421. ネバダ・スミス
《ネタバレ》 オープニングで登場したカール・マルデン、マーティン・ランドー、アーサー・ケネディの人懐っこさにまんまと騙された私。狂った目つきで狼藉の限りを尽くす姿が強烈過ぎる。執念でこの三人を追い続ける過程で多くの人と出会う事で成長してゆく少年を演ずるスティーブ・マックィーン(さすがに未成年には見えなかった)は何時も通りのクールさと何時もとは違う未熟さを見せる。ラストシーンでの「殺す価値が無い」という一言に、とるに足りない人間に憎む価値など無いと思っている私はいたく共感。物語に厚みを加えたブライアン・キース、ラフ・ヴァローネも忘れ難い。ウエスタンの秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-08-27 00:59:07) |
422. ハリケーン(1937)
ストーリーは監督ならではの反骨心溢れるものだけど、単調で都合の良さを感じた結末が物足りない。しかし、ハリケーンの凄まじ過ぎる阿鼻叫喚模様は圧巻。濁流の「ゴゴゴゴゴ~」と鐘の音の「ゴーン ゴーン・・」の迫力たるや。IMAXでこのシーンを見たら気を失ってしまうかも。ストーリーは忘れても映像は忘れられないでしょう。 [映画館(字幕)] 8点(2018-08-26 01:45:43) |
423. 私は告白する
《ネタバレ》 告解は「人殺ししました」であっても絶対他言しない。神父の掟を守り抜こうとするローガンが濡れ衣を着せられて追い詰められてゆくのを固唾を呑んで見守る。恩を仇で返す犬畜生にも劣るケラーのお蔭で、鑑賞翌日歯が浮いてしまって困った事に。ケラーとその妻とルースの告白を聞くローガンの胸の内をモンゴメリー・クリフトが魅せてくれる。タイトルの「私は」はケラーの妻を指しているように思えるもので、そのシーンに堪らず大泣き。何時もの洒脱さが影を潜める監督らしからぬ、それでいて見応えある秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-08-26 01:07:46) |
424. マンマ・ミーア!/ヒア・ウィー・ゴー
《ネタバレ》 41年前に購入して毎日聴いていた アルバム Arrival / ABBA 1曲目のWhen I Kissed The Teacher が物語の始まりで流れたのには参りました。いきなり大感激。 更に、Knowing Me, Knowing You My Love, My Life Why Did It Have To Be Me にも感無量に。 そして、Waterloo でピアノを弾いている後ろ姿がベニーに似ていると思ったらベニーその人だったのに大大大感激。 初のIMAXでの鑑賞も相まって酔いしれました。 映画用に改編されたのかもしれませんが歌詞と場面が合っていて歌に加えてストーリーもなかなかのものでした。 俳優では光り輝いていたリリー・ジェームズに拍手喝采。 オッチャン3人に10年の時の移ろいを味わいました。 [映画館(字幕)] 8点(2018-08-26 00:39:42)(良:3票) |
425. 恐怖(1961)
面白さが凝縮された81分間。兎にも角にも脚本が素晴らしい。独特のアングルのモノクロ映像とスーザン・ストラスバーグ、アン・トッドを固唾を呑んで見守る。8割がたは予感通りの展開だったが、分からなかった2割の部分に唸らされる。 皆様にお薦めしたい極上の逸品。初見の際は絶対に予備知識無しでご覧頂きたい。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-31 09:20:02) |
426. サマータイム・キラー
