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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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41.  セレブリティ 《ネタバレ》 
どうやらこればっかりは、年齢とか経験とかで「客を選ぶ」映画だったようだ。 というのは数年前、まだ40の大台まで若干の余裕があり、ゆえに煩悩多き負け犬ライフを送っていたころに見た際は、「おもしろくない」という感想しか持てなかったからだ。が、今回「スカパーだから」というケチな理由により見直したところ…なんだ、とんでもなくおもしろいじゃないかあ。 とにかくジュディ・デイビスだ。中野翠によれば白人女優にしては珍しく〝お直し〟の入っていないという優雅なシワ顔、白黒映像によって、〝とびきりの美人〟でもなくブスでもないという、絶妙な映り具合となっている。そして、コメディエンヌとしてこれ以上ないというような愛らしいボケ連発、私は好きだ。 何よりロビン本人が、常に〝超のつくマジメ人間〟であることが、作品全体を通してずっと効いている。コメディだ。 白黒の理由は他にも、本物のセレブを何人も出演させることによるリアリティの低下を防ぐ意味と、色を排すことにより、客に考える暇を与えずドタバタと話を進めケムにまく、という効果を狙ったものと私は思う。「あっセロンじゃん」とか「あっディカプリオだ」という客の先入観を、少しでも薄めたかったのだろう。 アストンマーチンクラッシュ後のセロンの切れっぷりは、吹き替えを排してぜひとも耳で味わってもらいたいし、ディカプリオの壊れっぷりと王子風ヘアスタイルも、突き抜けた面白さがあった。 40を超えて夫に見捨てられたバツイチ教師の女性が、〝運命のいたずら〟であれよあれよと「セレブ」になっていく…そんな万に一つのとびきりの幸運を掴んだ女が、ジュディ・デイビスでなくしては「ケッ」という女性客の顰蹙を買わずにはいられないだろう。本当に不思議な女優さんだ。そして、女性にとっては勇気の出る映画である。 ケネス・ブラナー、ウッディ・アレンの役どころを引き受けたが、今回はジュディ・デイビスに完全に喰われたと思う。死ななきゃ治らないバカ…な「リー」なる男性は、当然憎めない。なぜだか美女に構われる。でも、また浮気する。ロビンよ、別れて本当に良かったね。 それにしても、監督アレンは、女性がキレるところを描くのが抜群にうまい。実体験によるのか。 トニー役の俳優さんが安倍晋三に見えて仕方がないのがただひとつの難であった。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-09-10 16:37:18)(笑:1票)
42.  セルピコ 《ネタバレ》 
10人中9人が「カラスは白い」と言っている場合、自分だけが「いや、カラスは黒い」と言えるだろうか。どうですか。 セルピコのやっていた事は、そういう事だったので、私はそこに日本人の想像する「正義感」とかいう物件とは別の背景を感じる。宗教だ。 映画「セルピコ」を見て、誰もが「よくそこまでできるよなあ。よっぽど正義感が強いのだろうなあ。」という感想を抱く。…でもセルピコは本当は、「内なる神」に対して誠実たらんと務めたのではないかと思われてならない。キリスト教の神というのは、「ウォッチング アス」だからだ。 恋人にも去られ、すべてを捨て、残った己の命さえも危険に晒すことができるほどの勇気というのは、「他人に見せるための正義や勇気」ではないのだと私は思う。彼が評価を求める相手は「神様」だけだったのだ。…だからたぶん、日本人が「正義感」とか「正義漢」という言葉でセルピコを語るのは、微妙に、というか根本的に違うのかもしれない。 さて個人が組織の内にあって、諸事情によりその組織と闘わなければならない場合、最も障害となるものは何かというと、私の場合は「妻子」という得体の知れない言葉であった。「自分の」ではないけれど。 洋の東西を問わず、「妻子」というのは、組織悪と闘う人間にとって、最大の障害となっているに違いないと思う。セルピコの闘いも、例外ではない。そして、「カラスは白い」と言って恥じない人間も、見ないふりをしている人間も、その動機に少しも「妻子」が関わっていないなどということは有り得ない。 最終的にセルピコに残ったものは、「命」と「犬」。私はセルピコの相手は「神様」だけだったと思うので、そういう意味では「悪い結果」ではない。…が、いかにセルピコでもやはり人間で、人間だから「欲」というのはあったのだな、孤独で嬉しかったわけではないし、自分が可愛いというのもあったのだな、というもろもろの言葉にならない感情が…あのベッドの上での一瞬の嘆きに現れた。「セルピコ」でのパチーノの演技は神がかった熱演だ。なんというか、血と肉を持ったセルピコその人の存在を強く感じた。これはパチーノによって単なる「社会派」を超えた名作となった。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-09-06 14:32:59)
