421. トータル・リコール(1990)
《ネタバレ》 ディックファンとしては、やはりアクション大作としてではなく、クローネンバーグに不条理な世界を描いてほしかった。とはいえ、『ロボコップ』の成功で上昇気流に乗っていたバーホーベン監督のパワフルな演出にもそれなりの魅力があり、飽きることなく最後まで楽しむことができた。また、モニターでのみ登場のスパイ役もシュワが意外と好演していたのが印象的。 7点(2003-11-23 09:30:28) |
422. バトルランナー
《ネタバレ》 S・キングが別名で書いた作品が原作となっているが、映画は設定だけを借りた全くの別物になってしまっている。原作にあった主人公の怒り、そして自己犠牲は案外胸を打つものであり、当時ならばスタローンにこそふさわしい役であった。いくら感情を演じられないシュワを主役に据えるからといってここまで変えてしまうのはいかがなものか? 原作未読の方、よかったら原作にも目を通してみてください。 4点(2003-11-23 09:20:57) |
423. ラスト・アクション・ヒーロー
《ネタバレ》 小ネタ(カメオ出演・スタローン版T2・現実のシュワの情けなさなど)は楽しめたもののやはりトータルで考えるとだらけすぎていて眠気が起きる。そうそうこの作品、俺、観月ありさと観たんだよ。すごいだろ!!!(といっても、有楽町の劇場のエレベーターに観月ありささんとマネージャーさんが一緒に乗り込んできただけ。当然彼女は指定席。俺は・・・) 3点(2003-11-23 09:01:36) |
424. ターミネーター3
本来ならばキャメロンが演出をするのがベストなのは当然だが、J・モストゥのアクション演出も決して悪くはなかった。不評のN・スタールも父親カイルを彷彿とさせるルックスで目的を失った青年の成長を上手く演じている。中盤のプロットの停滞が不満だが、負け戦必至の勝負に挑み、ラストでは深く観客を悩ますテーマを突きつけたモストゥに何はともあれ拍手を送りたい。 7点(2003-11-23 08:54:43) |
425. ターミネーター2
キャメロンの当初の想定を思い起こさせるR・パトリックの悪役。T1000の魅力でこの作品は成立している。シュワのイメージアップのためのキャラ変更やメジャー作品ということを強く意識した子供との心の交流など、前作に比べると随分甘くなってしまったなぁというのが本音だが、『シェーン』を彷彿とさせる(柏田道夫氏の指摘)プロットもそれなりには味がある。 6点(2003-11-23 08:47:43) |
426. ターミネーター
キャメロンの当初の想定通りランス・ヘンリクセンが悪役を演じていたならば、おそらくもっと怖い作品になりえただろう。人類最強の肉体を誇るシュワと華奢だが不気味さの漂うサイボーグの死闘。考えただけでもよだれが出てしまう。とはいえ完成作も素晴らしい出来で今となってもその迫力は色褪せない。 8点(2003-11-23 08:42:21) |
427. ガメラ3 邪神<イリス>覚醒
山咲千里や手塚真人が絡んでくると話が見えなくなってしまった。ヒロインの造型・演技力は3作の中で一番優れていたにも関わらず、プロットが迷走していくために充分な成果を上げていないのは皮肉なところ。全てがそろうことはないのかな・・・。 4点(2003-11-23 05:36:39) |
428. ガメラ2 レギオン襲来
レギオンの造型になじめず、前作ほどはのめりこむことができなかった。しかし、怪獣を生物として捉えるスタンスはそのままで見応えあるプロットだったと思う。 6点(2003-11-23 05:31:41) |
429. ガメラ 大怪獣空中決戦
ギャオスを生物と捉えた脚本が素晴らしい。特撮マニアではないが、夕陽に映えるギャオスは確かに美しかった。残念なのは、演技が稚拙なキャストが多かったこと。金子修介監督も残念ながらギャオスと違って人間は上手くコントロールできなかったようだ。 7点(2003-11-23 05:27:51) |
430. 蒲田行進曲
《ネタバレ》 文句なしに面白い快作。男同士の狂おしい愛が涙と笑いを誘う。(「同性愛」という意味ではない・・・念のため)とここまでは満点なのだが・・・個人的にはあのラストはいかがなものか。映画が虚構であることは重々承知しているが、何も監督自ら観客の夢を唐突にさめさせる必要はないだろう。観客にとって映画だけが自ら選択し、自ら覚めることのできる夢なのだから・・・。 7点(2003-11-23 05:21:47) |
431. カフス!
