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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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641.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ 《ネタバレ》 
劇場版シリーズ第12作。「雲黒斎の野望」と「アッパレ!戦国大合戦」の2本で時代劇をやっている劇場版シリーズだが、それに対して今回は西部劇になっているのは理にかなっていて、前2作のようなタイムスリップという要素を使わず、さびれた映画館で上映中の映画の中に入り込むという「カイロの紫のバラ」や「ラスト・アクション・ヒーロー」で用いられた手法を使うことで違いを出している。なので、作中の西部劇の世界はあくまで映画の中の世界ということで、「アッパレ!戦国大合戦」のようなリアル路線でなくてもそんなに気にならないし、逆に映画の中だから何でもありという荒唐無稽さが楽しく、とくに終盤のたたみかけるようなアクションはいかにも劇場版「クレヨンしんちゃん」らしい躍動感があって圧巻だった。そんな終盤とは違って前半は舞台となる西部劇映画の世界での日常を淡々と描いていて、この部分が冗長という意見もあるのだが、とくにそうは感じずに見れた。映画の世界でしんのすけ以外のカスカベ防衛隊の面々が現実世界の記憶を失って映画の世界の住人として生活している中、ボーちゃんだけは完全に映画の世界に染まらずにいるというのがなんかボーちゃんらしくていい。馬で引きずられる老人や、しんのすけとみさえが気絶するまで暴行されるなどバイオレンス度が高めなのは子供も見る映画としてはどうかと思うものの、このシリーズは監督の作風や趣味・嗜好がもろに出るので、水島努監督のそれが出た結果なのだと思えば一応理解はできる。今回登場する悪役である知事の名前がジャスティス・ラブというのがなかなかだし、声を演じているのが小林清志というのもなにかこだわりを感じる。声と言えばチョイ役で登場する荒野の七人。セリフのある三人は実際に「荒野の七人」の吹き替え版で同じ役を演じていた小林修、内海賢二、大塚周夫の三人を起用しているのも「クレヨンしんちゃん」らしいところだが、ジャスティスの部下である保安隊隊長と副隊長の声を演じているのが二人とも「ターミネーター」1作目のDVDと最初のテレビ放送版でそれぞれT800の吹き替えを演じていた声優(玄田哲章と大友龍三郎。)というのもツボだった。今回のしんのすけは中学生くらいのヒロイン・つばきに恋をするというのが新鮮なのだが、ここはもうちょっと突っ込んでほしかったかな。それでも、映画が終わって消えてしまったつばきを必死にさがすラストのしんのすけの姿には思わずうるっとさせられた。このラストを見てそれこそ「カイロの紫のバラ」のラストを思い出したのだが、このラストを見てやはり本作は西部劇よりも映画そのものを題材にしているのだとあらためて感じることができた。「オトナ帝国の逆襲」と「戦国大合戦」がすごすぎて逆に本作以降の劇場版シリーズに興味が持てなかった(「栄光のヤキニクロード」はこの二つの間で鑑賞済。)のだが、本作を見てやっぱり劇場版「クレヨンしんちゃん」は面白いと思った。また劇場版シリーズを少しづつ見ていきたい。
[DVD(邦画)] 8点(2019-04-24 22:09:53)
642.  ルパン三世 グッバイ・パートナー〈TVM〉 《ネタバレ》 
6年ぶりのオリジナル新作によるテレビスペシャル(前作の「イタリアン・ゲーム」はやっぱり第4シリーズの宣伝目的が主だったのね。)で、ルパンの相棒である次元がルパンを裏切って敵に回るということが大きくフィーチャーされ、タイトルもわざわざ「グッバイ・パートナー」となっているが、どうせ完全に裏切るわきゃーないと冷めて見ていたら案の定で、しかも次元の裏切り行為の理由が早い段階であっさり明かされてしまい、後半はタイトルと内容が合っていないのはなんとかしてほしかった。全体的な印象もいつものようなまあこんなもんだろうという感じでとくに何も期待をしてなかったのでそれ以外は気にならないが、このタイトルにした以上、せめて次元を終盤近くまで敵として描く必要はあったと思う。旧声優陣での最後の作品が「LAST JOB」というタイトルだったので、ひょっとしたら本作で小林清志の次元は最後という意味でのタイトルかと深読みしてみたが、そうでもなさそうなので、何を考えてこのタイトルにしたのかよく分からない。ショパンの曲が絡んでいるので「ショパン 別れの調べ」とかいくらでもほかにタイトルのつけようはあったと思う。先日亡くなられたシリーズの原作者 モンキー・パンチさんのご冥福を。
