701. モンスター上司
《ネタバレ》 三者三様のパワハラ。これがすごい面白くて、すぐに映画にのめりこみます。テンポがよく、スピード感があって良い。コリン・ファレルやケヴィン・スペイシー、ドナルド・サザーランドなんかの大物俳優、演技派俳優が上司役ってのも良かったです。 で、肝心のパワハラ、セクハラ対策はどうするのだろうと思ったら、まさかの交換殺人。映画の出来、不出来とは関係なく、あんまり安直な発想にちょっと興醒めです。そこから先はグダグダなサスペンスコメディ。それぞれのターゲット宅に侵入。この辺りから三人のバカっぷりが暴走。個人的にはもう笑えなかったです。いや、ピーナッツアレルギーで死にかけたのをデイルが助けちゃったのは笑いましたが。 ストーリー性のあるコメディってのは本来好きなんですが、これはコメディに重きを置きすぎている感じがして、ちょっと肌に合わなかったのが残念。 ラストのデイルの逆襲だけはちょっとスカっとしました。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2020-01-01 23:50:05) |
702. カンフー・パンダ
《ネタバレ》 一昔前のカンフー映画を動物使ってディフォルメ化した感じ。 主人公が修行して強くなる。誰も勝てない相手を、みんなからバカにされていた主人公が倒しちゃう。使い古されたプロットだけど、こーゆーのがカタルシスを感じやすいのは確か。 前半はちょっとだらだら。カンフーアクションないし。で、シーフー老師とポーの修行シーンのあたりから俄然面白くなり始めます。マスター5とタイ・ランの戦いも見応えがあって楽しいです。 マスター5たちが秘孔をつかれてやられちゃう。でもポーにはそれが効かない。マスター・カマキリがポーに針治療をするシーンがあって、なぜポーに秘孔が効きづらいのか、その伏線がちゃんと張ってあります。こーゆー細かいところを丁寧に仕上げているストーリーは結構いけてると思います。 もちろん、アニメーション、アクションシーン、水準以上の出来で、誰もが楽しめる出来栄え。 とても良く出来たアニメなんですが、難を言うなら、ポーの性格。これがどうしてもひっかかります。ポーがただのカンフーファンで終わってしまっています。だから感情移入しづらいし、応援しようという気が起きません。もっと純粋にカンフーを愛し、ストイックな性格のキャラクターであったなら、ポーが強くなったとき、より強いカタルシスを感じることができたかもしれません。 ポーとタイ・ランの最後の戦いなんかは、ポーが強いというよりは、ポーと戦ったときだけタイ・ランが弱くなった気さえします。 まあエンターテイメント性は抜群だし、この作品のスピード感あふれる多彩なアクションは凄く楽しい。私の不満そのものが野暮なのかもしれないです。次回作も細かいことを気にせず楽しんで見てみようと思います。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2019-12-22 04:44:01) |
703. アベンジャーズ(2012)
《ネタバレ》 念願のアベンジャーズ。やっと見れました。感動。スーパーヒーロー勢揃いで最高。個人的に好きなハルクやキャプテン・アメリカもしっかり活躍の場があって嬉しい。最初ばらばらだったメンバーが、次第に力を合わせて共闘していくのがたまらなく良い。ブラック・ウィドウやホークアイのような脇役の使い方も抜群にうまい。脇役ながらもただ者ではないことを感じさせる二人。脇役には脇役の華がある。この二人は脇役として最高です。 『アイアンマンVSソーVSキャプテンアメリカ』『ブラックウィドウVSハルクVSソー』『キャプテンアメリカ&アイアンマンVSロキ』どれも小競り合いだけど、本題に入るまでのつなぎとしてこーゆーミニバトルがいっぱいあるからとにかく楽しい。もちろん最後の総力戦が一番盛り上がります。 異世界からの侵略者。真昼間から何も知らない街の人々が襲われる。それをヒーローたちが撃退する。もう最高にべたな展開なんですが、やっぱこーゆーのが一番盛り上がりますよね。 ヒーローたちが守るべき一般人たちはオーディエンスにもなりえます。観客がいるから盛り上がる。これ大事。 スタークがいるんで、終始ちょっとおちゃらけた雰囲気なのに、フィル・コールソンが死んじゃうエピソードだけは毛色が違ってちょっと悲しすぎます。そのエピソードがないとヒーローたちは本当に一致団結できなかったのだろうか。だとしたら、せめてヒーローたちが見守る中で息を引き取るとか、もう少し説得力をもたせて欲しかった気がしますね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-21 03:33:50) |
