 しかし下井が「子連れ狼」としてヤクザを倒し、円山とともに戦ったことは、円山にとって現実の殺人と比べれば陰惨なものではなかったでしょう。 円山は、現実の残酷さを妄想で「上塗り」したのです。  そしてなぜ下井は円山の妄想に乗っかり、そして妄想を続けることを推奨したのでしょうか。 それは下井が「中学生が現実にやったこと」により、妻の命が奪われたたためでしょう。 妄想であれば、誰にも迷惑をかけることも、誰も傷つくことはありません。 さらに、妄想の中では(ある程度は)好きなようにキャラクターや物語を作り上げることができます。 下井の妻を殺した中学生も、妄想の中で欲望を発散していれば悲劇は起きなかったでしょう。 そして、妄想を信じることができれば、現実のネガティブな側面も覆い隠すことができるのです。 それこそが、下井の「現実に負けるな。妄想が現実を越えれば、それは真実になるんだ」ということばの意味でしょう。
[映画館(邦画)] 7点(2013-05-23 01:18:08)(良:2票)
27.  クロユリ団地
ホラーとしてはつまらないと思います。 本作が描いているのは、「死」というものに向き合う登場人物です。 作中では「孤独死」にかかわる話題が登場します。 主人公が介護の仕事を目指していたり、彼女を救おうとする男性が遺品整理の仕事をしているのも、そのような孤独死を迎える可能性がある現代社会に警笛を鳴らしているからなのでしょう。 タイトルであり、作中でイメージとして挿入される花「黒百合」の花言葉は「呪い」です。 主人公が「呪い」「死」のために葛藤し、そこにはどういう真相があるのか、彼女はどう行動するのかーそこが見所になっているのです。 どうもこのことは、観客が望むものと一致していない気がします。 この映画を観に来る若い観客は、恐がれて、面白くて、驚ける内容を期待していると思います。 しかし、肝心の内容は淡々としていて、登場人物の会話シーンが長くて、そしてあまり怖くないのです。 本作の評判があまりよくないのは、そうした作り手の目指していたものとの不一致があるからでしょう。 では、心理描写を描いたドラマと言えばどうか?と問われればそれも物足りませんでした。 「孤独死」のテーマは描ききれているようには思えないし、ちょっと常識では考えられない登場人物の行動もあったりしてどうにも煮え切りません。 結果的にホラー作品としても人間ドラマとしても中途半端になっているのは残念でした。 しかし、序盤から張った伏線、徐々に壊れていく日常の描写、そして明かされる真相は面白かったです。 映画のはじめは普通とは違うカメラワークになっているのですが、そのことにも意味があります。 そして作中で一番恐ろしかったのが「日常でもありえること」というのもよかった。 恐怖描写は凡庸なものが多かったのですが、ここは唸らされました。
[映画館(邦画)] 5点(2013-05-23 01:15:14)
28.  アイアンマン3 《ネタバレ》 
敵の魅力がなさすぎることが残念。今までの敵キャラはガッチガチの「機械」系で、アイアンマンと「鉄と鉄」のぶつかり合いが見れたのですが、今回はそうではないのです。戦闘がド派手な分だけ、敵が小さいものに見えてしまうのはもったいないと思います。<以下めっちゃネタバレ注意> 自分はエンドロール後に出てきた男が、ハルクことブルース・バーナー(マーク・ラファロ)であることに気づきませんでした。ハルクを演じていたのは「ハルク」ではエリック・バナ、「インクレディブル・ハルク」ではエドワード・ノートンと、役者がコロコロと変わっているためによけいにわかりにくくなっています。メガネもしていないし。 「僕は忍耐力がないんだ」というセリフは、まさにハルクならではですね。 壮絶な物語が実は「男への独白」であり、しかも「寝ていて聞いてなかった」なんてオチをつけるだけでも十分面白かったです。  それにしても、トニーがアイアンマン軍団を次々に花火として爆発させるというのは勿体無い。 トニーは「気に入った?」と聞き、ポッツは「とっても」と笑顔で答えるのもなんだか違和感。アイアンスーツに依存していたことに悩んでいたとはいえ、トニーにとってアイアンスーツはかけがえのないもので、ポッツもそれを知っていると思えたので。 男の子心をくすぐるヒーローとしてのアイアンマンのラストバトルを見れただけでも、十分満足なんですけどね。
[映画館(吹替)] 7点(2013-04-27 22:46:20)
29.  クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!
