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ポッシュさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 43
性別 女性
年齢 59歳

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21.  エスター 《ネタバレ》 
「怖さ」というのは色々あるわけで、単純に追っかけられる体育会系の恐怖もコワ楽しいが、本作はヒロインがじわじわと精神的に追い詰められる文化系の恐怖描写が秀逸。  孤児院から養子として引き取られたエスターが、父親に取り入り、妹を手なずけ、対立する兄は恐怖で押さえつけ、母親のことはとことん翻弄して痛めつける・・・といったエピソードが実にうまい。ヒロインである母親(ベラ・ファーミガ)のトラウマ体験など、人としての「弱み」に付け込み、家族間の隙間をグイグイついてくる、その「やり口」のエグさったらない。直接に攻撃するのではなく、「共感」を寄せて懐柔したり「愛情」を装って傷つけたりと、実に巧妙。思わず「ぬぉおおお~」と身もだえしてしまう。  一見、可愛らしい少女が大人を徹底的にイジメ抜くという、その恐怖はまじホラー。被害者は母親なのに、エスターの方が一枚も二枚も上手で、周囲の人間を操作し「悪いのは母親のほう」と思わせてしまうのだ。この辺のヂグジョ~感たっぷりなところをM気質の人には是非、堪能していただきたい。(?)  そして、なんといってもオチが素晴らしいです。私は最後まで読めなかった!「犯罪者像」としては適度にリアリティを持たせつつフィクションの荒唐無稽さも絶妙に加味され、実に魅力的なモンスター。エスター役のイザベル・ファーマンという子がまた上手いというか合ってるというか、とにかく彼女の存在があってこそ、という気も。撮り方も上手いんでしょうけど非常に説得力があって物語を強化していたと思う。  とにかく、ここまで魅せてくれたので、ラストのグダグダも許せる。DVDには特典で「もう一つの結末」が付いていて、私はこっちの方が好きでした。「サンセット大通り」(50)の味わい。
[DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 14:33:41)(良:1票)
22.  偶然の旅行者 《ネタバレ》 
ローレンス・カスダンという職人監督が好きだ。作品全体の手触りが心地よい。何と言っても人物造形が自然で上手だと思う。初めのうちはどういう人物なのかよく分からない登場人物たちが、エピソードを追う毎に肉付けされキャラの深みと魅力を増していく。分かりやすい薄っぺらな善人もいなければ、万人が嫌うような悪人もいない。イヤな奴が最後に劇的にイイ人に変身することもない。皆それぞれに欠点や弱さを抱えながらも「その人らしさ」がキラリと輝く、そんな実のある人間像を見せてくれて気持ちいい。  本作の場合、陰気でシニカルな主人公とその家族の変人ぶりなど、描き方次第で愛されるキャラになるかドン引きされるかがハッキリ分かれてしまう気がするがその辺りのさばき方が上手いから物語が破綻しない。主人公に付きまとう「ヘンな女」ジーナ・デイヴィスにしても、個性的で魅力ある女性なのか自分勝手でウザイ奴なのか難しいところなんだけど、彼女自身の素養も加わって可愛く見えてくるのが、やはり演出の妙と思える。ジーナの衣装にも注目したいところ。チープシックでちょっとヘンテコなお洒落がこの女性の性質を饒舌に物語っている。  ビジネス旅行(出張)とは自宅から出なければならないアクシデント(不測の出来事)なんだと言って、その数日間を心安らかに過せる方法を伝授する、そんな旅行記を書いている主人公なんだけど、実は人生そのものがアクシデントの連続、生きていくって偶発的な出来事にあふれた世の中を旅していくことなんだよね、誰もがアクシデンタル・ツーリストなのさ、ってそんなオハナシ。子供を亡くして心の内に引き籠ってしまっていた主人公が、新しい人生に一歩を踏み出す勇気を得たラストの笑顔がグッとくる。最強のパスポートは「誰かから必要とされる自分」であること、なのです。
[DVD(字幕)] 8点(2017-07-23 00:01:02)
23.  シェイプ・オブ・ウォーター 《ネタバレ》 
「パンズ・ラビリンス」のギルレモ・デル・トロ監督らしい、ちょっとダークな「美女と野獣」の物語。 お姫様が王子様に出会って結ばれました、という“王道の”ラブストーリーですが、王子様は別に呪いにかかってる訳でもなく異形の半魚人(?)で、お姫様も若く美しい娘ではない。この辺のアンチ具合が評価の分かれるところか。  囚われの姫を王子が助けるのではなく、逆にヒロインが、さかなクンを助けるのが現代的でよろしいのではないでしょか。^^  途中までは、「出会ってすぐ当たり前のように恋に落ちる2人」という流れが簡単すぎて腑に落ちなかったのだけど、ラストで彼女の素性が明らかになる。なるほど、イライザ(サリー・ホーキンス)はもともと水の国の人だったと。(首の傷は鰓(エラ)で、喋れなかったのは発声器官がなかったから)そこに同郷人が現れ、本能的に通じるものがあった・・・ってことかな。そして、最後は一緒に故郷に帰る。「帰還の物語」でもあったんですね。  心地よい場所。本当の自分になれる場所。愛する人と一緒に過ごせる場所。そこに還る・・・。 そういう物語は「癒し」の力を持っている気がする。