[地上波(邦画)] 5点(2019-04-23 18:25:31)
643.  青天の霹靂 《ネタバレ》 
劇団ひとりが自らの小説を原作に共同脚本と初監督を手掛けて映画化した作品と聞いてまた話題作りの映画なのだろうなあとタカをくくってまったく期待しないで見たのだが、これが予想を裏切る良い映画でビックリ。ストーリー的には人生に絶望した男が自分が生まれる前の過去にタイムスリップし、そこで自分の両親となる男女と出会い、今まで自分の知らなかった秘密を知っていくというシンプルでオーソドックスなものだが、あまり大きな話にせず、欲張らずにあくまでシンプルにまとめているのは好感が持てるし、お笑いタレントの初監督作らしからぬ安定感があり、やや唐突に感じる部分もあるのだが、とくに違和感を感じることもなく安心して見ることができた。主人公のマジシャン・晴夫は大泉洋が演じているが、やはりはまり役だったと思う。晴夫が胎盤剥離で入院した自分の母親となる悦子(柴咲コウ)に生まれてくる子供の未来を語るシーンは思わず泣かされてしまった。それに、子供を産めば命を失うリスクがある中で、それでも子供を産みたいという悦子のわが子を思う気持ちや母としての強さにもすごく感動してしまった。監督である劇団ひとり自身も晴夫の父親となるマジシャン役で出演しているが、主演ではないことにより、一歩引いた感があって前に出すぎていないのが良い。この父親である正太郎が、息子であることを隠し、ペペと名乗る晴夫とコンビを組むという展開が面白く、この二人のコンビぶりも良かった。それにしても、お笑いタレントが初監督作品で良作といえるものを作るのはまれだと思うのだが、間違いなく本作は良作で、言い過ぎになるかもしれないが、劇団ひとりには才能がじゅうぶんあると感じた。もともと嫌いというわけではない芸能人なのだが、監督としての次回作があればまた見たいと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2019-04-14 18:13:03)
644.  世界大戦争 《ネタバレ》 
小学生の頃に読んでいた東宝特撮映画を紹介した本の中で紹介されていたのでタイトルだけはその頃から知っていたが、実際に見るのは今回が初めて。見る前は軽い娯楽作という印象が強かったのに大シリアスな映画だったのは驚き。フランキー堺は喜劇映画以外ではあまり馴染みがなかったが、喜劇とは違うとてもいい演技を見せていて素晴らしい。前半の人々の慎ましい日常生活の描写が丁寧である分、主人公が物干しで夕日に向かって家族の未来を思いながら叫ぶシーン、星由里子と宝田明の「コウフクダッタネ」「アリガトウ」の無線でのやりとり、パニックの中、娘の所に駆けつけようとする母親(中北千枝子)の姿、町中のみんなが逃げ去った後、ささやかに食卓を囲む主人公一家の姿など後半は涙が止まらないシーンばかりで今これを書いていても思わず泣きそうだ。子供たちが歌うお正月の歌も物悲しい歌として見終わったあといつまでも耳に残る。(たぶんしばらくは聴く度にこの映画思い出すだろうなあ。)ラストの笠智衆のセリフも言っているのが笠智衆なだけに説得力があり、よけいに胸をうってまた泣けてくる。21世紀の今見るとラストのテロップに異様なリアリティーを感じずにはいられない。この映画は一応はSFという形をとってはいるが、これ以上の反戦・反核映画は今後出ないのではではないかと思う。もちろん文句なしの満点をつけたい。
[DVD(邦画)] 10点(2019-04-09 21:46:16)(良:1票)
645.  男はつらいよ 葛飾立志篇 《ネタバレ》 
