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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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681.  恐怖の報酬【オリジナル完全版】
冒頭の断片的なエピソードが、互いに連関することなくただ登場人物を導入するために並列に配置されているだけなのもイマイチ工夫が無いし、ロイ・シャイダーが自動車事故を起こすという、いかにも本編の伏線になりそうなネタがさほど活かされていないのも奇妙だし、何と言っても、あの素晴らしいまでにエゲツない『恐怖の報酬』(1953年)をわざわざリメイクしようってのが、すでに分が悪い。まあ、オリジナルと比べて、ああだこうだ言うのも、無粋かも知れませんけどね(でも比較されるのがイヤなら、そもそもリメイクなんかに手を出さない方が・・・)。 だけどやっぱり、本作にも、圧倒されてしまう。あのつり橋のシーンの、途轍もないシツコさ、そして緊迫感。いやホント、そこまでやるか、と。 ケモノ道みたいな、道なき道を進むクルマ。こんなところまで来てロケして、本当に無事帰れるのか、と、要らぬ心配までしてしまう。 さらには若干、エクソシストっぽいオカルト風味まで感じさせたりもして。確かにここには、このリメイク作ならではの世界が広がっています。これはこれで、スゴい映画。 ところで、最初の方のレストランのシーン、バックに流れているのはモーリス・ラヴェルの弦楽四重奏曲で、実際に店内に流れている音楽なのか、劇伴なのか、判然としないのですが、最後に、劇伴としての不協和音がそこに重なって、独特の効果を上げています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-24 21:23:03)
682.  ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
先日のテレビ放送の際には、本編が始まる前に、1作目のあらすじに加えてこれから放送する本作の設定の説明まで加えて、もう涙ぐましいまで、だったんですけどね。しかし、いかんせん、この本作そのものが、あらすじが延々と説明され続けるような作品、だもんで・・・ま、正直、キビしいですわな。あらすじは、それ以上あらすじにはできません。 という、最初から最後まで、一生懸命、「設定」を語り続けるだけの作品であって、それでもハリーポッター好きにとっては少しウンチク心を刺激してくれるという面はある(らしい)のだけど、私にはそういう面白さは、映画に期待するものでもないし、よくわからない。 画面はあくまでCGによる演出を優先したものに過ぎないけれど、それでも、ここではそれが究極レベルまで突き詰められて、確かにこの作品の中ではあらゆることが起こり得るのだな、と、その点は感心させられますけれども。
[地上波(吹替)] 4点(2021-01-24 20:58:17)
683.  追憶(1973)
冴えない男女の恋愛物語が、途中から赤狩りのオハナシになって、何だか妙な映画には違いないんですけれども、気が付いたらこのしみじみとしたラストへとちゃんと繋がっていく。チャッカリしているというか何というか。実際、しみじみとしちゃんだから、しょうがない。 主演俳優のことを私が「何も考えてなさそうな顔」と言った時、それは私が感心しまくっている時なのだけれど(ほんまかいな)、本作のレッドフォードなんかはまさに、その典型ですね。本当に何も考えていなさそう。素晴らしい。一方のバーブラ・ストライサンド、進歩主義者の役にしてはどうもブルジョアっぽく見えてしまうんですけど、とにかくそういう、一本、芯の通ったような彼女が、初めて家にレッドフォードが来た時にはソワソワしまくって、いそいそとお茶を淹れたりして、そうすると彼女の落ち着きのなさに連動するかのように天井の照明も揺れたりなんかして。 なのにレッドフォードは早速、居眠りこいている。いや、ホントに寝ているのかどうか、はたまたホントに寝ぼけてヤカンの音に反応したのかどうか、知らんけど、とにかくこの無神経男の手ごたえの無さの中、彼女もベッドにもぐりこむ。 赤狩り云々の部分は、ちょっと収まりが悪いんですけどね。わざわざこれをテーマに選んで、この程度の踏み込みでよいのか、と。戦時中からの発端を含め、長期間にわたるこの物語を、実際の近代史の中に刻み込もうとしていて、だけどまあ、時代の流れに振り回されたのか、それともいつの時代であろうとこの二人ではもともとうまくいかないのか(そんな気がする)。とりあえずラストは、しみじみと。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-24 12:54:32)
