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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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721.  THE DAY ザ・デイ
2009年に製作された『ザ・ロード』は傑作ではなかったものの、思いがけずSF映画史を変えた作品となりました。従来、終末モノの映画は砂漠と廃墟が定番の光景でしたが(同時期に製作された『ザ・ウォーカー』は、まさにそのイメージを引きずっていた)、『ザ・ロード』はそういった記号を排除し、どの国にもありそうな普通の野原や山林で終末の風景を作ってしまったのです。手の込んだ視覚効果も、砂漠でのロケも必要なくSFが撮れるというコロンブスの卵的な発想には世界中のB級野郎達が飛びつき、今やレンタル屋の棚は終末モノで溢れかえっています。。。 本作も、そんな中の一作。理由はよくわからないが人類の生産能力がゼロになった世界で細々と生きる人々が主人公であり、食人行為が物語のキーとなるという、まんま『ザ・ロード』の設定をいただいたお話です。ローランド・エメリッヒ製作の『HELL』もそうでしたが、パクリと言われても仕方がない程のオリジナリティのなさには呆れてしまいます。本作は、SF映画としては完全にダメダメです。前述したオリジナリティのなさに加えて、ディティールもあまりに適当。食うものがなくなって食人行為をはじめた連中のことはよくわかった。では、食人をしていない主人公達は、世界が破滅して以降の10年間をどうやって生き延びてきたのか?「食べること」がテーマの作品であるにも関わらず主人公達が飲み食いする場面が一切なく、それどころか飢餓感の描写すらかなり希薄。これでは世界観を理解しようがありません。30年前に製作された『マッドマックス2』には主人公がうまそうにドッグフードを食う場面があって、たった数十秒で世界観を伝えることに成功していました。本作においても、そういう気の利いた描写が欲しいところでした。。。 他方、バイオレンスとしてはなかなかイケます。中盤以降、本作は一軒家での籠城戦となるのですが、これが『アイ・アム・レジェンド』と『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を足したような素敵な完成度。低予算ゆえにボリューム感には欠けるものの、頼りになるバトルヒロインの登場や味のある敵の親玉など、この手の映画に必要な点はきっちり抑えられています。やりすぎなほどのゴア描写、無情過ぎるラストの展開も主題に合っており、ツッコミどころは多々あれど観て損のない映画となっています。
[DVD(字幕)] 6点(2013-02-01 22:18:59)
722.  ザ・レイド
インドネシア映画ではあるものの、監督には英国人を雇ってきたという『燃えよドラゴン』方式で撮られたアクション映画。評判通り、アクションはキレまくりです。通常のアクション映画では銃撃とカンフーはどちらかに偏りがちなのですが、本作ではその両方がバランスよく盛り込まれており、見せ場のレイアウトの良さにまず感心しました。横方向に展開していたアクションが、突如縦方向にシフトするという変化の付け方も面白く、カンフーのみに頼らない緻密な見せ場作りは大いに評価すべきでしょう。同様に、マンションへの突入前、特殊部隊がスクラムを組んで移動する場面にはトニー・スコットやマイケル・ベイの映画のような美しさとかっこよさがあって、アジア映画ならではの荒削り感が軽減されている点も好印象。わざわざ外国人監督を雇ってきたことの効果は、確実に表れています。。。 問題は、基本設定があまりに荒唐無稽だったことでしょうか。犯罪者の要塞と化したマンションから脱出するためには、ボスを倒さなければならないという理屈が意味不明だったため、私は中盤で戦いの目的を見失ってしまいました。異常に強い敵のシラット使いを相手にするくらいなら、極力戦いを避けて脱出経路の発見に全力を注いだ方が合理的に思えて仕方なかったのです。マンションなんていくらでも脱出方法があるでしょうに。そして、戦いの目的が不明瞭となったために、素直に感情移入して映画を楽しむことができなくなりました。観客が要らんことを考えなくても済むようにもうひと知恵入れてくれれば、見違えるような傑作になったと思うんですけどね。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-02-01 21:09:06)(良:1票)