最初に出てきた桜田淳子がマドンナなのかと思ったら、そうではなく樫山文枝が真のマドンナ。寅さんが勉学に目覚めるという内容なんだが、頭のいい人はメガネをかけているみたいなことを聞いてメガネをかけてみたりする寅さんが笑える。(ちょっとこの辺、うろ覚えかも。)今回の恋敵は小林桂樹演じる大学教授 田所(「日本沈没」とは関係ありません。念のため。)。結局最後は二人ともふられてしまい、最後二人して歩いてる姿が印象的だった。
[地上波(邦画)] 6点(2019-04-07 12:42:39)
646.  友よ、静かに瞑れ 《ネタバレ》 
崔洋一監督による藤竜也主演のハードボイルド映画。嫌疑をかけられた余命の少ない友人(林隆三)を救うために一人戦いを挑む男を描いていて、とにかく主演の藤竜也をはじめ、助演の原田芳雄や室田日出男など、登場する主要な男性キャストはどれも濃くて渋くてそしてカッコよく、いかにも男の映画という雰囲気バリバリなのが良いし、舞台となる沖縄の雰囲気も物語によく合っている。80年代半ばの角川映画だが、アイドル映画だけではなく、ちゃんとこういう大人の映画もあるのは抜かりない。予想よりも地味な作風で、正直言って退屈に感じる部分もなかったといえばうそになるのだが、この地味さも本作の良さにつながっているのだと思う。話の発端となる林隆三演じる坂口がなかなか登場せず、ラストになってようやく登場するという流れだが、むしろそれが良く、幼い息子の目の前で射殺されることで息子に男のいきざまを見せようとするのが良い。それに、坂口に一言もセリフがないのも相まってこのラストシーンは強烈な印象を残している。そして、息子である少年が苦手だったレモンをかじるいちばん最後のシーンは、この少年の成長を象徴しているようで印象深い。梅林茂によるテーマ音楽もものすごく耳に残る。
[DVD(邦画)] 6点(2019-04-07 02:15:49)
647.  男はつらいよ ぼくの伯父さん 《ネタバレ》 
この回から後藤久美子演じる泉が登場し、満男の恋がメインとなる。この後の作品では満男の恋と寅さんの恋が同時に描かれる形式となるが、この作品では完全に満男と泉のエピソードに焦点があてられ、寅さんは自分の恋もせず、(一応、「寅次郎純情詩集」に出演した檀ふみが違う役柄で登場しているが、あくまで登場人物の一人に過ぎない。)甥の恋の行方を見守る脇役に徹している。というわけでこれを「男はつらいよ」の一作として見ると、なんだか物足りないが、満男が主人公の青春映画としてみるとなかなかよく出来た映画だと思う。
[地上波(邦画)] 7点(2019-04-04 19:10:07)
648.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 
今回は寅さんが死んだ友達(小沢昭一)から「俺が死んだら女房(音無美紀子)と結婚してくれ。」と遺言されるというちょっと湿っぽい設定。冒頭の同窓会で邪険にされる寅さんが気の毒すぎる。ところで寅さんの同級生三人の中に以前「私の寅さん」で今回と同じ役を演じた前田武彦がいたが、そのときは寅さんに竹馬の友のように接していたのに今回はほかの二人(犬塚弘、東八郎)と一緒になって寅さんにつらくあったっているのはどういうことなのだろう。
[地上波(邦画)] 5点(2019-04-04 18:55:50)
649.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
映画専門な感のあるスタジオジブリには珍しいテレビ用単発アニメ。ヒロインがこれまで見てきたジブリアニメのヒロインと比べてかなりイライラする性格(ひょっとしたらジブリアニメのヒロイン史上最悪かも。)だったり、未成年の飲酒シーンがあったりして、(冒頭のお断りテロップにビックリ。)これ、本当にジブリなのかと一瞬思ってしまったが、同時にそこがちょっと新鮮に感じられたりもした。高校生の青春を描いたアニメとしてはむしろよく出来ていて、友情や恋など「耳をすませば」のような青臭さを感じてもおかしくないのにそれをあまり気にせずに見られたのが不思議。同窓会前夜に昔殴ってしまったことを謝る松野には自分にもそういうところがあるかも知れないと思い、つい感情移入してしまった。同窓会のシーンも印象的で、とくに「私たち、狭い世界に生きてたんだね。」というセリフに昔の自分を思い出してしまい、当時の自分の価値観というものがいかにどうでもいいものであったかを思い知らされるときがあるのでなんだか共感できたし、すごくリアリティーを感じ、ちょっぴり切なくなった。いつも欠席している同窓会だけど、今年はちょっと行ってみようかという気にも少しなったかな。全体的に見てジブリっぽさはあまり感じられない作品で、実質若手スタッフ育成のための企画だったようだが、最近のジブリアニメにはないよさ(本職の声優使ってる以外で。)は確かにある作品に仕上がっている。