《ネタバレ》 幼少時に眼前で父を惨殺した者たちへの復讐譚。目元が父親似のクリストファー・ミッチャムは復讐鬼としての線が細く感情移入出来ず、ボクサー犬のほうに男気を感じてしまう始末。その点を補ってくれたのが、最近鑑賞した中で一番だったバイクアクションと瑞々しいオリビア・ハッセーと切なく甘酸っぱい音楽。そして特筆すべきは美味しい所をさらって行ったトップクレジットに相応しいカール・マルデン。マフィアに飼われている麻薬担当警部の地道に着実に一歩一歩近づく捜査に見入り、飼い犬に嫌気がさしたかのような行動に「あぁ、そんな事したら・・」予感通りの結末での諦観に満ちた姿が絶品。ラフ・ヴァローネ出演作という事で鑑賞した本作は掘出物の秀作でした。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-29 01:15:05) |
427. ミニミニ大作戦(1969)
《ネタバレ》 金塊強奪作戦はハラハラするところは無いもののCGの無い時代の3台のミニの逃走模様はワクワクし通し。ミニのこれ以上ない宣伝効果になったのではないでしょうか。カースタントチームの仕事ぶりに心からの喝采を送ります。マイケル・ケインを支える、ノエル・カワード、ロッサノ・ブラッツィ、ラフ・ヴァローネの贅沢な脇役陣の存在感がたっぷり。囚人でありながら刑務所の君主であるブリッジャーが作戦成功で皆の祝福に応えるシーンでのチャンチャンチャチャチャンチャチャチャチャ ブリッジャー!!が耳に残ります。「えっ、ここで終わり?」意表を突かれたラストショットは先の展開が色々と思い浮かんだ印象深いものでした。怒り悲しみ切なさやるせなさとは無縁のからりとした粋な味わいある秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-16 00:01:15) |
428. みかんの丘
ソビエト連邦から独立したジョージア(グルジア)とジョージアから独立を目指すアブハジア自治共和国のアブハジア紛争。自治共和国のエストニア人集落に2人だけ残る(他は戦乱を避けて帰国)木箱職人イヴォとミカン農家マルゴスは眼前での戦闘で生き残った二人を救出介抱する。片や義務感からのジョージア人ニカ、片や報奨金目当てでアブハジアに加勢する傭兵チェチェン人アハメド。4人が暮らした数日間の呉越同舟模様と結末の「エストニア人とジョージア人何が違う?」「何も違わない」がこの上なくやるせない。静かな語り口でありながら民族紛争の無情観を浮き彫りにさせる名作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-12 14:17:38) |
429. 哀愁の花びら
《ネタバレ》 陳腐であったのは邦題のみで現実味を感じさせられたショウビズ界舞台裏での愛憎劇は見応え十分なもの。ジュディ・ガーランドが思い浮かんだニーリー・オハラを演じたパティ・デュークの熱演が素晴らしく、お目当てだったスーザン・ヘイワードとの掴み合いは圧巻。母や夫を思い遣る人格者であっても才能無く容姿が売りのジェニファーを演じたシャロン・テートも酷評には値せず服毒シーンがやるせない。アンを演じたバーバラ・パーキンスは主役であってもインパクトに欠けた点が残念。三者三様の生き様を表したようなディオンヌ・ワーウィックの主題歌はほろ苦く余韻が深い。職人ぶりを感じたマーク・ロブソン監督の秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-07-07 21:56:57) |
430. 謀議<TVM>
《ネタバレ》 1942年1月20日にヴァンゼー湖畔の邸宅(元はユダヤ人宅)にて開催されたヴァンゼー会議の模様が描かれた作品。党・内閣・省庁・国務事務・治安機関・占領地責任者・親衛隊の15名の出席者の内13名が知らされていなかった議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」議長ハイドリヒと腹心アイヒマンの中では方針及び方策は決定済みであり、本件の権限を親衛隊に集約させる事も含めて全会一致の可決に向かって会議を進めてゆく。各々の立場から出される意見はユダヤ人を人間と思っておらず、口蹄疫の対策会議のよう。とりわけ印象深いのが激しく反対したニュールンベルグ法作成者のシュトゥッカートの「抹殺は法にもとるもので強制去勢で種を絶やせ、その際の混血におけるユダヤ人の定義を明確に」コリン・ファースの熱演もあいまって腸が煮えくり返った。