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tottokoさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2012
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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721.  さらば冬のかもめ 《ネタバレ》 
ジャック・ニコルソン、いい年して悪童そのもの。この役は彼にしかできない。ほんと唯一無二の役者である。 世の中は厳しくて冷たくて理不尽で、R・クエイド扮する世間知らずの新兵には辛すぎる。人生の先達として、ニコルソンくらいの破天荒ぶりが荒療治として効くのかもしれないねえ。もっとも、最終的にはこの若者を世間から隔絶させるための旅をしているわけなので、そこがもう切なくやるせない。それに天気もずっと曇りっぱなしなんですよね、この映画。 昼から飲んで、ケンカを吹っかけ、有り金をダーツに賭けて(しかも勝つのかい!)、同僚にどやされて若干神妙になったりのニコルソン。母親に会わせてやろうと骨を折り、童貞卒業の面倒を見、何やってんだオレら、と不貞腐れながら冬の公園でソーセージを焼く。私はこのダメなおっさんが大好きで、彼ら3人の短い旅が少しでも長く続くよう願わずにいられなかった。驚きのない、現実的なラストを迎えてしまうのだが。音楽が妙に軽く、それもまた印象的な寒色の映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-15 23:39:04)
722.  手錠のまゝの脱獄 《ネタバレ》 
主演の二人がまあ身体を張ること。殴り合い、よく走り、川に流され穴に落ち。鎖で繋がれた状態でのアクション、さぞや体力消耗したことと思います・・。 この映画、印象的なのが画の力が高いということ。なんというか、カメラがスムーズでこちらの目線も滑らかに動くのです。走る、飛び降りる、殴る、動きは多いけれど近年の作品より画面がずっとがくがくしないので疲れない。川の激流下りや泥穴からの這い上がりの場面では、彼らの疲労や腕輪による手首の痛みまで伝わってくるような臨場感。こういうのって実は凄い技術力なのでは。 カーティスもポワチエも名演技。命運を共にした者同士の絆が胸熱なラストへと昇華。またイイところでナイスキャラの保安官もきちんと登場して締めます。地味ながらも良作。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-10 01:03:23)
723.  フォーカス(2015)
詐欺話は観てる側も一緒にだまされて「やられたー」と快く驚くパターンが好きです。伏線の回収がキレイであればあるほど良し。 で、こういう観点から見れば、アメフトの観客席での大一番、ここが本作のピークと言えましょうか。何故か時も舞台も移しての後半は、ちまちました騙しの仕掛けが多すぎてややこしい。ばたばたと切り替わる画像挿入も理解しやすいとはいえない演出で、戸惑うことが多かった。ゆえにカタルシスも大きく削がれることに。この急な失速っぷり。前半と後半では違うスタッフが手がけたかのよう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-07-02 23:56:47)
724.  96時間 レクイエム 《ネタバレ》 
おや、3作目にしてついに誰も"TAKEN"されてないぞ?まあここまでついてきた客はブライアンの暴れっぷりを見たいだけだから細かいことはいいんだけど。 さすがに三本目ともなると脚本もネタ切れ気味。大学生の娘にでかいパンダを贈ろうという親父のズレっぷりは相変わらずのお約束。うん、ミルズの娘溺愛描写はきちんと入れないと。あと元妻の再婚相手が役者が変わってるので戸惑った。こいつを真の悪玉にしましたか。うーん、やや安易な脚本かなあやっぱ。冒頭のロシア人が暴れてるのもありがちな「釣り」だとわかっちゃうしなあ。 ああそれに警察の無能炸裂ぶりには恐れ入りました。ラストシーンのF・ウィテカーの台詞には笑った。「私は真実を知っていたのだ」ってアンタたち後手後手に回ってばっかだったじゃんかよー。
