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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3878
性別 男性
年齢 53歳

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661.  ウインド・リバー
「実話」ってのが背景にあるらしいのだけど、おそらくは、特定の異常な事件の顛末を「異常なもの」として描くことを意図しているのではなく、むしろ、一見異常な事件をあえて平凡な「ありふれたもの」として描こうとしているような。背景に異常さを抱えた日常、抱えざるを得ない日常、というもの自体の、異常さ。 雪の中で見つかった裸足の女性の遺体、という一見謎めいた事件の発端ながら、最終的に明かされる真相は、さほど意外なものではなく、被害者も明らかなら加害者も明らか。だけど、真相に至るまでの過程は、これはどうにもフツーとは言えなくって。雪に閉ざされた閉塞状況の地域で、出口のない反目が渦巻き、どう考えても、犯人さえ挙げればいい、という話とは思えなくなってくる。 エリザベス・オルセンが演じるFBI捜査官は、明らかにここでは外部の人間、その彼女が訳もわからないままにこの事件に足を踏み入れることになり、一方、ジェレミー・レナーはこの土地の内部の人間でありながら、どこか、さらに外部から事態を冷ややかに眺めているようなところがあって。 土地に縛られた人間の達観、いや、諦念か。それがさらに、社会の矛盾を、見ている我々に感じさせる。 最後にテロップで表示される、一種の告発。物語そのものは、その核心を必ずしも突いていないようにも感じるけれど、逆に、ズバリ核心を突かないが故に感じる闇の深さ、ってのもある訳で。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-02-25 18:07:11)(良:1票)
662.  ある日どこかで 《ネタバレ》 
テレビ放送でコレを初めて見たのは、高校生ぐらいだったと思うんですが、どの番組枠だったか、トンと思い出せません。ひっそりと深夜に放送されてたのかな。何せ、タイムトラベルもの、というSFネタの映画なのに、まあこの地味なこと。むしろ意識的にSF要素を排除して作られた映画のようにも思われます。 タイムスリップを起こす描写ですら、過去に行くのは「寝て、起きたら、到着」だし、現在に戻る場面に至っては、コインを手にしたクリストファー・リーヴがヘンな格好で固まるだけ、という描写で、まさに地味一直線(しかしこの彼が固まったヘンな格好が、妙に忘れられないんですけどね・・・)。しかも、“現在”の人間が過去に行くオハナシなのに、“現在”の知識なり道具なりを過去で活かすどころか、「“現在”を思い出してはいけない」という、およそSF的発想とは真逆の設定があって、主人公もひたすら過去の世界に自分を合わせようとする。アンチミステリ、ってのはよくあるけど、これは一種のアンチSF、ですな。 しかしコレ、主演がスーパーマンで良かったんですかねえ。不器用な感じがイイのかも知れないけれど、ちょっと不器用過ぎかな。映画が重たくなっちゃう。こんなメロドラマに出てるヒマがあったら、ニュークリアマンといつまでも戦っとけ、と言いたくなるのですが(いや、当時まだスーパーマンは2作目くらいですかね)。 その野暮ったい彼が、昔の女優の写真に一目ぼれし、タイムスリップを試みる。映画女優、ではなく、写真の中の女優。この時点ですでに、静的な雰囲気が漂います。 で、彼は野暮ったいまま、彼女にアタックし、どういう訳かウマく行ってしまう。それじゃ物語が盛り上がらずツマランので二人の仲を割こうと、クリストファー・プラマーが登場。恋を邪魔する人物の登場で、さらに恋が燃え上がる、だなんて、いやもう、何というシンプルな設定。そんな邪魔しているヒマがあったら、エーデルワイスをいつまでも歌っとけ、と言いたくなるのですが。 で、まあ結局、二人の恋は「時間」によって引き裂かれ、忸怩たる思いだけが後に残る。ちょっとしたミスが二人の別れに繋がるのだけど、人生、そういうもの。取返しがつかない過去を思い、ため息をつく。老いるとは、そういうこと。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2021-02-25 11:51:26)(良:2票)