[地上波(邦画)] 7点(2019-04-02 23:09:46)
650.  トラック野郎 故郷特急便 《ネタバレ》 
シリーズ第10作。冒頭にシリーズ10本記念と表示される力の入れようで、いつもと違い、今までなかったマドンナに石川さゆりと森下愛子という二人を迎えている。(桃さんがマドンナに惚れた時に星が出るのもちゃんと二回ある。)病気になったジョナサン(愛川欽也)に代わって、母ちゃん(春川ますみ)が一時的に桃さん(菅原文太)とコンビを組んでジョナサン号を運転しているのはシリーズでも珍しい気がする。桃さんがライバル(原田大二郎)との喧嘩で「南国土佐を後にして」のレコードを割ってしまい、そのレコードを聴きたがっている風美子(森下愛子)の寝たきりの母親のために、その歌い手である結花(石川さゆり)を連れてきて歌わせるシーンは、桃さんらしい優しさがとてもよく出ていてよかった。今回のライバルは過去に闘犬で負けた過去があり、その相手を打ち負かしたいという一心で帰ってくるが、その相手を演じているのが安部徹というのは見ていてなんだか「網走番外地」シリーズを思い出してしまうが、さすがにそこまでワルではないのもなんか良い。(これが任侠映画だったら原田大二郎は間違いなく殺されている。)そして、やっぱり今回、いちばん良かったのはクライマックス、桃さんに惚れ、「あなたの奥さんになるの。」という結花に対して、彼女の夢であった歌手としての成功を後押しするためにあえて自分から身を引く桃さんの姿はこれまで以上にカッコよく、自分を犠牲にしても、惚れた相手の幸福を願う桃さんはそれでこそ男だ!と思わずにはいられないし、本当に熱くて素直に感動した。撮影中は次回作もやるつもりだったのが、いろいろあって結果的に今回が最終作となってしまったわけだが、このクライマックスの別れのシーンは本当に最終作のラストに相応しいもので、最後がこのラストで本当に良かったと心から思う。これでこのシリーズはすべて見終わったことになるのだが、やっぱり、桃さんの男としての生きざまにすごく憧れるし、シリーズ自体も「男はつらいよ」シリーズとは違った良さがあり、まさしく名シリーズだったと思う。これで終わってしまうのは惜しい気もするが、最後に、桃さん、ジョナサン、そして鈴木則文監督、素晴らしいシリーズを今までありがとうと心から感謝を言いたい。
[DVD(邦画)] 9点(2019-03-30 21:03:59)(良:1票)
651.  木更津キャッツアイ ワールドシリーズ 《ネタバレ》 
劇場版第2作にして完結編となる本作。前作「日本シリーズ」が、テレビドラマの劇場版にありがちなお祭り的な内容だったのに対して、今回はそういった部分はあまりなく、ストーリー的にはこのころの邦画でよく作られていた「黄泉がえり」系で、ついに死んでしまったぶっさん(岡田准一)が現世に帰ってきて、という筋立てだが、やはりぶっさんがただ死んで物語が完結するよりはこういうほうがこのシリーズらしいし、バンビ(櫻井翔)がぶっさんの「それを作れば彼が来る」という声を聞いたところから始まる「フィールド・オブ・ドリームス」そのまんまのような展開もこのシリーズらしく、(元ネタもちゃんと明かしている。)見ていて思わず笑ってしまう。本作は連ドラシリーズや「日本シリーズ」に比べればゆっくりとした普通のペースで進行し、むしろぶっさんが本格的に登場するまでが長いとさえ感じるのだが、見終わって考えてみれば、クライマックスのキャッツとぶっさんの別れをより印象的に見せるためだったのかもと思えてくる。回想で描かれるいまわの際のぶっさんと周囲の人々の中でただ一人彼を看取った父親(小日向文世)のやりとり、連ドラシリーズからずっとこの二人の微妙な関係を見てきたからこそここのシーンは来るものがあり、感動的だ。そしてそれはよみがえったぶっさんが父親にだけ見えない理由にもなっているというのが切ない。