[DVD(字幕)] 7点(2018-07-02 10:36:37)(良:3票)
24.  白い帽子の女 《ネタバレ》 
(思いっきりネタバレです) オープンカーが田舎道を走っている。バックに流れるのはフレンチ・ポップス調のショパン。この70年代の匂いがプンプンするオープニングに、昭和な自分はガツンとやられた(笑)。 ハンドル片手に走りながら、旦那(ブラピ)は煙草をくわえシガーソケットで火をつけようとするが、点かない。そこでダッシュボードに手を伸ばしてガッと開けると乱暴にひっかき回してライターを探す。この時、妻(アンジー)の方をチラッと見る。黙って見てないで探せよ・・・っていうイラつきオーラ全開。シラッと見返す妻。この短いシークエンスで、この夫婦の不仲が分かる。 ホテルに着いてからも、ずっとヒリヒリムードの2人。妻が外したサングラスをポンとテーブルに置いて、レンズが下向きになってるのが旦那には耐えられないらしく。レンズが傷つくからか?いちいち置きなおす。これ3回くらいやってたな。  こんな“倦怠期ど真ん中”の2人が、南仏のリゾートホテルで過ごすヴァカンス。スランプで酒浸りの作家と、常に不機嫌な妻。けっして面白いオハナシではない。でも、夫婦がいかに愛の炎を消さずに共に生きていけるか?っていうのはけっこう普遍的なテーマ。身につまされます(笑)。  で、隣の部屋に新婚旅行の若夫婦がやってきた事から物語が動き出す。壁に覗き穴を見つけた妻が、つい好奇心にかられ覗き見する。やがて旦那もその穴に気づき、夫婦2人で「秘密」を共有することで不思議な連帯感が生まれ、またトーゼン刺激にもなって(苦笑)夫婦の関係が徐々に修復されていく。 海辺のホテルではいつも波の音が聞こえ、寄せては返す波の運動は永遠に続く日常を思わされる。「海辺にて」というオリジナル・タイトルには、そんな「日常を繰り返す」夫婦の歩み、という意味もあるかもしれない。  旦那がいつも飲みに行くパブレストランの親父が素敵だ。父親のようにブラピの話し相手になり、「愛してやれよ」と助言を与える。この親父さんが亡き妻の写真を愛おしそうに眺める姿に、旦那も胸を衝かれ、妻を愛そうとする。朝の光の中にいる美しい妻の立ち姿をベッドの中から眺めている時のブラピは、少しだけ幸せそうに見えた。そう、この旦那はいつも妻を見ている。一方的に。悲しそうに。  最初は旦那のほうが冷めてしまったのかと思っていたが、心を閉ざしていたのは妻だった。そこには理由があるのだけど、どんな理由があるにせよ、夫婦が2人で一緒にやっていくと決めたのなら、前を向いて助け合って生きていったほうがいい。憎みあい拒絶し続けるのなら一緒にいる意味はない。旦那が言う「クソッタレな生き方はやめよう」って、そういう事だと思う。 最初のほうに書いたサングラスの隠喩は、もしかしたら、傷つきやすい妻を守る意味だったのかもしれない。傷がつかないようにそっと置き直す、あれは旦那の愛だったのかも。  いろんな意味で、隣の若夫婦は気の毒というか、とんだ災難だったねって感じなんだけど、一応、まるっと収まって最後はオープニングと同じオープンカーの2人。またもやショパンのプレリュード4番が切なく響き、寄せては返す波のごとく・・・繰り返し。この曲、メロディーはほとんど同じ音型の繰り返しで、伴奏だけ半音ずつ変わっていく。これが少しずつ変化していった2人のよう。カタストロフのようなクライマックスを奏でるとまた元のテーマに戻って・・・。メランコリックな旋律がこの物語にピッタリ! で、夫婦の姿はオープニングとは明らかに違う。お互いにチラチラっと顔を見合い、アンジーがブラピの腕を優しくなで、妻が夫を見るカットで終わる。  なかなか味わいのあるドラマでした。
[インターネット(字幕)] 7点(2017-08-01 15:45:14)(良:1票)
25.  ウソツキは結婚のはじまり 《ネタバレ》 
「嘘」はコメディーの強力なアイテムだなぁと改めて思いますね。最初にとんでもないウソをついてしまった主人公が、バレないために嘘に嘘を重ねてドロ沼にハマっていく・・・というのは、まぁ定番。あとは、役者陣のノリで魅せてくれればそれなりに面白い映画になる訳で、こちらの作品もアダム・サンドラーにジェニファー・アニストン、そしてまさかのニコール・キッドマンという布陣で笑かしてくれます。あ、お子たちも上手でした。  内容はホントにくだらないけど、人の良さだけが魅力のジェニアニがハマリ役で、もう、この「定番」な感じがなんとも気持ち良かった。そしてそして、平凡なコメディーに彩りを添えてくれたニコール・キッドマンには拍手パチパチ。鼻持ちならないイヤな女をがっつりと濃いめに演じててアッパレです。彼女はきっと素がこんなじゃないかと思うけど、カモフラージュのつもりで敢えてこの役を引き受けたのと違いますかね。ラストで「ホントはわりとイイ人」になっちゃうのは、脚本書き変えさせたのと違いますかね。(勝手な憶測)  アダム・サンドラーはヘンにキャラ作るより普通の役の方が味があります。それこそ人の良さが滲み出て、なかなかにエモーショナルな演技をする。その意味で、この作品は見やすかった。個人的にウケたのはビリー・ジョエルの歌真似シーン。上手い!  コメディー好きな人には安心してお薦めできます!