663.  たつまき奉行
この頃の大スターというのは、見た感じ、五頭身くらいしかないので、どこをどのように味わえばこれをカッコイイと感じることができるのかがまだ会得できていないのですが、そんな大スター・片岡千恵蔵が遠山の金さんを演じていて。 悪役が月形龍之介だもんで、金さんと水戸黄門が対決しているようなもんで、そうなるとどうみても千恵蔵金さんの方が分が悪く、こちらの方が悪いヒトに見えてしまう。そんな大スターの、大活躍。 物語はと言うと、佐渡丸の難破事件に端を発し、それを捜査する金さんの前に現れるさまざまな登場人物たち、その中には思わぬヒトが実は思わぬ正体だったりして、話は二転三転、最終的には陰謀が白日の下に晒される、という、同じ船の難破でもヒッチコックの『レベッカ』より数層倍、込み入ったオハナシになってます。 まさにこれぞ、エスピオナージュ。 でもちょいと、やり過ぎ、ですかね。裏の多い物語に対し、見せ場の方が追い付かず、気が付いたら事件が終わっちゃってる、みたいな印象です。演出にやや雑な部分も。 とは言え、例によって群衆シーンなんかは気合いが入っていたりして、さすがは「この頃の」東映、といったところでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-23 19:51:34)
664.  ノッティングヒルの恋人
くそ~何となく腹立つよな~ という、そんな映画。ああ、何という投げやりなコメント。そう羨むなっての。 とりあえず、ジュリア・ロバーツがちゃんとチャーミングに描かれていて、それ以外の人物たちがちゃんとブサイクに描かれているので、映画の所期の目標は達成できていると言ってよいのではないか、と。特にこの、ヒュー・グラントのタレ目っぷりが、もう頼りなさ全開で。かつてはイギリス美青年軍団の一翼を担っていて、実際私もいまだにこのヒトと言えば『モーリス』のイメージなんですけれども、ここではまあ見事にダメダメ感を出してくれています。周りがもっと変だから、そんなに目立たないけれど。 という訳で、いっそこの映画のタイトルは、『ノッティングヒルの変人』でどうでしょうか。←青い山脈かっての。 ・・・と、それはともかく。 浮世離れしているであろうハリウッド女優が割と普通の感覚を持った自然体の女性であり、むしろ庶民の代表のような本屋の兄ちゃんが煮え切らない態度を取って右往左往するもんだから、纏まるものも纏まらない、という、実に実に「さもありなん」なオハナシ、なんですね。いや、時々は行動を起こそうとするんですけどね、でも結局は、ただのイイ人。自分がイイ人だと、周りも何となく気を使ってしまう。それがまた本人をスポイルしてしまう。しかし本人の決断と周りの一押し二押しがシンクロすれば、それはもう鬼に金棒で、クライマックスで何で全員がクルマにすし詰めになって主人公に同行しなきゃいけないのか訳がわからんのだけど、でも実際、これが妙に盛り上がるんです。カーチェイスみたいな派手さは無いのに、カーチェイス並みに盛り上がる。 結局は、ヒュー・グラントって手がかかるよね、という事なんですけれども。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-22 20:41:23)
665.  キラー・シャーク/殺人鮫 <TVM>
キラー・シャーク(邦題)だの、SharkMan(原題)だの、どうして正直に「私は半魚人です」と言えないんですかね、まったく。 サメ並みの知能と人間並みの脆弱な肉体を持つ、恐るべきモンスターが襲ってくる作品です。とりあえず。 冒頭の安っぽい襲撃シーンから、何となくフライングキラーあたりを連想して、そういやこの作品もサメ人間だ、ってんだから、水中でも地上でも襲ってくる恐るべき生物なんだろう、と期待するのだけど(ウソ。期待はしてません。何となくそう思っただけ)、これがよくわからない。そういうシステムなんだろうとは思うけれど、あまり地上では活躍してくれない。というより、サメ人間があまりちゃんと映らず、襲撃シーン自体が何だかよくわからん。 サメ人間に襲われるのは男女3人ずつのご一行様。約一名、少々鬱陶しいジジイがいる、という事はわかるけれど、基本的にキャラクターがちゃんと描き分けられている訳でもないので、正直、見ててもあまりこのご一行に関心が持てない。 いや、もっと問題なのは、その中の一人の男が一応はヒーロー役、らしいのだけど、これが中年太りの短足オヤジ、普通の映画なら真っ先にモンスターの餌食となって画面から消え去ってくれるであろう、雑魚キャラ感あふれる男。