43.  やわらかい生活 《ネタバレ》 
なぜ2名の方のレビューしかないのであろう。 さて、この映画の最も有益な鑑賞法を説明します。それは、ブスではなくても美人とはいえない女が、ウルトラかっこいい男に散々に奉仕させる様子を、自分に置き換えて満足感を味わうのです。(でもこれは、Mの方には向かないかも。) そういう意味で、優子役が寺島というのは、必然であった(決して美人であってはならない)。祥一役がトヨエツというのも、絶対条件であった。(見てるうちに、及川光博でもいいような気もしてきた。彼も40に近いし。でも演技力が足りないか。) 私は別にトヨエツのファンではないがー、本作では本当に彼を褒め称えるしかない。トヨエツってきっと役者バカなんだろう。 顔面が端正で、身長も高くスタイルも良い場合、暗めの2の線を演じるというのは、なんの驚きも与えない。流れる方に流れた、というだけだ。「LOFT」でもトヨエツの使い方はまさしくそれだった。なんの面白みもない。 本作では、トヨエツの魅力が余すところなく大爆発だ。 頭カラッポな地方のボンボンで九州弁をしゃべるトヨエツ。寺島の頭を洗ってやるトヨエツ。濡れた床を掃除するトヨエツ。寺島におかゆをよそってやるトヨエツ。腰に手を当ててトマトジュースを飲むトヨエツ。…こんなものが見られるとは思わなかった。非常に眼福な気がする。 これだこれだったんだよなー、「かっこよすぎる」男性の魅力の引き出し方って。 原作者が女性というだけで、監督も脚本も男性であるのに、トヨエツのかっこよさがあまりにもうまく引き出されているところを見ると、監督にはそっちの気もあるのでは、という気もする。べつにいいけど。 「お姫様抱っこ」といえばトヨエツ、ということになってしまったなあ。身長180cm以上の男優さんでないと、キマらないし。「LOFT」では中谷美紀を、安達祐実を、本作では寺島を。 私が今までトヨエツを無視してきたのは、「面白くない」「つまらない」が原因だったことに気付いた。考えてみれば、「面白い顔で面白いことを言う」よりも「端正な顔で面白いことを言う」方がいいに決まっているではないか。…とにかくこの映画はトヨエツ。しかし、純日本人であろうに、なんであんな日本人離れした体型なのかなあ。(内容のことが全然書けなくなっちゃった。)
[DVD(邦画)] 9点(2007-06-17 20:05:24)(良:2票)
44.  アマデウス ディレクターズカット 《ネタバレ》 
評判どおりの、よくできた映画だった。 サリエリは老けメイクが変だったが、回想場面ではキリッとした紳士面で「嫌らしさ」「人間くささ」を見事に演じ切り、爽快。モーツァルトは他の役者でも良かったように思うが、オペラを指揮している時は、可愛くて好きだ。コンスタンツェは美化しすぎ。 さて世の中は、「天才」と「天才ではないが天才を見抜く能力を持つ者」と「そのどちらでもない者」に分かれる。その割合はきっと、1:10:10000(変?)くらいなのだろうが、どこに入る人が一番苦しい人生を送るかというと、真ん中の人だ。 誰もが「サリエリ」かというと、全然そうではなくて、「サリエリ」になるのも大変なのである。「自分はサリエリだ」と思うのは、概ね勘違いだ。 私は、映画「アマデウス」において、サリエリ本人が思うほど、サリエリは劣っていなかったのではないか、と思っている(音楽的根拠はない)。 というのは、サリエリは、田舎者から成り上がって、皇帝のお気に入りの宮廷作曲家にまでなった男。よろしく立ち回るのが得意だったとはいえ、無能の人間にできることではない。 サリエリは、モーツァルトと出会ってその才能に打ちのめされ、「必要以上に己の才能を卑下」してしまったのだと思う。「自滅」である。あくまで映画の中のサリエリについての解釈だ。 「憎しみ」と「愛情」は近距離にあり、「愛情」の反対は「無関心」だ。サリエリは、モーツァルトを無視することすらできない。スパイを投入するほど、彼に関心があって仕方ない。これが「愛」でなくてなんであろう。滑稽である。そして悲しい。 「報酬には代償が必要である」とは、サリエリが経験から学んだ(と思っていた)玉条だったが、「代償」に対し「報酬」を期待するのは、相手が神様である場合に限っては、間違いなのである。 そしてサリエリの意地悪が無かったとしても、生きているうちにモーツァルトが認められることは無かったと思う。天才によくあるように、社会人としては行動が破綻しているからだ。モーツァルトが野たれ死ぬのは、自然の流れだった。でも、意地悪をしたサリエリには、「罪」の意識が残った。…本当は神様への一打にすらなってなく、すべてはサリエリの一人芝居、空回りであったようにも思う。 もうひとつ、人間性と、その人が作ったアートとの間には、関係がないことも、この映画は良く教える。