[DVD(字幕)] 6点(2018-07-01 23:30:57)
725.  96時間 リベンジ 《ネタバレ》 
1作目より世間の評価は低いみたいですけど、私はこちらも同じくらい楽しめました。攫われるのが娘じゃなくてオカンだと皆さん血のたぎり具合が違ってくるということ? 相変わらず娘大好きのブライアン、黙ってりゃ渋い佇まいなのに彼氏の家にまで押しかけるとはいよいよクレイジー。やっぱり身辺調査ソッコーでやってるし笑。娘のサプライズ登場には相好を崩す様子もまあ微笑ましく、こういう親バカぶりをきちんと前作から踏襲しているのも好感度が高いです。 元CIA親父の指示によって動くキム、意外と足手まといにならず、親父と二人三脚でイスタンブールの街を(破壊しつつ)駆け巡る前半のヤマ場は見ごたえありです。 目隠し状態で”音”のみ手がかりに現在地を絞り込んだり、電話で娘に出す指示が驚異的に的確だったり、ブライアン・ミルズの今回も「やる時はやる」頼れるオヤジっぷりには惚れ惚れします。
[DVD(字幕)] 7点(2018-06-26 00:14:56)(良:1票)
726.  96時間 《ネタバレ》 
決して筋肉アクション派ではないリーアム・ニーソンがオヤジ・アクションものでスマッシュヒットを放つとはねえ。 まずブライアン・ミルズのキャラクターを度を越えた親バカに設定したのが効きました。世の親は多かれ少なかれ我が子に対して親バカですから、彼が娘を救うために何をしようと客の承認は得たも同然。なのでブライアンがもう虐殺レベルな暴れっぷりを披露しても眉根を寄せる客はいない。敵に電気ショックをかまそうが、元同僚のヨメを撃とうが、「まあ仕方あるまい」と思わせちゃうのがミルズ親父の人徳か。人身売買組織に情けをかける必要も全然ないし、と思わせる脚本も念が入っている。 電話越しに聞かされる娘の大ピンチ、足元だけ映す暴漢らの気配。この場面のスリリングな怖さはベッソンの十八番。導入からラストのカタルシスへと一気に見せます。ノッてるベッソンはこれくらいできるのですな。
[DVD(字幕)] 7点(2018-06-24 23:29:37)(良:1票)
727.  ザ・ギフト 《ネタバレ》 
銃声も響かないのに、この見事なサスペンスぶり。人間関係にもやもやたちこめる緊張感。疑念に次ぐ疑念で、観る者の判断を揺さぶる、J・エドガートンの手腕はとても高いと見ました。なにしろ108分間、頭の中は「えっ」「はっ?」「ええーそういうこと?」で一杯になりましたから。 起承転結がお手本のようにキレイにきまってます。 (ネタばれします) 起 若夫婦が新居に越してくる。夫の昔なじみに会う 承 昔なじみ、正体不明の不気味さをかもす 転 ”どうかしてる”のはゴードでなく、サイモンでは?という怒涛の展開 結 父親は誰なのか。皆さんの御想像におまかせ さて、こちらにボールを投げられて、後味はまったくもやーっとしたお話なのですが。各キャラそれぞれにちょっとづつ誰でも身に覚えがありそうな怖さをはらみます。高校時代にサイモンだった人、ゴードだった人、あるいは取り巻きだった、または傍観者だった人。感想はそれぞれ違ってくるのでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-23 23:44:12)
728.  ドリームハウス 《ネタバレ》 
ネタバレすると“隣家内のトラブルが発端の単なる人違い殺人”というミもフタもないオチでした。なんかもっと考えつかなかったのかなあ、ここ。「間違えました」で一家惨殺じゃシャレにもホラーにもならないよ。うかつにもほどがある あいつ。 この終盤でちょっとがくっときちゃったんだけど、画がしっとりとして品があるし、名のあるスターの競演は観ていて楽しかった。子役も可愛い。 例によってぼんやりの私に真相が途中で読めるはずもなく、妄想から覚めたときの廃屋の描写はそれはそれはショッキングでした。 愛娘たちとの別れを決意する炎の中のダニエルは、こちらをもらい泣きさせるほどの力演でありました。蝋人形タイプのイケメンの彼ですが、本作の父親役は情感にあふれててなかなか良かったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-23 12:08:08)(良:1票)