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-28 19:06:56)(良:1票)
26.  あなたが寝てる間に・・・ 《ネタバレ》 
あ~、なんだかんだ言ってもこういう軽ぅ~いアメリカ映画が私は好きだ。ジャンクフードってやめられない。なんの栄養にもならないけど美味しいんですもん。 サンドラ・ブロックはちょっと不思議な立ち位置の女優だと思う。美人じゃないし、可愛いというのとも違う、意外にカテゴライズしにくい人。中性的と言えばいいのか、女としてというより人として魅力がある。この作品でもイイ人だけどちょっと冴えない女性という役、地味で目立たない主人公が王子様に惚れられるという少女漫画的なこの映画にはピッタリだ。  ハリウッド映画が口を酸っぱくして言ってることが「Love Conquers All」(愛はすべてに打ち勝つ)なんですが、このLoveには当然「家族愛」も入るんでしょう。この作品でもヒロインが恋をする相手の家族がやたら仲がよくて微笑ましい。ほとんどのエピソードに彼らが登場してくるので、むしろ男女の愛よりそっちの方がメインじゃね?ってくらいの勢い。ヒロインも自分の想いより彼らの気持ちを優先して行動している感じだし。なのでオハナシ自体も孤独な女性が恋によって幸せを掴むというよりは、素敵な家族を得ることでハッピーエンド、みたいに見えた。まぁ相手が今ひとつ華の無いビル・プルマンだからそれくらいのオプションは付けてもらわないとね(笑)。ピーター・ギャラガーはとんだ当て馬でお気の毒だったけど、ま、そんな役回りがお似合い。百貨店の紳士服売り場のマネキンみたいなルックスはいつ見ても笑える。よくあんな冗談みたいな眉毛を顔にのっけてられると思う。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2017-07-28 18:25:09)(良:1票)
27.  ある日モテ期がやってきた 《ネタバレ》 
良いです、良いです。ダサダサのモテない男とルックスも性格もパーフェクトな美女との格差恋愛。下ネタもドタバタもあるけど、全体的にはなかなか誠実なドラマになっていて好感持てます。 主人公カーク役のジェイ・バルチェルという子が良いですね。若い時の松潤を2~3発殴って数日食事与えないで監禁して弱らせた感じのビミョーなルックスで、物語にリアリティを与えてます。で、いつも一緒にいる悪友たちがまた良くこういう顔ぶれを揃えたなっていう面々で、見ててとっても楽しかった。職場が空港で、荷物がぐるぐる回るところ(何て言うのかな、アレ)に並んで乗っかっておしゃべりしてる絵なんて、ホノボノしてて癒される。中でも大泉洋似の子は面白かったなぁ。ホール&オーツのコピーバンドをやってたのも個人的にツボ。名曲「kiss on my list」の熱唱には感激したし、ちゃんとジョン・オーツもいたし(笑)。 男同士ってこういう会話してそうだなぁと思ったのは、「彼女は10点、お前は5点。付き合えるのは2点差まで」なんてセリフ。バンドをやってると1点加点されるらしい(苦笑)。そういうバカ話の中で、見た目は1番冴えない既婚者の男が「誰かに愛されてたら、そいつは10点満点だ!」って真面目に言うのが私は好きですね。もう、臆面もなくそういう映画なんです。「Love Conques All.」愛は全てに打ち勝つっていう、ハリウッドが100万回言ってる金科玉条。最後に女の子が気持ちを話すその内容も、ホントに臆面もない素直な愛の告白で。いやぁ、アホみたいだけどウルッときました。ディープな昭和世代にはこの直球勝負がたまらん。女の生態丸出しな元カノも、愛すべきバカ・ファミリーの皆さんもブラボーです。
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-28 17:58:58)(良:1票)
28.  キューティ・バニー 《ネタバレ》 
『プレイボーイ』のモデルの女の子が学生寮の寮母になって大活躍という、おバカな設定が良い。イケてない女の子たちに「モテ道」を伝授するシェリー(アンナ・ファリス)の言う事が、いちいち面白くて説得力ある。「外見の美しさが内面をキレイにする」とか「目は顔の乳首」(これ名言!)とか。 変身した寮生たちが自信をつけてモテ出すところは単純に気分がアガる。学園を闊歩して注目を浴びるシーンなんかスカッとする。女ってこういう変身願望、あるあるあるある。プリクラで盛るのってそういう事じゃないのかね。そして、ライバルのミュー寮の子たちがいかにもなお嬢さんルックなのに対して、こっちはちょっとだけ下品なセクシー路線っていうのが個人的にツボ。JOCKS系ってなんとなく鼻につくのでね。メインストリームの人間に対してルサンチマンを隠しきれないマージナルな自分(苦笑)。 人間見た目も大事だけど、何より「自分らしさ」が大事よっ、というメッセージも可愛らしくて好感が持てる。表面的には仲良しを装ってて実は・・・というドンデン返しのラストに至るまでトコトン「女子」の世界、あ~、女ってなんて平和な生き物なんだろうかと笑っちゃいますー。