[DVD(字幕)] 9点(2007-04-21 14:42:17)(良:3票)
45.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
ご本家はこんなすんばらしい作品だったとは。 古い映画らしくテンポがゆっくりしているところが、昨今の映画ズレしたガサツな私などには「なにをモタモタやっとるんじゃ!早く逃げろよ!」とハッパをかけたくなる場面が多かったですが。まあ、それを差し引いてもすばらしい出来です。貫禄勝ち。 問題の転覆場面も大迫力で、新しい映画にも全く引けを取っていないし、私程度の観客はこのぐらいで充分満足だ。やっぱり映画は技術なんかじゃない!こりゃあ、劇場で見たかったなあ。とめずらしく思うのだった。 ジーン・ハックマン。このすんばらしい神業のようなセリフまわしの妙よ。そう、役者さんとは早口でもあくまで割舌良く、ほれぼれするしゃべりができる人のことなのですね。この人を見ていると、「ああー、私はいま、プロ中のプロの演技を鑑賞しているのだ」とありがたーい気持ちにすらなってくる。 これはやっぱりすごく宗教色の濃い映画でしたね。のっけから、カソリックの神父とプロテスタントの牧師のつばぜり合い。デッキにはユダヤ人の夫婦がなごんでいるし。パニック映画だというのに、最初から宗教前面押し。そして驚愕のラスト。プロテスタントの名(異を唱える人々)のとおり、牧師は運命に「抗い」、他人の意見に異を唱え、道を切り開く。そしてまた彼は、牧師でありながら「苦しい時こそ神頼みをせず」「自力で闘う」という独自の思想を持っている人物である。彼は〝己の思想〟に殉じたのである。実は殉教ではないのだ。…という意味では本当は著しく革新的なストーリーなんである。 ツリーの上から溺れる愚かな民を見下ろすスコットは、箱舟に避難したノアのようにも思え、己に従う人々を率いて道なき道を進むスコットの姿は、エクソダスのモーゼをも彷彿とさせる。が、しかしノアもモーゼもただ「神様がそういったから」言うとおりにしたというのみである。「ポセイドン」のスコットの行動はすべて彼の「内なる神」から出たもので、その「内なる神」とは「自力で闘う」という思想なのであった。 最後には自己犠牲までして「自力で闘う」を全うしていくスコットという人間が、「牧師」であるということ、この設定には深ーい意味がこめられていると感じます。もしかして、神父→牧師→自力という「進化」の過程といいたいのか。 なんにしても、映画史に残る傑作であります。ジーン・ハックマンは超グレイト。大拍手。
[DVD(字幕)] 9点(2006-10-20 22:42:31)(良:2票)
46.  恋人はゴースト 《ネタバレ》 
久しぶりに納得のいくラブコメを見た! キューティブロンドのエルが帰ってきた気がしてうれしい。 このお話がそうであるように、ラブコメというのは、起承転結だけを取り出した場合にまったくもってつまらん正統派なラブストーリーになっていないといけない。それでもって、楽しく賢く鋭くほろっとしていなければいけない。そう、ラブコメこそ、最も難易度の高いジャンルなのであーる。 それなのでラブコメのファンは容易なことでは頷かない。「楽しく」が欠けても「賢く」が欠けても「鋭く」が欠けても納得しないし、「ほろっ」がなければラブコメを見た気などせぬ。ああなんと険しいラブコメムービーの道。 それでですね…これは、アルモドバルの「トーク トゥ ハー」の「アンチ変態修正バージョン」であるのです。 昏睡状態の女性に恋した男性が、変態だった場合をシリアスに描くと「トーク トゥ ハー」になり、変態ではない心優しい男性だった場合をコメディー仕立てにすると「恋人はゴースト」になるわけですね。私はなんてったって変態を見せられるより「恋人はゴースト」だ!さようならアルモドバル! この作品では、エリザベスがしゃべりっぱなしのシーンと、彼女が登場しないシーンの違いがうまく描き分けられていて、見ている方とてエリザベスが消えると妙に物足りない気持ちになってしまいます。 この気持ちこそがデイビッドの気持ちとぴったり一致しているわけで、最初は追い出そうとしていた彼がいつのまにかエリザベスに恋してしまう流れを自然に表現しています。うまい見せ方です。 