684.  誘拐犯(2000)
最初の誘拐のシーン、銃を突きつけられていても全く表情を変えないボディガード2人組が、やたらいい味出してます。この時点で、この作品は普通の映画じゃないな、普通の展開にはならないな、と。 誘拐は明らかに失敗、なのに、結局、成功してしまう。やっぱり普通の映画じゃない。 この辺りも、銃撃戦の音だけを延々と聞かせたり、銃撃戦を演じる人物を画面に出したり引っ込めたり。「画面の中と外」を使った演出の遊び心が、ちょっと意表をついていて楽しかったりします。 映画中盤は多少、まったりモードになりますが、登場人物たちそれぞれに思惑があって、事態はいささか面倒なことにもなってきます。主人公が二人組なら、ボディガードも二人組。さらにその対決に絡んでくるベテラン仕事人、ジェームズ・カーンとジェフリー・ルイスも二人組。それ以外にもいくつか、影の二人組の組み合わせ(?)が・・・。 という、それぞれの二人組の思惑が錯綜して、クライマックスに突入する。ここで描かれる銃撃戦は、もはやサバイバル。意地悪にばらまかれたガラスの破片までにも苦しめられつつ、撃って撃たれて、激しい戦いが繰り広げられます。 ジェフリー&ジュリエットのルイス父娘の競演、にしてはこの二人の接点が妙に乏しいのが、ちょっと微笑ましくも。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2021-01-24 09:12:29)
685.  80日間世界一周
正直、カンティンフラスの顔が原作のパスパルトゥのイメージとかけ離れているという、ただその一点で昔は少々ニガテな映画だったんですが、最近、ようやく見慣れてきたかな、と。ちなみにカンティンフラスっていうヒト、地元では大変有名な方、なんですよね?? 私は本作以外では『ペペ』(という3時間超えの映画をテレ東がCM込み1時間半枠にズタズタに切り裂いたヤツ)しか知らないんですけれども。 ヴェルヌの原作通りに進むのかと思いきや、世界一周の旅に出発したフォッグ氏、いきなり気球に乗って迷走を始めてしまう(なぜかスペインに行ってしまい、パスパルトゥが闘牛をやる羽目に)。しかしこの気球が、ヨーロッパのあちこちの空に登場する、というシュールでもあり豪快でもあるシーンに、まず、度胆を抜かれます。とんでもない映画が始まったぞ、という雰囲気がプンプンと。 その後はまあ、意外に原作通り、といった感もあるのですが、それでも、列車通過後に橋が倒壊するシーンとか、外輪船が分解されていく場面とか、実際にこれらを映像で見せられるとなかなか強烈なインパクト。読むのと見るのとは、やっぱり違いますわな。 「間違ったニッポン」の光景も、いやはや、なかなか・・・。 アウダ姫の存在感が無いとか、肝心のフィックス刑事の存在感がさらに乏しいとか、少々物足りない面もあるのですが(原作との違いをあげつらっても仕方がないんですけどね)、でも、こうやって映画の中で世界を旅して、次から次に世界各地の光景が現れて(もちろん富士山や鎌倉の大仏も)、いざその旅が終わってロンドンに帰ってくると、ああ、映画の中でいろんな光景を見たな、いろんな体験をしたな、と、何だかしみじみしてしまう。 ヘンな充実感を感じてしまうのでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-14 22:07:12)(良:1票)
686.  踊る大紐育(ニューヨーク)
上陸許可を得た3人の水兵さんの、ニューヨークにおける一日。ナンパしたり逆ナンパされたり、それぞれ女性とイチャイチャして、3組の男女プラス1名(?)が、歌って踊る他愛ないオハナシ。ミュージカルなので、歌って踊るたびにストーリー進行がストップしちゃうけど、もともと、進行がストップしても差し支えない程度のオハナシなので、気にせず歌とダンスが楽しめます。そしてその合間にはちょいと笑いも挟んでみたり。ちょいとカーチェイスまでやってみたり。 何せ6人で歌ったり踊ったり、なもんで、当時の1.37対1(でしたっけ?)の画面サイズには、ちと収まり切りません。もう少し横長の画面が欲しくなります。ただ、それだけじゃなくって、カメラに対し人物が重なってしまう部分があったりして、ちょっと雑な部分もあるかな、と。ミュージカルたるもの、とことん計算された画面で、とことんキメて欲しいところです。 面白いことは確かに面白いんですけれども、終盤、ややダレ気味になるのも、残念。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-01-11 21:42:59)
