41. 千と千尋の神隠し
1回目の鑑賞時には、「前半はいいんだけど、後半が・・・」という印象でしたが、2回目は、最後まで楽しめました。最後の最後の解決が唐突なので、1回目にはこの印象が強かったんだろうなあ。もののけやポニョやハウルみたいなワケのわからない映画ではなく、しっかりとした、おとぎ話。いい作品だと思います。 [地上波(邦画)] 8点(2013-03-16 09:44:48) |
42. 麒麟の翼~劇場版・新参者~
《ネタバレ》 吉永君のお母さんは、吉永君が責任感の強い子だったから、自分のせいでチームが負けてしまった日、夜中にプールで練習したのだと思っていました。溺れたのは、誰のせいでもない不慮の事故。それだからこそ、今の境遇を受け入れ、東京のハナコさんの善意に感謝し、穏やかに暮らしていました。しかし、加賀が真実を明らかにした後は、どうなるでしょう? 吉永君のお母さんは、息子が植物状態になったのは、3人の先輩のせいであることを知ります。東京のハナコさんが、息子を植物状態にした先輩の一人であることを知ります。そして恐らく、これからずっと、3人の少年を恨んで生きていきます。 青柳のお父さんが事件を掘り返し、加賀がすべてを明らかにしたことによって、誰が幸せになりましたか? 二人のやったことは、吉永君のお母さんを不幸にしただけじゃないですか? 真実を明らかにすれば、それでいいの? 人を不幸にしてるだけでもいいの? 加賀は糸川先生を強く非難しますが、糸川先生のやったことは、本当に間違っていたのでしょうか? 糸川先生の意図通り「事故」のままみんなが受け入れていれば、これ以上、だれも不幸になることはありませんでした。それをぶち壊したのは青柳のお父さんと加賀です・・・ という視点がスッポリと抜け落ちた、映画でした。 青柳のお父さんは立派。加賀は正しい、ということで映画は終わっています。薄っぺらいメッセージに閉口します。映画自体のつくりや、ミステリーとしての出来は、まあまあ及第点。 [地上波(邦画)] 4点(2013-03-08 22:12:10) |
43. ポテチ
《ネタバレ》 冒頭のシーンを見たときには、バカバカしさを感じてしまったのだけれど、それが映画を最後まで見ると、「いや、あれでよかったんだ」と思える、そんな映画。 くどくない伏線にも好感が持てます。 あと、木村文乃が素晴らしかったです。彼女の出演作はいくつか見てきたけど、今までとは違う役どころを、120%の出来で演じ切っていました。 主演の濱田岳や母親役の石田えりもとってもよかったです。 設定はちょっと現実離れしてるんだけど、内容は実に身近。だれのまわりにもあるような、プリミティブな「愛」に満ち溢れた作品だと思いました。 じわじわ泣けて来て、エンドロールを見ているうちに涙がツーッと・・・。そして、エンドロールの最中にもう1シーン。これも見逃さないでほしい。最後まで「やさしい愛」を感じることができます。 伊坂原作と中村映画は相性いいですね。やさしいけれど「ほんとうのこと」を描く。「ゴールデンスランバー」も「アヒルと鴨のコインロッカー」もそうでしたね。 [インターネット(字幕)] 8点(2012-11-02 01:03:19)(良:2票) |
44. ザ・マジックアワー
導入部が長いのがちょっと難点ですが、デラ富樫がボスに会うあたりからは、かなり笑えていい感じです。後半は泣けるシーンもあり、なかなか見応えがあります。 [DVD(邦画)] 7点(2012-07-03 22:18:39) |
45. ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON
「笑えて泣ける」という触れ込みだったが、ほとんど笑えず、まったく泣けなかった。設定はいいのに、まったく活かせていない感じ。唯一の感動ポイントは主題歌。深津絵里、歌うまい!!サビで西田敏行がさりげなくハモってくる感じもいい。レトロなメロディもグッとくる。ってことで、主題歌に免じて5点。 [DVD(邦画)] 5点(2012-07-03 22:04:07) |
46. ラヂオの時間
《ネタバレ》 三谷の初監督作品ということで、当時すごく期待して観たのですが、出来がいい映画とは言えませんでした。冒頭部からラストまで一辺倒な演出とテンポで、まったく緩急がない。眠くなります。でも、西村雅彦演じるプロデューサーが、ブースに立てこもった鈴木京香演じる主婦脚本家に説教するシーンはすごく好き!ここだけは何度見ても泣けます。 [映画館(邦画)] 6点(2012-06-23 17:23:13) |
47. 八日目の蝉