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-27 13:12:30)(良:2票)
29.  引き裂かれた女 《ネタバレ》 
よくもこんな三文小説並の“痴情のもつれ”バナシをオサレに仕上げたもんだと、シャブロル爺の手さばきに唸る。  私はこの監督さんの作品に漂う「不穏なムード」が好きだ。狂気や不安が静かに満ちてきて、なんとなく息苦しさを感じさせる空気感。色彩もカメラワークも穏やかで明るく静かな雰囲気なのに、何故か気持ちが晴れないアンビバレント。どうもこれは自分の「人生観」にぴったりと合っているようで、憂鬱を飼い慣らして生きてきたヒネたおばちゃんには、実にしっくりとくる(苦笑)。  作家シャルル・サン・ドニ(フランソワ・ベルレアン)は、結婚と恋愛を矛盾なく両立できる強靭な精神を持つ男。こういう人って結局、孤高に生きているのだと思う。妻や愛人といった他者に精神的に依存することは皆無なんだろな。だから一緒に暮らすことも逢うことも逢わないことも、彼なりの哲学で意志的・必然的に行うのであって、感情には左右されない。非常に強固な自我の持ち主だ。  一方の金持ちの御曹司ポール(ブノワ・マジメル)は真逆の感情直流男で完全なるお子ちゃま。母親の愛情に飢え、常に欠乏感を抱えている。きっと自分を満たしてくれる他者がいて初めて安定できるのでしょう。ガブリエルに対する好意もひたすら「結婚したい」(=所有したい)ってだけで、シャルルに捨てられたガブリエルをようやく手に入れても、今度は「調教済み」の彼女が許せない。昔の男の影がチラつく妻に苛立つ。どこまでも他者の存在に自分の感情をかき乱される、脆弱な自我の持ち主なのだ。  そんな2人の男性の間で「引き裂かれる」女、ガブリエル(リュデヴィーヌ・サニエ)。彼女はホントにフツーの女の子。性悪ではないけど清純でもない。馬鹿ではないけど利口でもない。こんな奴らに出会ってしまって気の毒だったねとしか言いようがない(苦笑)。しかも、クジャクのコスプレとか、おやじギャグかと思うラストのオチとか、シャブロル爺さんったら何やらせてんだか。  まぁ、なにしろ人間模様が面白くて最初から最後まで目が離せなかった。3人の役者はアッパレ!中でもブノワ・マジメルのバカ殿ぶりは必見!
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-27 12:25:04)
30.  アントニー・ジマー 《ネタバレ》 
「ツーリスト」(2010)のオリジナル版。冒頭のお御足ショットからしばらくは同じ演出で、そっくりコピーされちゃったのか?と思いきや、だんだんテンポの違いがはっきりしてきて、「ツーリスト」とは全く演出の意図が違うことが分かってきた。あちらの作品ではジョニデが屋根の上を逃げ回ったりアンジーがボートで現れちゃったりと画(え)的には派手派手ながら、どこかノンビリムードで追っかけっこも緊張感がなく、とても現代のオハナシには見えなかった。舞台もヴェネツィアだし、なにやら浮かれ観光客気分、ジョニデのすっとぼけ演技も手伝ってコメディ・タッチなところがあり、リメイクと聞いた時は古いハリウッド映画にあったかなぁ?なんて思い違いをしたものです。内容的には愉しかったけど映画としてはあまり出来が良くなかったかなぁ。あるべき画がなくてカットの繋ぎが明らかにおかしいってシーンがあったり・・・。 で、こちらの作品ではサスペンス・タッチを生真面目に演出しつつ、派手さはないものの、荒唐無稽な「映画らしい」場面展開もあり、随所でニヤリとさせられました。私が気に入った場面は、主人公が非常階段を使って逃げてた時に転んでポケットの薬をぶちまけてしまい、階段上に這いつくばってバラまかれた薬を見てると、目の前で薬が跳ね出す・・・上から追手が階段を降りてきた振動で揺れてる・・・って演出ですね。ジュラシック・パークみたい!(笑) ズバリ、この映画の肝は「こじんまり感」ですかね。非常にタイトにまとまっている。お話自体は、フィクションらしく大風呂敷広げた、いい意味でアホくさい、とっても映画らしいお話。これを、あくまでもソリッドな演出に徹して、余計なエピソードをそぎ落として(説明不足な感じもするけど)、早口で語りきって突っ込むヒマを与えない(笑)っていう、なかなかしたたかな作風が個人的には好ましかった。「ツーリスト」と観比べると、より愉しめると思います!