723.  リンカーン弁護士 《ネタバレ》 
自分の依頼者が真の悪人だとわかった時、弁護士はどうするのか?、、、これは『ザ・ファーム』や『真実の行方』等でも扱われた命題であり、弁護士モノにおける王道といえば王道の物語なのですが、主人公であるハラー弁護士の作り込みが素晴らしいため、全体として求心力のある映画に仕上がっています(ハラー弁護士があまりに良すぎるので、TVドラマ化も決定しているとか)。現在では西海岸のチャラいサーファーみたいなイメージで固まりつつあるマシュー・マコノヒーも、キャリアの初期には若きエリートを得意としていました(『評決のとき』『コンタクト』『U571』)。本作では、そんな彼の両極端の個性が絶妙に混ざり合っており、生涯ベストとも言える当たり役となっています。さらには、マリサ・トメイやウィリアム・H・メイシー、ジョン・レグイザモら、一流の脇役達が彼をグルっと取り囲み、万全の布陣を作り上げています。20年ほど顔を見ていなかったマイケル・パレの登場にも嬉しくなり、キャストの充実ぶりには感心しました。二転三転する物語も面白く、勢いのある演出も手伝って最後まで飽きさせません。娯楽寄りのサスペンス映画としては、上々の完成度だと思います。。。 以上、娯楽映画としての完成度の高さは認めるのですが、どうしても気になったのが守秘義務(本作風に言うと秘匿特権)の扱いです。弁護士ではないものの、一応は守秘義務の絡む仕事をしている者としては、かなりの違和感を覚えました。守秘義務とは絶対のものではなく、公益性が認められる場合には解除されることが法律上明記されているのです。そして、容疑者に再犯のおそれが高い上に、過去の冤罪事件にまで話が及ぶ本件であれば、まず間違いなく守秘義務の解除が認められるでしょう。実際、レイプ犯の弁護人を辞退した後、その弁護士が検察側の証人として法廷に現れ、職務上知り得た秘密を法定で証言してレイプ犯を実刑に追い込んだという事例も存在しています。さらに現場寄りの話をすると、守秘義務云々以前の問題として、この弁護士が捜査当局に耳打ちすれば済んだ話でもあります。「実はこういう話があるんだ。俺から聞いたってことにはしないでね」。犯人をぶち込みたい警察・検察はこの話に喜んで飛びつき、万事解決ですよ。娯楽映画に目くじら立てても仕方ないのですが、もう少しリアリティのある設定にして欲しかったという気持ちは残ります。
[DVD(吹替)] 6点(2013-01-31 01:20:42)(良:2票)
724.  キラー・スナイパー
テキサスのDQN一家が保険金目当てに母親殺しを計画するというロクでもないお話。奇抜な登場人物に、適度に捻られた展開にと、脚本はよく作り込まれているのですが、二転三転した末に結局何が言いたかったのかはよくわからないという不思議な感触の映画となっています。。。 本作で注目すべきは、一応はオスカー監督であるウィリアム・フリードキンの大暴走で、御年72歳の巨匠が20代の若手監督をも凌駕するどえらいパワーを見せつけています。何が凄いって、高尚なことは一切なしで、エロとグロに特化した内容としているのです。フリードキンは95年に『ジェイド』という『氷の微笑』の出涸らしのようなエロサスペンスを撮って笑いものになったことをまだ覚えているようで、本作においてはやりすぎなくらいにエロを追求しています。何も履いていないジーナ・ガーションがいきなり姿を現す冒頭にはじまり、ジュノ・テンプルを現実と妄想の両方の世界で脱がせまくったり、マシュー・マコノヒーを脈絡なく全裸にしたり、フライドチキンを思いもよらぬ用途に使ったりと、エロに関しては凄まじい創意工夫を発揮しています。さらには、通常の着衣の場面だって胸の谷間や揺れ、乳首のポッチが気になるようなねっとりとした撮り方をしており、72歳の老人がやることとは思えない演出を続々と披露。念を押しますが、オスカー経験者です。。。 そんな感じで大張り切りだった巨匠からの要望を断り切れなかったのか、俳優達もかつてない怪演を披露。ジーナ・ガーションは49歳にして脱ぐわ殴られるわ、最終的にはあんなことまでさせられるわという大変な役柄を全力でやりきっているし、マシュー・マコノヒーに至っては、一体何の得があってこれを引き受けたのだろうかと思うほどの汚れ役を熱演しています。前半こそ、タイラー・ダーデンのようなダークヒーローの風情を漂わせていたものの、結局はただのヘンタイだったことがわかるというとっても損な役回り。監督のキャスティングセンスの賜物かマコノヒーのハマり具合が絶妙だったため、この役は彼のパブリックイメージに影響を与えかねないほどのインパクトを持っています。。。 観終わった後、特に残るものはないのですが、監督や俳優達のパフォーマンスを観る映画としては、十分なレベルに達していると思います。