687.  スカイスクレイパー
アメプロはほとんど見ないからよくわからんのだけど、それでも勝手に想像すると、アメリカのプロレスファンは「攻める側」を見ていて、日本のプロレスファンは「攻められる側」を見てるのかな、と。「勝つ」プロレスか、それとも「負けない」プロレスか。そういう理解が正しい、という自信は無いけれど、自分の中ではその理解が一番しっくりくる。 ザ・ロック様ことドウェイン・ジョンソンが、どんな危機も持ち前の肉体で乗り越えてみせ、あまりに強すぎるので本作では、義足というハンディキャップを与えられているけれど、その設定は殆ど機能しておらず、見てるうちにそんな事忘れちゃう。むしろ、義足は外すと便利な道具にもなる、ってか。別に義足である必要も無さそうだけど。 ムキムキ男が苦も無く高所に登ってみせても、そりゃ登れるでしょう、としか思えなくって。さらには、何かと高所で宙ぶらりんになって見せる。でも、例えば高所で「不安な足元」でも見せられりゃ少しはヒヤリとするものを、こんな風に当たり前のように宙づりになって見せられると、正直、全く落ちそうな気がしない。こういうのも全く機能していない。 そもそも、肝心の舞台となる高層ビル、この程度の描写ではまるで愛着も思い入れも湧かず、最初から最後まで「見知らぬビル」でしかなくって。どの部分がどう燃えて、どう危機なのか。 ここまで淡泊だと、もしかして、カントクさんが意に沿わない映画作りを強いられ、しょうがないので一通りソレっぽいアクションを織り込んでプロデューサーの目を胡麻化しつつ、わざとトコトンつまらない作品として仕上げたのではないか。という理解が正しいという自信は皆無だけれど、自分の中ではその理解が一番しっくりくる、かも。
[地上波(吹替)] 4点(2021-01-11 13:22:14)
688.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
いかにもといったモチーフをこれ見よがしに散りばめて社会批判、一丁上がり、最後はどうせ修羅場に持ち込んでお茶を濁すんじゃないの、という悪い予感はあったのだけど、実際にそういう展開になってしまうのを目にすると、つくづくウンザリしてしまう。一体、いつまでこんなコトやってんだか。これはもしかして、「オールド・ボーイ」病とでも言うべきものなのでしょうかね。 ただし、劇中では戯画化されているとは言え、ある種の真実がここに反映されていることは、確かでしょう。格差社会による貧富間の分断は、弱者が強者に寄生して他の弱者を蹴落とす「弱者間の分断」にまで至る。政治・経済の面では保守と革新が骨肉の争いを繰り広げて、李政権・朴政権が行った革新への徹底的な弾圧に対し、現在(2021年初頭)は文政権が保守に対し粛清と言ってもよいような弾圧を繰り広げている。末期を迎えたトランプ政権が引き起こした騒動は、世界を驚かせたけれど、これだって「韓国ではすでに何度も見られてきた」お馴染みの分断の一光景、と言えるのかもしれない。 「近代社会の崩壊」という観点では、おそらく、我々の隣国は世界最先端を走っている。そして他国もまた同じ流れを辿ろうとする以上、決して対岸の火事とは言い切れない訳で。そういう、時代の危機感とのリンクがあってこその、本作のパルム・ドールとオスカーW受賞なのでしょう。
[地上波(吹替)] 5点(2021-01-11 10:35:58)(良:2票)
689.  永遠の0 《ネタバレ》 
これはもう、原作の悪い所がそのまんま出ちゃったなあ、と。 原作自体、正直、これを小説として読むことはできず、情報の少なさをフィクションと著者の感想とで水増ししたルポルタージュ、として受け止めてしまったんですけれども、映画化にあたっても、原作の基本構成は変えられず、結局、特攻というものに対する感想を述べ続ける映画になってしまいました。いや、映画らしい味付けも確かになされているんですけどね。染谷将太復帰の場面を視点を変えて繰り返し描く場面なんかもちょっとした面白さがあるし、井上真央が染谷将太をいったん拒絶する場面なんかも原作の弱さを補っているとは思います。 ただやっぱり、いちいち挿入される現代パートが、ひたすら胡散臭さにしか繋がっていなくって、こればかりはもう、どうしようもありません。 CGによる描写は、意外によくできていたなあ、と感じる部分もあるのですが、ただ残念ながら、あの戦闘機なり軍艦なりに、肝心の「生身の人間」が乗っているようにはどうしても見えない、ってのは、やはりイタいです。