マーク・ラファロ、登場したときは、「…こんなやつがリースの相手役か。我慢して最後まで見られるだろうか」と不安にかられましたが、なんのなんの。大化けしてくれました。ボソボソしゃべってるのになかなか大した役者さんです。なんと私はストレッチャーを盗み出す場面で不覚にもぽろぽろと大粒の涙が。 王子さまのキスで目覚めたエリザベスが、その場で結ばれないというのもひとひねりあっていいですね。よく考えてます。 ところでひとつ、この映画が訴えてくるもの。どうでしょう、脳死。どうでしょう、臓器移植。もともと私は反対している人間ですが。 見えないエリザベスが必死に姉に訴えるシーンを、誰でも一度は見てもらいたい。ファンタジーですか?単なる映画ですか?これを見た後で、OKを出せるものなら出してほしい。  
[DVD(字幕)] 9点(2006-09-29 21:49:38)(良:4票)
47.  バイバイ、ママ 《ネタバレ》 
まず大拍手をします! ベーコン家総出演のこの作品。並みの俳優ならつまらん自己満足で終わるところ。 ところがところが、このクォリティの高さ。本物です。 回想シーンというものは、単なる説明に終わってはいけないということが良く分かります。(「ホワイトライズ」がいかに芸が無かったか納得)また、単なる説明でない回想シーンであれば、数回入れても映画の雰囲気が損なわれるどころか、完成度を増すということですね。 2回目に見ると、両親を嫌いながら、愛する人と心中するという同じ方向に生きてしまうエミリー、子供時代と同じ失敗をするエミリーにはっとします。それとハーカー夫人はすごいね。10歳の子に、この世で女の子が最も知らねばならぬ秘密を教えるんだから。私なんかこの事に気がついたのは30もかなり過ぎてからだわ。(誰も教えてくれん!) なんといってもこの豪華キャスト陣を惜しみなく無駄遣いする贅沢さよ。 サンドラにしても、マット・ディロンにしても、10分と映っていないでしょう。ものすごくおいしそうな料理をちらっと垣間見せるだけのような心憎い見せ方です。こんな贅沢も、ケビン君の内輪力なくては有り得ない。俳優さんが監督に乗り出した作品には、こういう内輪ならではのごちそうが期待できるところがよいです。これで作品の出来も良ければ言うことなし。 ケビン君の演じたお父さんは一目見て大爆笑。はずしにはずしてこのファンキーなスタイル、突き抜けている。大変よいです。そしてサンドラの妖しさよ。やっぱり美人だ。ケビン君の奥さんキラと比べるとさらにそう思う。 キラ・セジウィック。魔女顔である。私の嫌いなタイプの顔だ。目が寄っているうえに激しい奥目、ワシ鼻、そして歯が短いので口の中が空洞に見えるところが怖い。サイコ女をやったら右に出る者がいないグレン・クローズの継承者といえましょう。 それから娘のソシエちゃん。この子ただものじゃないわー。そんなに可愛くもないのにこの存在感。いつもブスくれた顔しているのに、なぜかその心中が伝わってくるという、役者の条件を満たした逸材と思います。先が楽しみだ。 ケビン君たら「エコーズ」でせっせと穴を掘りながらこんなプランを練っていたとは。俳優さんの余芸ではビル・パクストンの「フレイルティ」にも感心したが、個人的には笑いのセンスがあるところが私の好みに激しく合っている。次作も楽しみです
[DVD(字幕)] 9点(2006-09-17 00:49:33)(良:2票)
48.  エニグマ 《ネタバレ》 
これはなかなか質の高い力作だ。ミック・ジャガー入魂のプロデュース作品だけのことはある。「いっとき話題になって消えていくより残る作品を」という彼の言のとおりだ。 悪い女にだまされて滅入っているうぶな数学者、という超プライベートなつかみから入って、話が全世界的に放射線状に広がっていく感じはストーリーづくりとしては面白い。 また、戦時中の隠された解読基地というドンパチやっていない場所で、どのように「戦争」を描くのか、ということにも細かな配慮がされている。例えばケロイドだらけの元海軍の片目の情報員、受信基地の女性兵士の発言(自分達の役割は意味の分からない暗号を受信して伝えるだけで戦っていることになるのか)、カチンの森でのドイツ軍による発掘作業、など。戦争映画の棚にあるのに、誰一人血を流して死ぬ場面を写さず、戦争の裏側を描く。ひとつの試みだ。 ヘスターという新しい女性像を登場させて、「女の頭脳が男より劣っているなんてことはない」なんてこの時代に言わせてしまう。彼女は現代でも堂々通用する女性であり、「守られるだけじゃイヤ。あたしだって何かやれるわよ!」というパンチの効いたたくましい女なのだ。このヘスターのキャラが効いていて、基地内での男ばっかの政治的な人間関係でげんなりした女性客をシラッとさせずつかんでいく。