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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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681.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
松本清張生誕100年を記念して東宝で製作された「ゼロの焦点」の再映画化作品。野村芳太郎監督の松竹版を先週に再見したばかりだが、それから約一週間経ってから本作を見た。ドラマ部分に物足りなさを感じた松竹版と比べると本作は佐知子(中谷美紀)と久子(木村多江)の関係などのドラマ部分を掘り下げようとしている点や、松竹版で不足していた部分にも補足がしっかりされていて、松竹版よりもこちらのほうがストーリーは分かりやすくなっている。室田夫妻のキャラクターが松竹版とはまるで違うのも、まあこれはこれで悪くはない。しかし、中谷美紀演じる佐知子はどこか怪物的な怖さがあり、すごくインパクトがあるのだが、少々やりすぎてしまった感があり、演技もうまいんだけど少しオーバーに感じたのがちょっとなあ。(中谷美紀は普通の役よりもこういうややエキセントリックな役が似合うとは思っているけど。)禎子(広末涼子 主要三人の中ではかなり浮いて見える。)の推理シーンが断崖でないのは2時間ドラマっぽくなるのを避けたかったというのは分かるのだが、そこはやはりこの物語のハイライト部分なのでそのままが良かったかなとも思う。後半の途中あたりから終盤までが松竹版と変わってしまっているのはドラマ性を強調しすぎるあまりと思うのだが、逆にこんな話だっけと思ってしまうし、佐知子の夫とか最初とキャラがぶれていて違和感があった。久子の死に方も松竹版のほうが切なさが出ていたと思う。全体的な雰囲気も昭和に製作された松本清張原作映画を見慣れてるせいもあると思うのだが、なんかいかにも今どきの映画という雰囲気が出すぎていて、松本清張原作と聞いてイメージするものとは違う気がする。それに、記念映画として製作するなら何も過去に何回も映像化されているものでなくてももっとほかに映画化されていないものの方が良かったのではとも思えてしまったのも事実だ。松竹版と合わせて2作品見終わったあとの印象は最初のほうは分かりやすさで言えばこっちのほうが良いけど、終盤にかけては松竹版のほうが良かったというどっちつかずの微妙な感じ。点数はとりあえず松竹版の補完版と見て同じ点数を。でも、松竹版を見ずにいきなり本作を見たらどう思っていただろうか。
[DVD(邦画)] 6点(2018-09-22 22:54:21)
682.  タッチ(2005) 《ネタバレ》 
原作読んだこともなければフジテレビで放送されてたアニメもちゃんと見たことがないが、有名な作品なので物語のだいたいのあらすじは知ってた。たぶんそうなんだろうなあと予想はしていたが、そのあらすじをダイジェストで見せられた感じで展開も早く、登場人物たちに感情移入する前に次のシーンにいってしまう。普通なら泣けるはずの和也の遺体を前にした達也と南のシーン(なつかしアニメ名場面集などの特番で本作のアニメを取り上げた際に必ずといっていいほど流れるシーン。)も、それまでの三人の関係が深く描かれてないために全く泣けなかった。それでもまあ特に何か期待してたわけではなく最初からプログラム・ピクチャーのアイドル映画と割り切って見ていたのであまり腹は立たないが、これではあまりにも説明不足なのでちょっと原作やアニメを見てみたくなった。
[ビデオ(邦画)] 4点(2018-09-16 23:20:28)
683.  日本侠客伝 白刃の盃
シリーズ第6作。今回はこれまでこのシリーズの脚本を手掛けていた笠原和夫や野上龍雄が関わっておらず、中島貞夫監督と鈴木則文監督が脚本を手掛けているが、舞台が運送屋で高倉健の役柄がトラック運転手であったりするのはこの間まで何本か見ていたためか思わず鈴木監督の「トラック野郎」シリーズを思い浮べてしまいそうになるのだが、もちろん「トラック野郎」のような話にはなっておらず、マキノ雅弘監督らしい任侠映画になっていて、先週見た「雷門の決斗」より面白かった。高倉健ももちろんカッコイイが、やはりマキノ監督の映画は脇役陣がイキイキとしていて、長門裕之、大木実はもちろん、砂塚秀夫も印象に残るし、東映任侠映画には珍しい気がする伴淳も良い味を出している。今回も悪役は天津敏だが、その演技は見ていて本当に憎たらしくなってくるし、高倉健演じる主人公がいかにしてこの悪役を倒すかというのがこのシリーズの見どころなのだが、マキノ監督はそのあたりの見せ方がうまく、ここがしっかりしているからラストの殴り込みシーンに大いに盛り上がることができるのだと思う。ドラマとしてはやや湿っぽく感じる部分も多く、少し気になるものの、それでもマキノ監督の演出は安定感があり、安心して見ていられるのが良い。高倉健の妻役を藤純子が演じている(出番がそれほど多くないのがちょっと残念。)が、このシリーズで主人公が妻帯者なのは初めて見たような気がする。