子ども向けの体裁をしているこのシリーズですが、「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」は大人も泣ける傑作として語られており、映画ファンにとっても無視をできないシリーズになっていました。 しかしその「大人も楽しめる」印象もすっかり下火になり、大人が唸るような面白い作品は生まれないでいました。 「オトナ帝国」「戦国大合戦」が好きな人の中には、もうそれほどの作品は今後現れないでいると諦めている方も多いのではないでしょうか。 しかし、この「バカうまっ! B級グルメサバイバル!!」はシリーズ久々の快作です。 本作には映画版クレヨンしんちゃんの面白さがギッチリと詰まっているのです。 本作はそのタイトルと設定通り、B級グルメにとてつもない愛情を込めている作品です。 この設定でしかなしえない、B級グルメを愛する人こそ感動できるシーンが、本作にはあります。 自分は「めしばな刑事タチバナ」や「花のズボラ飯」などのB級グルメを描いた作品が大好きなので、嬉しくって仕方がありません。 きっと観たあとは、焼きそばを食べたくて仕方がなくなるはずです。 そして本作はシリーズでもっとも「かすかべ防衛隊」が活躍する作品です。 キャラクターの個性もしっかり描かれており、特にマサオくんの描写が大好きでたまりませんでした。 そしてシリーズのファンとして嬉しかったのが、過去のシリーズを踏襲したような展開が数多くあったことです。 これこそクレしんと言える冒険と、大人にしかわからないギャグ、そして粋な台詞がたっぷりあります。 これはかつてクレしん映画を楽しんだ方には嬉しい要素なのではないでしょうか。 個人的に注目して欲しいのは台詞の数々。 特にしんのすけが道中に出会うお相撲さんへ言う台詞は、大人こそが面白いと感じるはずです。 そんなオトナへの視線を忘れないクレしん映画が、自分は大好きです。
[映画館(邦画)] 7点(2013-04-24 19:09:11)
30.  キャビン 《ネタバレ》 
アホみたいな展開の映画でしたが、B級スプラッターホラーが大好きな自分にとってはごほうびみたいな内容でした(以下めっちゃネタバレ) ハッパを吸うシーンで登場したおバカキャラ・マーティがキーパーソンでした。 彼は「愚者」としていけにえに捧げられていたのですが、実は誰よりも「まとも」な人間として描かれているように思えます。 金髪女性やチャラ男がいつもと様子が違うことに気づいたのも彼だし、ラテン語を読むなと言ったのも彼だし、「別行動しよう」という提案に「マジかよ」と至極当然な反応をしたのも彼、監視カメラの存在に気づいたのも彼、「処女」のデイナを救ったのも彼でした。 さらに言えば、管理室が壊滅したのも、盛大なオチを迎えるのも彼のためです。 マーティは序盤で「携帯も届かない山奥」に向かう際、「人はブログやSNSを使ったり、常に監視されたりしている。一度人類は滅ぶべきだね」と言っていました。 この台詞は後の展開を全て暗示していました。 さらにマーティは中盤に「リトル・ニモ」を読んで「夢の中だからってメチャクチャだぞ!」と言っていました。 この映画の展開のトンデモさにも、彼はツッコミを入れていたのです。 作中で最高だったのが、生き残った2人が管理室に潜り込み、デイナ(ヒロイン)が「パーティの始まりよ!」と言いながらボタンをポチっと押したことにより、化物が全部放たれて辺り一面血みどろになるという展開でした。 とりあえずツッコませて。セキュリティ甘すぎまーす! でもこの大虐殺では、 狼男とか、 超巨大キングコブラとか、 セノバイト(っぽいの)とか、 顔がおぞましいキバ付きの口になっているバレリーナ少女とか、 ピエロとか、 ユニコーンとか、 エクソシスト(っぽいの)とか、 さらにはスケキヨ(っぽいの) などなど、ホラー映画の主役級らしきキャラがたくさん出てくるので最高でした。 エレベーターがさらに到着して怪物追加→さらに大惨事になるのもたまらない。 ジャパニーズホラーにリスペクトを捧げている本作ですが、総じて考えるとこの映画、ちっとも怖くないですね。もはや完璧にギャグだもんね。
[映画館(字幕)] 9点(2013-04-24 19:05:49)(良:2票)
31.  偽りなき者