729.  コンフェッション(2002) 《ネタバレ》 
つまんなかった。集中力が途切れてしまって、なんとか最後まで付き合った感じ。TVプロデューサーがCIAの殺し屋を兼務、って本当なのかコレという疑問はさておき、主人公のキャラ掘りも浅いし、展開が見せ場なく一列に過ぎて、ちっとも引っ張ってってくれない。TV業界の内幕話ともCIAの裏側モノともつかない、どっちつかずの描写。後半、伝令がプールで死ぬあたりは急にサスペンス風な撮り方になるので、え?と思う。それまで内通者探しなんてやってなかったじゃん。 ドリュー・バリモアは良い仕事してるけど、J・ロバーツは浮いている。そんなばかなと観てて思うほど、あからさまに怪しいもん彼女。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-06-23 01:11:12)
730.  泳ぐひと 《ネタバレ》 
うわー、こんなに”シュールの完成度”が高い映画がこの時代に作られていたとは。内包する悪意が、展開が進むにつれじわーと滲み出てきて、ちょっと中毒になりそうである。観た後引きずる引きずる。 町山氏の解説どおり、バート・ランカスターの撮り方が前半と後半では全く違う。輝くような若々しい肉体美がしょぼくれた中年の姿になってしまうとは一体どういうカメラマジックだろうか。 しょてからしまいまで海パン一枚のおっさんが人ん家のプールを泳ぎ継ぎながら自宅へと向かうお話。こんなわけのわかんないあらすじを聞かされたときは中身についての予測は一切不可能でしたね。 今でいう”セレブ”たちの空騒ぎへの冷たい視線、一人の男の破綻した人生をこんな風に描くとは、この監督よほどの変人か空前絶後の天才か。いずれにしろあっぱれ。忘却不可のカルトムービーですな。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-20 00:13:51)(良:1票)
731.  ロングトレイル!
ああー、しみじみと良い気持ちになりました。年をとっても魅力的なレッドフォードとN・ノルティ、それぞれのキャライメージをそのまんま老境の地に持ち込んでの展開は説得力ありまくり。優等生とやんちゃ坊主の無謀な冒険。 舞台となるアパラチアン・トレイルが生命の息吹みなぎる森でして、枯れた二人とのバランスが意外と良いのでした。旅の途中で出会う人々も強烈な個性だったり。そんなアクの強い出会いをさらりとやり過ごす術は老練そのもの。多くは語られない二人の過去も、もはや蒸し返してどうこう、という境地ではないのでしょうな。ちょっとわだかまって、でも水に流す。この二人の演技がね、実に良いんです。自然で笑えて。老体に鞭打って歩き続ける二人、緑美しい大自然。素敵です。”老境になっていろいろやってみる”作品はいっぱいありますけど、ベガスで騒いだり世界一周したりするより、この映画の方が好きです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-18 23:35:06)
732.  影武者
白黒時代の黒澤作品級の面白さを期待したら外れてしまった。面白さで言えば、三船らが生き生きしていた活劇の方が何倍も面白かった。 老年に至った大監督の美学が優先されていて、監督的には必要だったのであろう夢のシーンや、野に晒された武田兵らの累々たる屍のショットなどはいかにも長い。幽鬼のような仲代の姿も、幻に取りつかれた男の姿なのだろうが悲愴すぎて、監督のロマンチシズムがやや過剰に感じる。 しかしながら、”馬”が出てくる場面は皆美しかった。騎馬戦の勇壮なこと、駆ける馬群のその筋肉の輝き。「七人の侍」ではモノクロの馬の圧倒的な躍動感にうわあ、と思った。今回カラー作品で黒澤の”馬”を見ることができて、その綺麗さにやっぱりうわあと思った。 黒澤作品に7点を切るのは畏れ多いのだけど。うーん、やっぱり正直にこの点数で。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-06-16 00:59:28)