[DVD(邦画)] 7点(2018-09-16 13:13:56)
684.  DESTINY 鎌倉ものがたり 《ネタバレ》 
山崎貴監督が三丁目の夕日シリーズと同じ西岸良平の漫画を映画化した作品。ということで、やや二番煎じものなのかなと見る前は思っていたが、見る前に原作の漫画をいくつか読んでいた三丁目の夕日と違って、原作を知らずに見た(家に一冊だけあるので今度読んでみよう。)ためか、舞台となる鎌倉が人間と魔物が普通に共存している場所という荒唐無稽な設定で、前半はここを舞台にした人情喜劇といった趣で、それなりに面白く見れるし、三丁目の夕日シリーズになかったミステリーの要素もある。主人公である堺雅人と高畑充希の演じる新婚夫婦である正和と亜希子も微笑ましく描かれ、何よりそんな日常に魔物という非日常が普通に紛れ込んでいるというのが三丁目の夕日シリーズとの最大の違いで、これを受け入れられるかが本作を楽しめるかの肝なのだが、割とすんなり受け入れられた。(同じ監督、同じ原作者ということで三丁目の夕日のような映画を期待してしまう人は多いと思う。)脇で出演している役者たちも三丁目の夕日に出ていた人がチラホラ居るのだが、堤真一と薬師丸ひろ子が夫婦役ではないところとかはひねってあって見る人の期待をわざと裏切っている感がいいし、三丁目の夕日でもじった名前の人物が登場していた吉行和子が出ているのは狙ったキャスティングだろう。(旦那役が「家族はつらいよ」シリーズはじめ、吉行和子と夫婦役の多い橋爪功というのが気が利いていて楽しい。)後半は亜希子がふとしたことから死んでしまい、霊体になってしまうという展開だが、やはり正和との別れシーンは泣かせてやろうという山崎監督らしい演出が鼻につく。しかし、本当にここで終わっていれば良かったものの、終盤30分は黄泉の国へ行ってしまった亜希子を連れ戻す冒険ものになってしまい、予告や宣伝などでもここが一番の見どころのようにされていたが、そこからはどこか洋画やアニメで見たような展開と映像で、既視感がすごくてもうお腹いっぱいという感じだし、それにこの部分はちょっとファミリー向けを意識しすぎていて特撮ヒーローもののようになってしまって、前半の雰囲気とかなり乖離があるものになってしまっていて、はっきり言ってバランスが悪い。同じように亜希子がよみがえる結末でももっと違った描き方があったと思うし、三丁目の夕日のように最後まであくまで人間と魔物が共存する鎌倉での日常を描いた映画にしたほうが良かったのではとも思う。三丁目の夕日シリーズは嫌いではないが言われているほどではないと思っているが、見終わってつい三丁目の夕日のほうが良かったと思えてしまった。(評点おなじだけど。)それともう一つ、主演のふたりは本作の前に朝ドラと大河にそれぞれ主演しているが(「真田丸」、「とと姉ちゃん」)、本作の主題歌は「とと姉ちゃん」の主題歌を担当していた宇多田ヒカル。これで本作劇伴担当の作曲家が「真田丸」で音楽を担当していた服部隆之ならとつい思ってしまう。
[DVD(邦画)] 5点(2018-09-13 17:38:34)
685.  男はつらいよ 寅次郎と殿様
ゲストはアラカンこと嵐寛寿郎。それを意識したような冒頭の夢シーンが笑える。
[地上波(邦画)] 5点(2018-09-06 17:45:08)
686.  高速戦隊ターボレンジャー 《ネタバレ》 
メンバーが高校生だけで構成された「高速戦隊ターボレンジャー」の劇場版。さすがに二日ほどで戦隊シリーズ劇場版6作品というのは飽きてくるのだが、本作は主役メンバーが高校生ということもあってなにか他の作品とは違う雰囲気で、仲間である妖精シーロンを死なせないためにかつてシーロンの仲間の妖精が命と引き換えに封印した最強の暴魔獣を復活させようとする敵に挑むターボレンジャーになにか熱いものを感じ、暴魔獣の復活を知ったシーロンが今度は自分が封印しなければいけないと飛び出していく場面も何だか知らないが絶対に死なないと分かっていながら普通に感情移入して見てしまった(笑)。テレビシリーズはこれも見ていたはずだけど、20年前なんでそんなに記憶にないが、劇場版は今回見た戦隊シリーズ劇場版6本の中では内容的にいちばん退屈しなかった。(といってもやっぱり基本的には子供向けなんだけどね。)高見恭子が教師役で出てる。
[DVD(邦画)] 5点(2018-09-04 11:51:43)
687.  砂の器 《ネタバレ》 