しかもブリジョン並みの豊満ボディに変身したケイト・ウィンスレットはなかなか可愛く(甲乙つけがたい)、なおかつ女性の嫉妬心も煽らない、グッドなキャラである。ケイトはいつもこれくらい太っていてもよいのでは。 そしてジェレミー・ノーザムの嫌らしさといったら見逃せない。まんま50年前の映画から抜け出たようなそのクラシックな容姿、イギリス紳士は常に身だしなみをかっこよく、そしてやることはえげつなく。いいですねー、ノーザム。俳優さんとしては、古典的な容貌が邪魔して使いにくそうだが。私はディカプリオだのブラピだのと受けを狙った顔立ちよりこういう正統派のハンサムを見ると、なにか「感動」に近いものを感じるなあ。生き残っていた絶滅保護動物を見るような。 あ、ダグレイ・スコットのアスリート並みの全力疾走は一見の価値あり。早回しか?というほどのド迫力だ。数学者にしてあの徒競走走り、デキる。 
[DVD(字幕)] 9点(2006-08-27 21:48:03)(良:1票)
49.  シリアナ 《ネタバレ》 
「トラフィック2」と言ってもいい構成。今後もこのスタイルで「3」なり「4」を続けて行くんだろうか。 とにかくこの映画の中では、黒人弁護士にしろ、CIAにしろ、クルーニーの諜報員バーンズにしろ、イラン自由化委員会にしろ、マットの経済コンサルタントにしろ、カザフの第一王子にしろ、特攻となったアラブの青年にしろ、「自分の正義」に向かってひたすら突き進んでいるのであーる。中には「不正こそが自分にとっての正義だ」みたいなことを言う奴すら出てくる。とにかく「正義」を描いた話なんだ。(How to be a ムジャヒディンの情景を説得力をもって描いた西側の映画としても評価できる。) そして「What is 正義?」と問い続ける。「人の数だけ正義(の種類)があったら、〝正義〟は無いのと同じ」っていう矛盾した世界のありようを見せつけるのである。 それと「中東」には「魔物」がいる。それにとりつかれた男達はなかなか帰ってこれない(らしい)。 バーンズがホワイティングとのサシの会見で「あんたも84年にベイルートに居たのか」って言いますね。 これ、私の耳には「あんたも〝あの〟女と寝たのか」と同じように聞こえたのだ。つまり、中東は、西側の男にとって「どうしても忘れられない性悪女」のようなものなんだろう。「あんたもあの女にイカれたわけかい。そりゃ、しょうがねえな。」と嫉妬まじりで同病相哀れむような口調になるわけよ。 デスクワークになってビル内に閉じ込められたバーンズの姿は、まるで陸に上がった魚のように哀れだ。「ここは俺の居場所じゃない。」って顔に書いてある。彼は「性悪女」にとりつかれて、元に戻れなくなってしまったのね。マットのブライアンですら純情な少年のように、急に瞳に星が入っちゃってさ、マジに第一王子に「夢」を見出してしまう。あれを「とりつかれた」と言わずして何という。 その中東の魅力がなんなのか、52度もある外気温なのか、迷信深い異形の人々なのか、「資源」なのか、貧困と猥雑なのか、たぶん全部なのだろうが。 それにしてもなぜか地球上で最も資源が集中しているという中東、「別れたいのに別れられない」「見下しているのに捨てられない」「忘れたいのに忘れられない」その姿は「憎みきれない性悪女」そのものだ。そしてこのタイトル、「SYRIANA」。  
[DVD(字幕)] 9点(2006-08-05 00:03:54)
50.  ふたりの5つの分かれ路 《ネタバレ》 
「プール」と「8人の女」ですっかりオゾンに嫌気がさしたため、近寄らないようにしていたが、これは「メメント」みたいな構成だというので好奇心に負けて見てしまった。 いやいや、これには降参、大拍手を送ります。 フランスの底力を見せつけられた。 この女優さん、明らかにジムに通ってシェイプアップなどしておらず、金髪碧眼白人女が「フツーに」年をとった感じがよく出てる。んで、「ラ・ペルラ」の下着というのは、こういう女の人のためにあるのだな、ということがよくわかる。 「正真正銘のフランス人」というのはこういう女性なのね、そんでまた、アンジェリーナ・ジョリーが「半分フランス人だからモテて当然よ」とか言って自慢するのも、「あんたみたいにシェイプアップして体に金かけてる女なんかどっからどう見てもアメリカ人じゃん」と言いたい。 それでまあ、この夫のジルというのは、「絶対ありえない女性」を求めているんである。それは「文句を言わない女」である。日本の民話にある「二口女」を娶った男と同じ。それで「文句の多い彼女」から、「文句を言わなそうなマリオン」に乗り換えたのだが。マリオンが文句を言わない理由は実はヒステリーな母にうんざりして育ったからなのであった。「二口女」と同じで、「文句を言わない」というのは「文句が無い」ということではなく「文句はあるけど我慢しているだけ」なわけです。