681. 点と線
主役の刑事が正義派一点張りで人間的魅力に欠けるのが難点だが、松本清張のベストセラー小説を実にわかりやすくコンパクトに映像化してるのでこれはこれで面白かったです。高峰三枝子とばあや以外の女性陣が馴染みがないせいか当時のメイクアップのせいか、皆同じに見えて困りました。ドラマ「黒革の手帳」が面白かったという方、この作品も含め「顔」「ゼロの焦点」「疑惑」「張込み」あたりの映画の秀作も是非!(中には駄作もあるんで要注意) 7点(2004-12-31 19:16:22) |
682. 阿修羅のごとく
これはストーリー云々ではなく、旬の役者たちの演技のアンサンブルを愉しむべき映画。大竹しのぶや桃井かおりの巧さは当然として、40代代表小顔クイーン黒木瞳との2ショットに果敢に挑んだ木村佳乃の意外な好演と勇気に百万点。この二人が対峙するシーンはこの映画最大のサスペンスとスペクタクルだ! 7点(2004-12-23 13:11:26)(笑:1票) |
683. 緑園の天使
言うまでもなくエリザベス・テイラーの子役時代の代表作。まず「ナショナル・ベルベッド」を「緑園の天使」とした邦題が秀逸。最近の「シー・ビスケット」等の競馬映画を見慣れた眼にはクライマックスのレースシーンは多少かったるく映るかもしれないが、クラレンス・ブラウン監督は極力ごまかしのない正攻法で折り目正しく描いているので好感が持てる。テイラー自身、自分のお気に入り作品を「バージニア・ウルフ」とこの映画を挙げている(何という両極端!)のにも観たら納得。歯列矯正器を親の目を盗んで、すきあらば外そうとするベルベット・ブラウンという少女は正に当時の、早く大人になりたくて精一杯背伸びをしていた彼女自身そのものであったろう。後に「クリスタル殺人事件」で犯人役として対決するアンジェラ・ランズベリーとは、既にこの映画で姉妹として共演してたんですね。「総天然色」映画という呼称がぴったりくるファミリーピクチャーの佳作! 7点(2004-12-15 16:33:34) |
684. モーターサイクル・ダイアリーズ
いい映画でした。ロードムーヴィーとしても青春映画としても。ただ自分は映画を観て感動したというより、「世界ウルルン滞在記」を見てて、不覚にも泣いてしまった時の気持ちと似てるんですよね。これはどういう事なのか、まだ自分の中で咀嚼しきれずにいます。 7点(2004-12-10 19:17:03) |
685. ティファニーで朝食を
槇原敬之の「どうしようもない僕に天使が降りてきた」を初めて聴いた時、この映画の ワンシーンが脳裏をよぎりました。「トルーマン・カポーティ原作」ティファニーで朝食をとして観ちゃうと、何かとイチャモン付けられそうだけど、オードリーの「ティファニーで朝食を」として観る分にはそれなりの作品になってますよね。でも皆さん、ヒロインの職業がコールガールだってこの映画を観ててわかりました?俺にゃ彼女が何を生業にして生きてる女性なのか、何回観ても実体が掴めないんだけどなあ。そこらへんが奥歯に物がはさまってる感じで、何となくもどかしくなってしまう映画ではあります。 7点(2004-11-24 19:42:39) |
686. ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版
自分も先週早稲田松竹で観てきました。(同時上映は「ビッグ・フィッシュ」)元のカット版も含め今回が初見。名作の誉れ高い映画なので期待してたんですけど、残念ながらこれ単独で評価しちゃうと、これ以上の高い点数はつけられないです。映画館のプレスシートじゃ、カット版よりこっちのが客からのリクエストが高かったって書いてあったけど、うーん、どうなんだろ。あえて言わせて頂くなら「ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全アンバランス版」。だってさ、前半の快調なノスタルジー溢れる画面作りに較べて、後半のメロドラマタッチは一体何なん?何となく余分なカットを観客におかまいなく、監督の思い入れだけで挟み込みましたって印象なんだもん。これじゃあかんよ。やっぱ皆さん書いてらっしゃるように、先にカット版から観るべきでした。 7点(2004-11-18 00:09:46)(良:1票) |