映像はとてもキレイ。各カットの撮リ方も丁寧で、見ていて心地いい。でも、人物が全く描けていなくて、リアリティゼロ。脚本がダメなんだと思う。特にセリフ。永作の演技力でなんとか持たせていた感じです。この題材ならもっと面白いもの作れたでしょうに。いっそのこと音声を全部カットして、このままサイレント映画にしたらよかったかも。 [地上波(邦画)] 5点(2012-06-23 17:15:31) |
48. 阪急電車 片道15分の奇跡
《ネタバレ》 なかなか面白かったです。でも、ちょっと全体的にテンポが悪いなと思いました。あと、「おばちゃんたち」の描き方がノペっとしていて、そこが残念。南果歩から見ればストレス以外の何物でもないおばちゃんたちにも内面があり、やさしさがあり、苦しみがある・・そこまで表現してくれればもっと深い作品になったでしょう。他の登場人物は立体的に描かれていたので、あそこだけ浮いちゃった。だから宮本信子の説教が傲慢なものにしか見えない。あれじゃ「宮本信子=正義」「おばちゃんたち=悪」という薄っぺらい構図になっちゃいます。いじめっ子の女の子たちの描写は、さりげなくてよかったです。 [地上波(邦画)] 7点(2012-05-25 09:15:57) |
49. プリンセス トヨトミ
《ネタバレ》 前半8点、後半2点で5点。前半の展開はなかなか面白かった。でも後半で明かされる真相がアホすぎる。いざという時ひょうたん配って集まるだけなのに、なんで年間5億も国家予算使うの? 国会議事堂使ってないし・・・。府民税でやれ! [ビデオ(邦画)] 5点(2012-05-19 16:58:53) |
50. SPACE BATTLESHIP ヤマト
子供のころ大好きだった「宇宙戦艦ヤマト」。この実写版の最悪なところは、「あのすばらしいアニメをひどいものに作り変えたこと」ではなくて、「あの大好きだったアニメも、そう言えばこんな程度のものだったかも・・」と思わせてしまうこと。いい思い出は、思い出のままにしておきたかった。 [地上波(邦画)] 1点(2012-05-17 17:48:46)(良:3票) |
51. CURE キュア
面白いです。深い! 説明的すぎないところも、いろいろ考えさせられてよい! 僕は、黒沢監督の作品では、他に「回路」「ドッペルゲンガー」「カリスマ」「叫」を見ました。この「CURE」だけが、突出して出来がいいです。「回路」は最悪でした。 [地上波(邦画)] 9点(2012-03-16 00:56:19) |
52. 28週後...
物語の展開のさせ方や、カメラワークのかっこよさもさることながら、各登場人物の立場と行動の関係がリアルで、細部に必然性があるところが一番好きです。こういう状況下におかれたら、おそらくこれと同じことが起きるだろうなあ、って真剣に思えちゃう。主人公たちに感情移入しつつも、軍のやり方にも思いっきり共感できるんですよねえ。よくできた映画。 [地上波(吹替)] 8点(2012-02-16 00:56:01) |
53. イキガミ
《ネタバレ》 これは、すごく面白かったです。深いテーマと、丁寧な人物描写、泣ける展開などなど、どの角度から見ても出来がいいです。しかも、いろいろな要素を詰め込んでいる割に、よくまとまっていました。一番感心したのは、説明的にならずに肝心なところを見事に表現していくところ。たとえば、風吹ジュン演じる女性議員がなぜそこまでして議員で居続けたいのか、その理由を、ラスト近くで、本人の言動ではなく、夫の決意表明によって感じさせるシーン。こういうセンスの良い演出が全編にわたって随所にちりばめられていて、映画を観付けていない人やハリウッド大作が好きな人にはわからないだろうなー、という、玄人向けの映画に仕上がっています。 [地上波(邦画)] 8点(2012-01-07 12:08:12) |
54. ゴールデンスランバー(2009)
《ネタバレ》 思ってたのと全然違った!!もちろんいい意味で。「ビックリした?」 うん!ビックリしたよ!! すっげえよ! 超興奮だよ!! ダンボールの「伊達政宗の顔」の使い方とか細かいところが本当に丁寧に作られているところに、まず感心。大外刈り、花火、カローラの歌、「よくできました」などなど、アイテムの効果的な絡め方に脱帽。回想シーンへの切り替え方も抜群。また、テンポ感、緩急のつけかたが神業的で、音楽を聴いているように気持ちいい。映像もすばらしく、冷たさ、暖かさ、など体に伝わってくるものが強烈。それに、登場人物のセリフの言い方がひとつひとつ全部カンペキ。「犯人に仕立て上げられて逃げる」というプロットはあくまでこの映画を進行させるためのダミー。荒唐無稽なおとぎ話の上に、滅茶苦茶リアルな「ほんとうの物語」をのっけた名作です。そうです。僕らは、こういう世の中を、こういうふうに生きている。「正々堂々と? その先言ってみなよ」のセリフが、胸に突き刺さります。 [DVD(邦画)] 9点(2011-12-13 16:11:21)(良:2票) |