冒頭のホテルで侮辱したジルに突然鋭く叫ぶマリオン、ここの場面で明らかなように当然ジルに対する文句はいろいろと心の中にあった。だけど言わないようにしてただけ。けれどジルの求めていたのは「不満を抱かない女性」「自分を批判しない女性」なので、それはどこを探しても存在しないのでした(自分のお母さん以外には)。神経質で、現実より理想を重んじる夫のジル、「入院中の妻の着替え」のことより、「子供を持っても2人の関係は変わらないよね」ということの確認のほうが重要なジル、ああ、あんたってお子様…そんなお子様な男性の姿を、同じ男性でありながらごまかすことなく描いてくれたオゾン、あんたは勇気がある。  追:父役は「ジャッカルの日」のヨレッとした警部さんですね。
[DVD(字幕)] 9点(2006-07-30 13:54:34)(良:1票)
51.  死霊のはらわた(1981)
無名の若い監督が大ヒットを飛ばしたと騒がれたサムライミの出世作であった。そう、無名だったのよ。ところがところが見始めたら釘付けよ。私は映画の最低条件はこの「釘付け」感と思っている。釘付けになれない作品はどんなに芸術的と言われても「駄」。この作品は「釘付け全開」。その理由は「ゾンビ」を出したことではなく、「シナリオ」「展開」「ドラマ性(必然性)」がしっかりと組まれていたためだ。「ゾンビを出」せばよいというものではなく、「どのように出すか」が考えられている。若いのに大したものだった。妙にアート感覚紛々の映画は個人的に好きじゃないので、誰とはいわないがこの作品のライミの爪の垢を煎じたらどうかと思っている(リ○チとか)。「退屈」と思っていても「芸術的」とか「本当は深い」とかいう評判が立つと、すかさず礼賛されがちな傾向を憂えている。釘付け映画№1.
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-02-05 13:36:57)
52.  パッチギ! 《ネタバレ》 
北野武とか黒沢清の作品は「無国籍性」(外人が見てもけっこう楽しめる)があるのかもしれないが、「パッチギ」はもう、国内一本勝負。敬意を表します。間違っても外国で評価されることはないでしょうし、最初から狙ってないに違いない。今の若い奴は一回は見なさい。「そんなに日本がイヤなら来なければよかったじゃないですかー」とか言ってる子、実際に居るんだよ。「だから来たくて来たわけじゃないから」って言ってる私自身も情けないよ。井筒ものは初めてでしたが、感心しました。「問題解決のための暴力を持たない少年」が「別の方法」でなんとかしようと「他民族が祖国を慕う歌」をみんなの前で歌ってみせる。という、それだけならクサいストーリーなのですが。この康介少年の周りでは、ワーワーワーワー、皆が右往左往しているわけで、その中でぽつんと役立たずに見えた康介が、ラストで歌ってしまうことで意外な一石を投じるわけだ。歌にどれだけの力があるのか私には分からないし、「歌う」は「クサい」ことにはちがいない。「暴力がダメな男」康介にとっては、今の所これが自分にできることだったわけだ。井筒監督はケンカ上等だったらしいので、康介というのは「存在しなかったもう一人の自分」なのかもしれない。大人の男たちが情けなくて皆面白い。先生、オヤジ、笑えます。モトキの浪岡一喜が素晴らしい。オダギリが演技しているところをはじめて見たが、なんだかあやしいフェロモンが出ていた(でも坂崎幸之助だなんて美化しすぎ)。番長役の高岡蒼佑が、あまり雰囲気がなかったところが惜しい。ミスキャストと思う。朝高の番長がハンサムではダメ。
[DVD(吹替)] 9点(2006-01-18 18:00:29)(良:2票)
53.  UPRISING アップライジング<TVM> 《ネタバレ》 
興行的な成功をあんまり考えない作品だと思うので、どこがどうだったとか、役者がどうだったとかいうことでなく、これを見た日本人が何を思い、何を教訓とするべきか個人的に一つの回答を述べたい。私が強く感じたのは「あまりにも都市化された民族の悲劇」であって、「都市化」とは養老孟司言うところの「脳化」のことである。詳しくは「バカの壁」を参照されたい。養老はぼけてきて何言ってるのかわからない部分が多いが、この点については鋭い指摘であるなあと思う。ユダヤ人は、歴史的ないろいろな事情により、「都市」に住み、「脳化」された職業につきがちで、意識的に財産を可動式に貯えてきたために、侵略側にとってみれば、「移動させやすい民族」であったのだ。侵略側にとってみれば、彼らを移動させても食料の収益が減るでもなく、何ら困ることはないわけだ。養老はこのことを、「ベトナム戦争」や「成田闘争」と比較して語っており、「なぜユダヤ人はかくも簡単に殺されたのか」と言っている。