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ダイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 67

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41.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
話はシリアスながらコントラストが美しい映像と各登場人物を必要以上に間抜けに描くことにより、独特のテンポ、品格及びユーモアを醸し出すことに成功している。また、あんだけドンパチやりながらも1人も死人が出ないがゆえ、劇中唯一触れられる死のモノ悲しさ、美しさ、優しさがより際立っているので、ラストの天国の象徴として表現される雲が画面イッパイに広がって「天国の扉」が流れる・・・というベタなセンスも今回は許しましょう。なお、主役名「マーティン・ブレスト」はミッドナイト・ラン等でお馴染みの監督と同じ名前だけど、育った環境も性格も異なる男2人の友情を描いたロード・ムービー、ということでちょっとしたオマージュになってるのか?とも思ったが、エルビス~ピンクのキャデラックが象徴しているように映画全体が「アメリカ」に対する憧憬に占められているのであり、その点こそがアメリカ映画との差異なのですね。力作。
8点(2002-01-24 22:06:20)(良:1票)
42.  この森で、天使はバスを降りた
ストーリー及び人物設定は些か平凡であり、映像及び音楽(ジェイムス・ホーナーってそんなに良いかな?)にも評判ほど感動はしなかったが、本作を少なくとも佳作以上として評価したくなるのはパーシー、ハナ、シェルビー役を演じた3人の女優が素晴らしいから。特にパーシー役のアリソン・エリオットは、一見ぶっきらぼうでありながら、端々からこぼれ落ちる憂いに満ちた純真さが私的ストライクゾーンでして、即ファンになってしまいました。賛否両論あるラストについても、彼女が去った後に残った住民たちの笑顔と活気がペシミズムに陥るのを回避しており個人的には好きです。
8点(2002-01-11 12:28:17)
43.  ディープエンド・オブ・オーシャン
展開は地味ながら、丁寧に撮られており(画面からは澄み切った空気までが漂ってきそうだ)、ラストにはジワリと感動させられる。主演のミシェル・ファイファーも当初の「快活で若々しい理想的な母親像」から息子を失い絶望にくれる表情まで、迫真とも言える名演をしており、実に素晴らしい。それとタイトル名なんだけど、いったいどういう意味が込められているのであろうか?母親の憔悴しきった心理状態か?とも思ったんだけど、それは「雪山」として表現されてたしな・・・
8点(2001-12-04 20:27:40)
44.  ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
過剰なまでの暴力描写、既成曲の使い方及び洒落た台詞を積み重ねることにより醸し出されるリズム感等は確かに「タランティーノ以降」を感じさせられるが、本作を際立たせているのは細部まで練り上げられたストーリー及び脚本であろう。序盤、登場人物の多さにイメージが拡散しそうになりつつも、話が進むにつれ一つの大きな流れが形成されてくるとともに、パズルの各ピースがピタリと符合するかのような快感を得ることができる。映像もスタイリッシュなことだし9点!といきたいところだが、選曲とキャスティングのセンスにもう一捻り欲しかった、ということでマイナス2点、口にしたときの響きが最高にカッコ良いタイトルに1点プラスして
8点(2001-10-08 02:14:37)
45.  スパルタカス(1960)
ベン・ハーやクレオパトラと並ぶ歴史物超大作だが、とにかくやたらと金とエキストラを使いまくっており(今の時代では絶対CG使わないと映像化できないだろう)、特に奴隷軍とローマ軍の戦闘シーンはただただ圧巻。しかし、主演のカーク・ダグラスにイマイチ魅力を感じられなかったり、監督があのキューブリックであるということを意識し過ぎたせいか、個人的には正直あまりのめり込めなかった。聞くところによると、本作の撮影に際してキューブリックは作品のコントロールをまったく行うことができず、出来そのものにも相当な不満を持っていたらしく、実際、作風があまりにハリウッド然としており、本作以外の諸作品と比べるとどうしたってその作家性の希薄さは否めないだろう。同じく歴史物ならバリー・リンドンの方がずっと好きだな。