人間が持ち合わせている感情から反対したクリツィンガーとて度合いが少ないものの鬼畜に変わりない。 他作品でゲスの権化だったハイドリヒは物腰は柔らかいものの発言の封殺や個別の恫喝で着地点に向かって突っ走り、アイヒマンは執事のように物静かにハイドリヒを補佐する。「白い巨塔」の教授会を見ているようだった。 後片付けする邸宅の使用人達も無邪気に雪合戦をして主人を待つ運転手達もヨーロッパ各地のユダヤ人達も謀議の内容を知るはずもない事が何ともやるせない。アイヒマンによって破棄された会議資料の内、戦後発見された№16のコピーの所有者はクリツィンガーだったのだろうか。 ほぼ全編に亘る室内会話劇は緊張が途切れない見応え満点の秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-06-18 15:38:53)(良:2票) |
431. 四枚の羽根(1939)
《ネタバレ》 代々軍人の家系で父親が将軍であるハリーは詩を愛する少年。成長して否応なく入隊したものの出征の段になって婚約者エスネを思い除隊する。 周りの非難の中で従軍した親友三人から卑怯者の証である白い羽根を送られ、エスネまでも彼に白い羽根を。 借りを返す一念からアラブ人に化け(その際額に焼きゴテをあてられるのに耐える)一敗地に塗れた三人の命を救い、ハルツーム奪還に貢献する。その常人を遥かに上回る勇敢さは製作年から戦意高揚を思わされると共に良心的兵役拒否について考えさせられた。 何度も泣かされてしまったのがラルフ・リチャードソン演ずるジョン・ダランス大尉。 失明し全滅して誰もいない砂漠で自殺をはかる姿に。思いを寄せるエスネの名を口にする姿に。自分の命を救ってくれたのがハリーだったと知った際にエスネに宛てた手紙に。 言いがかりの類だけど、ラストでのハリーの額に傷痕一つ無いのはいかがなものか。彼の生き様の証なのに。-1点。 砂漠での大迫力の戦闘シーンが人間ドラマに花を添える力作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-06-07 00:27:52) |
432. シーラ号の謎
《ネタバレ》 クリントンが誰がシーラを轢き殺したのかを知る事無く殺されるまでも見応えがありましたが、ここからがお楽しみの始まりだったのです。極上の脚本が、同姓同名の方かと思ったらアンソニー・パーキンスその人によるものだというのに心底仰天。南仏のロケーション、ケン・アダムによるシーラ号内装が実にゴージャスであり、ムービースターが一層輝いて見えため息が出まくり。お目当てジェームズ・メイソンには大満足!登場シーンで伏線の一つになっていた膝に乗せた幼女に向ける「ロリータ」以上に怪しさが漂っていた視線、リチャード・ベンジャミンとのラスト30分近くに亘る謎解きでの優雅な語り口、分が悪そうで手に汗握った決闘模様、アンソニー・パーキンスの皮肉が籠っているような意外な幕引きでの腹黒さが滲み出ている姿。変幻自在な演技に惚れ惚れするばかりでした。ジェームズ・メイソンのファンの方(いらっしゃれば)には勿論の事そうでない方にもお薦めの作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2018-06-04 12:30:57) |
433. 六番目の幸福
気の強さに鼻白む事があるイングリッド・バーグマンですが、本作での強さは何があっても信念を曲げず自分で困難な道を進む勇敢さと他者への思いやりも持ち合わせるものでひれ伏しました。ジェナイにとっての6番目の幸福とは逃げ出さない事に思えます。そんな彼女にジワジワと惹かれてゆくリン大佐の心模様もさることながら、滋味深い県長が絶品で彼女との別れのシーンでの万感胸に迫る姿に涙が溢れました。作品公開を待たず53歳で他界したロバート・ドーナットのラストパフォーマンスをこの先忘れる事はないでしょう。 [DVD(字幕)] 8点(2018-06-03 00:33:35)(良:1票) |
