521. ツォツィ
《ネタバレ》 南アフリカでも、アメリカのドラマに出てくるような暴力が現れるのですね。 これからフロンティア国が発展していくと、どんどんあちこちの国で このような光景が見られるのでしょうね。 でもツォツィには地面に根差したような逞しい性根を感じました。 誘拐した赤ちゃんと触れるうちに、芽生えた感情でしょう。 ラストの涙は・・ [DVD(字幕)] 7点(2019-09-23 15:18:35) |
522. ビブリア古書堂の事件手帖
《ネタバレ》 また、こりゃ使えない男(ヒーロー役)だな~と失笑してしまったが、 訳があったんだね。 因縁の二人の対決だったわけだ。 でも最後の台詞は、君のものじゃないね(笑) 華ちゃんの笑顔がナイスでした。 う~ん、本とミステリー、相性いいので、面白い素材だとは思うけど、 せっかく鎌倉が舞台なら、「鎌倉ものがたり」であれだけのSFXを使ったんだから、 もっと創造力豊かな、名作「薔薇の名前」のようなミステリーが観たかったというのが正直なところ。 でも三島監督だもんね。女性らしいまとめ方で好感持てます。 誰か骨のある監督さんが創る、日本文学史とSFXを使った歴史ミステリーで挑む 壮大な本の物語を観てみたいですね~ [DVD(邦画)] 7点(2019-09-23 00:29:37) |
523. 64/ロクヨン 後編
《ネタバレ》 誘拐犯からの電話は、誘導先からの電話ばかりで探知できない。 そして逆探知できる一瞬のチャンスを、警察側のミスで永瀬演じる被害者しか犯人の声を聞けなかった。 ミスを隠ぺいする警察組織と、その声を手がかりに、一人で犯人を見つけ出す永瀬。 その間に隠ぺいして、嘘でこわばっていく組織の中で、自分を見失うまいと頑張る佐藤浩市演じる警察官。 まさに組織の時代の昭和、携帯電話のない昭和にしか生まれえなかった傑作です。 瀬々監督は、事件の裏にある人間への関心が強い。 佐藤浩市演じる人間であり続けた警察官と、分厚い電話帳の中から犯人の声を探し出す永瀬演じる被害者。 この二人の強烈な人間に、エンディングの後、彼らといつまでも一緒にいたいという余韻をもたらしてくれた映画だった。 瀬々監督、これからも人間描いてくださいよ。 [DVD(邦画)] 8点(2019-09-22 17:01:24) |
524. 64/ロクヨン 前編
《ネタバレ》 面白い! 錚々たる顔ぶれで贈る大作である。 腰掛なんていない、誰しもが体を張って、自分が正義と思った世界の中で生きている。 しかし組織は、そんな個人の想いと別に配属されていく。 昭和最後の誘拐事件未解決のまま、県警広報課として、警察の顔に配属された警察官を 佐藤浩市が全身全霊で挑む。 実名報道の議論で、警察広報と記者クラブがぶつかる。 組織との板挟みになり、苦悶の末、自らの首をかけて、働く人々の良識を信じ、 記者クラブに誘拐事件長官訪問の取材を記者クラブに許可させたその時に、 あの未解決事件の犯人がまた事件を起こしたと思われる展開。 県警組織すべてが騒然とした中、以下、後篇に。 俳優も本気なんだよ!と言わんばかりの熱い男たちのドラマが映画の中で展開される。 待て!後編へ! [DVD(邦画)] 8点(2019-09-22 14:29:09) |
525. 刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM>
《ネタバレ》 ついにピーターフォークが亡くなってしまった!「デッドロック」で長老のような役をやっていたから、もうかなりのお歳なんだろうなぁとは思っていたけど・・。残念です。「寅さん」が渥美清なら、「コロンボ」といえばこの方だったのに。新聞の天声人語に紹介されていたので、本作品を観ました。そしたら、あぁ覚えている、覚えている。かなり前に観ていた作品だった。警察の同僚に自分の代わりに銃のテストに出てくれと頼むシーンがあったり、ワンちゃんとの絡みもあったり、事件に関係ない場面が挿入されており、それがコロンボのヒューマンなところとして描いているため、ラストの本作品唯一の犯人を捕まえない彼の味として生きてくる。コロンボシリーズの中でもかなり好きな作品。 [DVD(吹替)] 7点(2019-09-21 18:53:51) |
526. 楢山節考(1983)