704. REC:レック/ザ・クアランティン2 ターミナルの惨劇
《ネタバレ》 『ターミナルの惨劇』から連想する、空港を舞台とした大掛かりなパニック・・・ではありませんでした。ターミナルだけどバックヤードじゃん。なんか『空港ならではっ!』っていうシーンを期待してしまいました。 とは言え、RECシリーズ好きだし、ゾンビもの好きだし。サバイバルも好きだし。最低限の面白さは保証してくれるゾンビ映画です。 このシリーズは感染者が少しずつ増えていって、仲間がどんどん減っていくっていう焦燥感が好きなんですが、その感じは弱かったです。演出がいまいちなのかな。気付けばみんなゾンビになっちゃっている感じ。 空港に着いてから速い段階で照明を落としちゃうので、全体的に画が暗くて見づらいってのも良くない。 このシリーズで個人的に好きなのが、『非日常の世界へ巻き込まれちゃう運の悪いひとたち』。例えば貨物係の人。偶然その日、その場でいつも通り仕事をしていただけなのに、自分までいつのまにか乗客と一緒に封鎖されちゃっている。この突発的な理不尽さが結構好きです。突然、感染者グループと同じ扱いを受けてしまう不条理。当事者になるかならないかなんて紙一重。そう思わせてくれる演出が好きなんです。 そーゆう意味で言うなら、きまって政府の『なんとか対策』の人たちがやってきては、100パー襲われちゃうのもつぼ。その瞬間『政府側』から『隔離される側』の仲間入り。高みの見物を決め込んでいる人間が引き摺り下ろされる瞬間。人生の明暗を分ける瞬間に立ち会っているようで、言いようも無く楽しいのです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-12-16 21:52:22) |
705. キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
《ネタバレ》 こーゆー等身大ヒーローって好きです。 前半1時間くらいは展開がだるくて地味。でも中盤以降、スティーヴ・ロジャースが第107連帯のメンバーを助けてからが俄然面白い。お飾りのマスコットキャラクターから、名実共に真のヒーローへ。こーゆー安直な展開が嫌いではないです。トミー・リー・ジョーンズから次第に認められはじめるって流れも微笑ましくて良いですね。 ださかっこいいコスチュームがたまりません。闘い方が肉弾戦と盾のみっていうシンプルなファイターなのも実に良い。この戦闘力じゃあ超人揃いのアベンジャーズの中では見劣りしちゃいそうですが、脇役好きの私にとってこーゆーキャラこそがアツい。 他のヒーローたちに比べると、ストーリーが結構切ない。好きな人と離れ離れになっちゃって、自分だけ70年後に目を覚ますなんて。だから見終わった後の爽快感とか、達成感とか、そういったものはあんまり味わえなかったです。 それにしても結構集団での戦闘が多く、レトロな衣装を纏いながら、ビーム兵器で撃ち合う終盤のシーンなんかまるでスターウォーズみたいだと思ったのは私だけ? [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-12-16 20:28:56)(良:2票) |
706. 96時間
《ネタバレ》 元CIAの父親が、娘のために有無を言わさぬ鉄拳制裁。これこれ、こーゆー痛快アクションが見たかったのです。 ブライアンは絶対正義というわけではなく、とにかく『娘を助ける』これ一本。そのためには手段を選ばない姿勢がすがすがしい。 スパイとしての能力は抜群に高く、絶対に捕まりません。アクションは圧勝。射撃も凄腕。これだけスーパーマンだとさすがにブライアンの心配はしませんが、なにしろ目的は娘キムの救出。キムと一緒にいたはずのアマンダの変わり果てた姿が焦燥感を募らせます。『はたして娘は無事なのか。』なのでそれなりにハラハラできます。 それにしてもブライアンのぶれない姿はしびれます。人身売買と利害関係にあった元同僚であり友人、その人の奥さんはまったく事情を知らないのに、友人に口を割らせるため撃っちゃうという非道ぶり。人質をとる主人公。今までこんなアンチなヒーローがいたでしょうか。公平とか正義とか、そんなの関係ねー。娘を助ける。ただそんだけ。なのにこんなに面白い。 序盤の冴えない父親と仕事モードのギャップがあつい。 今作は完全に単独でしたが、昔の仲間も優秀そうだったので、チーム戦も見てみたいですね。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-16 14:08:58)(良:2票) |