今観るとどうかは疑問だが、まだ若かった公開当時には、スレイターのはじけっぷりが面白く感じたものだ。それで友人にすすめるとみんながこぞって『カフス!』ファンになったのも懐かしい思い出。T・ゴールドウィンやミラが出ていたが、そちらの印象はあまりない。採点はきっとかなり甘め。 7点(2003-11-23 05:10:16) |
432. KAFKA/迷宮の悪夢
カフカが好きでJ・アイアンズが好き。この映画を楽しむ資格は充分だと思ったのだが・・・そうか・・・ソダーバーグ苦手だったんだ! 『セックスと嘘とビデオテープ』よりも映像に懲りまくり、写真としてはキレイだが中身のない映像の羅列になってしまっていた。カフカの不条理の世界とただ意味のわからない世界は似て非なるものであることをふまえてほしい。 3点(2003-11-23 05:05:31) |
433. カナディアン・エクスプレス
定石をはずさない脚本で手堅くまとまっていて楽しめた。しかし・・・今ひとつ弾んでいなかったのも事実で、ハックマンの芝居が少々重厚すぎたように思える。アクションものに徹するか、もっと人間ドラマを重視するか。娯楽作品としては、もっと徹底するべきだったと感じる。 6点(2003-11-23 04:57:05) |
434. カットスロート・アイランド
パワープレイしか頭にない監督の特徴が悪い方にばかり出てしまっている。ジーナ・デイビス、マシュー・モディンとキャスト的にも大作としては弱いのだから、キャラクター造型に力を入れなければならない。そこを怠るから観客に観たいと思わせられない。冷たいようだが、興業成績が不振だったのは必然といえるだろう。 3点(2003-11-23 04:49:34) |
435. 勝手にしやがれ
正直言ってこの映画の良さがわからない。どなたかも指摘されている通り、当時としては斬新なカメラワークでよかったのだろう。映画史に残っていくであろうことも頭では理解できる。しかし、この映画をもとにより洗練された映像に慣れてしまった俺には、資料以上の面白みを見いだせない。 4点(2003-11-23 04:38:49) |
436. ガタカ
A・ニコルは「虚構と現実の狭間」にとりつかれている作家である。その果てにかいま見える「自己」。D・クローネンバーグと同じような題材を扱いつつも、比較的観客を突き放さない現実的なフィールドで上手くさばいていくことができる作家。観客を喜ばす意味では利点であるが、その結果あまりに無難に、しかも結末が甘くなりすぎているのも事実。もう一段深く監督自身が自己探求した上で、次回作に臨んでほしい。真の傑作誕生の日は近いはずだ。 7点(2003-11-23 04:33:41)(良:1票) |
437. 家族ゲーム
森田芳光の才気を再認識できる映画。松田優作の暴力性をうまくコントロールし、静かな恐怖と笑いを生み出している。現場での衝突があったらしいが、やはり森田監督は優作との仕事が楽しかったのだろう。『模倣犯』においてまで、中居に優作を演じさせようとしたのだから。優作の早すぎる死が映画界にとって大きな損失だったことを痛感する。 8点(2003-11-23 04:31:59) |
438. カジュアリティーズ
力作ではあるが、如何せん主役がミスキャスト。また、脚本的にもマイケルの視点で描きすぎていて、キレイ事という気がしてならない。戦争を肯定するつもりはないが、ただ否定しても仕方がないと思う。戦争はどうして起きるのか。もっと根本的な要因にこそ目を向けなければならない。感傷的なだけの戦争映画はそろそろ卒業するべきでは?。 3点(2003-11-23 04:22:11) |
439. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 個人的にはこれはフェア。嘘供述だけじゃないかとの批判もあるが、供述が真実である必要がどこにあるのか。刑事に容疑者が取り調べられているのだ。嘘の可能性を疑わない方がおかしい。俺はスペイシーが誰かをかばっているのか、真犯人自身かどちらか見極めようとの姿勢ではじめから映画を観ていた。それでも騙されてしまったが、供述VTRにはソゼでなければ語れない真実が頻繁に現れる。船長・ロープには特に注目せよ! 9点(2003-11-23 04:15:17)(笑:1票) (良:2票) |
440. 顔のない天使
ニック・スタールの独特な雰囲気が素晴らしい。これで主演がJ・アイアンズやD・D・ルイスのような深みある俳優であったならばもっとよかっただろう。ラストの抑えた演出といい、監督としてはM・ギブソンは充分合格点。 7点(2003-11-23 01:33:55) |