[ブルーレイ(邦画)] 5点(2021-01-04 17:58:06)(笑:1票)
690.  ビー・バップ・ハイスクール(1985)
かつて、この映画の監督さんが、「ジャッキー・チェンのように体を張ったアクション」こそがホンモノのアクションであり、そういうのを目指したんだ、みたいなことを言っていて、当時の私はかなり反発を感じたもんですが。まずアクションと言えばカーチェイスとクラッシュだろう、と。それに、こんな映画とジャッキー映画を一緒にするな、と。 でもその後の私の人生で種々雑多な映画を見てきた、その過程とは結局、このビー・バップ・ハイスクールという作品が、真似しようにも簡単には真似できぬ稀有の作品であることを確認する過程であった、と言っても過言ではない、とまで言うとこれはもう明らかに過言なんですけど(←そればっか)、でも確かにこれは稀にみるハチャメチャ痛快作である、ってコトには確信を持ってます。持つようになってしまってます。 こういうツッパリ、ってのも今ではすっかり絶滅危惧種となって、ウチの子供に訊いても「今までにこんな髪型を見たのは仮面ライダーフォーゼぐらい」とのこと。そりゃまあ、ナンボか誇張はありますけれども、そんな未確認生物を見るような目で見なくっても、かつてはこんなヒトたちが、そこそこ生息していたワケで。 で、そんなヒトたちが、ほとんど「人間の体はどこまで頑丈か」「どこまでの無茶に耐えられるか」を競うように、映画の中で無茶しまくってる。一体、何でしょうね、どうしてこんなワケのわからない「頼もしさ」を彼らに感じてしまうのでしょうか。 クライマックスの一大合戦が、アホらしくてダサくって、闇雲にカッチョいい。いや、ホント、貴重な作品です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-04 17:27:34)(良:1票)
691.  バニー・レークは行方不明
地球上でボーマン船長の姿が拝める、貴重な映画。ってのはどうでもいいんですけどね。 映画の4分の3くらい、大して何も起こらない、というより、そもそも何かが起こったのかどうか自体がよくわからないんですけれども、にも拘らず、スリリングでぐいぐいと引きこまれます。 何しろ、どのシーンを見ても登場人物が画面内を動き回り、カメラも登場人物たちを追いかけて、とにかく動きのある映像が展開されまくります。その計算された構図に息をのみ、あれよあれよという内に物語が進んでいく。 終盤、物語の展開に動きがあり、ほとんど物語が破綻するかしないかの瀬戸際になって、そうなるとカメラも一層、不安を煽って見せる。もうハラハラもの。 という訳で、まさに出色のサスペンスです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-01-04 17:07:01)(良:2票)
692.  西部魂(1941)
アメリカ映画見てると時々、荒野に一本道が走っていて、その脇に電柱が立てられてるのが延々と続く、ってな光景を目にしますけれど、アレの原点みたいな作品ですね。開拓時代、荒野に電柱を立て、町から町へと通信線を張り巡らせる。 その事業に関わった男たちが、主要な登場人物ですが、そのうちの一人はどうやらお尋ね者らしいことが、映画の冒頭で示されます。彼は荒野で倒れている男を発見、馬をかっぱらおうとするけれど、男が瀕死の状態であることに気づき、結局は男を助けて近くの町まで運ぶ。 で、お尋ね者も正体を隠して事業に参加することになり、彼らはなんだかんだと意気投合。先住民に絡まれるのを機転を利かせて危機を乗り切ったりと、ユーモアあふれる場面もあったりするのですが、そうは言っても元悪党。かつての悪党仲間と完全に縁を切ることはできず、ついに対決することになる。 火災シーンのスペクタクルに、クライマックスの床屋における決闘シーン。この辺りは、作品の大きな見どころになってます。 正直、ランドルフ・スコットってどういう訳か妙に頼りないヒトに見えてしまうのですが、本作にはそれが、これまた妙によくマッチしてますね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-04 16:29:49)