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-27 11:49:00)
31.  スカイライン-征服- 《ネタバレ》 
(かなりのネタバレ) もっとボロクソにけなされてるかと思いきや、わりと高評価レビューもあって腰砕け。 なにやら真面目にSF大作みたいな雰囲気出してるんで、私も途中までは「ひどいな、こりゃ」と思ってたんですが、後半のアホアホな展開でだんだん頬が弛んできた。エイリアン相手にまさかのフルボッコ!彼女の妊娠発覚で亀裂の入りかけたカップルが、エイリアン侵略という危機的状況に遭遇したことで絆を取り戻すという、ばっかじゃないの?なお話なのでした。犬も喰わない痴話ゲンカを繰り返す2人。そんな2人を喰おうとするエイリアン。説教たれる管理人、ときどき金髪美女。(なんだ、そりゃ)スケールでかいんだか小さいんだか良く分かりません。 ヘタレな主人公が家族愛に目覚めて「生まれ変わって」、最後はクローネンバーグみたいな悲哀も出しちゃって、もう好きにやってちょうだい、という感じでした(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-26 18:27:11)
32.  アンストッパブル(2010) 《ネタバレ》 
(もしかしたら、ものすごいネタバレ) あ、しまった やべー だめだー あほう じゃ俺が止めたる 頑張れー 危ない お前いい奴じゃん よくやった。そういう映画でした。 誰かの悪意じゃなくて、うっかりミスの事故っていうのが良かったです。いや、良くないんだけど。でもさ、人間だもの。 兄貴のほうが偉大だと思ってた自分が、トニー・スコットもわりと頑固職人的な監督さんだったのねと、遅まきながら気付いた作品。ただ、画(え)がウルサイのだけはどーしても好きになれなくて、なんでそんなにカット割るのかなぁと、この度も思いました。
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-26 00:22:41)
33.  ラブリーボーン 《ネタバレ》 
観終わった直後は「納得いかない!」って未消化感が確かにあったが、原作者がレイプ被害者と知ってからスルスルっと呑み込めてしまった。…この自分自身の感じ方の変化に戸惑って、しばらく考え込んだ。 ヒロインのスージーは14歳でレイプされ殺されてしまう。物語は、天国と現世の間でさまようスージーと残された家族が、どうやってこの悲劇を乗り越えていくのかを描く。 スージーのいる世界はカラフルで美しく、彼女が苦しみから解き放たれたのが分かる。一方で、家族は事件によって壊れていく・・・というか、だんだん「物語」自体が破綻していく。ママなぜ出ていく?、パパもうちっと考えて行動しろよ、今頃なぜ大活躍なのか妹よ、貴女はどういうポジションなんだグランマ、そしてどこ行っちゃった弟・・・? スージーが好きだった男の子、彼女を「感じ取ってくれる」女の子の扱いもヘン。どっちも影響力が大きそうで、そうでもない(苦笑)。今ひとつ活躍せず、観客が期待する方向に話を運んでくれない。 つまりは、これ、ちっとも「よく出来たオハナシではない」のだ。「事件」と「家族」と「正義」と「愛」という要素の配分、焦点の当て方、描き方が明らかにおかしい。それにも関わらず、最初から最後まで惹きつけられてしまったのは、何かこの作品を貫く“力”があったからだと思わされた。で、その力の正体が冒頭に書いた原作者の姿なのかなぁと。 それはスージーが天国に行く前にしたことに端的に現れている。彼女が「まだ、やり残したことがある」と言って現世に戻った時、観客の誰しもが正義を願ったはずだ。自分の恨みを晴らすと共に、この悲劇の連鎖を止め、更なる犠牲者を出さないようにする、それこそが彼女の使命だろうと。ところが、彼女は自分の個人的な幸せを選んだのだ。社会的な正義を捨てて。私はどっひゃあ~、そっちかよ、と腰がくだけた。ハリウッド映画ってサルにも分かる勧善懲悪がウリじゃないの?なんで、なんで? ・・・でも。これはスージーの物語。もっと言えば原作者(名前も知らないけど)の方の物語なのだろうと。クソッタレな現実に打ちのめされ自尊心を踏みにじられ人生を台無しにされた女の子の物語なのだ。そう考えると、そういう現実を彼女が受け入れて乗り越える為には、あの決着のつけ方しかなかったのだろうと思えた。たとえ復讐を果たしたとしても、或いは犯人に社会的制裁が下ったとしても、彼女に起こった「事実」は変わらないのだから。起きてしまった悲劇を帳消しにすることは誰にもできない。本人がそれを「帳消しにする」と心に決めて忘れるしかない。 第三者には納得いかなくても、当事者であるスージーが救われれば良い。そんな具合に観客を置いてきぼりにして物語は終わる。なんとなく家族も落ち着いていく。忘れた頃に犯人に天罰が下る(偶然の事故とも思えるが)。現実はこんなもんだ。ヒドイ。ヒドイけど、せめてこのクソッタレな現実に打ちのめされ自尊心を踏みにじられ人生を台無しにされた女の子が心の平安を取り戻せれば、それで良いではないか・・・。そんな不思議な着地点に辿り着いて私自身は納得がいったのでした。