707. ティンカーベルと流れ星の伝説
《ネタバレ》 今回の主役はフォーン。動物の妖精らしく博愛の精神に満ちていて、どんな生き物も平等に扱う。天敵の鷹のヒナだって、怪我をしていたら助けちゃう。オープニングのつかみはばっちりです。 今回は『守りの妖精』という新しい妖精が登場。オープニングのひと騒動で、フォーンとの関係性がなんとなくわかるようになっているのがうまい。 『守りの妖精』は武闘派。はっきり言ってかっこいい。スピーディーな連携アクションは見応えがあります。 今作のメインはネバービースト、グラフの目覚め。外見が恐ろしい怪物と、小さな妖精の心の交流。こーゆーのって全世界共通でみんな好きそう。だから定期的に同じようなプロットで作成され続けるのでしょう。 守りの妖精たちはグラフを危険視し、フォーンは守ろうとする。ここまではよくある話。『人を見た目で判断しちゃいけません』みたいな道徳的教えもあるのかもしれません。 で、ちょっと面白いのがこのグラフが本当に危険な存在かもしれないと思わせる演出、前フリの数々。グラフの目つきが変わっていくのが凶悪に見えるんですよね。 ずっとグラフをかばっていたフォーン。でもティンクが傷つけられたことを知って、遂にグラフを裏切ってしまいます。でも実は実は・・・って感じで真相が二転三転していくのが面白い。ストーリーとしてはなかなかよくできた作品です。 でもシリーズのファンとしては、いつものメンバーがフォーン以外あまり活躍しないのは、物足りないなと思う今日この頃です。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2019-12-16 13:52:38) |
708. 永遠のこどもたち
《ネタバレ》 正直ちょっとわかりにくい映画でした。結局ラウラがシモンを誤って閉じ込めちゃってたってことなのかな?だとしたらちょいちょい出てきたトマスの霊はなんだったのでしょう。 シモンを探しに海辺の洞窟まで行って足を怪我していたけれど、そのときに見たトマスの霊はなんだったのか。それともラウラの見た幻覚だったのか。最後に出てきた子供たちは本物の霊?それともラウラの空想の産物? はっきりわかっているのは、どうやらラウラが一緒に育った子供たちはこの孤児院でみんな殺されてしまったらしいこと。犯人は孤児院の職員。その息子トマスがみんなのからかいの対象になって命を落としたのが原因みたいです。 う~ん、だとしたら、トマスの霊がいたとして、そのトマスがシモンを死の世界に導いたりラウラを襲ったりするのは筋違いのような気がします。 ラストも、ラウラとシモンが助かったのかと思いきや、やっぱり二人とも死んでいました。なに、このバッドエンド。父親かわいそうじゃないですか。こーゆーのは嫌いです。 [DVD(字幕)] 5点(2019-12-16 00:58:55)(良:1票) |
709. ペントハウス
《ネタバレ》 導入部分がやや苦手。仕事が出来る人間で、しかも仲間思い。そんな人が仲間のために熱くなっちゃったせいで不利益を被るってのが好きになれません。 ジョシュは仕事にプライドを持っていて、従業員、客、全員を大事にしています。そんなジョシュを簡単にクビにしてしまう経営者にも腹が立つが、簡単に犯罪に手を染めようとするジョシュにも共感できません。 もちろんそーゆー作品なわけですから、腹を立てても仕方がない。でも腹が立っちゃったものは仕方がない。それだけオープニングのジョシュという人物に魅力があったわけです。なんかちょっと幻滅しちゃった感じでしょうか。 正直ずっと気持ちがノリきれないまま、もやもや見ていたのですが、最後に皆で力を合わせるのはちょっと良かったです。こーゆーの好きです。で、あっという間にみんな捕まっていくエンディングも良い。護送車の中でショウがもちかけた取引に、『タワーでチップは禁止です。』なんて切り返すのもお洒落じゃないですか。 従業員たちに年金代わりに純金を送り、ショウは遂に刑務所へ。勧善懲悪なのでラストはすっきり。ですが、その過程において、どーしてもこの人たちを応援しようという気持ちになれなかったので、点数は厳しめです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-12-06 01:16:25)(良:2票) |
710. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 てっきりニューヨークだけの話かと思ったら、もう世界中どこもかしこもこんな感じなんですね。それがわかるのは物語も終盤になってから。それって、もうちょっと最初のほうでわかったほうが良いんじゃないかと思います。自ら使命感で残っただけで、ニューヨークの外に出ちゃえば人類はいくらでもいるもんだと思いながら見ていました。だからニュースが流れているのかと。誤解したまま見ていたので、主人公の孤独感がつたわってこないまま、物語の佳境を迎えちゃいました。 ガンの特効薬がとんでもない代物で、免疫がない人は死んじゃう、もしくはクリーチャーになっちゃう。ありがちだけど、好きですよ、そーゆーの。ただクリーチャーがねえ・・・。いっそゾンビみたいなもんにしてくれたほうが良かったです。知性はいらんでしょ、こーゆーのに。 ずーっとひとりぼっちでやられ役がいないっていうのも、こーゆー映画ではツラいところ。唯一のやられ役が犬ですからね。 で、マネキンに話しかけちゃうくらい人との会話を欲していたのに、やっと出会えた女性への対応の仕方があまりに不自然。ここはまず生きている人間に出会えたことの感動を前面に出すべき。この辺りからウィルスミスに感情移入するのが難しくなりました。 総評として、つまらなくはないのですが、『ウィルスミス』『無人のニューヨーク』『制作費』『好きなジャンル』という点を踏まえれば、もっともっと面白く出来たんじゃなかろーか。 はっきり言って、回想シーンのほうが興味をひかれてしまったので、『世界が終わった後』ではなく、『世界が終わるまで』を見てみたかった気がします。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-12-03 04:05:53) |
711. REC:レック/ザ・クアランティン
《ネタバレ》 オリジナルとほぼ同じストーリー、テイスト。RECのファンなので、ほぼ同じように作ってくれたのは逆に嬉しい。 建物内に簡単に入れちゃうのがミソですね。何の変哲もないアパートに、取材で入る。入るときには、もう二度と外に出られないなんて夢にも思わないことでしょう。『後の祭り』『一寸先は闇』って感じが良い塩梅です。 ゾンビものとしてはパーフェクトな仕上がり。ただこれはオリジナルの功績ですね。感染者が少しずつ増えていく恐怖感がたまりません。 外に脱出しようと出口を探すものの、紙一重で封鎖されてしまう。どんどん逃げ場がなくなっていく。『隔離』の恐怖演出も十分に堪能できます。 オリジナルは『1』~『4』まで鑑賞済み。女の子の父親が犬を病院に連れて行ったエピソードは『3』を思い出したし、地下から逃げ出せるという話は『2』を思い出して嬉しくなります。もう一回オリジナルを見てみたくなってきました。そーゆー気持ちにさせてくれる作品です。 主演女優だけがイマイチかな。ちょっとおばさん臭あるし。リメイクするならオリジナルよりかわいい女優さんを起用してほしいものです。 ただアンジェラって名前もそうですが、至る所にオリジナルへのリスペクトが感じられるのは嬉しいです。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-12-02 10:05:04) |
712. アイアンマン2
《ネタバレ》 『1』と同じくらい好き。ラストバトルだけでいけば前作よりちょっとだけ好きです。 アイアンマンとウォーマシンのタッグがめいいっぱい闘ってくれるシーンが楽しい。ドローンたちもやられ役としてちょうど良い。ウィップラッシュはクールなボスキャラとして合格点。まだ『2』ですから。『強すぎない』というのが大事。特にモナコでの登場シーンは最高。ワクワクさせられます。 スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウも最高にかっこいい。良いですね。こうやってちょっとずつキャラが増えていき、その世界が少しずつ広がっていくのがシリーズものの醍醐味。普段は黒子に徹しながら、いざというときだけ本領を発揮するブラック・ウィドウ。こーゆーキャラが特に好きです。 ストーリーをジャマしないコメディが◎。監督が必死に一人倒している間に、警備員全員が倒されちゃうシーン。世紀の大発明、芸術作品ですらある『別れた妻』。この辺りは完全につぼ。 今作ではアイアンマンのヴァージョンアップも見られます。手から出るレーザーでドローンたちを一刀両断。あつい。 ヴァージョンアップまでのプロセスも良いですね。父親のメッセージっていうのが泣かせます。模型がヒントになるっていうマンガ的発想が楽しい。 マンガと言えば、ウィップラッシュはグフ、ウォーマシンはガンキャノン、ドローンたちはその他ザコMSを連想しちゃったのは僕だけですか? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-11-30 11:45:09)(良:1票) |