687. シリアル・ママ
なーんだ、ビデオ巻き戻さないで返すってそんないけない事だったんだ・・・とかってほざいたらシリアル・ママが殺しに来るかな・・・。個人的に「アニー」の「トウモロー」がこういう形で使われるとは思ってもみなかったですね。 7点(2004-11-13 14:22:30) |
688. 欲望という名の電車(1951)
「ヘイ、ステエエエエラアアアアーー!!」と慟哭するスタンリー(ブランド)の咆哮がいつまでも耳に残って離れません。 7点(2004-10-23 17:03:54) |
689. 挽歌(1957)
和製クールビューティの決定版(と自分は勝手に思っている)久我美子の代表作。今の世の中ならさほど珍しくもない、中年男を翻弄しまくる彼女の小悪魔的キャラクターは、当時としてはかなり斬新な女性像だったと思われる。脇を固める森雅之、高峰三枝子も貫禄の演技。最果て北海道の廃線跡でのロケーションが情感たっぷりで美しい。原節子は久我美子の持ち味を「特殊児童的演技」と評していたらしいが、その特徴が最も生かされた作品はこれ! 7点(2004-10-23 14:15:55) |
690. 慕情(1955)
ジェニファー・ジョーンズって不思議な女優さんですね。野性的な娘(白昼の決闘)ジプシーの女(女狐)一見貞淑なアメリカ人の人妻(終着駅)、そしてこの映画でのイギリス人と中国人とのハーフの女医と、演じる役柄によって受ける印象がこんなに異なる人も珍しいと思う。演技も(特にラブシーンとか)すごく巧い!でも・・・、何故か人気ないんですよね、日本でもアメリカでも。 ラスト、思い出の丘を駆け上がっていくシーンで泣かされるのは彼女の演技力あっての事。ホールデンがこの映画ではデクノボーに見えて仕方なかった。 7点(2004-10-11 16:42:05)(良:1票) |
691. 愛と哀しみの果て
見終った時、この「愛のなんたらかんたら」が気に入らなくて何かもっといい邦題ねえかなって色々と考えたんですよ当時。そんで思いついたのが「アウト・オブ・アフリカ~遥かなる旅路~」ってタイトル。映画自体は大作を見たなって満腹感はありましたね。ジョン・バリーの音楽も名曲だと思います。ラスト、ライオン達がデニス(レッドフォード)の墓に集まってきて・・・っていうストリープのモノローグも印象的。これは絶対大画面で見るべき映画です。 7点(2004-10-11 12:21:28) |
692. クレオパトラ(1963)
この手の史劇嫌いじゃないんだけどな・・・。セットとか衣装とか豪奢さを極めつつも、意外に戦闘シーンがあっけないのが物足りないといえば物足りないですね。自分はエリザベス・テイラーの美貌の全盛期は1950年代だと信じて疑わない人なので(既にこの時期には頬のあたりにたるみというか衰えが見られる)せめて「ジャイアンツ」から「熱いトタン屋根の猫」にかけての頃この映画が製作されていたなら、キャラクター的に彼女以外の人選は有り得ないと思われるので、もっと評価が高くなったのではないかと考えてしまう訳です。 ↓かーすけ様、ちなみに自分が昔テレビで見たのは小川真由美ヴァージョンでした。誰が配役考えたのか判りませんがイメージピタリでしたね。(あとヴィヴィアン・リー→栗原小巻ってのも) 7点(2004-10-03 15:55:59) |
693. 瀬戸内少年野球団