加藤剛と橋本忍の訃報を聞き、久しぶりに見たくなって20年くらい前にテレビで見て以来の再見。その時も強烈に残った映画だったので、ちょっと久しぶりに見るのが不安な面もあったのだが、なんといっても橋本忍と山田洋次監督による脚本が巧みで冒頭からすぐに引き込まれる。前半の事件を追う刑事たちを描いた部分ももちろん面白いのだが、やはりこの脚本のすごいところは犯人である和賀英良(加藤剛)の悲しい過去を克明に描くことで、単なる推理ものに終わらない深い深い人間ドラマとしても一流の映画になっていて、これが本作を名作たらしめるゆえんだろう。後半の刑事たちの捜査会議と和賀のコンサートを交互に描き、そこに和賀(=本浦秀夫)とその父である本浦千代吉(加藤嘉)の放浪の旅の回想シーンを入れてくる演出はまさしく映画的で、その放浪シーンもセリフを使わず、「宿命」の美しい旋律と四季をすべて織り交ぜた日本の美しい風景の中に描いていることで野村芳太郎監督をはじめとしたスタッフが映画の力を信じていることが分かるし、やはり見ている側としてもここに映画の素晴らしさというものを感じずにはいられない。野村監督はどうしてもこれをやりたくて松竹でダメなら他社へ行ってでもやるという意気込みだったというが、その熱意はじゅぶんに感じることができる。出演している俳優陣の演技ももちろん素晴らしいが、中でもやはり、和賀を演じる加藤剛は初めて加藤剛という俳優を見た作品が本作だったこともあり、加藤剛といえば真っ先にこの役が浮かぶのだが、それは久しぶりに見た今でも変わらないし、むしろほかの俳優が演じる和賀英良が想像できないほどにイメージが一体化してしまっている。企画の構想段階から既に決まっていたという千代吉役の加藤嘉(初めて本作を見た時、本当に加藤剛の父親と思ってしまった。)も素晴らしく、加藤剛の和賀もそうだが、彼の千代吉無くしては本作がこれほど胸を打つ映画にはならなかったかも知れない。今西刑事を演じる丹波哲郎も抑えた演技が印象深く、やはり名優だと感じることができる。(捜査会議のシーンはこの人ならではの説得力がある。)そして短い出番ながらも心優しい三木巡査をあたたかく演じる緒形拳。とにかく主要キャストのほぼ全員の代表作と言っていいほど、みんな素晴らしい演技を見せていてその点でも見ていて飽きない。そしてもう一人、映画館の主人を演じる渥美清も忘れることはできない。(渥美清と丹波哲郎のツーショットは貴重だ。)でも、今これほどの映画が果たして作ることができるかと言われればはっきり言って疑問。まさに本作は熱意ある優れた脚本と優れた演出、優れた名優たちの演技、これらが三拍子そろったからこそできる映画で、本作のような映画はもう二度と出来ないだろう。橋本忍さん、加藤剛さん(はじめ本作に関わった亡くなった方々)のご冥福を祈りながら、文句なしの10点を。本当に何度でも繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し見たくなるような映画である。(2018年8月17日更新)
[DVD(邦画)] 10点(2018-08-19 18:53:11)(良:2票)
688.  古畑任三郎スペシャル すべて閣下の仕業 <TVM> 《ネタバレ》 
そこそこ面白かったけど、古畑だけではやはり何か物足りないし、終わり方もこのシリーズにしては後味が悪かった。津川雅彦はこれ以前にも連続ドラマのシリーズに別の役で出てるので最初は同一人物かと思った。
[地上波(邦画)] 5点(2018-08-02 18:16:30)
689.  コント55号とミーコの絶体絶命 《ネタバレ》 
今回は55号のふたりが同じ市役所の同じ課に勤める兄弟という設定で、欽ちゃんが弟、二郎さんが兄なのだが、筋金入りのケチな兄に小言を言われまくっていた弟が係長になった途端に兄に上司風を吹かせて仕返しをする最初の展開がいかにもコント的な感じで、二人も兄弟という設定上か先週見た「ワンツーパンチ 三百六十五歩のマーチ」よりもさらに息の合ったコンビぶりを見せている。ストーリーは胃の痛い兄の自分はガンではないかという勘違いから膨らんでいき、それをきっかけに起こるすったもんだが描かれているが、それがありがちながらも笑えるし、弟がひょんなことから知り合った女性(太地喜和子)が県議の娘で、見初められた弟が彼女と婚約するエピソードはちょっとした風刺もあって良い。(太地喜和子のワガママぶりがなんかカワイイ。)旅行に出かけた兄が旅先で知り合った朱美(倍賞美津子)の旦那(田中邦衛)が寅さんのような風貌で笑えるのだが、この倍賞美津子というキャスティングもおそらく寅さんのパロディーを意識してのことでそれを思うとよけいに笑える。(そういえば田中邦衛、この年に公開された「男はつらいよ」の一本に出てたな。)海に飛び込んだ兄を助けたのが弟が恋をしている女性 秀子(由美かおる)だったというのはちょっと強引に感じるものの、兄を死んだことにして香典を集める後半の展開はなかなかの見もので、ここがいちばん笑えた。