本作はデンマーク産の映画で、話されているのもデンマーク語(一部英語もあり)です。 デンマークという国の特色として、手厚い医療や教育などのサービスが行き届いていることがあります(資金は高額な税金によるものなのですが)。 その「世界一幸せ」と称される国の一区画で「子どもが大人に性的虐待をされた」という事実は、人々にとっては憎むべき、廃絶すべき対象でしょう。 事実、デンマークでは1997年に男性の幼稚園教諭が幼稚園児に性的な虐待を行って逮捕されたという事件が発生しています。 その後、デンマークでは幼児教育に携わる男の先生が、非常に少なくなったそうです。 おぞましい事件が発生すれば、大人たちはそれをコミュニティから除外し、蔑み、二度とこんな事件が起こらないようにする・・・それは確かに致し方のない、当然のことだと思います しかし、この映画の主人公は全くの無実なのです。 彼に対する仕打ちはとても理不尽で、恐ろしいものでした。 肉体的にも精神的にも主人公が追い詰められているのを観るのは、とても辛いものがありました。 この映画で恐ろしかったのは、大人が子どもの嘘を信じる過程です。 嘘をついた女の子の証言には変なところもあるし、女の子自身も大変なことになっていることに気づき嘘を告白したりもします。 しかし、それでも大人は女の子のことばをとことん信じようとするのです。 それは「性的虐待」というタブーに触れる、とても具体的に言いにくい出来事であることも原因です。 そして、母親が女の子に「優しいことば」をかけてあげるシーンに、自分はゾッとしました。 これを言ってしまえば、もう真実のことばは母親には届かないと、絶望的な気分になったのです。 下手なホラー映画よりも恐怖を感じた作品でした。
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-22 00:50:38)(良:3票)
32.  ジャックと天空の巨人
本作は超有名な童話「ジャックと豆の木」を元とした作品であることは明確ですが、実はもうひとつ民話である「巨人退治のジャック」がミックスされた映画になっています。 原題が童話の「Jack and the Beanstalk」でなく、「Jack the Giant Slayer」になっているのもそのためなのです。 さらにもともとの原題は「Jack the Giant Killer」でした。 「巨人殺し」というタイトルであった時点で、あまり和やかな雰囲気でないことは予想できるでしょう。 この映画、ファミリー映画とは思えないほど人も巨人もバンバン死んでいくのです。 もちろん血は一滴も出ませんし、直接的なグロ描写はほとんどありません。 しかしこの映画を小さい子どもに見せると、怖くて泣き出してしまうんじゃないでしょうか。 子どもに見せてはいけないというほどの残酷描写はないとはいえども、へたすれば子どもにトラウマを残してしまうでしょう。 でも個人的には、子どもにこういう「怖い映画」を見せるのは悪いことではないと思います。 自分も「劇場版ドラえもん」のホラー描写はとても印象に残っていますし、そういう恐怖が後の成長にも役立つように思えるのです。 ついでにかわいいマスコットキャラもいませんし、巨人の見た目もきちゃないです。 そんな「あんまり子ども向けじゃない気がするけど、ちょっと子どもに観せたい(どっちやねん)」な映画だと思います。 子どもに楽しい映画を観せたい親御さんは、素直に「ドラえもん」「シュガーラッシュ」「プリキュア」「劇場版ミッフィー」あたりをチョイスしてください
[映画館(邦画)] 6点(2013-03-28 19:53:13)(良:1票)
33.  シュガー・ラッシュ
べらぼうに面白い! 本作で描かれているのは、ゲームセンターの中のゲームの中の世界、そしてそのキャラクターの大冒険です。 ゲームセンターのお客が帰ったあとに、ゲームのキャラクターが「みんな!もう自由に動いてもいいわよ!」と言うのは、さながら子どもたちが寝ているあいだに動き出すおもちゃを描いた「トイ・ストーリー」のようです。 最近のこうしたアニメ作品には大人向けのメッセージが込められていることが多いのですが、本作はその点もぬかりはありません。 シュガー・ラッシュで示される大人向けのメッセージとは「仕事」のことでしょう。 主人公・ラルフはゲームの悪役で、「この仕事は好きじゃない」と言ったり、悪役の会で「悪役を辞めたい」と言ったり、さらに人間関係や住まいに不満を抱えています。 これが仕事に悩む大人そのものの姿に思えるのです。 そして映画では、こうした仕事に悩む大人たちを励ましてくれます。 それだけでこの作品が大好きになってしまうのです。 