こんなヤツがマジメな顔で銃を乱射しているだけで、噴飯モノです。 一方、ヒロイン役みたいなのもいて、何でしょうね、美人かどうかはともかくとして、ノースリーブ姿で逞しい二の腕をこれでもかと見せつけ、何となくサマになってしまっているのが、これまたどうも。戦う相手がサメ人間だし。半魚人だし。 そんな彼らがやってきた無人島、そこではマッド・サイエンティストが(このヒトはそれなりに狂った感を出していて、真っ当です)息子をサメ人間に改造していて、コヤツが襲い掛かってくる。という、サバイバル。 水たまりみたいな沼にハマっただけで、危険だと騒ぐかと思いきや、海には平気で飛び込んだりして、見ている我々も何を恐れていいのやら、よくわからない。水中の危険度合いがよくわらかんぐらいだから、地上の危険度はもっとわからん。 マッド・サイエンティストが一番ヤバい奴だというのは、何となくわかるので、クライマックスでは、囚われのヒロイン危うし!となる訳ですが、このシーンですら、どうにも、おマヌケなんですよねえ。 と、なかなか楽しめる作品でありました。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2021-02-20 14:29:07)(笑:1票)
666.  山猫は眠らない6 裏切りの銃撃
もう二度と登場する事は無いし、二度と登場する必要も無かろう、と思われたビリー・ゼインが、性懲りも無く再登場。一方の我らが大スター、トム・ベレンジャーの姿はそこには無く、5作目は無かったこと、とでも言うつもりなのか、まるで、4作目の続きですよと言わんばかりの、ビリー様の涼しい顔。 これってもしかして、偶数作目は奇数作目をフィクションだと主張し、奇数作目は偶数作目をフィクションだと主張する、一種の「匣の中の失楽」みたいなシステムなんでしょうかね。と、少し不安になってくる。 それはともかく。 アナログ体育会系の山猫シリーズにも、とうとうハイテク化の波が押し寄せてきた、と言う訳で、無人機が飛び交い、地上の敵への攻撃を繰り広げております。 となると、映画のオチとしてはその真逆、「やっぱりハイテクよりも、経験と勘がモノをいう」、ってな流れになるのが必定、そして実際、そういう作品なのですが、それにしては、終盤における「ハイテクを過信したことで陥ってしまう危機」の描き方が、これでは弱いんでないかい。もっともっと絶望的な状況に追い込まれないと、山猫ジュニアさまの経験と勘の有難さが、イマイチ伝わらんよね。 この作品に対して誰もそんなところに期待しとらんわい、と言われれば、もう、返す言葉もないんですけれども。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2021-02-20 13:55:07)
667.  ザ・ガンマン
タイトルを見て西部劇かと思いきや、さにあらず。はたまた、冒頭の大臣暗殺のくだりなどを見て、社会の暗部を描いた社会派っぽい作品かと思いきや、さにあらず。いたってエンターテインメント路線のアクション映画でした。とは言え、作品の背景にそういうテーマを潜ませたことで、ある種の苦味を感じさせる映画にはなってます。 冒頭で「狙う立場」だった主人公が、いきなり「狙われる立場」になって、上々の滑り出しではあるけれど中盤はやや息切れ気味。でも、バルセロナ等を舞台にしたロケーションの上手さとか、一軒家に襲いくる敵集団との攻防戦とか、タンクの水の反射光の中での対決とか、あるいは脇役たちの存在感とか、そういった魅力でもって、最後まで押し切ってしまう。実際、あのほとんど放送事故みたいな闘牛場の断末魔まで、しっかりと押きられてしまいました。 悪くないんじゃないですか、ねえ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-16 21:45:02)
668.  鉄道員(ぽっぽや)(1999) 《ネタバレ》 
高倉健さんって、どっちかというと面長で、やや長い耳をお持ちだもんで、この映画のお顔を拝見していると、何だか仏像のように見えてくる。 と思ったら、実際、そういうオハナシでした。はい。 雪に埋もれた小さな駅が舞台ですが、小さくとも駅は駅。映画に出てくる「駅」って、魅力的、なんだなあ。 そういや、志村けんさんの出演が話題になりましたが、ゆーとぴあのホープさんも出てましたね。よろしくーーーーねッ!