8点(2001-08-04 02:31:46)
46.  アイズ ワイド シャット
これは本当に評価が難しい作品だ。内容は妻の貞操観念が思ったより軽いことにショックを受けた主人公がヤケになって乱交パーティに潜入したけど主催者側の怖いおっさん達に脅されて、やっぱ身の丈に合わんことはするもんじゃないよね、と気づくだけのなんともショボイ話なんだけど、さすがはキューブリックで、この程度の話なのに2時間半強、まったく退屈せずに見ることができた、ということで逆説的にその力量を示しているのか。それとやはり映像と音の使い方は素晴らしく、特に乱交パーティのシーンで赤いマントを着た人が杖を床に突き立てるシーンの色彩感覚とあまりに禍々しいBGMのセンスや、主人公が尾行される時に使われるリゲッティによるピアノの挿入などは白眉。しかしキューブリック自身「本作が私の最高傑作」と語ったらしいが・・・どうでしょう?なお、点数は思いっきりエコヒイキが入ってます。
8点(2001-07-29 01:43:02)(良:1票)
47.  サイダーハウス・ルール
M・ケイン演じる先生は、毎夜、孤児たちに「メインの王・・・」と語りかけ、ファジーは人にもらわれたと思い込ませ、孤児院の管理者達にはホーナーは一流の大学出の立派な医者だと説明し、そして、ホーマーの心臓は・・・。本作にはいくつもの嘘が語られる。しかし、それはあくまで優しさに裏打ちされたものであり、そこでは例えば「嘘はついてはいけません」とかいう教条的なおしつけ、あるいは一見普遍的と思われる倫理や規則などより、人生においてはもっと大切なことがあるのだというメッセージが込められているのであり、それゆえに小屋に張られてあった規則(サイダー・ハウス・ルール)を燃やす場面が象徴的に扱われているのだと思う。それとやはり映像的に大変美しく、個人的にはホーマーが初めて海を見るシーンの海の青さと砂浜の白さ、林檎園で風に吹かれて舞い散る落ち葉などがすごく印象残っている。
8点(2001-07-29 01:14:24)
48.  パリの恋人
なんかヘップバーンて「経済的にあまり豊かでなくて、自分の美貌にもまったく気づいてないけど、あることをきっかけにその美しさに気づかされ世間を魅了していく」というような役ばっかりやってるような気が・・・。まあ、そんなことはともかく本作は映画史上屈指のオシャレ&フォトジェニックな秀作だと思います。評価するうえでストーリーなどは気にすることは無く、ただ、その画面に魅了されるべし。アステアはもちろんのことだが、ヘップバーンも無茶苦茶ダンスが上手で、特に酒場のシーンはスゴイ!
8点(2001-07-24 23:36:54)
49.  イグジステンズ
うーん、皆結構厳しいな。でも、クロネンバーグはテクノロジーと人間によるグロテスクなまでの止揚とでも言えば良いでしょうか?とにかく、そういったテーマを何十年も昔から扱ってる人ですし、本作のように現実とバーチャルリアリスティックな環境の微妙なハザマについてもマトリックスよりも遥か先にビデオ・ドロームで扱ってるんですよね。まあ、それゆえにワンパターンと評する向きもあるかもしれませんが、例えばデビッド・リンチやサム・ライミがかつての趣味性を捨て、大人っぽい映画を撮るようになってしまった昨今、ここまでわが道を行ってくれることには拍手を送りたくなります。個人的に好きなシーンはスペシャルを注文するところで、歯が弾丸になっている銃についてはレイモン・カーセルのカルト小説「ロクス・ソルス」を何故か思い出してしまいました。
8点(2001-07-23 23:01:28)
50.  ブギーナイツ
個人的にはマグノリアよりむしろ好きな作品。主人公には何の取り得もなく家族にすら愛想つかされてしまうような少年なのに、たった一つナニがデカイというだけでアメリカンドリームを体現してしまうという設定がまず面白いが、実際の家族には疎んじられ、唯一見つけることのできた安住の場所は世間から軽視されがちなポルノ業界でったというのが何ともヒネリが効いてる。マグノリア同様、本作でも家族愛がテーマだけど主人公が1人であった分、明快で良かったと思います。それにしてもこの監督のキャスティングセンスは最高だ!