[DVD(吹替)] 6点(2013-01-20 03:21:04)(良:2票)
725.  ハンガー・ゲーム 《ネタバレ》 
【TANTO】さんが詳しく述べられていますが、とにかく設定に穴が多すぎます。指摘事項の多さたるやトンデモ映画の域に達しており、本サイトの字数制限内ではひとつひとつを挙げきれないほど。そもそもの問題として、地区代表の未成年に殺人甲子園をやらせることが、なぜ国家の統治に役立つのかという理由がサッパリわかりません。深作欣二監督は、殺人ゲームに合理的な説明を付けることは不可能だとして『バトルロワイヤル』の背景説明を放棄し、いきなりゲームを開始するという英断を下しましたが、一方本作はゲーム開始までにたっぷり1時間もかけ、挙句に設定を伝え損ねているのだから話になりません。また、本筋においても、「権力者vs民衆」「金持ちvs貧乏人」「虚構を垂れ流すメディアvsメディアの情報を鵜呑みにする愚かな大衆」等々、多くのテーマが提示されるのですが、そのどれもが上っ面ばかりで煮詰めきれていません。これじゃあ21世紀の『バトルランナー』ですよ。。。 肝心のバトルも、これまたヌルくて参ってしまいます。生き残るのはたった一人、嫌いな奴を殺すことは容易くとも、最終的には仲間と殺し合いをしなければならないことがこの設定の最大のキモだと思うのですが、主催者側からの度重なるルール変更によってこの点がボケボケになっています。さらには、登場人物達の戦力設定もいただけません。弓を得意とする以上、主人公が参加者中もっとも有利であることは火を見るよりも明らかなのです。他には格闘に優れた者や、ナイフの名人もいますが、飛び道具を得意とする主人公に狙われたのではひとたまりもありません。そして、主人公が有利すぎるゲームなど、面白くなるわけがありません。そこで監督が考え付いたのが、主人公に弓を使わせないというシナリオ(笑)。見晴らしの良い広場のど真ん中に敵集団が突っ立っていても、この主人公は彼らを狙ったりしないのです。得意技を封じられた主人公の戦いには、当然のことながら緊張感は宿りません。なぜ、こんなにもバカバカしいシナリオが通ったのでしょうか。。。 以上、さんざん悪口を書きましたが、観ている間は不思議と楽しめたことはきちんと明記しておきます。スターなし、製作費も控え目ながら全米だけで4億ドルも売り上げた作品だけあって、娯楽作としてはそれなりにまとめられているのです。ツッコミどころも含めて愛せる映画だと感じました。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-01-19 18:37:43)(良:1票)
726.  ディヴァイド 《ネタバレ》 
余計な説明は一切なしでいきなり核戦争という景気の良い導入部が終わると、以後の舞台は狭苦しい地下室のみ。閉鎖空間での心理サスペンスに主眼が置かれた作品なのですが、全体の構図はよく考えられています。舞台はマンハッタンの高級マンションであり、その住民達はバリバリのホワイトカラー。対して、(きっかけは意に反していたとはいえ)彼らをかくまってやるのは、そのマンションの地下室に住みこんで働いている貧しい用務員さん。常日頃、身の回りの世話をしているにも関わらず住人達からはロクに挨拶もされず、名前も顔も覚えられていない用務員さんが、金持ちやエリート達の生命を握るという捻じれた階級闘争の構図となっているのです。そして、物語はどんどんおぞましい方向へと転がっていくのですが、「他人に対してもっとも惨い仕打ちをしたのは誰だったのか?」という点についても、本作特有の結論が準備されています。これはかなり優れた企画だと思います。。。 問題なのは、脚本力や演出力が上記の企画意図に追い付いていないということ。まず、時系列の整理がヘタくそで、ほんの数カットで何十日も話が飛ぶこともあれば、逆に、いろんな展開が詰め込まれてさぞや時間が経過したのだろうと思いきや、じつは数日の話でしたということもありました。