713. ゴーン・ベイビー・ゴーン
《ネタバレ》 よくある幼児誘拐。ミステリーサスペンス。と思いきや、実は善悪の判断基準を問うドラマ性の強い作品。法律に照らし合わせればドイル警部達は加害者で母親は被害者。しかし法律という枠組みを取り、倫理やモラルといった人間的視点で考えてみると、確かにドイル警部たちはアマンダの救世主なのかもしれない。 職業柄、そしてその経験上、レミー、ドイル、ライオネルはネグレクトな母親の元にいるアマンダの末路が見えていたのでしょう。そして法の壁の前では救えないことも。ヘンリーの逃亡計画を知ったライオネル達が強行手段に出たのは仕方ないのかもしれません。 パトリックの活躍により事件は明るみに出てしまいます。アマンダのことを一番に考え心配していた人たちは、一人残らず不幸な結果となります。叔母のビーは追い出され、レミーは死に、ドイルとライオネルは逮捕されます。事件を解決したパトリックは探偵料をもらえないどころか、最愛の人を失ってしまいます。麻薬におぼれ、娘への愛情が一番薄い母親だけが幸せな結末を迎えるという皮肉。 こーゆー映画ならではの、すべての謎が明らかになったときのカタルシスは微塵も感じられません。 見ている間は引き込まれますが、見終わったあとには充足感より虚無感が圧倒的に勝ります。 映画としての完成度は高くとも、好きか嫌いかで問われれば間違いなく好きではない作品です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-11-29 03:32:52) |
714. ティンカー・ベルとネバーランドの海賊船
《ネタバレ》 いやー、全然悪くないです。面白いです。みんなの才能が入れ替わっちゃうアイデア、ありきたりですが面白いですよね。それぞれ慣れない才能にあたふた。特にイリデッサは最高。どんどん植物が育っちゃう。安定感抜群のエンターテイメント。 なんですが、ただ、ただねえ。心の狭い私は、ザリーナの無罪放免にどうしても納得がいかんのです。それどころか、のうのうとピクシーホロウに戻ってきて、あまつさえショーの主役やって拍手喝采って、開いた口が塞がらんです。 だって、ザリーナのやったことって、不可抗力じゃないよ?故意だよ?犯罪だよ? 『粉の番人は粉に手を加えちゃいかん。危険すぎる。』ってあれだけ言われていたのに、手を加えて、大事故どっかん。でもそれくらいだったらティンクもやっているから別に良いです。不可抗力だし。 問題はその後だよ。逆恨みして全員眠らせて、青い妖精の粉を盗んで、そのままとんずら。いやいやいや、ティンク達がいなかったらピクシーホロウは壊滅していますよ?クランクがいなかったら冬の妖精たちは死んじゃっていたよ?それを故意にやったんですよ? せめて、クラリオン女王達がザリーナのやったことを全部承知のうえで、それでも許すっていうのであれば、まだわかります。でも実際は、命の危険にさらされていた事実を知らされないまま、ザリーナを受け入れてしまう。それって、ザリーナたちだけじゃなくて、ティンクたちも後ろめたくはないんですか? もちろん、そんな野暮なつっこみする作品ではないことは百も承知なんですが、・・・だって気になるんだもん! [ブルーレイ(吹替)] 6点(2019-11-26 01:44:25) |
715. ラブ・アゲイン
《ネタバレ》 安定ラブコメ。突然妻から離婚をつきつけられるキャル。バーでぐちっていたら、イケメンジェイコブ登場。なんだかんだの師弟関係成立。『よーし、かっこよくなるぞー』ってなちょいサクセスストーリー的展開がまず面白い。ヴィジュアルの次はナンパ指導。そこはどーなのって思ったのですが、これが中盤のいざこざにうまくつながっていて面白い。 うん、よくできたラブコメです。脚本が良いのか、監督が良いのか。なんてことないストーリーが、凄く楽しく感じられるタイプの作品。登場人物が個性的で、みんな楽しそうなのが良いです。セリフのやりとりも面白い。 『みんな。ガンじゃなかった。ただの離婚だ。』と喜ぶ上司。湧き上がる拍手。ニューバラを捨てちゃうジェイコブ。ひっかけた女は息子の担任。コメディセンスが完全に自分好みなんですよね。大分笑っちゃいました。 基本的に悪人がいないので、刺激は少なめですが安心して見られる作品。