全体的に「ワンツーパンチ 三百六十五歩のマーチ」よりもペーソスのある作風だが、ラストは市役所を辞めた二人が屋台のラーメン屋になっている姿が描かれていて、そこで秀子にも振られてしまうのだが、それでも前を向いて生きていこうとする姿に思わず勇気づけられた。ほかの出演者では病院で兄に話しかける患者役に三木のり平が出ているのが嬉しい。薬局の店員を演じている和田アキ子が若いながら今とほとんど印象が変わらない感じなのはすごかった。医者役はあんまり見たことがない人だなと思っていたら俳優が本業ではないなかにし礼だったのもビックリ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-08-02 17:13:54)
690.  喜劇 女は度胸
なかなかパワフルな喜劇映画でかなり面白かった。劇中何度かある渥美清と花沢徳衛の喧嘩シーンは初期の「男はつらいよ」での寅さんと森川信演じるおいちゃんとのやりとりを見てるみたいな感じ(途中から花沢徳衛が森川信に見えてきたし。)だったりラスト近くの渥美清のせりふがまんま寅さんが言っているかのように聞こえるとかどこかこの年始まったばかりの「男はつらいよ」シリーズのセルフパロディーのようで楽しい。母親を演じる清川虹子がすごく良い演技を見せていてとても印象に残る。内容的にはいつもの松竹らしい映画だと思うけど、挿入歌(「くそくらえ節」)の歌詞などけっこう過激な部分も多かったのがいつもの松竹映画とはちょっと違っているなという感じを受けた。森崎東監督の映画なかなか機会に恵まれず今まであまり見たことはない(これが4本目。)けれど、ほかのももっと見てみたいなあ。
[DVD(邦画)] 8点(2018-08-01 22:54:13)
691.  トラック野郎 男一匹桃次郎 《ネタバレ》 
シリーズ第6作。「トラック野郎」シリーズはベテランもマドンナに起用されることが多い「男はつらいよ」シリーズに対してマドンナ役には当時の若手女優が起用されるのが常だが、今回のマドンナ役は前年にテレビドラマでデビューしたばかりで、これが映画デビュー作の夏目雅子というのがずいぶん思い切っている感じがする。しかし、出来としてはそろそろ息切れが始まったのか、今まで見た4本(5作目まだ見てない。)と比べると、面白いことは面白いんだが、普通の喜劇映画になってしまってる印象でちょっと物足りないし、夏目雅子は役名も雅子でいかにも売り出し中の新人という感じで初々しいのだが、先に「瀬戸内少年野球団」や「魚影の群れ」を見てるせいか、本作での演技はセリフが棒読みで硬く、かなりぎこちなく思えてしまうのは仕方がないか。鈴木則文監督が脚本を担当していた「緋牡丹博徒」シリーズでコメディリリーフの熊虎をレギュラーで演じていた若山富三郎がライバルのトラック野郎(通称子連れ狼というのがこのシリーズらしいなあ。)を演じているのはなにか感慨深いが、あまり生かし切れていないのが残念。フグを食べて毒にあたった桃さんが毒を抜くために首だけ出して地面に埋まってるところは「北陸代理戦争」のパロディっぽく感じてしまったのだが、以前に見た「座頭市」のテレビシリーズでも同じようなシーンがあったので、実際にある迷信かなにかなんだろうなあ。いつものようにチョイ役は印象に残る人が多く、中でも堺正章や左とん平が出ているのはマドンナが夏目雅子ということもあってこれに西田敏行と岸部シローがいれば「西遊記」じゃないかと昔たまに再放送を見ていたことを懐かしく思い出した。それにしても夏目雅子、出演している映画を見るたびにもし、病気で若くして亡くならずに今でも元気ならどんな女優になっていただろうと思うし、「男はつらいよ」シリーズのマドンナ役で見たかった女優のひとりでもあるのだが、ひょっとしたらそれも実現していたかも知れないと思う。寅さんでの夏目雅子、本当に本当に見たかった。
[DVD(邦画)] 6点(2018-07-28 23:39:30)(良:1票)
692.  コント55号と水前寺清子のワン・ツー・パンチ 三百六十五歩のマーチ 《ネタバレ》 
野村芳太郎監督によるコント55号映画、見るのはこれが2本目なんだが、以前に見た「びっくり武士道」が原作のあるものだったため、オリジナル脚本ののコント55号映画を見たのはこれが初めて。亡くなった母の残した大金を持って上京した二郎と、彼と出会って意気投合した板前の欽ちゃんのコンビを描いているが、55号世代ではない自分が見てもこの二人のやりとりは見ていて楽しいし、二人とも若く(特に欽ちゃん)実にイキイキとしていて、実際の二人もこんな感じだったのではと容易に想像できる。マドンナを演じる水前寺清子が二役で演じる落語家を語り部にしている点や、冒頭、二郎が新幹線でスリに遭うシーンが野村監督の「白昼堂々」の冒頭部のセルフパロディになっているところも面白い。(ひょっとしたら本作は「白昼堂々」の冒頭で出会った55号二人の物語ともとれるのかな?)