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-02-14 14:35:49)
669.  アクト・オブ・バイオレンス 《ネタバレ》 
だいたい、こういうコンパクトにまとまったアクション映画ってのは、ハズレが無いですね。もっとも、ハズレじゃないからといってアタリとも限らないのが悲しいところですが。 この映画も、冒頭からテンポよく物語設定を提示していって、まず主人公たちの子ども時代の姿があって、大人になって従軍し、今は何やら悩んでいるらしい姿があって。一方ではブルース・ウィルスがやや破天荒な刑事をやってて、壁の地図には数々の顔写真が貼られており、どうやら多くの女性失踪事件が発生しているらしい。 ってな事がポンポン提示されていくのだけど、イマイチよくわからん点があって、私が見たのは吹替版なもんで元のセリフが確認できないんだけど、とにかく、主人公たちの関係がやっぱりよくわからん。どう見ても3人の男性は兄弟なのだけど(父親らしい人物の写真の前に集まってるし)、三男らしき人物のフィアンセのことを長男らしき人物が警察に「妹」というもんだから。 まあ、この辺りは正直、どうでもいいのかも知れなくって、要するにこの4人はきょうだい同然の存在、ということで、理解。 でもって、そのフィアンセが誘拐されてしまい、救出のために3人が武器を手にし、悪の組織に立ち向かう、ってなオハナシ。 そうなるともう、ブルース・ウィリスが何のために出てきているのかよくわからなくなってくる。邪魔、とまでは言わんけど、いや、やっぱり少し邪魔。少しチグハグ。 終盤もわりとあっさり女性救出に成功し、どうせこのまま終わらないんだろう、と思ってたら案の定、敵の逆襲が。大してオドロキも無い上に、一軒家での攻防という魅力的なはずのシチュエーションにも関わらずあまり工夫がなく、盛り上がりに欠けてしまって。 気持ちだけはよ~くわかるタイプの映画、なんですけれども。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2021-02-14 14:26:10)
670.  暴力金脈 《ネタバレ》 
ヤクザ映画も、かつての任侠モノから、組織ヤクザ・経済ヤクザが描かれるようになって、「だったらこういのもアリでしょ」とばかり、総会屋をテーマにした作品なんですけれども。若干、無理があったかな、と。でもまあ、そこがユニークだったりもします。 主演が松方弘樹で、最初は単なるチンピラみたいな彼が、やがて総会屋としてのし上がって行って、でも世の中にはさらに巨悪が存在していて単身それに立ち向かっても勝てやしない、という、一種の挫折に終わる。「茶番だ!」と世の中をあざ笑いながら。 松方弘樹がバイタリティの塊みたいにガツガツしているのが、まず迫力があって、映画の推進力になってます。が、ヤクザ社会を絡めつつもあくまでテーマが総会屋なので、あまりアクションに走ることもできず、またユーモアを絡めつつ社会批判的な要素を匂わせつつもその路線に突っ走ることもできず、やっぱりちょっと、中途半端かなあ、と。 ヤンチャな松方と冷徹な丹波が好対照。やっぱり、丹波の勝ち、ですかねえ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-12 22:17:03)
671.  めぐり逢えたら 《ネタバレ》 
「トム・ハンクスとメグ・ライアン共演のロマンチック・ラブコメディ」などというものがすでに一つのジャンル映画みたいで何だか胡散臭く、きっと二人の共演映画が無数にあるんだろう、とか思ってたりしたもんですが、実際はこの映画で2本目、なんですね(今現在で4本らしい)。ちょっと安心。 トム・ハンクスと言えば、今では性格俳優みたいな位置づけだけど、当時の世評は、コメディのできる二枚目俳優、ってなところだったかと。でもそれはビル・プルマンだってそうでしょう。トム・ハンクスなら良くって、ビル・プルマンではダメなのか。確かにダメな気がするなあ。 本作、恋愛モノではあるんだろうけれど、なかなか二人はめぐり逢わず、二人が同じカメラに収まるシーンも殆ど無い、ってのがなかなかユニーク。