ぶっさん死んで三年がたち、バンビらほかのキャッツのメンバーも少し大人になっている。でも、死んでしまったぶっさんはあの時の仲間とワイワイやっていたころのままというズレが結果的に別れにつながるというのがリアルで、大切な人が死んでしまっても生きてる者はそれを乗り越えて今を一生懸命に生きなければならない、前に進んでいかなければならない、若い頃の仲間とのどんな楽しい日々でもいつかは必ず終わるという、ありきたりだが重要で道徳的なメッセージが心に残る。そして、これこそがクドカンがシリーズの最後に言いたかったことではないだろうかと感じるし、これを以って本当に「木更津キャッツアイ」の物語はキレイに完結したと思う。最初に連ドラ第1話を見た時にはとっつきにくい印象が強かったのだが、最後まで見て本当に良い作品に出会えたと思えたことが素直に嬉しい。それともう一つ、今まではメインの登場人物たちが草野球チームに所属している設定ながら、野球自体にはそれほどスポットが当たってなかった気がするのだが、本作では野球にもしっかりスポットがあてられていて、そのあたりにも最後であることを感じさせている。
[DVD(邦画)] 7点(2019-03-28 17:34:57)
652.  トラック野郎 熱風5000キロ 《ネタバレ》 
シリーズも終盤となる第9作で、鈴木則文監督が脚本にも参加している作品としてはこれが最後となる。今回はこれが映画デビュー作の小野みゆきをマドンナに迎えていて、演じる役柄は桃さん(菅原文太)と酒飲み対決をするような男勝りのキャラクターなのだが、男勝りの女性はシリーズ過去作にも登場していたが、それがマドンナとして登場するのは珍しい。前作ではなかったオープニングの「一番星ブルース」と桃さんがマドンナに惚れた時に星が見える演出が今回復活しているが、星の演出がマドンナとの初対面時ではないのも異色な感じ。そんな今回はいつもよりも桃さんの恋は全面には出ず、笑いも少なめというのが物足りないのだが、むしろ中盤から始まる社会派ドラマのようなゲスト陣(地井武男、金田龍之介)による確執を描いたシリアスな部分にけっこう力が入っていて、見ごたえもあった。しかし、こういう単なる喜劇に収まらない重いテーマも臆することなく取り上げている回もあるのがこのシリーズらしさでもあるのだが、今回はこの部分に桃さんらレギュラー陣がほとんど絡んでいないため、少し違和感もあったのも事実。今回、桃さんが一番星号を修理に出していて、必然的に桃さんがトラックを運転しているシーンが少ないのだが、これはこれでたまにはいいかと思えるし、以前、川谷拓三がトラック野郎ではないライバル役で出演していたが、今回の地井武男演じるライバルであるノサップは運転はするものの、彼自前のデコトラは出てこないというのが意表をついている。ほかにドラマとしては作業中の事故で死んでしまった仲間のトラック野郎の幼い娘と母親(二宮さよ子)の再会劇が描かれているが、ここにもう少し深みが欲しかった気もするし、この少女を母親の元へ送り届けるために修理を終えたばかりの一番星号で激走するクライマックスもいつもに比べてあっさりとした印象だったのはやっぱり何か物足りない。全体としてはシリーズの中ではイマイチな回かと思うものの、マドンナとノサップが牛の乳しぼりをしているときの会話を聞いた桃さんの勘違いからノサップと殴り合いを始める展開や、ドライブインでインベーダーゲームを押し付けられていた三番星(せんだみつお)がほかの客たちから袋叩きにされるシーンは、それにインベーダーゲームの画面を重ねたりしていて、いかにもこのシリーズらしいギャグシーンで、これらの部分はしっかりと笑うことができた。シリーズはあと一本で終わりなのだが、やっぱりそれが少しさびしく思う。ちなみに本作の公開時の同時上映は「酔拳」だったそうで、ジャッキー映画の日本初公開は日本映画とのカップリング上映だったんだなぁとしみじみ。
[DVD(邦画)] 6点(2019-03-27 17:23:24)
653.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