434. 裂けた鉤十字/ローマの虐殺
《ネタバレ》 1944年3月24日に起きた『アルデァティーネの悲劇』が描かれた作品。前日に起きたイタリア抗独パルチザンによる爆弾テロ事件に怒り狂った将軍の報復としてドイツ兵犠牲者1人につき50人のイタリア人を処刑せよとの命令に、ローマのゲシュタポ長官であるカプラー大佐(実際は中佐)が戦後の戦犯問題を考慮し異議を唱えベルリンも彼の意見に賛成する。諦めきれない将軍はベルリンにかけあいヒトラーの命令という形で24時間以内に1人につき10名の処刑が決定される。320名の処刑者リストの作成にあたり、死刑囚、死刑確定者、犯罪者、それでも足りない分をユダヤ人とかき集める状態。何度も考え直して数を揃える大佐の姿に悲哀を感じてしまう。更に、将軍との確執から処刑の実行役まで押し付けられ、場所や方法の算段をすることになる。この話をききつけたアントネッリ神父が司祭長やローマ教皇に助けを求めるも静観するだけお祈りするだけの役立たず状態。遂に大佐に直談判するが、大佐は逆に「もう、後戻りは出来ない」と腹を括る。 二人の対峙に胸が詰まってしまったのに、更に更に地獄絵図のアルデァティーネ洞窟内での二人に胸が潰れそうで暫く立ち上がれなかった。このシーンが2018年鑑賞作中最もショッキングなものでした。 こんな形で職責を果たさねばならない大佐の無念さと祈りが訳が解らぬまま奪われる命を救えない神父の無念さをリチャード・バートンとマルチェロ・マストロヤンニが持ち味であるドライな演技で示してくれた秀作。二人が語りあった「軍隊の無い世界、宗教の無い世界」が理想郷なのだろうかと考えさせられました。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-29 16:42:17) |
435. キー・ラーゴ
味わい深い面構えと言えばこの二人と思うエドワード・G・ロビンソン、ライオネル・バリモア共演が嬉しいったらありゃしない。ギャングのボスとして器が大きいのは見かけだけで実態は卑怯千万の情けない輩と、足は衰えても(実際に車椅子生活を送っていたそうで、力を振り絞って立ち上がったのでしょう)魂は健在の爺さん、対峙する二人に見惚れてため息が出ます。間に入ったハンフリー・ボガート、ローレン・バコール(実生活で25歳違いの夫婦なんですね ビックリします)がもうひと頑張りして欲しかった。物語的には物足りないもののお宝映像を拝めたありがたい作品。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-20 00:08:33) |
436. ジュリアス・シーザー (1953)
本作の主人公はブルータスであり、最初から最後まで思い迷っていた青臭い理想主義者を演ずるジェームズ・メイソンの実直な演技に魅入るものの心揺さぶられる事は無かった。一方で謀反の首謀者にして権力欲の塊カシウスを演ずるジョン・ギールグッドの飢えた狼のような眼差しが絶品。彼が現れる度に画面が不穏な空気に包まれ、ジェームズ・メイソンをも凌ぐ気迫に圧倒されました。もっと長い尺で登場人物の心の内を見せてもらいたかった。 movie legends 同士のツーショットのお宝映像に大感激で購入したDVDは私の大切なたからものになりました。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-18 01:45:12) |
437. ロード・ジム(1965)