閉鎖空間に長時間閉じ込められた人間のストレスがテーマとなっている作品だけに、劇中の時間経過は作品の重要なファクターであるはず。にも関わらず、それを観客に伝え損ねていることは問題だと思います。また、設定のディティールにもあまりこだわりがなく、大人8人が何カ月も生存するために必要な水と食料、長期間の自家発電を行うための燃料とは膨大な量になるはずなのですが、あの地下室にそれだけの備蓄ができるようには到底思えません。さらには、相当な量となるであろう排泄物、おまけに生存者達は何カ月も入浴できず地下室の衛生状態は最悪になることは容易に考えられるのですが、そういった想定しうる設定が掘り下げられていないので、映画全体から説得力が失われています。あと、序盤に登場した謎の集団は一体何者だったんですか?彼らに連れ去られた少女はどうなったんですか?謎の集団から奪ったはずのライフルやテーザー銃が中盤以降、劇中から姿を消すのはなぜですか?設定を投げっぱなしにした製作側の姿勢には感心しません。
[DVD(吹替)] 6点(2013-01-14 02:52:00)(良:2票)
727.  狼たちの報酬
韓国系アメリカ人であるジェフ・リー監督のデビュー作。新人監督がこれだけの豪華キャストを得られたという事実が示す通り、実に魅力的な企画です。4つのエピソードが緩やかに連結されることで一つの映画を形成するという『パルプ・フィクション』と同様のスタイルをとっているのですが、そのループのさせ方がなかなかお見事。同様の映画は少なからず存在しているものの、ここまで綺麗にまとめられた例は数える程しかありません。また、ファンタジーとクライムサスペンスを繊細なバランス感覚で組み合わせたことにより、独特の味わいを持つ作品となっています。映画全体の要となるブレンダン・フレイザー演じる”プレジャー”の設定などは実に良く出来ていて、予知能力という彼の才能は傍から見ると実に羨ましく、その能力を使えば楽しく生きられるだろうと思うのですが、彼はまったく幸せではありません。物事をはじめる前から結果が見えてしまうために一切の野心や目標を持つことが出来ず、諦めきって生きているのです。一風変わった設定ではありますが、確かに理にはかなっています。。。 以上、基本的には魅力的な作品なのですが、登場人物達があまりに頭の悪い行動をとってしまうために「そりゃないだろ」というツッコミが先に来てしまい、ドラマに感情移入することができませんでした。5万ドルという返済可能な金額の借金を返済するために銀行強盗を決意するフォレスト・ウィテカー、手袋もせず毒蛇に触り、案の定噛まれて死にかけるジュリー・デルピー、明らかに異常な血相でトリスタに駆け寄り、案の定ボディガードに取り押さえられてしまうケビン・ベーコン、金づるであるトリスタを無茶に扱い、案の定逃げられてしまうアンディ・ガルシア、どいつもこいつもバカです。なぜ、もっと賢く振る舞えないのかとイライラしてしまいました。。。 最後に、『狼たちの報酬』という、本筋とまるで関係のない邦題は一体誰がつけたのでしょうか?内容を示していないどころか、まったく違うジャンルを連想させてしまう最悪の邦題です。
[DVD(字幕)] 6点(2013-01-09 00:46:11)
728.  テイク・シェルター
近い将来起こるであろう大災害が見えてしまった男の物語。基本的には精神障害を持つ男と、それに振り回される家族や友人の姿を描いたドラマなのですが、この男のビジョンはあながち間違っていないのかもしれないというSF的な含みを持たせた演出が絶妙。視点を変えれば、『デッドゾーン』のような悲劇として鑑賞することも可能です。主人公が教会に通っていない件で咎められる場面を挿入することによって、映画から宗教色を排除するという細かい配慮も気が利いており、カンヌをはじめとして世界中で多くの賞を受けていることにも納得の仕上がりです。。。 以上、作品としての完成度の高さは認めるのですが、あまりに淡々とした内容であるため、観ていて楽しい映画ではありませんでした。ひとつひとつの場面が必要以上に長いし、一方でドラマティックな場面での盛り上げが不足しています。撮影や演技の質が高いために、新人監督はすべての場面をじっくり見せたいという誘惑にかられたのでしょうが、もっと観客の生理に配慮した内容とすべきでした。
[DVD(吹替)] 6点(2013-01-08 16:11:55)
729.  メン・イン・ブラック