ストーリーのメインとしては欽ちゃんが母親と住んでいるアパートの立ち退き問題があって、それに欽ちゃんと二郎の新しい店を出すために奮闘する姿や、マドンナ清子に惚れた二郎といったエピソードが並行して描かれているが、まとめ方がうまく、安心して見ることができるし、野村監督の職人監督としての安定感も感じることができる。脇役も豪華で、花沢徳衛が悪役を演じているほか、清子の父を演じるのが西村晃(欽ちゃんの母親を演じる桜むつ子とのいがみ合いが楽しい。)、喜劇俳優としては財津一郎と谷幹一、当時人気だったボクサーの沢村忠まで出演している。終盤に前田武彦が登場するが、その使い方がなかなか利いていて面白い。しかしいちばん驚くのは清子の恋人を演じているのが「仮面ライダー」に抜擢される前の藤岡弘で、このころからすでに藤岡弘という感じは出ているものの、まだどこか青臭い感じがして、若いなあと思った。ちなみに「仮面ライダー」の開始は本作の2年後のこと。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-07-28 22:56:05)
693.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 
邦画のホラーものというと基本的に霊を題材にしたものというイメージが強く、まして本作のようなゾンビを題材にしたものは邦画ではちょっと無理があるのではと思っていたが、本作はその邦画ではなじみにくいゾンビという題材を扱いながらもかなり完成度の高いものになっていて、途中飽きることなく最後まで退屈することなく面白く見ることができた。とにかく開始20分過ぎたあたりの主人公 鈴木英雄(大泉洋)の恋人であるてっこ(片瀬那奈)がゾンビ化して英雄を襲いはじめるシーンからかなり気合いの入った怖さで目が離せなくなった。この手の大作系邦画にありがちな安っぽさやハリウッドかぶれのような感じも無く、ゾキュン発生の経緯や、よけいなドラマを一切排除した脚本も潔い。とくにゾキュン発生の経緯が一切描かれないことによって、見ていて登場人物たちと同じ目線になることができるし、またリアリティーも感じることができる。(街がパニック状態になってテレビが報道特番に切り替わる中、一局だけアニメを放送しているところが細かくて笑える。このシーンを見ていて「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」を思い出した。)確かに後半アウトレットモールが舞台になってからは少し失速した感があるが、それもそれほど気にはならなかった。趣味でクレー射撃用のライフルを所持している英雄がこんな状態になっても銃刀法違反をずっと気にしているというのが思わずそこかよと突っ込みたくなるのだが、本作はこの英雄(えいゆう)と書いてひでおと読む冴えない主人公がいかに本当にヒーローとして覚醒するかも見どころで、それを最後まで溜めているので、クライマックスの英雄とゾキュンの戦いが半端なくカタルシスのあるものになっているのが最高だった。ラストシーンで藪・小田つぐみ(長澤まさみ)から名前を尋ねられた英雄がそれまでと違い、「ただの英雄です」と答えるのは彼の成長とこれからゾキュンから彼女たちを守って行くという決意が感じられてすごく印象に残る。原作漫画未完の頃に作られているので終わり方としてはやや中途半端な感じがするのだが、個人的にはこの終わり方で良かったと思う。もしも続編が作られたら見たいと思うのだが、ちょっと出来が怖い気も。
[DVD(邦画)] 7点(2018-07-21 21:57:12)(良:1票)
694.  クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ金矛の勇者 《ネタバレ》 
劇場版シリーズ第16作。もう劇場版は長い間見てなかったけど、しんのすけの声優が交代ということで劇場版をなにか一本見ておこうと手に取った。テレビシリーズの第一話からひまわりの生まれるまでを手掛けていた本郷みつる監督が12年ぶりに手掛けた劇場版で、夜しか活動できないゲストヒロインや、周囲に信用してもらえないしんのすけというのは「ヘンダーランドの大冒険」を思わせていて、実際にそれのリメイクっぽい雰囲気があるし、ほかにも日常描写が主の前半(「アクション仮面VSハイグレ魔王」)やロボットアニメやSFに懐疑的なみさえ(「雲黒斎の野望」)など本郷監督が手掛けていたころの劇場版を思わせる部分もあり、懐かしく思える。ストーリーがあくまで子供向けに展開するのも本郷監督らしい。しかし、敵であるダークの部下二人の最期があっけなすぎて思わず過去の本郷監督のシリーズならばもう少し悪役の個性と恐怖感をうまく出せていたと思う。(「ヘンダーランドの大冒険」のチョキリーヌ・ベスタやス・ノーマン・パーは今でも強烈に覚えている。)