話題の本作が我が地元で上映が始まり1ヶ月近く。ずっと見たいと思っていたがようやく映画館で見ることができた。(久しぶりの映画館)前半のワンカット長回しによるホラー部分は手振れがひどいというのを聞いていたので「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」を思い出すような感じかと思っていたが、そこまで酔うようなことはなく見れたのは良かったし、本物のゾンビに襲われている出演者を尻目に撮影を続ける監督の狂ったようなキャラクターも最高で楽しく見た。一転して後半はこう来たかという感じでその構成の巧みさに驚かされる。この後半部分も「ラヂオの時間」を彷彿させる内幕ものコメディーになっていてゲラゲラ笑えて面白い。とくに監督が前半から一転して俳優たちに気を使いまくるまったく別のキャラクターに描かれているのはその落差がなんとも滑稽で笑えるのだが、そんな監督がこだわってどうしても撮りたかったラストシーンを撮影するためにみんなで協力する展開は笑えながらも映画作りに携わる人たちの情熱が感じられて印象深い。低予算、キャストや監督も無名という映画(この部分にいちばん興味を魅かれた。)だが、とにかくこの脚本の構成力の巧みさで勝利した傑作の一本だと素直に思える映画で、口コミによるヒットも納得。こういう映画を見るとやっぱり映画って脚本や演出が命なんだと実感できる。本当に映画館で見て良かったと思えた映画だったし、見終わってすごく清々しい気持ちで劇場をあとにすることができた。こんなことは本当に久しぶりだ。そして見終わってすぐにでももう一度最初から見返したくなるような映画でもある。
[映画館(邦画)] 8点(2019-03-23 12:34:09)
654.  妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。前作は山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズ以前の作風のようなブラックさがあり、面白かったんだけど今更そこまで戻るのかという疑問も残った。3作目となる今回は1作目のような雰囲気に戻り、安心して見ていられる映画になっている。初期の山田監督のブラックな喜劇も個人的には好きなのだが、やはり、山田監督はブラックな作風よりもこういう安心して見れる作風の喜劇のほうが良い。それに、今回も「男はつらいよ」を思わせるシーンが多く、うたた寝をしている間に泥棒(笹野高史)に入られ、へそくりの大金を盗まれてしまった妻(夏川結衣)を夫である長男(西村雅彦)が責めるシーンなどはいかにも寅さん的(「そういう言い方はない」というセリフも「男はつらいよ」シリーズで何度も出てくる。)だし、1作目のレビューでも書いているが、家族が些細なことからすぐけんかになるのも「男はつらいよ」シリーズを思わせている。家に泥棒が入るというシチュエーションも山田監督が監督を手掛けた回ではなかったが「新 男はつらいよ」の財津一郎をつい思い出して笑ってしまった。そして次男(妻夫木聡)が妻(蒼井優)といっしょにおばあちゃんを捜しに行く場所がまさかの柴又というのがニクイ。これはもう、山田監督の「男はつらいよ」シリーズへの思い、ファンへの思いというものが感じずにはいられない。(このシーンではとらやの面々や御前様、源ちゃんらがどこからか出てくるのではとつい思ってしまった。)サブタイトルが戦前の成瀬巳喜男監督の映画のタイトルからの引用であることからも分かるように、長男が妻を迎えにいくクライマックスの大雨や稲妻、創作教室の先生(木場勝己)が朗読する林芙美子の小説など、成瀬監督を意識しているのが分かるし、山田監督が成瀬監督のファンで、受けた影響も大きい監督なんだというのがよく分かる。(成瀬作品、あまり見ていないのだが、本作を見終わって久しぶりに見たくなった。)それにしても、この映画に登場する平田家は家族になにか問題が起こるとすぐに家族会議を開くなどいつもながらにすごく団結していて、見ていていつもこういう家族っていいなと思うし、自分もこの家族の一員でいたい、そういう気持ちになってしまって、シリーズをずっと見ているからか、この家族がすごく身近な存在に感じる。このシリーズは母親も好きで一緒に見ることが多いのだが、長男の妻が家出するところから話が始まっている今回はこの長男の妻にとても共感したようで、見終わってすごく面白かったと言っていたし、ぼくも母親に対する感謝の気持ちでいっぱいになることができた。シリーズの次回作があるかはどうかは分からないが、もう2、3本はこのシリーズの新作を見たいなぁ。最後にこれも1作目のレビューでも書いたことなのだが、山田監督はシリアスな映画もいいのだが、いつまでも喜劇映画を撮り続ける監督であってほしい。心からそう思う。