《ネタバレ》 お目当てジェームズ・メイソンの他にピーター・オトゥール、クルト・ユルゲンス、ジャック・ホーキンス、イーライ・ウォラック、ポール・ルーカス、エイキム・タミロフと重厚な俳優陣にビックリ。更に伊丹十三(この時は一三)出演に二度ビックリ。異国情緒溢れる舞台で、消えない過ち(事故シーンの迫力は特筆もの)に苦しみながら転落人生を懸命に生きるジムを熱演するピーター・オトゥールが素晴らしい。手に汗握った戦闘シーンの決着にハッピーエンドで良かったと思った時に、ジェームズ・メイソンが登場していない事に気がついた。??? 1時間48分を経過して、ペストよりも多数の人を殺したという鬼畜船長、人呼んで「紳士のブラウン」としてご登場。 クルト・ユルゲンスを子供扱いする貫録を示し、ジムの本質を見抜くあたりは流石の存在感。しかし、小汚い真似でジムを破滅に追いやる極悪人ぶりがステレオタイプで迫力に欠けたのが残念。 死をもって過ちの呪縛と訣別しようとするジムと彼を連れて帰ろうとするスタインとのやりとりに胸が詰まる。 長かったもののブラウン船長登場以降のシーンは本作にとって欠かせないものだった。 ジムの生涯を描いたスケールの大きい冒険活劇且つ人間ドラマとして十二分に楽しめた逸品。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-14 02:54:49) |
438. イグアナの夜
オープニングクレジットにあったテネシー・ウィリアムズに期待と不安が入り混じる。『ロリータ』に続いてオヤジを窮地に追い込むスー・リオンに、「飽きもせずこの小娘が!」上がる血圧をクスッと笑えるリチャード・バートンの受け答えが下げてくれる。コメディものなのかと思っていたら、バートンが中国まで泳ぎに行こうとしてからラストシーンまでのデボラ・カー、エヴァ・ガードナーとの三人で過ごした一夜が実に味わい深く座り直して鑑賞する。特筆すべきはエヴァ・ガードナー。アン・バンクロフトをエキゾチックにした感のある男前な彼女が夜のビーチでマラカスボーイ2人組と絡み合う圧巻のシーンは「寂しい時に見る景色は美しい」が思い浮かんだ。初めてリチャード・バートンの色気を感じた作品で、不安が消し飛び尚且つ私の願い通りの結末が嬉しい。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-13 21:26:31) |
439. 第七のヴェール
「ある日どこかで」のクリストファー・プラマーとジェーン・シーモアを彷彿させるニコラスとフランチェスカの関係。迫力に圧倒された二度のコンサートシーン(グリーグ:ピアノ協奏曲第1&3楽章、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番第1&3楽章)において、フランチェスカを見守る屈折した男ニコラスの眼差しに、芸術だけではなく彼女も愛しているのが透けて見え胸をかきむしる思いに。ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番第2楽章を弾くフランチェスカへの一緒にいてくれとの必死の懇願が聞き入れられず激昂する姿も切なさで身悶えする。恋敵二人はニコラスに敵うはずもないのだが刺身のツマの如く無くてはならない存在だった。本作で完全に虜となったベルベット・ボイスのジェームズ・メイソンに酔い、クラシック音楽も堪能出来た逸品。赤ワインを買ってきてもう一度最初から鑑賞しほろ酔い気分で3つのシーンを何度も何度も観直してはキュンキュン。映画って本当にいいもんですね。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-06 21:15:16) |
440. ブラジルから来た少年
ヨーゼフ・メンゲレという実在した鬼畜医師を演じたのが「アメリカの良心」ともいうべきグレゴリー・ペックというのに仰天。私だって一度はこういう役をやってみたかったんだよと言わんばかりの怪演が特筆もの。ナチハンターのローレンス・オリビエ(この人もメンゲレ役が似合いそう)との肉弾戦はご老体同士とは思えない迫力で、それ以上にドーベルマンとの肉弾戦もどうやって撮影したのだろうと思うもの凄い迫力。意図が不明な陰謀の全容が明らかになってゆく過程に引き込まれ、荒唐無稽であるのに妙なリアリティがあり余韻が残る。お目当てジェームズ・メイソン(この人が一番メンゲレ役が似合う)の存在感の薄さを補って余りある秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2018-05-06 00:17:27) |