「土地に根付かない民」の不幸である。もっと言えば、「農業」や「畜産業」を行う民にくらべて、「脳化」された職業を生業とすることが、いかに侵略に弱いかということである。ユダヤ人の悲劇は、日本人が農業を捨てない限りは、他民族に侵略されても戦えるのかもしれない、という教訓を残す。またライフライン、交通および通信にかかわる職業を、外国人に明け渡さないこと(この映画でもそういった職業のポーランド人の協力が不可欠であったように)も危機管理上重要である。(櫻井よしこみたいになってきたが) ジョンボイトは「オデッサファイル」で元ナチの将校に復讐し、「アップライジング」ではまさにその敵役を演じたわけで、俳優として実にあっぱれな態度と言える。彼はドイツ人として成すべきことを成したということであろう。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-02 15:17:54)
54.  山猫は眠らない 《ネタバレ》 
「3」の激太りおよびショボさにショックのあまり、口直しに「1」を見直さざるを得なかったのです。私のトムが間違いなくかっこよかったことを確認するために。そしたらやっぱり、どの角度からどう見てもハンサムだったわ。そして、セクシーかつワイルド。「男は40から」を体現している。「3」のベケットはもう別物と思おう。ところで「地味な映画だ」というレビューが多いですね。ふーん。改めてじっくり見たけど、ベレンジャーファンであることを抜きにしても「あー映画見た」とはっきり言える素晴らしい作品でした。そうなの。「じっ」と見てないと良さがわかんないかも。ドラマとしてもシンプルながらツボを押さえた職人の味。ミラーがビビっているほどベケットの冷静さが際立つつくりとか、ミラーとベケットの関係が、「ベケット優位」→「ミラーが反発」→「おとりにされてミラーが不信を抱く」→「ミラーがキレてベケットを襲う」→「自分のせいでベケットが捕まったので勇気を出して知恵を絞って救出」→「指を潰されたベケットをなぐさめる余裕」まで、刻々と変化していくようになってるんですよー。ベケットは自分が育てたスナイパーの一人に狙われ、やはり育てたミラーに救われた。登場人物が少ない分、二人の関係をじっくり描いてる。ともかくトムベレンジャー以上に海兵隊の似合う俳優さんはなし。「3」を忘れさせるに充分な映画である。最初のとこで、バスの後ろのランボーの絵を見て苦笑いするんだよねベケット。 
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-31 00:02:11)(笑:1票) (良:2票)
55.  陰陽師 《ネタバレ》 
これが成功したのはひとえに萬斎さんの美しさゆえでございます。愛しています。 どこがどう美しいかといいますと、もちろん顔が端正、首のライン、尋常でなく姿勢が良い、そして公家ぽい衣装がピタリと肌に吸い付いたように自然。ひとつひとつの所作がうっとりするほど美しいのでございます。そしてそして、あのバトルシーン、ああ、なんということでしょう、萬斎さんは殺陣のプロでもないのに踊っているように美しい。こんな殺陣の振り付けは初めて見たのでございます。特筆に価するのが、バックしながら袖を振りふり防御しているところ。これ、ものすごく難易度が高いと思うよ。 しかし真田はどうしょうもないねー。どうしたらいいんだこの学芸会状態。JAC時代から進歩してないように見えるが。私に脚本を書かせてくれたら、憤死した早良皇子を「パラダイム」風のドロドロ状態で御所の室内に座位で登場させ、まわりに同じような手下をおいて、皇子には一言もしゃべらせない。そんで手下に「いよいよ宮の即位の時がまいりましたぞ」とか言わせて、そんで萬斎さんと対決させるの。いかがでしょう~。 萬斎さん以外なら、及川光博でもいいかな。
[DVD(吹替)] 9点(2005-12-25 15:12:57)
56.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
ティムロビンスは好きじゃないが、この配役は当たりだったと思う。体も心もゆるんだ感じ。 初めて見た当時衝撃を受けてからすっかりエイドリアンラインのファンに。首ふりオバケの挿入が死ぬほどこわかった。死ぬ前にはいろんなことが走馬灯のように現れるというが、走馬灯どころかこのような込み入った夢を見ているなんて。幼児のころ交通事故で死にかけた自分自身も、今現在この「夢」の中にいるのかもしれんなあ、と考え出すと、まさに哲学の分野ですな。そんなこと考えついちゃったラインはやっぱりすごいな。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-23 16:29:01)