めぐり逢いそうもない二人をどうやって物語の中でめぐり逢わせるのか、というのが見どころの一つになってます。と言っても正直、やや強引なところもあるんですけれど、それでも最後までハラハラさせるのは、やっぱりうまいですね。でも強引ですね。ここまで来たらいっそ、もう会わないまま映画終わっちゃえよ、と少しイジワルな気分にもなってきちゃうんですけどね。でもそれでも、ついに出会う二人の姿には、やはりグッとくるものはあります。 ビル・プルマンの元を去るメグ・ライアン、その場面で、最後にもう一度、ビル・プルマンの寂しい笑顔を映し出してくれたらなあ、とか思っちゃう。でも、こうやってひっそりと退場するのも、彼らしくて、いいかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-07 21:16:14)
672.  スクランブル(2017)
この主演俳優がクリント・イーストウッドの息子だなんて事は知らない方がいいですよもしイーストウッドの息子だなんて事を知ってたらどんな表情していてもああホントにイーストウッドそっくりだなあってな事が気になって気になって作品に集中できなくなっちゃうからだからシーストウッドの息子だなんて事は内緒にしておきましょう。私って、最低ですね。 冒頭の、走るトレーラーから高級車を強奪するシーン、飛び乗るぶら下がる飛びつく等々、体を張ったアクションがなかなかのカッチョよさで、映画の活きの良さを期待させます。 が、その後の展開はちょいと、もたついちゃう。次のターゲットのクルマは一体いつになったら盗み出すんだ、と、マフィアの親分ならずとも、思っちゃう。やたらと仲間が多い割に、彼らの存在感が薄いのも妙。かなり個性的な爆弾オタクですら、存在感が薄くって。中盤、もうちょっと彼らを物語に絡ませてあげたら、こんな薄味の作品にならなかった、かも。 クライマックスのカーチェイスにおけるCGの使い方にも一部、ちょっと残念なものはありますが、多少はクラッシュやら爆破やら、見せ場は作ってます。 そういや、この主演俳優、何だかヒュー・ジャックマンに似てますね・・・?
[CS・衛星(吹替)] 5点(2021-02-07 20:42:50)
673.  山猫は眠らない5 反逆の銃痕 《ネタバレ》 
伝説のスナイパー、トーマス・ベケット。その彼が、「消息不明」だとか、「実はひっそりと死んでました」だとか、「いやいや、実は生きてました」だとか。「あの人は今」みたいな設定が、近年存在感の薄いトム・ベレンジャーご本人の印象とも重なって、何だかイヤなリアリティがありますな。まさに「あの人は今」状態。4作目の出演をサボる(?)と、こういう事になるのです。 その4作目とやらが、あまりにもヒドい激安作品、いや、作品と呼ぶことすらためらわれる程の出来だったのですが(それは言い過ぎか)、5作目は何とかそれなりのレベルに。後半になってようやくトム・ベレンジャーの表情も、「やっぱり俺が出ないと山猫シリーズはダメだろ」、と心なしかドヤ顔に見えてきたりして。気のせいだとは思うけど。 でも、まあ、安い方の部類に入る作品には違いないでしょう、なあ。これも。往年の勢いは無く、精彩に欠きます。 ロケーションなんかは悪くないですけどね。中盤、ブランドンが敵と一対一で戦う場面、荒野に石柱みたいなのが林立していて、自然の造形物なのかそれとも人工物なのかワカランけれど、なかなかナイス(しかしこの石柱、撮影で傷つけてもいいもんなんだろうか、と変なコトが気になったりもしますが)。あと、「大佐」とやらがいるリゾート地みたいな所の光景も、なかなか風光明媚でよろしいかと(あ、そういやこの大佐って、『メジャーリーグ』のヒトだったんだね)。 ついに父と子が出会う場面、キャラ的にも「涙、涙のご対面」という訳にはいかんだろうけれど、こんなに何の思い入れも工夫もない淡々とした描写だけで終わっていいんだろうか。あるいは終盤のスナイパー対決、こういうシーンは互いの位置関係をうまく描いてこそ盛り上がるところだろうけれど、こんな雑な描き方でいいんだろうか。いろいろと物足りない部分は、あるのですが。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2021-02-07 14:53:59)