それに、野原一家が基本的に家から出ずにクライマックスのダークとの対決を迎えるというのもスケール感に乏しくこじんまりとしていてなんか地味な印象しか残らない。本郷監督らしさは出ていると思うが、なにかこうやっつけ感もある映画だったように思う。「アッパレ!戦国大合戦」での又兵衛役が素晴らしかった屋良有作が「ブリブリ王国の秘宝」に続いておかまを演じているのはちょっと今更感があるものの、このおかまの登場も本郷監督の劇場版クレしんらしいところ。それにしてもしんのすけの声優交代のニュース。去年だったか25周年のときにまさか「ドラえもん」のような事は起こらないよなと思っていただけに知ったときは正直びっくりしたというのが本音で、今は見るのは時々になってしまったけど、本郷監督や原恵一監督のころは大ハマりで見ていたので残念な気持ちもあるのが事実なんだけど、今は矢島晶子さんに長い間ご苦労様でしたと言いたい。そして、しんのすけが新しい声に変っても「クレヨンしんちゃん」は「ドラえもん」と同じくずっと続いてほしいと心から思う。
[DVD(邦画)] 5点(2018-07-07 18:12:46)(良:1票)
695.  トラック野郎 天下御免 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。二人マドンナ(由美かおる、松原智恵子)が登場したり、主題歌(良い歌だよなあ。)がかかるオープニングのタイトルバックに一番星号のおもちゃで遊ぶ子供が出てきたりして、シリーズがだんだん人気が出てきたのが分かる。始めたころには想定していなかっただろう子供層にも人気が出たようで、それ故にか、これまでの3作に比べると作風はソフトな印象で、桃さん(菅原文太)のスケベさやハチャメチャさも控えめ。ライバルのコリーダ(杉浦直樹)も今一つインパクトに欠けているのだが、話自体は面白く、相変わらず桃さんの優しさや男らしさは同じ男でも見ていて憧れるものがあるし、それだけでなく今回は松下家、ジョナサン(愛川欽也)と家族のエピソードにも焦点があてられていて、旅先で桃さんだけでなくジョナサンも由美かおる扮する巡礼のマドンナに惚れた結果、帰宅後にそれが妻(春川ますみ)にバレてしまい、家族に逃げられたジョナサンが自棄になり、自分のトラックの装飾を破壊するシーンはその前にジョナサンの子供を一人ドライブインの夫婦(京唄子、鳳啓助)に養子に出すくだりがあるのでこのシーンはよけいに切なさが印象に残る。その家族が桃さんの嘘によってジョナサンのところに帰ってくる展開はベタなんだけど、養子に出した子供も戻ってくることになって、「やっぱりうちは全員揃わないと松下家って感じがしない。」というセリフにはなにか妙に感動してしまった。そのほか、手違いで渡ってしまったラブレターから自分が桃さんに惚れられていると勘違いした松原智恵子扮する元女性トラッカーが真実を知ったときの切なさもよく伝わってきて印象に残る。(やっぱ自分だったら由美かおるよりも松原智恵子だな。って何を書いてるんだ。)今回、音楽が木下忠司に戻っているが、由美かおるがゲストのためか、見ていて映像的にそれを思わせる部分がないにも関わらず、つい音楽がそれっぽく聞こえるような気がして「水戸黄門」を思い浮かべてしまった。(まだこのころ「水戸黄門」にお銀は出てなかったっぽいのに。)あと出演者で気になったのは倉敷のドライブインのシーンで鶴光と一緒に出ているアフロの鶴瓶の異様な若さにビックリ。(当時20代)マドンナ(由美かおる)の恋人役で誠直也(アカレンジャー)が出ているが、オープニングのクレジットには誠直也と並んで宮内洋(アオレンジャー)の名前も出ていて共演を一瞬期待してしまったのだが、宮内洋の出番はカットされてしまったのか、登場することはなかったのは少し残念。松原智恵子の出産シーンに産婆役で出ている浦辺粂子。同時期に公開された「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」にも出演している。そういえばあの映画もダブルマドンナだった。やっぱりこのシリーズ、寅さんをかなり意識してるんだなぁ。
[DVD(邦画)] 7点(2018-06-02 23:05:17)
696.  トラック野郎 望郷一番星 《ネタバレ》 