57.  ニューヨークの亡霊 《ネタバレ》 
これ大好きです。若いカップルと、老夫婦という設定が好きだな。この老夫婦が互いに罵り合っているところがまたまた、よいのです。夫婦ゲンカにも年季が入ってこじゃれているよね。幽霊だけど。「キミはなんとかの息子のなんとかに違いない。いたずらっ子だったよな。」「いや、僕はなんとかの息子の息子です。」「…時代は変わったのう。」て、たしかこんな場面がありまして、最も気に入っています。こんな感じで、老夫婦が過去の栄光を漂わせつつ、なおかつ善人である彼らはスペイダーの煮え切らなさを何とかしてやろうと陰で奮戦する。平和で善意に満ちて、よいです。見ているだけで「眼福」なスペイダーと、昔はブイブイ言わせていたであろう老夫婦。絶妙です。老人て、「過去の栄光」があるほうが、はたで見ていて楽しいよね。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-23 16:09:41)
58.  御法度 《ネタバレ》 
すばらしい。監督が体張っているだけのことはある。とにかく男ばっかり。松田龍平の妖しい美少年。彼は完全に集団の中で女の役割である。神田うのの花魁も、数秒だけ。つまり本物の女はこの作品の中で手の届かない霧のむこうに居て、まるでTVの中だけに存在するようなものなのだ。崔洋一の近藤にたけしの土方、ものすごい配役。二人が差し向かいに座るとまわりに異様な空気が。何かへんなものが生まれそうでとてもこわい。特に崔洋一の怪しさよ。セリフが少ないせいか。ところで、浅野忠信についてですが、一重まぶたに細目の三白眼で鼻筋が通っている、という場合は「おしょうゆ顔の美男」なわけですが、これと同じ顔に及川光博がいます。しかし二人はぜんぜん似ていない。浅野はブラピのように「美男の汚な作り」にはげんでいるわけですが、小奇麗にしたとしてもやっぱり似ていない。同じパーツを所持しながらなぜ?それは「唇の端がキュッと上がっているかどうか」の違いによるのでした。女の人もこれからは男性の顔について堂々とえげつなく批評しようではありませんか。えっそんなの私だけ?大島監督の時代物をもっと見たかったのに残念です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-15 21:25:01)
59.  シリアル・ママ 《ネタバレ》 
おもしろいです。スカっとします。こころなしか、脳内に快楽物質が出ている感じします。 つきぬけたナンセンスの美。「白い靴!」のところ、こころなしか、「キューティブロンド」のエル感あり。もちろんこちらが先。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-10 23:20:34)
60.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
うん面白かった。2回目はメモを取りながら詰めてみたが、解明できたとはいいきれない。 死体のそばにあるルームナンバーは人格のできた順番なのか?しかし、2~5が表示されていない。死ぬ順番には、人格の重要性が関係あるのか?あるようなないような。4人の女性人格のうち、ジニーはブロンドであるから、(彼の母はHAIR Br, EYES Br)母の投影された人格ではなくマルコム自身のおびえる女性人格であり、おそらくルーの暴力にさらされていながら離れられない。マルコムを殴っていたのは父であるから、ルーは父であるのだが、「妊娠はウソ」であったため、父親になることをマルコムから否定されている。他の3人の女性は母キャリーの人格が分かれたものであるが、ティミーは3人の母を殺していることになる。アリスは「慈愛あふれる母」人格だが、冒頭から昏睡状態のため「慈愛」をあらわすことができない状態にされたまま死ぬ。キャロライン(女優)は「売春」と「慈愛」をを排除した残りの母の人格というべきであり、「ヒステリーでわがままでみえっぱり」とされている。パリスは実在の母からキャロライン的な部分を除いた「売春婦」の象徴である。すると、「父」が登場していないのだ。ジョージは「継父」であるから、マルコムにとっての「父」足りえない。私は「エド」こそマルコムの思い描く「父」であったと考えるのだが。深読みしすぎ?ともあれ楽しめる作品です。ジョーンキューザックへの不満ははひとまず置いておこう。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-23 12:48:26)(良:3票)
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