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-25 18:50:29)
34.  お!バカんす家族 《ネタバレ》 
この作品、別のサイトではものすごく評判悪かったんですよねー。 そりゃ、まったく笑えない部分もあるし、余りにも品がないとか、配慮に欠けるとか、不快感を覚える人もいるだろうなーというシーンもたくさんあるので、快・不快の天秤が「不快」の方にドンと傾いちゃったら全くダメなんでしょう。 自分はもともとアメリカのコメディが好きで、デイヴ・スペクターのジョークも笑っちゃう奴なんで、この「くだらなさ」はツボりました。脳みそスカスカですいません・・・。  アルバニア製のレンタカーのリモコンが謎のマークだらけで「うさぎ」のマークを押したらバンパーが落ちるとか、「ロケット」を押したら椅子が回るとか。ホント意味不明(笑)。うーん、こうやって説明すると幼児的な発想なんですが(汗)。でも、なんか笑っちゃうのです。状況も状況なので。 韓国語のカーナビも笑っちゃう。ずーっと絶叫調って。韓国っていうか北朝鮮っぽい?(笑)  ラフティングのシーンも可笑しかった。ガイドさんがものすごーいお調子者で冗談ばっかり言ってたのにボートに乗る直前に婚約者にフラれて、傷心のままボートに乗り込んで、ヤケになって急流の方に舵をきって主人公一家も死にそうになるっていう(笑)。  基本、自分が好きなのはこの手のバカバカしいネタなんだけど、アメリカのコメディではデフォルトな尾籠(びろう)ネタもポリティカル・コレクトネスなんか知らんがなって感じの際どいネタも、「あー、アホだなぁ」って生温かく見逃せるので、全般的に好印象のまま見終わったのでした。  個人的には大好きな作品ですが、モノ好きな人にしかオススメしません(苦笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-24 21:03:55)(笑:1票) (良:2票)
35.  MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間 《ネタバレ》 
マイルス・デイヴィスが引退した1975年から数年。 健康状態の悪化により入退院を繰り返しているうちに、コカインやアルコールなどに 溺れて生活は荒み切っていたという。 それでも、音楽に対する情熱は冷めずにいて、ひっそりとスタジオ入りして セッションを行った事もあるらしい。 本作はそんな「幻のセッション音源」をめぐる騒動を主軸に、現在と過去を行き来しながら マイルス・デイヴィスという偉大なるミュージシャンの姿を描く。  個人的に気に入ったのは、ありがちな伝記物語になってないところ。 類まれなる才能ゆえに早くから頭角を現し、時代の寵児になって、でもドラッグに溺れて、 愛する女性に支えらえ&愛想つかされ、そんな彼の晩年は悲しい色やねん~的な。 ぜんぜん、そういうのと違いますー。  レコード会社や野心家のプロデューサーらがこぞって狙う「幻のテープ」。 これがマクガフィンとなって映画を転がし、ユアン・マクレガー扮する音楽ライター (見た目ふかわりょう)とのコンビが、バディムービー調でちょっと弾む。  「スケッチ・オブ・スペイン」のジャケットが飾られたレコード会社のエレベーターの中から するっと過去に移動したり、転んで床に倒れこむ人物のマッチカットで現在に戻ったりする 映画のマジックが楽しい演出も個人的に好き。  演奏シーンと回想シーンのつなぎ方や、時間と場所の飛ばし方なども手際がよくて、 編集もイイと思いますね。  あとは、とにもかくにも音楽です。演奏シーンはマイルスの音源を使っているのが殆どで、 聞き惚れてしまう。特に彼のファンでもなかった自分でも思わず身体が揺れる(笑)。 特にラストのライブ・シーンのカッコ良さったら!! もしやと思ってエンド・クレジットを確認したら、やっぱりハービー・ハンコックと ウェイン・ショーターが参加していました(泣)。  ドン・チードルも嗄声のボソボソ喋りで役作りを頑張ってた感じ。 最後のステージなんて、すごいサマになってて震えます。 音楽ファンの方にはオススメ。
[DVD(字幕)] 7点(2017-07-22 23:20:40)
36.  ザ・サークル 《ネタバレ》 