[DVD(邦画)] 8点(2019-03-17 18:56:49)(良:3票)
655.  男はつらいよ 知床慕情
三船敏郎演じる無骨な獣医と寅さんの対比が面白い。ただ、三船と淡路恵子のロマンスに重点が置かれていて、寅さんの恋が霞んでしまってるように思えるのが少々残念だ。 しかし、主演ではない三船を初めて見たのがこの作品だっただけにとても印象に残り、また、黒澤明監督の「野良犬」で共演していた淡路恵子が共演しているというのも黒澤映画ファンにとっては嬉しかったりもするし、「野良犬」ではまだ女の子だった彼女が、堂々と三船の相手役を演じていてなにか感慨深いものがある。ちなみに淡路恵子はこの作品が一時引退して復帰した後の最初の映画とのことで、両方の作品で三船と共演しているのも偶然ではなくもうこれは山田洋次監督が「野良犬」を意識した上でのキャスティングとしか思えない。冒頭が夢ではなく、1作目を意識したかのような寅さんの語りと桜の映像で始まるオープニングも意表をついた感じで印象に残った。竹下景子がマドンナを演じる回では「口笛を吹く寅次郎」のほうが好きだが、この「知床慕情」もやはり後期シリーズの名作であり、三船の助演としての、そして晩年の代表作であることは間違いないと思う。最初は7点にしていたが、8点に変更だ。
[地上波(邦画)] 8点(2019-03-11 22:39:06)(良:2票)
656.  木更津キャッツアイ 日本シリーズ 《ネタバレ》 
クドカン脚本の大河ドラマ「いだてん」に合わせるようにしてこの連ドラシリーズを初めて見たのだが、最終回まで見終わった流れで劇場版である本作を鑑賞。連ドラシリーズは最初はちょっとどうなんと思っていたが、慣れるとハマるまではいかないものの、登場人物たちに愛着がわいてきてそこからは楽しく見た。(クドカン脚本の連ドラ、ほかには「あまちゃん」しか見てないけど、ひょっとしていつも最初のほうはこんな感じなのかな?)この劇場版もドラマとまったく同じノリで映画的な何かがあるわけではないが、連ドラを見慣れていると安心して見ていられる。でも、仕方がないとはいえ、一見さんお断りな感じはあって、完全にファンムービーの域を出ていないのは少々気にならないでもないし、連ドラでやっていた全体を野球の試合になぞらえ、全9話分を表と裏に分けるというのは連ドラだからこそなしえることで、それを本作でもやっているのは単発の映画作品では苦しい気がする。ぐっさん演じる山口先輩が韓国パブの経営を始めるというのは15年以上経った今見ると少し時代を感じてしまうものの、ぶっさん(岡田准一)がその韓国パブの従業員であるユッケ(ユン・ソナ)と恋に落ちるという展開は良かった。今回のゲストであるジョージ役の内村もはまり役。彼が整形しているという設定でオジー(古田新太)が再登場するのは多少の無理やり感もあるものの、このシリーズならまあいいかと思えてしまう。(自分がオジーけっこう好きというのもあるが。)しかし、やはりストーリー的には中盤あたりでクライマックスを迎えてしまったように感じてしまい、その後の「キャスト・アウェイ」を意識したような5人の漂着した島での生活シーンはやや間延びしているように感じるし、冒頭からうっちーの父(渡辺いっけい)が語っていた怪獣の登場するクライマックスもなにか浮いてしまっているように感じたのはちょっと残念だった。本作のラストシーンはドラマで描かれなかったぶっさんの死ではなく、ぶっさんとユッケの結婚写真撮影というのが微笑ましい。それに、なんだかんだ言ってこのシリーズのノリとバカさは嫌いにはなれない。次回の劇場版で最後らしいのだが、最後まできちんと見届けたいと思う。
[DVD(邦画)] 5点(2019-03-02 15:29:45)
657.  ゴジラ対メガロ
小学生の頃にビデオで見たが、あまりの幼稚さにちょっとうんざり。メガロがテレビ特撮番組に登場する怪獣ようなチープなデザインなうえ、ジェットジャガーがウルトラマンのようなデザインなので間違えて円谷プロのヒーロー番組のビデオを借りてきたのかと当時思った。これはいくら子供向け映画でも酷すぎる。