674.  汚名
やっぱりヒッチコックって、サスペンスの人、なんだなあ。などということは、巷では常識とされているらしいので、今更何言ってるんだ、ってなところなんでしょうけれども、それにしても。 この物語って、男女が互いに惹かれあっているにも関わらず、女はスパイとして容疑者のジジイと結婚、男はそれを陰で操る、という、ある種残酷な運命を描いている(はず)のもので、言わば悲恋の物語と言えなくもない(はず)のものなんですが、正直、その印象はあまり強くなくって。どちらかというと、特に中盤以降の、ワイン倉庫の捜査の描写などのドキドキ感に重点が置かれているようで。 戦時中の父の行為による汚名を被らされた挙句、今はまたこんなつらい任務に身を投じる女性、これって本来ならかなり悲惨な境遇、だと思うんですが、必ずしも愁嘆場のような場面は多くなく、わりとサバけた印象。捜査される側のジジイも、その母親を登場させるなどして人物像に幅を持たせたりしてるんですけれど。それが、途中からサスペンス全開モードになって、余韻を残すべく準備されたであろうラストの収まりが、何となく悪いように思われます。 しかし、サスペンスとしては、これがやたら面白かったりするもんだから、困ってしまう。困る必要ないけど。傾いたりボヤけたりする主観カメラだとか、被写体に急接近するカメラだとか、映画の見る者の視点を存分に引きずりまわす。鍵束につけられた鍵の数の足し算・引き算、瓶に書かれた年代ラベルの足し算・引き算から導き出される真相。とにかく、面白いシーンに事欠きません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-31 13:22:09)(良:1票)
675.  メジャーリーグ2 《ネタバレ》 
「とんねるず」が登場するシーン以外はほぼ何も記憶に残ってなかったんですけれど、それでも「途轍もなくツマラなかった」ってことだけは覚えていて、そんなのをわざわざ、ケチつけるために改めて見る必要ないでしょ、と言われりゃ、その通りでして。 「1作目にウェズリー・スナイプスが出てたという印象が薄かったと思ったら、2作目で役者が代わってたからか」とか、「こんなところにランディ・クエイドが」とか、「デヴィッド・キースって、弱っちいイメージしか持ってなかったけど(ブルベイカー、愛と青春の旅だち、炎の少女チャーリー)、結構マッチョなんだな」とか。すみません、どうでもいいことばかりで。 トム・ベレンジャーがやや脇に下がって、チャーリー・シーンが、物語の中心、と言えるのかどうかもよくわかりませんがとりあえず最初にクレジットされてます。1作目の後、『ホット・ショット』なるツマラナイ作品でダメキャリアを積んできた彼、だもんで、まあ、本作でも、かなりのダメダメぶり。ギャグにもスポコンにも恋愛モノにもなり切れず、いかにも中途半端。 試合の場面をわりと多く取り入れてますが、こちらもつまみ食い以下の中途半端な描写なので、まるで盛り上がらない。弱かったチームが勝つようになってくるキッカケもよくわからず(このチームはイヤなオーナーがやってくると勝てるのか?)、最後のとってつけたようなワイルドシングにも、何の高揚感も感じられない・・・という、あまりのヒドさに、「このヒドさはちょっとズバ抜けているのではないか」と、逆に、見ててだんだんテンションが上がってしまったんですけどね。 いやはや、久しぶりに、見てみるもんです。
[CS・衛星(吹替)] 3点(2021-01-31 11:04:51)
676.  ゾンビ/ディレクターズカット完全版
NHKが明日、BSプレミアムでコレを平日の昼間っから放送するらしい。どういう視聴者層をターゲットにしているんだろう、と思いつつ、有難く録画させていただこうかと。そういや、私が高校生の頃、民放のUHF局で(奥様映画劇場だっけ?)平日の昼間っから聞いたこともないユーゴスラビア製の戦争映画を放送してたりして、エラく感心した記憶がありますけれども。 ディレクターズカットという響きには、何やら「本家本元」感がありますが、この『ゾンビ』に関しては必ずしもそうとも言えず、ちょっとまったりとしたバージョン。私が最初に見たのもコレなんですけどね。