ほとんどのレビューが一言二言の短文であることが示す通り、可もなく不可もなく、特にコメントすべきことのない娯楽作であるように思います。普段は長文レビューの私も、本作については特に思い浮かぶことがありませんでした(笑)。。。 本作のエイリアン達は露骨なまでにアメリカ合衆国在住の外国人を示しており、作品中にはアメリカ人でなければわからない隠喩や冗談が多く含まれていると考えられます。そんなローカルな題材だからこそ、我々日本人には伝わりづらかったのかもしれません。娯楽作としてのまとまりは良いので普通に楽しめるのですが、それ以上に感じるものはありませんでした。97年度の全米興行成績No.1作品にしては地味ですよね。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2013-01-06 19:42:47)
730.  宇宙兄弟
原作未読です。他社がはやぶさの映画化企画に群がって続々と討ち死にする中、あえて”はやぶさモノ”には手を出さず本作の企画をチョイスした東宝は、さすがの慧眼でした。はやぶさの偉業を3年に渡って追いかけた傑作ドキュメンタリーが存在している以上、映画という作り物でホンモノを上回ることはまず不可能。ならばフィクションの世界で勝負しようという目の付け所には唸らされました。。。 上記の企画意図は作品の質にもしっかりと反映されており、ドラマもスペクタクルも破綻なく丁寧に作りこまれています。ロケットの打ち上げシーンや月面探索のシーンは目を見張る完成度であり、いよいよ邦画もこのクォリティの映像を作れるようになったかと感心しました。ドラマパートの出来も上々であり、過不足なく揃えられたいずれのキャラクターにも、きちんと血が通っています。主演2人の演技は見事に安定しているし、堤真一や麻生久美子といった脇を固めるキャストも充実しています。総じて、アベレージの高い作品であると感じました。。。 一方、問題もあります。地上で訓練を積む兄と、月で危機に陥る弟の物語がうまく連動していないし、兄の成長物語と、訓練仲間達との友情物語もまた、うまく連動していません。各要素の出来は悪くないものの、接合の仕方が弱いのです。これはまさに長大な原作を持つ本企画の弱点であり、原作にある要素をなるべく残そうとした結果、一本の映画としての統一感が失われてしまったようです。原作のファンであれば脳内補完できるのでしょうが、私のような未読の観客にとっては、やや不完全な仕上がりとなっています。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-01-05 18:57:17)
731.  アタック・ザ・ブロック
エドガー・ライトとニック・フロストの製作チームと言えば、ジャンル映画に並々ならぬ愛情を注ぎ、パロディという体裁を取りながらもジャンルの王道をきっちり捉えた良作を多く生み出している安心のブランド。『遊星からの物体X』を連想させるイントロにはじまり、50年代風の着ぐるみモンスターが暴れ回る本作も、やはりジャンル愛に満ちています。映画は相変わらずの完成度の高さで、序盤から無駄な場面は一切ありません。ノンストップアクションながら早すぎず遅すぎずの絶妙なテンポを終始維持できているし、合間に挟まれる少年たちの友情物語には過不足がありません。さらには、オールドファッションな題材に躊躇のない暴力描写を付加することで現代的な活劇へと映画全体を昇華させており、一時期のピクサー社をも連想させる程の安定した仕事ぶりには毎度惚れ惚れさせられます。。。 以上、客観的な完成度の高さは認めるのですが、私個人としては、それほど感じるもののない映画でした。私の思うところは【あにやん】さんのレビューの通りで、主人公の少年たちに感情移入ができなかった点が大きな問題。誰もが自分を投影できる普通の少年少女が主人公であってこそジュブナイルSFは成り立つようであり、少年ギャングという特殊な人種ではうまくドラマに入り込めないのです。特にマズイと感じたのが序盤の恐喝場面で、夜遅くまで仕事をしていた若いナースから財布を奪う連中に、どうやって感情移入すればいいのでしょうか。この手の侵略SFにおいては、犯罪者や厄介者がまず侵略者の餌食となり、その展開に観客が溜飲を下げるというのがお決まりのパターン。良くて『ドーン・オブ・ザ・デッド』のCJ。彼らは侵略者に襲われこそしても、英雄になるタイプではないのです。
[ブルーレイ(吹替)] 6点(2012-12-26 17:12:45)
732.  ベルフラワー