その中でも、私は主人公のキャルがお気に入り。仕事もできるし家族思い。夜中にこっそり庭に忍び込んで庭の手入れをするシーンが超好き。まあ、はっきり言ってかなり良い父親なだけに、奥さんが離婚を望むはっきりとした理由は欲しかったかもしれませんね。いわゆる倦怠期、中年の危機ってやつなんでしょうが、それだけで離婚するかなぁ・・・。 基本はコメディなんですが、夜中に家の庭にキャルとエミリーが電話をするシーンが胸に染みます。実は用なんてないのに、電話をしてきたエミリーに感動するキャル。さりげない名シーンです。 最後の卒業式での演説。あれだけがちょっと苦手。大勢の前でプライベートな話題を堂々と話すっていうシチュエーションが昔から苦手なんですよね。急に作り物っぽく見えちゃって。それだったら、庭での全員集合で全部決着つけて、『はい、おわり。』ってしてもらったほうがすっきりです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-11-25 04:05:48)(良:1票) |
716. ミスト
《ネタバレ》 まずはパニック映画としての面白さ。台風の後、スーパーへ買出しに行く主人公一家。奥さんはお留守番。そこへやってくる霧。一人の男が『霧の中に何かがいる』と流血しながらスーパーへと駆け込んでくる。真っ白な霧の中から聞こえてくる悲鳴。地震のように揺れるスーパー。この一連の流れがパニックムービーとして最高。突然崩れる日常。これがパニックムービーの醍醐味。導入部だけだったら満点です。 次に訪れる恐怖が、閉鎖空間での人間心理の崩壊。変人扱いされる宗教狂いのカーモディ。ところが次第に状況が悪くなってくると、そのカーモディの崇拝者が一人、また一人と増えていく。徐々に変化してゆく勢力図。そしてここから描かれるのが群集心理、集団催眠、集団パニックの恐怖。今まで隣人であった人が隣人でなくなる恐怖。対等であった人間関係が対等でなくなる恐怖。 この映画で一番怖かったのは、若き軍人が糾弾されるシーン。軍人であるまえに地元の若者。レジの店員とは恋仲。にも関わらず、地元の人から刺され、生贄として放り出されてしまうシークエンスは凄惨すぎます。『人は優しいが、人々は残酷だ』というタゴールの言葉を思い出します。 この映画で犠牲になる人って、善人が多いです。『死』の前では『善人』も『悪人』も皆平等ということでしょうか。 そしてラスト。この絶望的なラストがなければ8点~9点くらいだったのですが。善き人たちの辛い死を乗り越えて、それでもこの人たちだけでも助かれば報われると思っていたのに、あんまりすぎるラストです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-11-22 14:03:45)(良:2票) |
717. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
《ネタバレ》 前半はちょっとつまらない。アクションやらギミックやらは面白いんですが、ストーリーがいまいち。空想アドベンチャーなのに説明不足で、何を目的に動いているかがわかりづらいのです。オックスなどの登場人物の説明もいまひとつではないでしょうか。状況が整理できないまま、物語だけがばんばん進んでいく感じが正直自分と合わないです。 中盤。マリオンと再会。この辺からちょっと面白くなってきます。 『車上でのイリーナVSマットのフェンシングバトル』『軍隊アリ』『お猿ターザン』この辺結構好きです。 ディズニーシーに行ったので、遺跡が出てきたときはテンション上がります。 ラストのオチは意味不明。そこにあったものを元に戻しただけなのに、なぜ宇宙に行っちゃうの?厳密に言うと『宇宙と宇宙の狭間』らしいけど・・・いや、そこどーでもいいしね。 なんかもっと、爽快な冒険活劇にふさわしいハデなハッピーエンド、夢のあるクライマックスが見たいものです。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2019-11-19 01:06:04) |
718. REC/レック4 ワールドエンド