8点(2001-07-15 01:37:29)
51.  マグノリア
まずはあまり感心しなかった点を挙げます。やはり主たる登場人が10人以上出てきて、3時間強も上映時間があるのだから、終盤各人物にもっと絡みを持たせ一本の大きな山場みたいなものを作ってこそ映画的カタルシスが得れたのではないでしょうか。確かに微妙な繋がりはあるし、テーマが各々が抱える払拭できない過去と家族愛だということはよく分かるんですけど、それが例の雨とどのように関連付けてよいかイマイチ理解できなかったもんで・・・。ただ、脚本も書いてるポール・トーマス・アンダーソンはものすごく才能がある人でここ数年内にとんでもない傑作を作りそうな予感はあります。で、その他良かった点は、やはり音楽とキャスティングの妙に尽きるでしょう。これ見てエイミー・マンの才能には改めて惚れ直したし、トム・クルーズは前から大好きな役者だったけどここ数年、ホント新たな境地を開拓しつつあると思う。
8点(2001-07-15 01:21:49)
52.  ストレイト・ストーリー
ヒトを不愉快にさせる映像を何より喜々として撮っていたあのリンチが「癒し系」などと評されてしまうとは・・・何とも隔世の感がありますが、本作は本当に美しい。確かに話のテンポは主人公が乗ってるトラクター並にゆっくりしており、せいぜいそのトラクターが暴走する程度のハプニングくらいしか用意されてないのだが、かつて、兄とともに眺めた星空をもう一度見たい、という純粋な思いが純粋に見るものの心に響いてくるのはやはり、リチャード・ファーンズワースのあまりにイイ顔のおかげでしょう。リンチの次回作も大いに楽しみ。
8点(2001-07-08 02:55:36)
53.  スペース・カウボーイ
確かにアルマゲドンの話の中の石油採掘工を爺さんに、巨大隕石をロシアの衛星に替えただけと言えばそうかもしれない。しかし、何十年も映画をつくり続けてるイーストウッドがこのような話を撮ることのデメリットを勘案しないわけないよね。たぶんこれはアルマゲドンのようなつまらん映画のプロットを敢えて借りつつも「若者よ、映画ってのはこう撮るモンなんだぜ」という宣誓的なものであり、果たしてできた映画は年取っても頑張る爺さんたちの爽快な話という、紛うことないイーストウッド印の映画となっている。また、これはワンパターンとかの批判を受ける類のものではなくハリウッドの第一線で真摯な活動を続けてきた大ベテランゆえに持てる説得力及び表現である思う。ただし、イーストウッド近作の中でもベストとまでに至らなかったのは、らしくないと思えたファイヤーフォックス同様、SFとはイマイチ相性が良くないのか・・・
8点(2001-07-08 02:20:26)(良:1票)
54.  恐怖のメロディ
イーストウッド初監督作品はかなりヒッチコックを意識した造りにはなっているが、例えば、主人公が女にだらしなく、ジャズが好き(原題は「プレイ・ミスティ・フォー・ミー」=エロール・ガーナーの名曲が重要な役割を果たす)という作風が既にこのころからある程度確立されていたんですね。けど、確かにラストはあまりに淡白かな。
8点(2001-07-07 02:10:33)
55.  アウト・オブ・サイト
うーん、あんまり評判良くないみたいだけど俺はすごく好きな映画だな。ま、所謂フィルムノワール的なものの評価は少し甘くなってしまうんだけど、これを撮ったのが、あの「セックスと嘘とビデオテープ」でデビューしたソダ-バーグでっせ!その吹っ切れ具合に拍手したくなりませんかね?本作の原作はE・レナードだけどこの人の作品をここまで面白く映像化したのは他にLAコンフィデンシャルくらいしか思い浮かびません。はっきり言って最近のタランティーの作品よりずっと良いと思います。