良い歳をして働きもせず、小学校時代からの親友とつるんで火炎放射器や火を噴く車を作ったり、「俺の考える世紀末」をテーマにイラストを描き溜めたり、「世紀末が来たらどうする?」と妄想を語り合ったりするオタクが主人公の映画。どうやってもコメディにしかなりえない素材なのですが、これをシリアスな映画として撮っていることが本作の新機軸です。この切り口はかなり斬新で、「今までになかった映画」と称することはできるのですが、その副作用として観客の許容範囲を大幅にフライングしている箇所がいくつもあって、ドラマとしては特に感じるものがありませんでした。前半が異常にチンタラしている割に後半ではあるべき描写が不足していたりと、映画全体のバランスもあまり良くありません。良くも悪くもインディーズならではの荒削りさが出てしまったようです。。。 低予算ながら、俳優陣はみな素晴らしいパフォーマンスを披露しています。主人公ウッドローを演じるのは本作の脚本・監督も務めるエヴァン・クローデル。トム・クルーズ似のそこそこイケメンなのに、何かが欠けているせいで絶妙なダサさや田舎臭が漂っています。絶妙な欠け具合といえば、彼の恋人ミリー役のジェシー・ワイズマンもなかなかのもので、パっと見は美人ではないし体も弛みまくっているのですが、じわじわ来るエロさが役柄に大変な説得力を与えています。登場した時には「えらく残念なルックスだな」と感じたのですが、徐々に良い女に見えてくるのだから不思議なものです。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-22 10:39:06)
733.  ロボット
37億円を投じて製作された、インド映画史上最大の超大作。インド映画はハリウッドの1/3以下の予算で作られると言われますから、本作はハリウッドで言えば1億ドルバジェットに相当する特大作品。全世界で投資を回収するハリウッド映画ならともかく、基本的には国内マーケットのみで帳尻を合わせねばならないインド映画にとって、本作は記録的大ヒット以外の結果では困るという勝負作だったというわけです。。。 そんな重圧の中で製作されたとは思えないほど、内容の方は肩の力が抜けまくっております。「細けぇことはいいんだよ」と言わんばかりに、リアリティとか論理的整合性といったものはことごとく無視。還暦過ぎた男性が歌って踊ってアクションを決めて、クライマックスでは数十人にまで増殖するという狂いまくった内容となっています。まさにラジニカーント尽くし。初老のラジニカーントが超美人の女子大生から惚れられているという設定も当然のこととして流されており、インド人にとってのラジニカーントとは、トム・クルーズとブラッド・ピットとジョニー・デップを合わせた程の絶対的なスターであることがよくわかりました。ここで強調したいのは、ラジニカーントがメリル・ストリープやトム・ベレンジャーと同い年だということです。。。 VFXの出来は凄まじいものがありました。ハリウッド大作と比較しても遜色ないほどのクォリティを誇っており、膨大な製作費をきちんと映像に反映できています。見せ場のアイデアも面白く、ハリウッドの猿真似ではなくオリジナリティで勝負している点で感心しました。等身大ロボットが密集して巨大な球体や大蛇、果ては巨大ロボットに変形する場面なんて、あまりの豪快さに圧倒されてしまいます。その一方で、常にダサさが付きまとっている辺りがなんともインド映画らしいところ。特に、主人公ロボットのエンドスケルトンのデザインは一体何ですか。桜金造みたいな間抜けな顔で、これはデザインで笑わせようとしているのか、はたまた、インド人にとってロボットの顔とはこんなイメージなのか、製作側の趣旨を掴みかねます。。。 全体としては、見応えのある映画だったと思います。ただし長い。177分のタミル語版ではなく139分のヒンディー語版で鑑賞しましたが、それでも長い。インド映画界では「映画は長いほど良い」とされているようですが、日本人の私にとってはなかなか厳しいものがありました。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-16 14:55:15)
734.  デイライト
せっかく助けにきてくれたスタさんにワガママばかりを言う生存者達が非常に不愉快でした。感情移入など絶対に不可能、ドラマとして完全に赤点です。しかし、娯楽に長けたロブ・コーエンによるアクション演出は絶好調で、矢継ぎ早に繰り出される危機の連続には思わず見入ってしまいました。VFXや音響等、テクノロジーの扱いも非常に素晴らしく、製作から15年以上経過した現在の目で見ても見応えのある娯楽作に仕上がっています。いろいろ文句はありますが、まぁ面白かったので及第点は与えられます。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-12-03 01:03:20)(良:1票)