693.  聖衣 《ネタバレ》 
歴史スペクタクル、とは言っても大規模な戦闘シーンを売り物にしている訳ではないのですが(チャンバラが多少)、大がかりなセットに大勢のエキストラ、やはりこれはスペクタクル。 イエス・キリストの処刑にまつわるオハナシで、例によってイエスの顔は劇中には登場しません。そして意外にアッサリと処刑されてしまう。その処刑の際にイエスが身に着けていた衣装、「聖衣」がこの作品のテーマ。 イエスは生前、人々の病気を治す奇蹟をおこなった、らしいのだけど、作中ではその奇蹟が直接描かれる訳ではなく、イエスを自らの手で処刑し後に続くマーセラスの苦しみも、聖衣に触れたため、というよりは、聖衣を通じて自分の良心の呵責に触れたため、という描かれ方になってます。キリスト教とは無縁の人間が観ても、納得感がありますね。 ラストシーンで胸を張って処刑場に赴く主人公と、その恋人。彼らの背景が、次第に現実のものから大霊界(?)へと変化していく描写が、これは今見ると少し気恥ずかしいものがあったりもするのですが、しかしなるほど、合成技術によりこういう表現もできるんだなあ。というワケで、この手法は少林サッカーあたりにも影響を与えているのではないか、と(まさか)。 基本は宗教劇なので、活劇の要素は多くはありませんが、ペテロの集会が軍隊に襲われる場面や、終盤の城への侵入シーンなどは、なかなかの見せ場になっています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-04 15:43:28)(良:1票)
694.  荒野の誓い
先住民が白人の一家に襲い掛かり虐殺する、という発端。こんな風に先住民の悪辣ぶりを描くのは、昔の西部劇ならいざ知らず、昨今ではなかなか珍しいですが、とにもかくにも、母親だけが生き残る。彼女の慟哭。 彼女はクリスチャン・ベイル率いる部隊に同行することになるのだけれど、その部隊は、件の部族(コマンチ族)とは別の部族の先住民一家を居留地へ護送する任務を負っている。クリスチャン・ベイルは、家族を失い精神が不安定になっている彼女に対し、細やかな気遣いを見せるのだけど、そういう「ワカッてるヒト」である彼だからこそ、その彼が譲れない部分というのは、とことん譲れないのであろう、という、彼自身の不安定な危うさも感じさせます。何しろ、彼にとって先住民とは、かつて血で血を洗うような戦いを繰り広げた相手であり、いわば天敵ともいうべき存在。今回はその彼らを護送する役割なのだから。 さらには家族を失った母親にとっても、先住民は憎んでも憎み切れない対象。一方ではコマンチがいつ襲ってくるやも知れない危機感もあり、一行には何重もの危うさが漂っているのですが、その彼らを大自然がゆったりと包んでいる。映画全編にわたって、息を呑むような雄大な風景が、広がり、これが実にお見事。 ゆったりした流れの中で、いくつかの事件があり、登場人物たちが一人また一人と命を落とす。その悲しみもあるけれど、それも含めて生き残る登場人物たちの心の動きが、これもゆったりじっくりと描かれます。クリスチャン・ベイルの寡黙さの中の心の動き。こういうのは高倉健の専売特許かと思ったけど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-01-04 10:54:59)
695.  アイガー北壁
危険な山岳地帯でロケしてます、ってのはよくわかるんですけれども、それにしては、その危険さをしっかり画面で見せつけてくれないのが残念。もしかして、編集の際に、ワンショットは何秒まで、とかいうルールでも設けてたんですかね。じっくり見たいショットもそうでないショットも、やたらと切り替わってしまって。高所を捉えた迫力あるシーンがある一方で、人物なり事物なりのクローズアップもあり、それ自体はいいんですけど、本作は後者がちょっと多すぎるようにも思えます。「いかにも危険そうなシーン」は、じっくり見せてくれさえすればコチラで勝手にハラハラしようものを、すぐにショットを切り替えてしまう。残念ながら、周囲の光景がアングルに収められていないアップのシーンが多いと(それはつまり、周囲が映るとマズい場所で撮ってるんでしょ、という勘繰りにも繋がりかねない)、いまひとつ危険さや過酷さが伝わってこないもんです。 もちろんあの、凍傷の痛々しさ、というのは、これはクローズアップならではの表現であり、アップが不要というつもりはないのですが、そこでまさかのジャンプカット演出。