733.  恐怖(1961) 《ネタバレ》 
全然知らなかった作品なんですが、サスペンスとしての出来の良さにびっくりしました。これがヒッチコックの手によるものだったら、名監督の代表作として不朽の名声を得ていたでありましょう。一体なぜに(ほぼ)無名なのかしら。 S・ストラスバーグの線の細い情緒不安定な演技は、こちらの疑念をかきたてるのにぴったりハマりました。冒頭の伏線も、実に鮮やかにどんでん返しの一助を担ってますし、プロットがとても良くできています。ああそれに窓の外に見える崖っぷちの車椅子。ラストのあの画は怖かった。直後に何が起きるか想像つくからだろうか。こんな風に直接グロい画を見せるのでなく、間接的に観る者の想像を煽るのです。良作です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-06-11 23:53:11)
734.  教授のおかしな妄想殺人
ごくノーマルな男女間のちょっとしたゆがみを上手いこと掬い上げるのが本来のアレン芸。今作は男が人格破綻気味なまでにクセが強いので、いつものアレン風観察力がフルに発揮されたとは言い難い。簡単に言うとすんごく偏屈な男が自己破滅したお話。そこに絡むエマ・ストーンがまあ素敵なこと綺麗なこと。学生の役柄をふまえて、ファッションは何着か着回ししている気配り演出なのだけどそれらが可愛いったらないんである。白地に紺ステッチのワンピやチェックのシャツとショートパンツ等、どれもとても似合ってて彼女の立ち姿が画として強烈に印象的でした。 いまやアレンのお気に入りなのね。「マジック・イン・ムーンライト」に次いで、キラキラのエマであります。対するホアキンは腹の出た中年になっててややがっくりです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-11 00:47:43)(良:1票)
735.  追跡(1962) 《ネタバレ》 
沢山の後続作に影響を与えたサスペンス映画の第一人者的作品であるとの町山氏の解説はとても興味深かった。リー・レミックの美貌をはじめ、映像が美しいことに驚く。夥しいマネキンが林立する殺人現場、というシチュエーションもこれがハシリかしら?鏡に映す後景といったカメラテクニック等、印象的なシーンが多いです。マネキンの後ろにカメラを据えてのショットなどは一級のサスペンス感。クリアなモノクロ映像も怖さに拍車をかけます。 ただ、ストーリーは今観ると突っ込まずにいられない不適格描写や強引さが多々気になって、映像力ほどは感心できず。姉妹の私的情報がなぜアイツにこと細かく知られているのか。通報中の室内になぜ犯人がいるのか。あいつはガレージで脅迫してきただろう。後をついてきたのか。で最大に?だったのはランチの店のトイレで犯人登場場面。なんであそこで大声出してすぐそこで張ってるFBIに知らせないのよー。アイツふつうに歩いて出てったじゃないか。サスペンス見てるはずなのに、ここは「志村うしろうしろ」みたくなっちゃった、私。なんだかな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-06-09 23:54:21)
736.  ニュールンベルグ裁判 《ネタバレ》 
一寸の隙も無く全編を貫く緊張感、法廷劇として完璧と思います。私は「戦勝国が敗戦国を裁く」ことに異議を覚えるのですが、そんな個人的な歴史観を差し引いても、論戦の火花散る展開は見ごたえがありました。 なにしろ、判事、検察、弁護人それぞれの放つ論旨がみな言葉に重みがあって圧がすごいのです。おまけに被告とされる側までが元判事という、論戦の迷宮のような高度なやり取りが繰り広げられる。口角泡飛ばして絶叫調のマクシミリアン弁護士が、異様なまでに熱を帯びてます。元判事を裁くとは即ち、ドイツ国民全員を裁くのか。かつてヒトラーを称賛してみせたチャーチルに非は無いのか。証人への個人攻撃ともとれる激しさを増す弁護士を制するように、ついに口を開くランカスター演じる元判事の訥々とした告白はさらに深かった。この裁判そのものを否定していたヤニング元判事、彼は自らを有罪と認めます。ユダヤ人に対するナチスの行為を知らなかったとするのは無理がある。我々には目も耳も無いのか、と。法に則り、職務を遂行した徳の高い元判事の苦しげな目、バート・ランカスターも見事なら、アメリカ人判事のS・トレイシーもまた激渋。ナチ高官の妻、マレーネ・ディートリッヒは妖しく危うい存在感を放つし、J・ガーランドの必死の抗弁は痛々しい。名優らの重厚な演技にすっかり圧倒されて、くらくらしました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-06-04 00:13:46)(良:1票)