《ネタバレ》 とにかくこの頃の日本映画は不評だった。 日本映画はつまらない、というのが映画を観ない人には常識だった。 その頃のカンヌを「戦メリ」と競い合って、この映画に軍配が上がった。 前半はそれほどの映画か?と思うのだが、観終わると感動がある。 舞台はいつの時代かは不明だが、貧しい山の農村。 そこでの姥捨てを描いた話だが、「生と死」というテーマは多いのだが「性と老死」というのは 今村監督ならではのユーモアというかセンスというか・・ 戦後、アメリカ文化がどっと流れ込んでくる中で、多くの映画監督がアメリカ文化に影響を受けたが、 今村監督はセックスを果敢に映画にとり入れた。 そもそもがセックスの日本語訳はないので、日本に相性のいいものかどうかは置いといて、 前半はとにかく童貞喪失のドタバタが続く。しかしそれは山の生活を描写するためで、 本筋は後半の姥捨てである。 もう坂本スミ子と緒形拳の別れのシーンはもう涙なしでは観られない。 カンヌを取ったのもうなづける逸品だ。 [DVD(邦画)] 7点(2019-09-21 18:47:17) |
527. 地の群れ
《ネタバレ》 社会派の熊井啓。 彼は人間を見つめることで社会を問う。 決してシステムなどには目を向けない。 鑑賞後、問われているのは私たちだ、という作りである。 原爆の苦しみ、その後の日本での差別の苦しみ。 被爆者の行き場のない気持ちは、女の子の暴行事件を起こしてしまう。 その女の子もまた、日本で差別されかねない地域の子だった。 そして高度成長の日本の置き忘れている問題を表すかのように、 女の子の恋人がもがき苦しむのを、団地の若奥さんたちが鈍感に笑う。 心を失った医者の存在も我々に突き付けてくる。 長崎という場所の特殊性もある。 原爆を落とされたうえに、米軍基地があるのだ。 被爆者の複雑な気持ちは、想像ができないほどのものだろう。 熊井啓監督は、冷徹なまでの演出技術で、怒りを伝えてくる。 [DVD(邦画)] 7点(2019-09-21 15:04:17) |
528. 十九歳の地図
《ネタバレ》 ちくしょう!チクショウ!畜生! この主人公の最後の方の叫びは、悲しい。 現実はこうだ。 が、その時、マリアに彼は出会うことになる。 ゴミ捨て場から洋服を見つけたマリアの幸せそうな表情。 男の凍った心に熱いものを感じさせたろう。 柳町と中上のコンビの映画は、どこか心に刺さる。 「火まつり」も好きな映画だ。 [DVD(邦画)] 7点(2019-09-18 23:13:40) |
529. 日日是好日
《ネタバレ》 一期一会の精神を、お茶を通して学んでいく、大事にしたい小品。 「ゲルマニウム」や「さよなら渓谷」の大森監督がこの作品を撮ったのが興味深い。 彼は、映画を創ることで色々考えるために、作品を選ぶのかもしれない。 それにしても、これがうわさに聞く楽茶碗か!? 写真でしか見たことないが、映画で見るとなかなかグッとくるものがありますね。 [DVD(邦画)] 7点(2019-09-14 17:58:21) |
530. 運び屋
《ネタバレ》 イーストウッドの映画は、大きく分けて3つに分かれると思う。 まず、売れっ子の頃の西部劇、ダーティハリーもののアクション映画。 次が監督をし出して、自分を投影させたような人物を自身で演じる映画。 そして自身は出演せず、アメリカの歴史を描いた映画。 この「運び屋」は2番目の自分を投影させた映画だ。 まだ壮年の頃は、「目撃」のように絶体絶命の場面から逃げ切る映画もあった。 だから僕も、この映画も最後はうまく逃げ切るのではないかと思ってた。 でも、イーストウッドは無理をしない。 派手なカーチェイスもなく、あっさり幕である。 最後の刑務所で喜々と花を育てるイーストウッド演じる老人が幸せそうなのが、嬉しかった。 [DVD(字幕)] 7点(2019-09-14 16:22:12) |
531. 続・丹下左膳
《ネタバレ》 文句なく面白い! いや、映画ファンなら、この映画の脚本の伊藤大輔作品は 観ておかないと何も言えないくらい勉強になります! 前回で活躍した面々がこの続編でも動く、動く。 なんと、丹下左膳の主君は彼を捨ててしまい、しかも妖刀奪取のため、 剣客をよこすのである。 一方、捨てられた丹下は、妖刀の呪いに負けまいと懸命に自分と戦う。 そして、片割れの剣をもった若きイケメン剣士が今度は、妖刀の呪いのため、 辻斬りを、しかも丹下の刺客を斬っていくという、もう前代未聞の展開。 そして最後はシェイクスピアを観ているかのような、ラストを迎える。 黒澤明は確かに凄い! しかし、それだけでは日本映画を語れぬくらい、芳醇な作品がまだまだ 埋もれていることを知るべきである。 [ビデオ(邦画)] 10点(2019-09-14 13:13:35) |
532. イレイザーヘッド
《ネタバレ》 心に封印した、子どもの頃の小動物を虐待した記憶を 引っ張り出すような映画。 まぁそういうのもアートの役目なのかな。 何してるんだろ、この人、何者だろ、この人、リンチのそういう演出術は もうこの頃から出てきてるね。 SFXを白黒で撮影すると、悪夢みたいな新鮮な映像になるのは、発見だった。 [DVD(字幕)] 6点(2019-09-13 21:00:59) |