735.  最後の誘惑 《ネタバレ》 
イエスを題材とした映画は数多くありますが、1973年にノーマン・ジュイソン監督の『ジーザス・クライスト=スーパースター』が製作されるまで、ハリウッドはイエスの顔をはっきり映し出すということを控えてきました。それほどまでにイエスとは恐れ多い存在ということなのですが、そんな歴史的経緯を踏まえて本作を観ると、この企画がいかに破天荒で罰当たりなものであるかがわかります。イエスは大工としての腕前を活かしてローマに楯突いた同胞の処刑に使われる十字架をせっせと作り、マグダラのマリアが働く売春宿にもフラフラと姿を現します。神の子としての使命に目覚めた後にも弱気は抜けず、「贖罪のためとはいえ、痛い思いをして死ぬのはイヤだなぁ」と延々悩み続ける始末。一方で、従来は卑劣な裏切り者とされてきたユダが実に男らしく、弱気になったイエスや、イエスを信じきれなくなった他の使徒たちに対して助言と励ましを与える重要な立場を担っています。本作におけるユダは、イエスからの信頼の厚さゆえに彼を十字架に送る重要な役回りを任されたという解釈となっており、キリスト教圏の人達にとっては天地がひっくり返るようなお話となっています。。。 以上の通り、本作はかなり意欲的な内容であり、宗教画の再現を狙ったという美しい撮影にも一見の価値ありなのですが、とはいえ聖書の内容を知っていることが前提条件となる映画なので、われわれ日本人にとっては少々厳しいものがありました。映画としてのポテンシャルの高さや、反発を覚悟の上で製作に踏み切ったスコセッシの志は評価しつつも、6点が精一杯かなと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-10 15:34:50)
736.  奇跡の海 《ネタバレ》 
主人公は真っ白な心を持つ女性ですが、真っ白すぎてもはや白痴のレベル。「何もそこまで」と思うほど愚直に自分を汚してどんどん窮地に追い込まれていきます。一方、彼女を取り囲む人々は憎悪と偏見の塊。容赦なく主人公に石をぶつけ、救いを求める彼女を教会から追い出します。この映画は全てが過剰で極端なのですが、それでいて世の真理を的確に突いている点には驚かされました。特に、形骸化した教会と純粋な信仰との対比はドラマとしても問題提起としても面白く、これぞトリアー作品の醍醐味だと感じました。。。 ただし、如何せん映画が長い。純粋過ぎて社会性ゼロの主人公をひたすら眺めるという内容で150分オーバーの上映時間はかなり厳しく感じました。実際に重度の鬱病を患っているトリアーは主人公に愛情注ぎまくりなのですが、一方でわれわれ一般人にとって彼女のイタさは見てられないものがあります。
[DVD(字幕)] 6点(2012-11-07 00:11:59)
737.  プライマー 《ネタバレ》 
難解さを売りにしたエンターテイメント作品は少なからず存在していますが、中でも本作は別格。これと比べれば『メメント』や『新世紀エヴァンゲリオン』などは絵本や紙芝居レベルであり、ここまで厄介な物語は人生初でした。前半部分には苦しいながらも何とか付いていけていたものの、ラスト30分はもう何が何だか。何度巻き戻しても理解ことができず、最終的には紙に図を描いて情報を整理したほどですから、これは相当なものです。。。 とはいえ、基本設定自体はかなりオーソドックスなものです。タイムトラベルを重ねるうちに事態がどんどんこじれていくという定番の物語であり、本作を特殊にしているのは、遠い過去や未来を旅するのではないという点。夕方に仕入れた情報を持ってその日の正午まで遡り、株取引で稼ぐというなんともチマチマとしたお話しであり、そのチマチマ加減ゆえに、現在映し出されている光景がタイムトラベル中の繰り返されている時間なのか、実際に経過している時間なのかの区別が付きづらくなっています。もちろんこれは狙った演出ではあるのですが、もっと観客への配慮があっても良かったように思います。。。 ともかくこの映画はかなり独特なのですが、難解であるという点を除いても、それなりに魅力のある内容にはなっています。一人で頭を抱えて観るのではなく、何人かでワイワイと議論しながら鑑賞すれば楽しめるのではないでしょうか。