確か夏目雅子のダンナが郷ひろみで、その弟が渡辺謙っていう濃すぎるメンツだったんだよなあ・・・。子供たちが野球始めるきっかけもいまいち弱いと思ったけど、それ以上にこの弟の扱いが尻切れトンボで気になった記憶があります。 瀬戸内海でのロケーション風景の魅力と後味の良さで一点プラスします。 7点(2004-09-26 16:28:27) |
694. アザーズ
キッドマンの古典的な凛とした美貌が冴えわたってますね。実は僕も「シックス・センス」よりこっちを先に観たクチなので、ラストのオチには驚愕(つうほどでもないか)しました。全ての真相が明らかになった後、子供たちを脇に抱き寄せながら放心状態で涙を流し続ける彼女の表情が忘れられません。こういうゴシックミステリー、大好きです。 7点(2004-09-20 12:11:35) |
695. どっちにするの。
これは面白かったです。普通のOLが企業の社長だか副社長だかになるって設定のありえない夢物語だけど、主演者の皆さんが当時最高のオーラを放ってたって時期なんで。中山美穂も宮沢りえも若い!!日本映画にしちゃ珍しいウェルメイドな娯楽映画。 7点(2004-06-27 14:20:50) |
696. 69 sixty nine
疾走感と躍動感が全編に満ち溢れた快作。主演の妄想炸裂爆走野郎妻夫木は今が正に旬の輝き、安藤政信も実年齢を全く感じさせない(失礼!)好演。二人があらゆるものからの追跡をかわし、画面を駆け抜けていく様は、爽快の一言。岸部一徳、小日向文世ほか助演の役者たちもいい味。気になったのは舞台となった高校の管理体制が、それほど厳しいとは思えなかった事、「木更津キャッツアイ」でも「GO」でもクドカン印の映画(ドラマも含めて)は画ヅラがどれもこれも似通ってる点。日本映画の短所でもあり長所でもある、ダラダラした日常描写を払拭したのはアッパレだがこの作品も何となく監督不在の感は否めなかった。 [映画館(字幕)] 7点(2004-06-20 13:26:20) |
697. 召使
《ネタバレ》 主人と召使の主従関係の逆転を通して、イギリスの階級社会を痛烈に皮肉った問題作。イギリス人の厭らしさがこれでもかという位、全編にわたって横溢している。モノクロの深みのある映像が非常に効果的。ダーク・ボガードのヌメヌメとした存在感は抜群。でも・・・、後味が悪過ぎるので再見はしないだろうな、多分。 7点(2004-06-06 15:18:42) |
698. カレンダー・ガールズ
この映画、お話の主軸となる二人のキャラクターが良く描きこまれているので最後まで飽きずに観る事が出来ました。後半ハリウッドまで出掛けてしまうのは話を広げ過ぎかとも思ったけど、実話だもんな・・・。さほど切羽つまってないオバサマ版「フル・モンティ」、イギリスののどかな田舎風景も重要な脇役の一つ。 [映画館(字幕)] 7点(2004-06-06 14:39:53) |
699. 熱き愛に時は流れて
最近この映画の主演二人の最新作(「デイ・アフター・トウモロー」 「ビッグフィッシュ」)をたて続けに観たんですが、お二人とも年齢相応のいい味出せるいい役者になっていて安心しました。むしろこの映画の大学時代の若造りのがキツかったかも・・・。長い年月にわたるお話なので少しダレる部分もあるけど、自分はアメリカ映画の中で描かれるアメフトのシーンって好きなんで得点は甘くしときます。しかしこのタイトル・・・う~ん、もうちょいどうにかならなかったものか。 7点(2004-05-30 11:15:44) |
700. フロム・ダスク・ティル・ドーン
かなり前、なーんの予備知識もなく早稲田の名画座で観ました。タイトルからも何のイメージも湧かなかったので、普通のバイオレンス映画かと思いきや・・・。途中からの展開に椅子からズリ落ちる位の衝撃を受けてしまった。何ともヘンテコな映画、それ以外ジャンル分け不可能。傑作かと問われれば躊躇してしまけど、観といたほうがいいです、絶対!でも同じ手は二度と使わないでね。 7点(2004-05-30 10:38:17) |