いやいやいや。ここは「もたつくこと」の表現、その持続した時間こそが、サスペンスになるべきなのでは。 登攀シーンですら、このように細切れなもんで、屋内の会話シーンなんて、カメラがどこを見て何を撮りたいのか、何だかよくわからない。 音楽も、不必要に大仰で、まるで映像に合っていない部分が多々。一方で、登攀シーンでは映像に合わせようというのか、音楽にハーケンの音が取り入れられているのですが、音楽のつもりなのか効果音のつもりなのか、見てて戸惑ってしまい、逆効果。気を削いでしまいます。 いろいろと、もったいない部分の多い映画でした。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2021-01-04 06:33:31)
696.  透明人間(2020)
透明人間なんていう、「見えないもの」を、映画でどう見せるか。というところですが、いや実際、透明なんだから、見えなくったっていいじゃないの、というアプローチの作品になっていて、これが功を奏してます。誰かがそこにいるんじゃないのか、という空間、それが映画の中で重要なファクター、というか重要なキャラクターと言ってもよいような役割を果たしています。何かが起こるんじゃなきいか、という、ボヤっとした空間。この雰囲気は、パラノーマル・アクティビティなんかにも繋がるものがありますけれど、ホレ、この通り、別にインチキドキュメンタリ形式にしなくったって、ちゃんと恐怖が成立するのが、本作を観ればよくわかります。 とは言え、何もない空間に対してひたすら怯える演技をし続ける映画、ってのもさすがに昨今、流行らないワケで、随所に取り入れられた特殊効果が、ちょいとドキリとさせるスパイスになってます。 基本は、SFというより、心理サスペンス。見えるものが正しいもの、である以上、見えないものに怯える主人公はすなわち「正しくないもの」であり、彼女は、ひとり追い詰められていくことになる。だけど透明人間がその姿を垣間見せ、見える・見えないの境界が揺らぎ始める時、物語は一気に加速し始めて。で、最終的にはまた「見えるものが正しいもの」へと回帰していく、ちょっと意表を突くラストへ。 今さら透明人間、という先入観を逆手にとった、意外な面白さのある作品でした。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-01-02 17:26:00)
697.  仁義なき戦い 代理戦争 《ネタバレ》 
冷戦下、世界のあちこちで勃発した戦争は、大国間のいわば代理戦争だった。一方、日本のヤクザ社会もまた、そういう代理戦争の様相を呈していた、というのがタイトルの由来ですが、どうでしょうね、そんなに「代理戦争」感は強くない、ってか、もともとこのシリーズ自体が、消耗品としての男の生き様を描いてて、むしろシリーズの世界観そのまんま、という気も。 代理戦争、というよりは、心理戦。吹き荒れる暴力の背景には、裏切り、謀略が渦巻いている。上は金子信雄から、下は(一見何も考えてい無さそうな)川谷拓三まで、とかく要らん策略を張り巡らせては、事態を悪化させ、その結局犠牲になるのは、渡瀬恒彦のような若者。ただ死んでいく者が多い中で、渡瀬恒彦演じる若者は、母との関係が作中に織り込まれ、息子を失った母親の哀しみをこれでもかと描く。こういう、殺伐とした映画にウェットな情を絡めてくるのが、深作監督らしいところ、と言えましょうか。 危険なニオイをプンプンさせる菅原文太ほか、コワモテ俳優がずらりと並ぶ中(眉毛が無いとは言え梅宮辰夫の顔が、コワモテに分類されるのかは正直よくわからんが)、スター・小林旭がそこに顔を並べているのが、ちょっと異彩を放っています。正直、東映に来てもこういう「非・スター映画」の中に放り込まれてしまうのでは、もったいない起用、という気がしなくもないのですが、確かに作中で独特の雰囲気は醸し出しています。 ラストは、まさにここから、という場面でオシマイ。イジワル。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2021-01-02 07:13:48)
698.  天国は待ってくれる(1943)