もうひとつテーマにあるのは「友情」という普遍的なもの。これには大人も子どもも感動できるでしょう。 個人的にはヒロイン2人の魅力にやられました。「ヴァネロペ」はちっちゃくも活発、そして毒舌家で寂しがり屋な女の子。 「カルホーン軍曹」は悲しい過去のトラウマを、ゲームの敵「サイ・バグ」への復讐心に変えた女性。どちらも最高にキュートです。 エンドロールや、併映の「紙ひこうき」に至るまで幸せな時間を過ごさせていただきました。 ただゲームファンにとって、ゲームキャラがほとんど活躍しなかったことだけは残念。せめて「ザンギエフ」くらいはスクリューパイルドライバーとかダブルラリアットをしたらいいのに! なお作中のオリジナルゲーム「Fix-It Felix」は公式ページで実際に遊ぶことができますよ。
[映画館(吹替)] 8点(2013-03-28 19:51:12)
34.  クラウド アトラス
本作は原作から大胆な改編をしているところがチャレンジャブルです。 <小説> 上巻:①→②→③→④→⑤→⑥と物語の「前半」が展開する 下巻:⑥→⑤→④→③→②→①と物語の「後半」が展開する <映画版> ①~⑥全てを同時進行で描く と、構成が全く変わっているのです。 映画「メメント」を「普通の時系列になおしたらわかりやすい映画だろうなあ」と思った方が多いように、クラウドアトラスも6つの物語を順番に描けばシンプル極まりない映画になると思います。 しかし、普通に順番通りに物語を描いただけでは面白くありません。 そうした凡庸さを避け、大胆な実験(構成)をしただけでも、自分はこの映画を賛美したくなるのです。 ただしこの構成は諸刃の剣でもあります。 舞台と物語があっちへこっちへ飛ぶのではじめは混乱するでしょうし、「ぶつ切れ」な印象は否めません。 「観たかった物語が突如とぎれてしまう」「6つのも物語が一緒に展開されるので、ついて行くのが大変」と、もどかしさを感じる人もいるでしょう。 しかし、映画を観慣れている映画ファンには是非劇場で観てほしい作品です。 この映画は哲学的で、とてもテクニカルで、他の映画にはない魅力があります。 もうひとつ面白いのは、役者たちがそれぞれの物語で全く違うキャラクターを演じていることです。 トム・ハンクスやハル・ベリーは全ての物語で登場していますし、3つの時代に登場するペ・ドゥナも存在感抜群。その特殊メイクでの「なりきり」具合はファンなら必見です。 本作は残念ながら本国では興行的に失敗し、TIME誌の2012年の映画ワースト1位に選ばれると不遇の扱いを受けています。 しかし、ハマる人には最高の作品になる可能性があります。 ハリウッド大作とは思えないほど実験的な作品ですが、それを期待している人は是非劇場へ足を運んでみてください。 エンドロールがはじまってすぐにおまけがあるので、席を立たないほうがいいですよ。
[映画館(字幕)] 8点(2013-03-19 23:30:25)(良:1票)
35.  映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館
声優が全て交代した「わさびドラ」世代の映画には、「大山のぶ代時代のリメイク作」と「オリジナル作」があり、本作は後者です。 リメイク作には「新・のび太と鉄人兵団」という傑作もありましたが、オリジナル作品群は駄作ばかりで、がっかりしていた人も多いことでしょう。 しかし本作はそんな心配は無用。泣いて笑える、素晴らしい作品に仕上がっていました。 その完成度たるや、近年のピクサー作品にもひけをとらないと断言できるほどです。 特筆すべきは伏線の張り方の上手さです。 何気ない台詞や行動が、ラストの展開にしっかり意味を持つようにつくられています。 いつものメンバーがそれぞれしっかり活躍してくれるのもたまりません。 劇場版になるとやけにかっこうよくなるジャイアンもお約束ながら惚れそうでした。 感動したのは「ドラえもんが鈴を大切にする理由」でした。 そこには子どもにこそ伝えたいメッセージも内包されているのです。 これだけで子どもを持つ親御さんに、子どもにせがまれてもそうでなくても是非劇場で観ることをおすすめしたいと思います。 また、この作品はその昔にドラえもんの映画にわくわくしていた大人のファンにも大推薦です。 なかなかマニアックなファンサービスもあり、ドラえもん好きならきっとより楽しめるはずです。 「誰が観ても面白い」映画として、この春の一押しです!