《ネタバレ》 船。軍。政府。隔離。そして海の上。非日常。からの、ゾンビパニック。そのきっかけは、まるで28日後・・・。 ゾンビパニックってね、日常の崩壊が醍醐味の一つだと思うんですよね。いきなり非日常からスタートされちゃうと、その面白さが半減しちゃうわけです。登場人物も、軍の関係者や政府の人間ばかり。あとは船乗り。これではちっとも面白くないんです。 『密室での恐怖』を感じられる良さはあります。船内が入り組んでいるため直線距離が短く、足音でゾンビたちの接近を知らせる演出は結構好き。ゾンビ映画として一定の迫力、クオリティは保っています。ですので飽きはしません。 ただ面白いかと問われれば、う~ん。 前半ダラダラしときながら、気付いたら船内に感染が広がっちゃっている始末。徐々に感染が広がっていく恐怖っていう、もう一つの醍醐味もないんですよね。 救命ボートを手に入れてからは、『助かるかも』という一縷の望みが感じられるため、ラストは結構ハラハラできます。だからくどいようですが、ゾンビものとしてはそこまで悪くないんですが、レックシリーズの中では一番いまいちだったかな・・・。これだったら少年少女が巻き込まれちゃう『2』のほうがまだまし。 どうやら私は、ゾンビパニックに軍関係者の割合が増えると、白けてしまうらしいです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-11-18 03:10:57) |
719. その土曜日、7時58分
《ネタバレ》 物語が悪い方向へしか進まないので気が滅入ります。 ハンクは真人間だけどダメ人間。アンディは多少頭がきれるみたいだけどクズ。このどーしようもない兄弟がにっちもさっちもいかなくなって犯罪にはしる。強盗するのは両親が経営する宝石店。『店は保険に入っている。損失分は保険がでる。』なるほど、個人的に好きなタイプのプロットです。 ただ、この映画、時間軸が行ったりきたり。その都度主観がアンディになったりハンクになったりチャールズになったり。それはそれで面白いのですが、あまりに多用するから全体のテンポを悪くしている気がする。 それに、主観が変われば『ああ、そーゆーことだったのかぁ』という種明かしを楽しむものなんでしょうが、この映画にはそれもないんです。映画のテンポを悪くしてまで時間軸をずらし主観をわざわざ切り替えるメリットがあまりないように感じます。 説明不足の部分が多いのも無視できません。 ハンクはともかく、アンデイはなぜお金が必要なのか。会社でいったいどんな不正をやらかしたのか。それにラスト、ハンクのその後はどうなっちゃったのか。どれもこれも教えてはくれません。結構知りたい部分なのに。父親への感情を車の中でぶちまけるシーンも説明不足のせいで唐突な印象を受けます。さらにはそれを理由に奥さんが出て行ってしまうのも意味わかりません。 父親チャールズがアンディを殺して終わりという救いようのないオチが素敵でした。バッドエンディングは好みではありませんが、この映画には合っていたと思います。アンディの人生における罪の帳消しはどちらにしろ『死』以外はありえなかったでしょうし。アンディを殺すときの父親の形相はこれまた最高でした。 とはいえ、ハンクのことがほったらかしである以上、やはり消化不良感は拭えないのです。 [DVD(字幕)] 5点(2019-11-16 00:43:35)(良:1票) |
720. マイティ・ソー
《ネタバレ》 CGや映像は派手できれいで迫力あって良い感じ。ただその質感、ヴィジュアルは、『映画』というより『ゲーム』の世界のよう。神話の話や映像は嫌いではないんですけど、なんかちょっとだけ、自分が見たいものとは違うものを見せられた感じがします。 ストーリーは、神様の世界でのごたごたがいまいち面白くないです。ソーが地球に追放されてからが、俄然面白くなりますね。 『このソーにそんなものが効くか。』⇒ビリビリビリ。『お前らなどにやられはせん。』⇒注射ブスっ。このあたりがかなり笑えます。バックした車にはねられるのも見所のひとつ。 アクションは、地球でのVSデストロイヤー戦がこの映画のクライマックス。面白かったのはそのあたりくらいまでかな・・・。 ソーの仲間たちは序盤では頑張っていたのに、後半は見せ場がほとんどなくて物足りない。 ロキはただのかまってちゃんで、巨人も神も人間も、ただそれに巻き込まれただけ。なんともスケールの小さい話で、巨悪というものが存在しないから、勝利で得られるカタルシスなんてあろうはずもない。 『氷の巨人たちが再び地球を侵略する。地球を守るため、ソーたちアスガルドの神々が立ち上がる。』なんてのを勝手に想像していただけに、なんとも期待はずれの内容でした。 そしてこの内容に対してこの時間、この尺。これをまさに『冗長』というのでしょう。 ちなみに、『ヘイムダル』と『デストロイヤー』はキャラとしてかなりお気に入りです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2019-11-12 04:07:39) |