533. 権三と助十
《ネタバレ》 伝説の伊丹万作作品をついに観たぞ! 素晴らしい! 人のいい長屋の大家と、クセのある長屋の面々。 ある日、長屋の一人が無実の罪に問われる。 そして長屋の彼らが大岡越前に挑む! 大家が計略を図る。そして真犯人を捕まえるべく、大あらわ。 まさかのどんでん返し! (大岡様はすべてお見通しだった~!) 気持ち晴れやか大団円♪ もう映画の楽しさ、満載! [ビデオ(邦画)] 8点(2019-09-12 23:05:51) |
534. マッドマックス サンダードーム
《ネタバレ》 本作のマッドマックスをカーチェイスものとして観ると、がっかりするかも・・ マッドマックスシリーズとは、近未来荒野ものとしての世界観が肝なんですね。 1作目で戦士マックスが誕生して、その後核戦争後の世界にあちこちできた人の集落を 転々と渡り歩くマックスの物語。 そういう意味ではナウシカのユパさまみたいな人なんだね。 それが分かると、単純な悪と正義の話でない本作も味わい深い。 4作目もその世界観で染まってるし、なんと5作目ももうすぐジョージミラーが 制作予定とのこと。※マッドマックス ザ・ウエイストランド 楽しみですね~ [DVD(字幕)] 7点(2019-09-08 20:13:39) |
535. マッドマックス2
《ネタバレ》 古典ですよね。 「駅馬車」みたいに、無駄がなく、面白い。 上映当時、自分が高校生の頃で一緒に観に行った奴は、この映画のインパクトが 強すぎたためか、悪側についてしまった。 自分は、この映画も含めて当時の娯楽映画を浴びるほど観て、 映画バカになってしまった(笑) 話のオチ、バイクアクションにジャイロコプターを組み合わせた意外性、 車に仕掛けた爆弾、銃の弾、野生児、野良犬などなど 巧いよね。 今観ても、面白い。 [ビデオ(字幕)] 8点(2019-09-08 14:17:01) |
536. 日本のいちばん長い日(2015)
《ネタバレ》 実話なんですね。 玉音放送の裏でこんな事が起きてた・・ 敗けを認めるわけですからね。 男たちのドラマでした。 [DVD(邦画)] 7点(2019-08-31 21:40:20) |
537. 事件を追え
《ネタバレ》 ピーターイエーツがヒッチコック調の映画を撮った! 煮え切れぬイケメンのジェフダニエルが、綺麗なマクギリスさんと共演。 ラストも、ジェフなら、あんな押しの弱い展開も致し方なし。 でもイエーツって地味だけど、面白い素材で映画撮ってだよね~。 職人だよね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2019-08-30 20:33:03) |
538. 容疑者(1987)
《ネタバレ》 ご贔屓のピーターイエーツ監督作なので、拝見。 なるほど!陪審員と弁護士が協力して、犯人を見つける(違法だけど・・) この着眼点は面白い! シェールは、独特の美しさで、窮地に陥っても、なぜか焦ってるようには見えないくらい、 クールな人ですね。 無名のリーアムニーソンが出てるのが発見だった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2019-08-28 11:01:46) |
539. ロスト・ハイウェイ
《ネタバレ》 ???? デビッドリンチはアートである、という話を聞いたことがあるが、 この映画ってアートなんだろうか? 映画として事態がきちんと収まるとこに収まっていれば、何も言うことないのだが、 よく分からなかった。 「ブルーベルベット」は面白かったけど、これはちょっと・・ 自分にはリンチは合う作品と合わない作品があるみたいです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2019-08-25 09:06:47) |
540. ボヘミアン・ラプソディ
《ネタバレ》 青春時代、友だちにバンドやってる奴がいて、「大変なことが起きる」と 熱く語っていたなぁ~。それがバンドエイドだった。 もちろん自分も好きなバンドも出てて、興味持ってたけど・・ 何が言いたいかというと、もう俺らも伝説に立ち会った人間になってしまったなぁ、てこと。 今までは、先輩たちが「ウッドストック」とかシミジミ語っていたのを聞いて、 「知らないし・・」とか言ってた側だったんだけど・・ 年とったなぁ(笑) お馴染みのクイーンの曲で楽しみました。 観てて泣くとは思わなかったけど(笑) [DVD(字幕)] 7点(2019-08-24 20:21:15)(良:1票) |