[映画館(邦画)] 9点(2013-03-10 01:02:51)(良:2票)
36.  横道世之介
素晴らしい青春映画でした。 物語の舞台は、日本がバブル絶頂期であった1980年代です。 仕事に困ることはほとんどなく、経済成長がまだまだ見込まれ、携帯電話もインターネットも存在しない時代です。 街ではみんな「シャツをズボンをIN」で、看板には「AXIA」「さくらや」「コンバーチブル(今もあるけど)」、台詞として「ねるとん」などのことばがつぎつぎと登場します。 当時に青春時代を過ごした人にはきっと懐かしむことができるでしょう。 しかも本作は、それよりも未来の登場人物が「あのころ」を懐かしむ描写もあるのです。 青春を過ごした「あのころ」を思いだし、そのノスタルジーに浸れる、今の30~40代の方にはどストライクな映画なのです。 もちろんこの映画は若い方にもおすすめできます。 明るいキャラの高良健吾と、お嬢様を演じた吉高由里子のバカップルがめちゃくちゃ可愛いからです。 正確に言えばバカップルと言うよりは「友達以上恋人未満」な状態が続くのだけど、この2人のやりとりが微笑ましく、時には笑えます。 さて本作のネックとなるのはやはりその上映時間でしょう。なんと2時間40分あるのです。これでは観るのを躊躇してしまう方もいるのではないでしょうか。 しかし長さの主たる原因は、登場人物の動作や感情を細やかに描いたためであるので、その上映時間は無駄だとは思えません。 また中盤のシーンでは、「あること」を観客に気づかせる描写があります。 これがあるからこそ、横道世之介の青春をより見届けたくなり、2時間40分の最後まで飽きることがなく楽しめるようになっています。 映画全体を引き締める、素晴らしい「仕掛け」だったと思います。 本作では、輝かしい青春時代を追体験できるという、まさに映画でしかできない満足感を得ることができます。 役者のファンだけではなく、デートのチョイスにも是非!
[映画館(邦画)] 9点(2013-02-24 12:04:59)(良:3票)
37.  ベルセルク 黄金時代篇III 降臨 《ネタバレ》 
原作ファンです。 本作のR15+の描写は映画でしかできないことをやってくれたという意味で賞賛すべきことですが・・・はっきり言ってそのほかは不満たらたらです。原作からの改変・省略・余計な追加シーンがいくらなんでも多すぎます。 壮大な物語を限られた時間で描くため、省略はやむおえないところもあるでしょう。 しかしこの映画ではもっとも重要なシークエンスである「蝕」のシーンの絶望感が足りなかったり、キャラの心理描写が原作と変わっていたり、長すぎで面白くない演出もあり、どうにも煮えきりません。 原作にあった濃密な人間ドラマが、映画版では上っ面をなぞっただけに思えたのが一番残念かもしれません。 そして最後にエンディングテーマが誰得チックなPVとともに約5分間垂れ流されるという意味不明さ。第一作目でもエンディングテーマとともにtwitterのアカウントを垂れ流すという愚行をやらかしていました。本当にこういうのは勘弁して欲しいです。 
[映画館(邦画)] 4点(2013-02-18 22:48:24)(良:1票)
38.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
<超ネタバレ注意> 映画を思い返してみれば、どちらがの話が本当で、どちらがうそかというのは明確に思えます。 調査員に語った、残酷な物語こそが真実でしょう。 根拠は以下です ・成人のパイは、小説家に語る物語が「漂流」の話に向かおうとしたとき、ちょっと戸惑っている ・船が嵐にあったとき、牢に入れられていたはずのシマウマやトラが何故か外に出ている ・パイは小舟に乗って助かったときのオラウータン=母親に「きっと家族と会えるはずだ」と励ましている ・大きな体のトラが突然船の布の下から出てくるが、パイは驚いてはいない ・「トラの目を観ている時、トラの目に映る自分を観ている」とパイは言っている ・ハイエナが殺したシマウマとオラウータンの死体、トラが殺したハイエナの死体がいつの間にかに消えている ・パイのアップからカメラが深海に潜り込んでいったあと、カメラが海上に戻るとトラのアップへとつながる ・パイは調査員に残酷な物語を語るときに、本気で涙している ・パイは、小説家に物語を語ったあと、家族のことを「『猫』と子ども2人がいる」と言っている 漂流生活では、動物のフンや、腐ってしまうであろう(動物が殺された瞬間にはありましたが)死体など「嫌なもの」「汚いもの」は姿を見せません。 パイが最後に家族を「猫」と呼ぶことで、実際にいる人間を動物にたとえたことを暗に示していたのかもしれません。 パイから語られた、美しく、奇想天外な物語は、パイが望んでいたものでもあるのでしょう。