金持ちの考えることはよくワカラン、というか。上流階級の好色オヤジの一代記。別にエロい作品ではありませんが。 さまざまな調度に彩られた大邸宅のセットが、お見事。物語自体は、何ちゅうこともないのですが、飄々と我が道を行く主人公と、なにかとワリを食う羽目になる従兄弟との関係が、オモシロい。 この主人公、色々と罪深いところもあるけれど、片っ端から女性に手を出している訳ではなく、基本には常に奥さんとの関係があって。そこが、地獄に落ちるドン・ジョヴァンニと違うところ。 冒頭、あの世に行った主人公が天国に行くのか地獄に行くのか、というところから始まって、そこにやってきた知り合いのオバチャンが、昔は脚線美を誇ったものよ、と現在の大根足を見せたとたん、床に穴が開いて地獄に突き落とされる。なんだ、これではまるでスペクターの基地ではないか(スペクターはこれをパクったのか?)と思っちゃうのだけど、床の穴が開いた途端に煙が噴き出す芸の細かさ。スペクターはこういう部分こそ、見倣って欲しいもの。 そこから物語は主人公の生前に移り、それなりにアホらしい人生が描かれるのだけど、最後はやっぱりシンミリしてしまう。ジジイになってもエロいことはエロいんだけど、その背景には、過ぎ去って二度と戻らぬ青春の日々、ってのがあって。人生最後まで笑って暮らし、でもそのどこかには、泣き笑いがある。 ところで、地獄に落ちたら、ベートーヴェン、バッハ、モーツァルトの音楽とはオサラバ、だそうですが、本当にこの3人は無事に天国に行けたのだろうか。三者三様、それぞれ脛に傷を持たない訳でもなく・・・
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-12-31 09:56:30)
699.  アラスカ魂
ジョン・ウェインと言えば、西部劇におけるヒーローの中のヒーロー、というイメージがあるのですが、しかし実際に映画に登場する彼から受けるのは、剽軽でお茶目なオヤジ、という印象。ある作品を「おおらかな西部劇」と言った時、そのおおらかさの半分は、彼に起因するものではないか、とすら思えてきます。 その彼が、ここでは文句なくコミカルなドタバタをやってます。何かといえば大騒ぎ、乱闘、殴り合い。何かといえばおごってくれる気前の良さ。 男女が意地を張り合う凸凹恋愛劇、という基本ストーリーは、これは50歳を過ぎたオヤジには似合わぬキツイものが、若干無いでは無いけれど、こういうアホらしいオハナシをえらく手間をかけて大々的に撮影し、乱闘ドタバタのみならず、こんな作品には誰も期待しない銃撃戦まで織り込んでみせたりして。相棒ジョージ(スチュワート・グレンジャー)の人懐っこい表情も忘れ難い。実に「おおらかな」作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-31 09:23:21)
700.  愛人/ラマン 《ネタバレ》 
中国人青年を演じるレオン・カーフェイが、ジェーン・マーチと知り合ってからエッチするまでの場面で、初めてひとりでエロ本を買いに行く中学生みたいな演技をしていて、微笑ましいというか叱りつけたくなるというか、なかなか絶妙な演技を見せてくれるのですが、こういう描写は、原作小説にはほとんど見られない要素ですね・・・などと偉そうなコトを言えないのは、原作を読んだ記憶はあるのに内容をサッパリ覚えていないからで。久しぶりに本棚から取り出してパラパラめくり、まるで内容を憶えているかのごとくこうやってコメントを書くのも、我ながら、どうかと。スミマセンです。 映画の方は、途中からエッチシーンが連発され、昼日中にくんずほぐれつやってる一方で、表の通りには日常の喧騒があって。ってな描写が、退廃的で独特の雰囲気。ただ、それをいくら繰り返してもあまり変わり映えがせず、だんだん「こういうのは結局、映像では伝わらないよね」と投げやりになっていくような印象があって(ホントにアノーがそんな事を思っていたとは思わんけど)。 ラストの「ショパンのワルツに涙する」というのは、これまた陳腐な話だ、と思ってたら、これは原作にもあるエピソードでした(もちろん私はこれも覚えてなかったけど。スミマセン)。少なくとも、映画で見せるには、これは陳腐だと思うのですが、どうでしょうか。 三人称で語りつつも実際は一人称の物語である原作に対し(・・・スミマセン)、映像作品である本作には、幾分、客観的な視点があり、中国人青年の立場、というものも織り込まれているのだけど、何となく、「家畜人ヤプー」を白人の立場から描くとこんな感じになるのかな、とも思ったり。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-31 08:48:27)
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