55. ハルフウェイ
《ネタバレ》 ストーリーは「なんだそりゃ」ってな感じ。高校生カップルのアホなやりとりを描写しただけのもので、とうとう最後まで何も起こらずに終わります。それでも引き込まれて観てしまうのは、北乃きいの魅力と圧倒的な演技力によるもの。ちょっとドキュメンタリーっぽいリアルを狙った映画って結構たくさんあるけど、ほんとうに成功しているといえるのは、僕の知る限り「誰も知らない」と、この映画ぐらいですね。でも「誰も知らない」は子どもたちを描いたから成功したと言える部分が大きいと思います(実際、是枝監督の「DISTANCE」「ワンダフルライフ」「歩いても歩いても」は、リアルに撮ろうとしたのが裏目に出ている)。そう考えると、北乃きいのすごさがよくわかりますね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-11 17:37:24) |
56. 秋深き
《ネタバレ》 いい映画でした。「愛」の映画。言いたいことは、だいたい目隠シストさんが書いてくださっていました。競馬場で松に壷の事を「そんなパチモンで病気が治るわけ(ない)」と言われた寺ちゃんが、「治るかもしれないじゃないですか!」とは言わずに、「治ったらどうしますのん!」と言ったところでハッとしました。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-12-11 14:11:24) |
57. ハンサム★スーツ
《ネタバレ》 一見、寛子(北川景子)の「中身を見て」発言は、思い上がった女のわがままに見えるんだけど、よくよく考えてみると実はこれは「顔がどうこう」とか、そういう話ではなくて、「人を好きになること」あるいは「人と人とのコミュニケーション」における「不全感」の問題だから、普遍的な欲求であり悩みなんですね。 金を持っている人が「こいつ、金が目当てなんじゃね?」、親切な人が「こいつ、優しくされたいだけなんじゃね?」という疑いを持ってしまうのと同じこと。 「もとえ(大島美幸)の顔をしていても自分に惚れた」というのは、琢郎が自分の中身を見てくれたことの証拠には、実はなっていません。 この映画の一連の出来事は、寛子の不全感を(あくまで個人的に)解消するスイッチになったわけです。そのスイッチを入れることに成功したから、寛子は琢郎の胸に手放しで飛び込んでいけたのです。そう考えると、どんなカップルにも、似たようなことが思い当たるのではないでしょうか? [地上波(邦画)] 8点(2011-12-07 15:10:42) |
58. 大阪ハムレット
いい映画ですね。「ここで泣かすぞ!」みたいなあざといシーンはまったくないのに、ボロ泣きでした。登場人物の一人ひとりがとっても魅力的。染みるなあ。みんなよかったけど、特に母親役の松坂慶子と次男役の森田直幸の芝居にはグッと来ました。 [DVD(邦画)] 8点(2011-12-05 23:44:14) |
59. 台風クラブ
おそらく企画書の段階で、これほどの映画が完成することを想像した人間は、監督を含めて、一人もいなかったのではないでしょうか。ひとつ間違えば、ただの青春映画や、ただのお芸術映画になってしまうようなコンセプトを使って、「人間」と「世界」の関係を見事に描き出しました。とは言っても、まったく哲学的な映画ではなくて、非常にリアルな映画です。ひとつひとつの映像が訴えかけてくるものがまさにリアル。校舎のにおいや、体にまとわりつく雨の感覚、登場人物の体温までもが、こちらに痛いほど伝わってきます。 [ビデオ(邦画)] 8点(2011-12-05 01:11:49) |
60. 天然コケッコー
《ネタバレ》 いいです!!1回目の鑑賞では8点をつけましたが、2回見て、9点に変更しました。この質の高さは尋常じゃないです。人の心の動きを、丁寧に、繊細に描いていく、染みる映画です。田舎の風景の撮り方も美しい。無駄なシーンがまったくないし、本当にいい作品。それにしても何でこんなタイトルがついているんでしょう?タイトルでずいぶん損してるんじゃないかな。 [DVD(邦画)] 9点(2011-12-05 01:10:30) |