[ビデオ(邦画)] 3点(2019-02-23 17:06:55)
658.  僕たちの戦争<TVM> 《ネタバレ》 
戦争を扱っているので暗いのかなあと思っていたが、笑えるシーンも意外に多く、あまり暗い雰囲気になることなく見れた。それに、そんなに期待してなかったけど全体的になかなか良い作品に仕上がっている。現代の主人公と入れ替わりに現代にタイムスリップした戦時中の主人公に現代人としての意識が芽生え始める過程がなかなか面白かった。ラストも最近の作品には珍しく見る側に解釈を委ねてるのも良い。出演者の中では森山未来が全く違う時代に生きる二人の主人公をうまく演じ分けていて好感が持てるし、これで初めて見た上野樹里も良かった。ただ軍人役の石井正則にかなりの違和感を感じたのがちょっと残念。
[地上波(邦画)] 7点(2019-02-20 19:22:16)
659.  可愛い悪魔(1982)<TVM> 《ネタバレ》 
大林宣彦監督が手掛けた「火曜サスペンス劇場」の一篇で、大林監督にとっては初のテレビドラマ作品となるホラーサスペンス。大林監督のホラーというと監督デビュー作である「HOUSE ハウス」があるのだが、あちらが怖いというよりはどこかお化け屋敷的な楽しさと遊び心もある作品だったのに対し、こちらはあどけない8歳の少女・ありす(川村ティナ)が連続殺人事件を起こすというもので、かなりの本格的なホラーになっていて、冒頭から緊迫感にあふれていて、それが最後まで続くので一切気の抜けない作品になっている。とにかくありすが怖く、殺す相手に対して「しんじゃえ。」とつぶやく時の表情も怖いが、殺人に走る動機が花嫁のベールが欲しい、オルゴール人形が欲しいという実に女の子らしい動機なのがまた怖い。大人から見た子供の恐ろしさをテーマにしているらしいのだが、人が死ぬ描写はもうやりすぎなくらいにグロテスクで、そのテーマをちょっと超えてしまっている気さえする。主人公はそんなありすにの異常性に気づき、自らも翻弄され、命を狙われることになった親戚の女性・涼子(秋吉久美子)なのだが、彼女もまた恋人の死によって精神を病んでいるという設定がなされていて、それがラストに活かされているのもうまく、またこのラストが非常に後味の悪いものになっているのも、普段持っているサスペンスもの二時間ドラマのイメージを覆すにじゅうぶんだった。大林監督はテレビドラマと言えど、やはり映画を意識しているようで、この監督らしく映像も凝っていてクオリティが高く、当時のドラマでは当たり前だったフィルム撮影も相まって本当に映画を見ているようだったし、脚本が那須真知子ということで、もしかしたら地雷かもと見る前は思っていたのだが、見始めるとそこをまったく気にすることなく、最後までとても面白く見れたのは良かった。出演者に関して言えば、ありすを演じた川村ティナのインパクトのある存在感はもちろんのこと、「可愛い悪魔」というタイトルで小悪魔的なイメージのある秋吉久美子を主演に起用しながら、犯人ではなく、逆に命を狙われる役柄というのも視聴者に対するミスリードが利いていてうまいキャスティングだ。ありすの犯行について知っているというボートハウスに住む怪しげな青年をみなみらんぼうが演じているが、本当に怪しさ抜群の演技でハマり役。ほんのチョイ役でこの年の年末に亡くなった岸田森も出ている。彼の出演は本作を製作した円谷プロのプロデューサーからのオファーだったとか。円谷プロといえば「怪奇大作戦」とかあるものの、やはりどうしても「ウルトラマン」をはじめとする巨大特撮ヒーロー番組のイメージが強いので、こういう二時間ドラマにかかわっていたことがすごく意外で新鮮に感じられた。
[DVD(邦画)] 8点(2019-02-07 20:24:55)(良:2票)
660.  ゴジラ対ヘドラ
主題歌が一度聴いたら絶対に忘れられないほどインパクトがあり、内容もゴジラ映画にしては過激で面白かった。でもあの子役(確か「どですかでん」で乞食の少年をやってた子だよね。)の演技が鼻について困ったので点数は半分にしておく。
[ビデオ(邦画)] 5点(2019-02-02 00:33:18)
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