[DVD(吹替)] 6点(2012-11-07 00:10:31)
738.  アポロ18
古くは『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、最近では『パラノーマル・アクティビティ』がとった手法をSFに応用した作品なのですが、本作の映像はかなり洗練されています。フィルムの切れ目や損傷を入れるという工夫によって記録映像としてのルックスを完璧に作り上げており、本当に月面で撮られたかのような仕上がりとなっているのです。プロデューサーを務めたのは『ナイトウォッチ』や『ウォンテッド』で異様なまでの映像センスを披露したティムール・ベクマンベトフ、彼の手腕は疑似ドキュメンタリーでも冴え渡っています。誰だがよくわからない俳優さん達の演技も上々であり、映画としては水準以上に仕上がっていると感じました。。。 ただしこの映画、基礎となるアイデアがあまりに薄いことがボトルネックとなっています。どこかの映画で見たような古臭いワンアイデアで押し切った内容であり、SFらしい知的な驚きが皆無なのです。せいぜい30分程度にしかならないアイデアを無理矢理長編化したために話の密度は薄く、中盤ではかなり退屈させられました。技術的にはレベルの高い映画だけに、もう一捻りが欲しいところでした。
[DVD(吹替)] 6点(2012-10-21 18:02:55)
739.  ナイト&デイ
かねてより、私はトム・クルーズの爽やかスマイルの裏側に何か不気味なものを感じていたのですが、どうやらトム自身にもその自覚はあったようで、本作はそんなダーク・トム・クルーズの魅力を目一杯活用した作品に仕上がっています。どんな窮地に陥っても輝くような笑顔を振りまくトム・クルーズは、もはや狂人一歩手前。トムの異常なテンションと呼応するかのような気の狂った見せ場の数々も見応え十分であり、本作の前半部分はアクションコメディとして最上級の完成度だったと思います。同時に、キャメロン・ディアスは年齢を感じさせない愛嬌を振りまいており、『オーシャンズ13』以来久々のスター映画としても十分に楽しめました。。。 ただし、後半に入ると映画は急速に失速します。お祭り映画に終始すればよかったものを、マジメなスパイ映画としてまとめようとしたために全体のバランスが崩れてしまったのです。もっともマズイと感じたのは、敵方の殺し屋がむごい死に方をする様をはっきりと映し出してしまったことで、このことによってアクションから痛快さが失われてしまいました。この手の映画では敵の死などは記号に過ぎないのだから、もっと割り切った演出でよかったと思います。  
[映画館(字幕)] 6点(2012-10-09 23:00:30)(良:1票)
740.  unknown アンノウン(2006) 《ネタバレ》 
ハリウッドが得意とするソリッド・シチュエーション・スリラーの中でも、アイデアだけを取り出せば史上最高とも言える作品。「自分以外の誰が敵で誰が味方なのかが分からない」という定番のシチュエーションにさらに捻りを加え、「自分が被害者側なのか犯人側なのかすら分からない」という突拍子もない設定には恐れ入りました。監督はよくぞこんなアイデアを思いついたものです。。。 ただし、そんなインパクトある設定と比較すると、肝心の内容は今一つであると感じました。舞台に散りばめられたヒントをつなぎ合せて真相に辿り着くというのがこの手の映画の定石だと思うのですが、一方で本作は登場人物達に記憶が蘇ることで自然に謎が解消されていくという生温い進行となっており、知的な駆け引きを期待すると裏切られます。また、「自分以外の4人のうち、一体誰と組むべきか?」という心理戦にも魅力がないし、「自分は善人なのか?悪人なのか?」と自身の人間性と向かい合うドラマとしても、話がうまく広げられていません。優秀な俳優を多く揃えながらもこれを活かせておらず、設定に頼り切った内容となってしまったことは残念で仕方ありませんでした。。。 それでも、85分というコンパクトな作品としては充分に面白い映画ではあると思います。ラストにはきちんとサプライズも仕込まれており、水準を超えるサスペンス映画であることは確かです。
[DVD(吹替)] 6点(2012-10-09 01:18:04)(良:1票)
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