しかし、このまったり感が、まさにこの作品の本質なのかも知れないし、「平日の昼間」こそが、この作品のイメージにあっているのかも。 虚ろな表情でノソノソ動き回るゾンビ、というのは、前作の『ナイト・オブ~』と同様だけど、前作のゾンビが曲がりなりにもその背景に「夜の闇」の不気味さを纏っていたのに対して、今作ではあからさまに明るいショッピングセンターの中を動き回り、日常感の中のゾンビ、といった様相。で、このゾンビ、動きが遅い上に、ガラスドアひとつ破ることができず、SWAT隊員に押し返されるがまま、右往左往するばかりの、いわば最弱クラスのモンスター。SWAT隊員も結構冷静に対処して、こんなにモンスターと人間との距離が近いホラー映画ってのも、なかなか無い。距離が近く、しかしやたら数が多いのが、この作品におけるゾンビ。間違いなく異彩を放った映像となっています。 で、モンスターと言いながら、このゾンビ、見た目は人間と変わらない。ゾンビ退治の構図は、遠目に見れば、無抵抗の人間に対する虐殺と変わらない訳で。実際、ショッピングセンターに現れた暴走族から、ゾンビたちは一方的に蹂躙されたりして。「これは人間じゃない、仲間じゃない」という理由づけのもと「人間そっくり」の連中が蹴散らされ、殺戮される構図。それを見るとき、微妙な罪悪感が伴ったりもしつつ。安部公房が「笑う月」の中の一篇において、「人間そっくりだけど人間ではない(と言われている)食用の生物」の話を書いていて、この話には、ロメロの描くゾンビに繋がるものを感じます。 いずれにせよ、この作品におけるゾンビが何を象徴しているのかは、見る人それぞれ感じるものがあり、例えばもし反共の立場の人なら、無目的に増殖を繰り返すゾンビを「共産主義の蔓延」と見るかも知れません。主人公たち支配層が秩序をもたらすも、他の支配層の登場により、支配層間の争いとなり、結局は革命が起きてしまう・・・。 もちろんこれとはまったく逆に、消費社会に対する批判と見ることだってできるかも知れない。様々なもののメタファーとして見ることが可能だろうけれど、作品を独特の虚無感、終末感が支配していて、これが作品の魅力となっているのは確かでしょう。
[DVD(字幕)] 10点(2021-01-31 10:24:50)
677.  メジャーリーグ
予告編だけ見ると笑えるんだけど、本編を見るとギャグが間延びしてちっとも面白くない、だなんて、かつては思っていたけれど、久しぶりに見てみると、大いに楽しめました・・・って、言ってみたかったんですけどね。やっぱり無理でした。すみません。笑えん。 もうちょっとテンポよくできないもんかなあ。予告編はとてもテンポがよかったんです。そりゃまあ予告編ってそういうもんですが。 こんな簡単に弱小チームが強くなって連勝街道、だなんて、スポーツを舐めてるのか、ってなところですが、しかしこの映画に奮起したのかどうなのか、公開の数年後にホントにクリーヴランド・インディアンスは優勝してしまったので、一応、あり得る話、ということで。 悪役であるオーナーが女性、というのが、ちょっと微妙な問題を含んだ設定で、「野球は男の世界」「女にはわからん」と受け止められかねないし、彼女が更衣室に入ってきて素っ裸の監督と対峙するのも、「外部の人間が土足で入ってきた」みたいな描写に、意図はともかく結果的には、なっちゃってる。ましてや、勝つたびに彼女の等身大パネルの服を剥がしていくだなんて、セクハラそのもの。 ってな事をあげつらおうってんではなくって、要するに、この役は、プラトーンつながりで行くと、ウィレム・デフォーに演じて欲しかったなあ、と、すみません、それが言いたかっただけなんですけれども。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2021-01-25 20:49:35)
678.  恐怖の報酬【オリジナル完全版】