[映画館(字幕)] 8点(2013-02-17 15:25:57)
39.  東京家族
「東京物語」は大好きなのですが、これはあまり好きにはなれませんでした。 最大の理由が、山田洋次監督の思い入れのためか、「主観」が入っている気がすることです。 本作は東北大震災を受けて脚本に変更を加えており「今の時代の厳しさ」について少しだけ言及するシーンがあります。 それはとても尊いことですが、本作品には「最近の若いモンは・・・」という内容の台詞もいくつか登場するのです。 「東京物語」は説教くささとは無縁で、人の悲しさ、喜び、エゴを客観的な立場から描き、それでいて「自分も家族のためを思って何かをしてあげたい」と思える作品でした。 しかし「東京家族」には少々押しつけがましさと、説教くささを感じてしまうのです。 本作品に感じたのは「このような若者(家族)がいなくなって久しい」という監督の郷愁にも思える願望でした。 若者や今の時代に対しての「嘆き」が描かれていることに、自分は居心地の悪さを覚えたのです。 また全編に「小津調」が用いられているためか、テンポも非常に悪く感じます。 上映時間が「東京物語」よりも長い2時間24分で、決してこの長さが必要だとも思えませんでした。 本作ならではの良さもあります。 そのひとつが最大の変更点でもある、「東京物語」で故人であった次男の「昌次」が本作品ではほぼ主役といってよいほどの役柄だったことです。 昌次は父とあまり仲が良くなく、そのことが新たなドラマを生んでいます。 「東京物語」では昌次が亡くなったのは戦争のためでした。 「東京家族」で昌次を物語の中心人物とすることで、昌次が戦争のなくなった現代に生まれていたらどんな人物であっただろう・・・というIFを実現したものに思えるのです。 このことには、監督ならではの優しさを感じます。
[映画館(邦画)] 5点(2013-02-17 15:22:09)
40.  アウトロー(2012)
「アウトロー」という思わせぶりな邦題になったのは、なじみがない日本人にも興味が持てるタイトルにしたかったという配給側の戦略なのでしょう。 しかし実際映画を観てみると、この邦題は本編のイメージとはそぐわないものでした。 「アウトロー」とは「無法者」であり、「危うさ」を感じることばです。 しかしこの映画に出てくるトム様演じる主人公は全然危険な印象がありません。 それどころかわりといいやつでした。 彼は定職にもつかず、宿はなく、必要最低限のものしか持ち歩かないニート・・・ゲフンゲフン寅さんのような男で、悪をくじき弱気を助けるいい感じのヒーローなのです。 しかも口ではなんだかんだ悪態はつくけど、実は知り合った者のことを何よりも想っているというツンデレぶり。 トム様が演じる新しいキャラクターとして、かなり好きになれました。 ストーリーはシンプルで、トム様と相棒の女性弁護士が突如起こった銃乱射事件の真相を突き止めるというものです。 冒頭のスタイリッシュかつ衝撃的な事件のシーン、それを反芻して見せるなど、「謎解き」にかかわる画はとても面白く、見ごたえがあります。 派手さはないのでトム様のアクションを期待すると肩すかしでしょうが、この大衆向けの映画とは思えない落ち着いた雰囲気も気に入りました。カーチェイスも迫力満点です。 そんな感じで前半は非常に楽しめたのですが、後半はびっくりするくらい面白くない。 展開がいくらなんでも雑すぎだし、目新しさはないし、悪役は魅力がないし・・・勢いでごまかそうとしているようにしか思えず、ラストバトルの無茶さはもう失笑モノでした。 ここまで最後に行くにつれてテンションが下がってしまうのはある意味貴重です。 トム様の50歳とは思えないステキな上半身裸が拝めるので、ファンは必見ですよ。
[映画館(字幕)] 5点(2013-02-17 15:08:36)(笑:1票) (良:1票)
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