前半はわりと面白かったですね。この「サークル」なる会社の様子がかなり異様で。ちょっと新興宗教団体っぽいというか、仕事以外の時間も会社のアクティビティやらイベントに参加を強要されるなんて、いくらお給料がよくても就労環境的にはブラックの匂いがします。  最初はそういうのに馴染めなかったヒロインが、覚醒して会社の広告塔みたいに活躍していくところから、だんだんオハナシが緩んでくる。 「私生活、全部公開します!」なんて、今の時代、何てことない気が。他人の生活を覗き見する“見世物”は20年前すでに「トゥルーマンショー」でやってるし。まぁ、そこはこのオハナシの見どころではないとしても、ネットと大衆の狂気、ネットの政治利用や巨大企業と政府の癒着あたりの話ってわりと「ありがちな話」のような気がするのですね。その手のフィクションは沢山ありそう。  で、結局、そこもこのオハナシが掘り下げたかったテーマではなかったらしく(苦笑)、結論は「私たちって今、こんな社会に生きてるのよね~」っていうボンヤリとした不安?いわゆるユビキタス社会の危険性をサラっと描いてみました、ぐらいの話。  ただ、この間のフェイスブックのデータ漏洩なんて、まさにビッグデータの政治利用にITジャイアント(大企業)が絡んでたって話で(協力した訳ではないが)、タイムリーっちゃあタイムリー。 そう、きっと本気で切り込んだらスキャンダラスな問題作になるネタなのかもしれません。でも、きっと大人の事情で出来ないのかも・・・?(笑)
[DVD(字幕)] 6点(2018-05-05 17:34:22)
37.  きみがぼくを見つけた日 《ネタバレ》 
(すみません、思いっきりネタバレです。未見の方はお読みにならない方がいいかも) タイムトラベルというSF要素を取り入れたラブストーリー・・・なんだけど、そもそも基点がどこにあるのか分からないので、ヘンリーとクレアが恋に落ちる瞬間が分からん。お互いに“真っ白”な状態で出会う時がないんだもの。幼いクレアが恋心を抱くのは未来からやってきたヘンリーだし、青年のヘンリーが誘惑(?)されるのは未来の自分を知ってるクレアだし。ま、いいや、この辺はあんまり考えるのはよそう。  にしてもだ。幼女の時から目つけられて(違うか)、ちょこちょこやってきては大人の男の魅力を見せつけて、ファーストキスも奪って、おかげで彼女はずっと彼氏も作らずにヘンリー一筋だった訳で(青年のヘンリーと付き合い出したときに友達が「初カレ」って言ってたもんね)。で、晴れて結婚しても相変わらずちょいちょいトラベルしちゃう病気(?)は治まらず、クリスマスも新年も一人ぼっち。おまけに妊娠すれば遺伝子を受け継いだ胎児はお腹の中でタイムトラベルして流産。えげつな~。なんだかんだで2人はすれ違い、心が離れかけた時に彼女を慰めるのは過去からやってきた若い時のヘンリー。「浮気じゃないわよ」って、え、そうなのか?で、彼は亡くなった後もときどき過去から飛んでくる。  これって、どうなんですか。クレアは幼い時からず~っとヘンリーという男一人のためだけに生き、心が揺らいだり喪失感を覚える時にも、それを充足するのはヘンリーただ一人なのだ。それは彼が亡くなった後も変わらない。こんなにも「閉じた」世界で生きる女性が果たして幸せなのかどうかと、最後まで心が晴れなかった。同様にエリック・バナの中途半端に伸びた後ろ髪も最後まで気になって仕方なかった。体操の内村選手の後ろ髪も長くていつも気になっていた。最近は短くなったのでちょっと気分がいい。
[DVD(字幕)] 6点(2017-08-01 10:11:15)(良:1票)
38.  きみがくれた未来 《ネタバレ》 
年若いイケメンにさして興味のない自分はザック・エフロンにも萌えないんですけど、こういう正統派アイドルって良いですね。良くも悪くも作品をその人色に染めてしまうオーラがある。スクリーン上で輝くスターの存在は訳も分からずありがたい気持ちにさせられ、思わず手を合わせて拝みたくなりますな。「ご来光」感覚? 物語の前半で私は「普通の人々」(80)を思い出していたのですが、家族の一員を事故で亡くした家族がその悲しみから立ち直れず崩壊していく様を真摯に見つめていたアチラの作品に比べると、こっちはずいぶんと軽い。墓守の隠遁生活を送る主人公を、街の人たちは「頭がおかしくなった」と噂するのだけど、いやいや、ぜんぜん爽やかな好青年ですよ、「壊れた感」は微塵もありません(苦笑)。この辺ですでに、この映画は本来の物語とは別物になっちゃってるんじゃないかと思う。原作と比べて主人公はずいぶん若いみたいで、世捨て人歴がぜんぜん浅くて青春期の回り道程度の蹉跌。それに加えてザック・エフロンですもん。そりゃもう輝かしい未来が待ってない訳がない。だってザック・エフロンだもん。(理屈になってない) 途中の展開が意外で、なかなか技アリな転調ですが、あとはもう思った通りに気持ち良く話は進んでいく。キム・ベイシンガーとレイ・リオッタの無駄遣いもアイドル映画らしい。2人とも自分の子供のためにこんな端役を引き受けたって言うんだから、どんな「お土産目当て仕事」なんだか。 休日に家族で観るのが調度いいって感じの作品ですね。心がぬるめに温まります。