冒頭の断片的なエピソードが、互いに連関することなくただ登場人物を導入するために並列に配置されているだけなのもイマイチ工夫が無いし、ロイ・シャイダーが自動車事故を起こすという、いかにも本編の伏線になりそうなネタがさほど活かされていないのも奇妙だし、何と言っても、あの素晴らしいまでにエゲツない『恐怖の報酬』(1953年)をわざわざリメイクしようってのが、すでに分が悪い。まあ、オリジナルと比べて、ああだこうだ言うのも、無粋かも知れませんけどね(でも比較されるのがイヤなら、そもそもリメイクなんかに手を出さない方が・・・)。 だけどやっぱり、本作にも、圧倒されてしまう。あのつり橋のシーンの、途轍もないシツコさ、そして緊迫感。いやホント、そこまでやるか、と。 ケモノ道みたいな、道なき道を進むクルマ。こんなところまで来てロケして、本当に無事帰れるのか、と、要らぬ心配までしてしまう。 さらには若干、エクソシストっぽいオカルト風味まで感じさせたりもして。確かにここには、このリメイク作ならではの世界が広がっています。これはこれで、スゴい映画。 ところで、最初の方のレストランのシーン、バックに流れているのはモーリス・ラヴェルの弦楽四重奏曲で、実際に店内に流れている音楽なのか、劇伴なのか、判然としないのですが、最後に、劇伴としての不協和音がそこに重なって、独特の効果を上げています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-24 21:23:03)
679.  ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
先日のテレビ放送の際には、本編が始まる前に、1作目のあらすじに加えてこれから放送する本作の設定の説明まで加えて、もう涙ぐましいまで、だったんですけどね。しかし、いかんせん、この本作そのものが、あらすじが延々と説明され続けるような作品、だもんで・・・ま、正直、キビしいですわな。あらすじは、それ以上あらすじにはできません。 という、最初から最後まで、一生懸命、「設定」を語り続けるだけの作品であって、それでもハリーポッター好きにとっては少しウンチク心を刺激してくれるという面はある(らしい)のだけど、私にはそういう面白さは、映画に期待するものでもないし、よくわからない。 画面はあくまでCGによる演出を優先したものに過ぎないけれど、それでも、ここではそれが究極レベルまで突き詰められて、確かにこの作品の中ではあらゆることが起こり得るのだな、と、その点は感心させられますけれども。
[地上波(吹替)] 4点(2021-01-24 20:58:17)
680.  追憶(1973)
冴えない男女の恋愛物語が、途中から赤狩りのオハナシになって、何だか妙な映画には違いないんですけれども、気が付いたらこのしみじみとしたラストへとちゃんと繋がっていく。チャッカリしているというか何というか。実際、しみじみとしちゃんだから、しょうがない。 主演俳優のことを私が「何も考えてなさそうな顔」と言った時、それは私が感心しまくっている時なのだけれど(ほんまかいな)、本作のレッドフォードなんかはまさに、その典型ですね。本当に何も考えていなさそう。素晴らしい。一方のバーブラ・ストライサンド、進歩主義者の役にしてはどうもブルジョアっぽく見えてしまうんですけど、とにかくそういう、一本、芯の通ったような彼女が、初めて家にレッドフォードが来た時にはソワソワしまくって、いそいそとお茶を淹れたりして、そうすると彼女の落ち着きのなさに連動するかのように天井の照明も揺れたりなんかして。 なのにレッドフォードは早速、居眠りこいている。いや、ホントに寝ているのかどうか、はたまたホントに寝ぼけてヤカンの音に反応したのかどうか、知らんけど、とにかくこの無神経男の手ごたえの無さの中、彼女もベッドにもぐりこむ。 赤狩り云々の部分は、ちょっと収まりが悪いんですけどね。わざわざこれをテーマに選んで、この程度の踏み込みでよいのか、と。戦時中からの発端を含め、長期間にわたるこの物語を、実際の近代史の中に刻み込もうとしていて、だけどまあ、時代の流れに振り回されたのか、それともいつの時代であろうとこの二人ではもともとうまくいかないのか(そんな気がする)。とりあえずラストは、しみじみと。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-24 12:54:32)
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