シリーズ第3作。かなり久しぶりに(約3年ぶり)このシリーズ見たけど、やっぱり面白かったし、相変わらず惚れっぽくてバカで単純な、そして熱い桃さん(菅原文太)がとにかく魅力的で、やっぱり毎回思うけど見ていて惚れる。今回は3作目ということもあってか、桃さんの故郷の話が語られたりしてこのあたりから本格的に長期シリーズ化を意識しているみたい。その桃さんが過去のトラウマから馬が嫌いになった話も語られているが、それは北海道へ向かうカーフェリーの中で出会った今回のマドンナ(島田陽子)が牧場の経営者と知るやあっさり克服し、逆に馬について調べはじめるのはいかにも桃さんらしくて笑える。薬殺されそうな生まれたばかりの病気の仔馬に一晩中寄り添って治してしまうのはよく考えたら無茶苦茶なんだけど、桃さんの優しさを感じずにはいられないし、惚れたマドンナが自分ではなく獣医の男と結婚することが分かっても「おめでとうございます。」と潔く引き下がるのも、まさしく男らしくカッコいい。このシリーズは「男はつらいよ」シリーズを意識している部分も多くあるのだが、見ていて寅さんにゲスト出演する菅原文太というのを見たかったとつい思えてしまう。それだけでなく、トラック野郎たちの友情というか、きずなというか、そういったものもちゃんと描かれているのもこのシリーズのいいところで、今回、ライバルとして登場する北海道のトラック野郎であるカムチャッカ(梅宮辰夫)が、桃さんと市場まで桃さんとトラックで競走したり、誤解から二人が殴り合いの対決をするなどを経て、最後には仲間になるのも前回のボルサリーノ2(田中邦衛)のときもそうだったが、単なる勧善懲悪ではなく、お互いを認め合うことの大切さをきっちりと描いていて良い。(冒頭の広島で警官(室田日出男、川谷拓三)に問い詰められるトラック仲間(分かるかな?分かんねえだろうなあ。)を無線を使って助けるのもなんかいい。)だまされて金を持ち逃げされたジョナサン(愛川欽也)がトラックを売ると言い出すのもジョナサンの男気を感じる。今回、桃さんがクライマックスのトラック激走で同乗するのは40トンの魚。途中の山道で細いつり橋を大型トラックで渡るシーンは本当にアクション映画の一場面のようでハラハラすることができ、これまで見た激走シーンの中でももっとも見ものだ。都はるみが本人役で出演しているが、その前に都はるみファンのトラック野郎・宮城県(吉川団十郎)が事故死するシーンが描かれていたためか、登場シーンにとくに違和感は感じなかった。その宮城県の事故のシーンはイブ・モンタン主演の「恐怖の報酬」のラストを思い起こさせるもので、きっと鈴木則文監督は映画が大好きなのだろうと思わずにはいられない。
[DVD(邦画)] 8点(2018-05-28 19:50:29)(良:1票)
697.  仁義の墓場 《ネタバレ》 
実在したヤクザである石川力夫の壮絶な生き様を描いた深作欣二監督の映画。とにかくこの主人公 石川力夫(仮名ではなく実名で登場するというのがすごい。)がとんでもない男で、終始何を考えているのか分からない凶暴さを前面にむき出しにしていて、薬や女に手を出す、親分(ハナ肇)やいつも気にかけてくれている兄弟分(梅宮辰夫)にまで牙を向くというまさに仁義なきヤクザという感じでその異様さがめちゃくちゃ際立っている。それを演じるのがそういうのとは程遠いイメージの渡哲也(深作監督の実録ものということもあって先入観からつい主演は菅原文太と思い込んでしまっていたのだけど。)というギャップが面白いし、他社出身の俳優が主演だとイマイチ持ち味が生かせない監督も多くいる中、見事に全編通して「仁義なき戦い」のような熱気にあふれたこの時期の深作監督らしい映画になっていて、力夫には感情移入や同情といったものが全くできず、むしろ嫌悪感さえあるのについ見続けてしまう。渡哲也は最初は梅宮辰夫と一緒にいるシーンとか違和感を感じていたのだが、見ているうちに気にならなくなったし、イメージを覆すほどの怪演を見せていて、存在感も圧倒的。病み上がりで力夫を演じていたらしいのだが、その影響と撮影の疲れからか、とくに後半の力夫が麻薬におぼれてからは、役としての演技ではなく、渡哲也自身が体調不良なのではと思えてきて、役柄と役者の区別がつきづらくなってしまったが、それが却ってリアリティを感じさせるものになっている。力夫がうつろの表情で妻(多岐川裕美)の遺骨を食べるシーンが目に焼き付くのだが、とくにこのシーンの撮影時などは相当体調が悪かったのではと思えてしまう。中毒性の強い映画で、深作監督の映画の中でもカルト映画と呼ばれているのもわかる映画だが、中毒性だけでなく、渡哲也のそういう状況下での演技にもカルト映画と呼ばれる要因があるのではないかと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2018-05-19 19:36:25)
698.  ドラゴンボール 最強への道 《ネタバレ》 
「ドラゴンボール」のアニメ劇場版としては(今のところ)最後の作品で、内容は原作のはじめからレッドリボン軍篇までをリメイクしたもの。個人的には「ドラゴンボール」は初期のほうが好きなので最初の悟空とブルマの出会いのシーンはかなり懐かしかったし、ウーロンとの出会いやヤムチャとの戦いもZ以降から考えればほのぼのとしていてノスタルジックに感じる。しかし、後半以降は原作やテレビシリーズと比べてちょっとシリアスになりすぎていて原作やテレビシリーズとはかなり違うような気がする。レッドリボン軍篇の前のピラフ篇がけっこう好き(というかピラフ一味のキャラクターが好き。)なのだが、まるまるカットされてるのは致し方ないとはいえ、ちょっと残念。