[DVD(字幕)] 6点(2017-08-01 09:52:58)(良:1票)
39.  恋人はセックス依存症 《ネタバレ》 
ずいぶん生真面目な映画だなぁと思ったら監督さんは「キッズ・オールライト」(2010)の脚本を書いた方なんですね。う~む、とっても論理的な人って気がする、この人。 それにしても世の中どんどん複雑になっていくもんだ。セックス依存症ってなんじゃらほい(笑)。まぁ、現実に悩み苦しんでいる患者さんがいるのでしょう。この映画はそんな人々を決して奇異な目ではなく、真摯に見つめていて好感が持てる。 「キッズ・オールライト」もそうだったけど、マイノリティ(と呼ばれる人々)の生きる姿をそれ以上でもそれ以下でもない「普通の」人々として描いているのが良いと思う。  主人公は、セックス依存症と闘っているアダム。大好きなマーク・ラファロが演じているので、おばさん複雑な思い(苦笑)。でも、もう何年もセラピーに通い、ずっと依存を断ち切って禁欲生活を続けているので、セラピーグループの中ではエリート的な存在。それにしても、こんな理知的な男性がねーと不思議に思ってしまう。この人なんか別に性犯罪に走るでもないし、きちんと仕事もしてて一体何が問題なんだろう?と逆に疑問。女遊びが激しいのはビョーキなのか?(笑) で、彼が出会う女性フィービー(グウィネス・パルトロウ)はものすごく健康的。毎日運動して食事制限して、何と言うかもう「節制」の鬼。友人宅のディナーに招待された時も、主人がサーブしてくれてる側から「そんなに食べないから!自分でやるわ!」と言い放ってしまう女性。この辺の描写がなかなか考えさせられる。健康ってなに?病気ってなに? フィービーという女性も「健康であらねば」という脅迫観念にとりつかれてるように私には見える。  要は、誰もが完璧じゃないけど、それでも自分がそうありたいと願う自分に少しでも近づこうと努力する姿は尊いよね、ってそんな話。長い間「欲望」を押さえ込んできていても何かのきっかけで決壊してしまう、依存症の恐ろしさが良く分かるのだけど、こういうのって文化的な背景の影響も大きいような気がします。欲望を断罪するキリスト教的な価値観がベースにあって、それなのに欲望を喚起する情報やサービスが氾濫してるからビョーキになっちゃうんじゃないかな~、なんて。マッチポンプ的というか。  お菓子の袋を開けると途中でやめられなくなって、最後の方は大して美味しいとも思わずに食べきってしまう自分なんか、ホント自制心のない奴なので、ちょっと身につまされました(苦笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2017-07-31 19:08:05)
40.  チャックとラリー おかしな偽装結婚!? 《ネタバレ》 
ケヴィン・ジェームス狙いで鑑賞。 ゲイを偽装するというネタですが、たぶん今もってアメリカ社会ではゲイ差別ってシビアにあるんだろうなと思わせる。そこらへんを“笑い”に昇華させちゃってますが、これが当事者にとってはどう感じるのか聞いてみたいところ。 どーも製作サイドに差別問題に対する鋭敏な感覚はないんじゃないかって、私はそんな気がしますね。途中で出てくる東洋人(たぶん日本人?)の扱いなんてヒドイですもん。でも、その無神経さが逆に「悪気のなさ」にも思えて。非常に微妙。 まぁ、相手の立場になってみて初めてその苦労が理解できる、という単純かつ普遍的なテーマとして観れば良いのかな。古い作品だけど、「ミスター・ソウルマン」(86)を思い出しました。あちらは白人の大学生が黒人のフリをして奨学金をもらうというオハナシ。 で、本作ではケヴィンが期待通りの愉快な男っぷり。キュートなこと、この上ないのです。梯子のダダ落ちなんて最高!A・サンドラーはどーでも良い。(キッパリ) なんでモテモテの役なのか謎。 脇で出てくるサンドラー組の人たちも、なにげに面白かった。和気あいあいと映画作りしている感じが伝わってきます。コメディではこういう、ハッピーが醸成される空気が大事ですね。そういうのもひっくるめて、個人的にはけっこう好きな作品。
[DVD(字幕)] 6点(2017-07-27 14:48:54)
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