8点(2001-06-17 01:39:08)
56.  スリー・キングス
概ね不評だが、個人的にはロバート・アルトマンのMASHと並べて評価すべき傑作戦争映画だと思う。多くの戦争映画が反戦を描いているようでありつつ、実は戦争を通して主人公が成長していったり、一方の当事者国サイドの視点しか盛り込んでなかったりするなか、本作はユーモラスを交えつつ締めるところはリリと引き締め、イラン、イラク、アメリカを等価に近い視点で作品を描いている。これは映画製作の前、実際に現地に訪れ、入念な下調べをしたらしいスタッフの尽力によるものだと思う。でも、僕が一番印象にのこったのは、唐突に弾丸が内臓を貫くようなシーンを大胆にも挿入してしまうラッセル監督の映像センス。スパイク・ジョーンズあたりとともに近い将来、次代のハリウッドの中枢を担う人材だと思う。
8点(2001-06-02 23:01:17)
57.  薔薇の名前
ウンベルト・エーコの原作は20世紀最大の問題作とか言われてて興味持って読もうとしたんだけど、あまりの難解さに50ページくらい読んで断念してしましました。しかし、本作は難解さとは無縁で、「あの原作ってこんな話だったのか!」とそうとう衝撃を受けてしまいました。それにしても、ジャン・ジャック・アノ-の撮る映像は美しいですね。
8点(2001-05-27 01:00:53)(良:1票)
58.  ミラーズ・クロッシング
小品という印象も否めないが、ここまでスタイリッシュに決めてくれれば文句はありません。コーエン兄弟の作品ではファーゴと並ぶ秀作。
8点(2001-05-27 00:46:29)
59.  アンブレイカブル
シャマラン監督ってかつてベルナルド・ベルトリッチが語った「影像で韻を踏む」という技法を現在最も意識している監督ではなかろうか。例えばイライジャ(ミスターグラス)は誕生のシーンから鏡(ガラス)越しに登場し、コミックの包装紙も含め終始紫色に覆われていたり、オレンジ色で象徴される悪のイメージを子供が飲むオレンジジュースに引き継がせていたり。ま、そうした細部に拘りすぎて映画の持つダイナミズムが損なわれた感はあるのだが、オチの後味の悪さとか○○の時点でオチが判った、とかで駄作扱いしてしまうのは勿体無いと思うし、技法で魅せることのできる監督して、俺はシャマランの次作にもかなり期待してます。
7点(2002-02-28 17:29:09)
60.  日蔭のふたり
主人公デュードは過酷な試練に抗って生きているのか、あるいはただ運命に翻弄されて生きているのだろうか?その問いかけには「分からない」としか答えようがないだろう。悲嘆に暮れることはあっても完全に絶望して諦めたりせず、一筋の光明を追い求め転々と移動し続けるが、状況は更に悪くなるばかり。幼少期に追っ払うよう言われてた烏にすら餌を与えてしまうその優しさは、長男のうつむき加減な表情及び年甲斐も無く周囲に遠慮しがちな態度に継承されているが、それゆえに最悪の悲劇をもたらしてしまう。マイケル・ウインターボトムってシリアスな映画ばかり撮ってるけど、本作はそのなかでもとりわけ痛い。影像及びマイケル・ナイマンによる音楽の尋常じゃない美しさも痛ましさを増加させているので、ケイト・ウインスレットのヌードにもあまり興奮できません。
7点(2002-02-19 12:23:49)
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