[DVD(邦画)] 5点(2018-05-09 18:02:42)
699.  しゃべれども しゃべれども 《ネタバレ》 
一人の若手落語家(国分太一)を主人公にした平山秀幸監督の映画。以前から気にはなっていたがなかなか食指が動かず、今になってようやく見たのだが、いかにも日本映画らしい雰囲気のよく出た映画になっていて、それに落語という題材がうまく合っていて生かされていてまさにこれぞ日本映画にしか出来ない映画といえる映画になっていて素直に面白かった。主人公である三つ葉(本名:外山達也)はなかなか真打に上がれないでいるが、それでも落語が好きで決してあきらめようとはしない姿勢が、見ていてつい応援したくなるし、彼の開いた落語教室に集まってくる三人がそれぞれ他人との会話が苦手な女性や、しゃべりが下手な野球解説者などコンプレックスを抱え、この三人と三つ葉の関りもちゃんとドラマとして面白くできていて、見始めてすぐは三つ葉が真打になるまでの話かと思っていたのだが、そうではなく三つ葉を含めた四人が自分のコンプレックスとそれぞれに向き合い、互いに一歩踏み出すまでが描かれていて、本作のテーマは落語そのものよりも他人との関り、自分の思いを伝えることの大切さ、これにあるのだと感じることができ、そうしたらとてもこの四人がとても身近な存在に思えてきた。三つ葉の元にやってくる三人の中でも、関西から引っ越してきた阪神ファンの少年がとくに良い味を出していて、この少年は本作の中でも特に印象に残った。その他の出演者でいうとやっぱり三つ葉の祖母を演じる八千草薫がなんともチャーミングで、落語の演目をつぶやきながら玄関先を掃いたりしている姿がなんとも言えないし、思わずこういうおばあちゃん、良いなあと感じさせてくれるのが嬉しい。落語が題材の映画とあって劇中に落語が披露されるシーンが多いのだが、三つ葉の師匠を演じる伊東四朗も、独演会における国分太一演じる三つ葉の落語も本当に自然な感じで、今まで一回もライブで落語を聞いたことがないのだが、思わずライブで落語を聞いてみたい、そんな気持ちになれたのも嬉しかった。物語としては、さっきも書いたように四人それぞれが一歩踏み出たところで終わっていて、明快にそれぞれの問題が解決したというところまでは描いていないが、それが逆に良かったし、この後のそれぞれの人生を想像してみるのも楽しい。なんだか見終わって久々に気持ちの良い映画を見た気がしたし、見て本当に良かった。平山監督は大作映画も手掛けているが、それよりもこういう地に足のついた映画のほうが持ち味が出ているように感じる。
[DVD(邦画)] 8点(2018-05-06 22:48:11)(良:1票)
700.  網走番外地 決斗零下30度 《ネタバレ》 
シリーズ第8作。一作目に出演していた丹波哲郎や、シリーズ初期作で毎回悪役を演じていた安部徹が久しぶりに出演していてなにやら懐かしい気になるし、冒頭に真一(高倉健)の殴り込みシーンが回想的に入っているのもちょっと集大成的な感じがしなくもない。(その中で出てくる「七つの子」を歌う男は杉浦直樹かと思った。)そんな今回は真一が列車の中で出会った父親を捜す少女とともに向かった炭鉱が舞台になるわけだが、例によってその炭鉱ではいざこざが起きていてという筋立て。健さんと炭鉱といえば「幸福の黄色いハンカチ」をどうしても思い浮かべてしまうのだが、やはり東映アクション映画である本作は当たり前だがまったく違う映画になっている。今回も健さんはかっこいいのだが、それ以上にかっこいいのが丹波哲郎扮する喫茶店のマスターで、もちろん一作目とは違う役柄だが、出てくるだけで画面のすべてを持って行ってしまいそうな勢いを感じた。少女の捜していた父親が大槻(田中邦衛)というのはシリーズを連続してみているとどうなのかと思う部分もなくはないが、前後のつながりを重視するシリーズではないのでこれでいいのだろう。(東映のシリーズものでこれを気にしていたらキリがない。)ドラマとしてはシリーズの定番ともいうべき真一とこの大槻の娘との交流がみどころとなるはずであるが、今までのこのパターンの回と比べるとその部分はちょっと弱い印象があり、そこが残念といえば残念。でもこの少女のませたキャラクターはよく立っていた。今回面白かったのは冒頭の列車の中でのマジックシーン。手に火がついて慌てる真一がなかなかお茶目で、後年の出演作では見られないような健さんの演技もこのシリーズの見ものなのかもしれない。同じく列車のなかで登場する由利徹も持ち前のコミカルな味をいかんなく出している。
[DVD(邦画)] 6点(2018-05-02 18:12:23)
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