737.  ミルドレッド・ピアース 《ネタバレ》 
製作年を見ると古典といってもいい位に感じますが、これがちっとも古びてない見事な脚本力ですねえ。冒頭のいきなり撃たれる男、訳有り気味の女、死体の有る屋敷に騙し置かれる男・・、もう掴みは満点、わくわくしますね。警察署で始まる回想シーンからラストに至るまでは一気呵成に見せきります。 各人物の性格を紹介するエピソードや台詞が実に巧い。性悪長女の性格描写は特に抜きん出ており、母親を見下すあまり黒人のメイドにパート先のウェイトレスの制服を着せるなど、震撼しました。母バカのあまり、娘を甘やかしスポイルしてしまうミルドレッドのキャラクターも面白い。男に足をすくわれる女の話はいくつもありますけど、自分の娘で破滅する母というのも珍しく感じました。基本、ミルドレッドはじめ長女もレストラン経営の助っ人友人女性も、皆意志が強い。女が強い映画なのです。この時代にねえ。男3人みんな彼女らに押し負けしてしまってますね。 舞台劇のように役者の喜怒哀楽の芝居がややハッキリしているのですけど、これがモノクロの画の中ではとても観やすい。上質なサスペンス映画です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-03 00:01:07)(良:1票)
738.  薄氷の殺人 《ネタバレ》 
ベルリンで金熊賞を獲ったそうですけど、「ええ、この程度で?」というのが正直なところです。「明かされる驚きの真実とは?」と宣伝は煽るけれど、話の骨格はよくある殺人沙汰で、特に犯人に対してやるせない同情が湧くという余韻があるわけでもありません。 それに、映画作品という文法をやや逸脱している構成がとても観づらいです。場面ひとつひとつが何を意味するシーンなのか、が分かりづらく繋がりも唐突で戸惑います。これが繰り返されるとついていく気が無くなります。ミスリードの仕方も上手くない。冒頭の容疑者二人の扱いがレッドヘリングの割に印象が強すぎるし、後半の車のナンバーが違うという件については観直してもなんのことか分かりませんでした。 主演女優は綺麗ですがクリーニング店でパートをしているという役作りはサボっているよね。あんなに若くて洗練されているなら他に勤め先はあるだろう、と誰でも思う。 重くて暗い画は基本キライじゃないですが、この映画難点は「不潔」も混じること。生理的にうんざりしてしまっては、いくら暗くても「耽美」にはなりません。個人的にそこもダメでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-06-02 00:17:20)
739.  ぼくの伯父さん
洒脱で軽快さがいかにもフランスぽいコメディ。チャップリンとの大きな違いは、全編に彩られたオシャレな空気。パリの下町の建物の美しさ、色彩の綺麗なこと。目を楽しませてくれることにかけては、世界一の喜劇王の一連の作品よりも上手です。ヘンテコなモダニズムの極みみたいな社長の家すらアート感炸裂。笑わそうという目的が美術と一致するとは凄い。 ふわふわと他愛のない、いわば新聞の4コマ漫画が次々と展開されている感覚です。”超短編”の連続なので、3割ほど内容カットしても良かったかも。飽きなくて。 親子一緒にイタズラをしかけた体になるラスト、あそこは本当に良かった。伯父さんの置き土産ですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-28 17:02:30)
740.  エヴァの告白 《ネタバレ》 
1919年、内戦のポーランドを逃れてアメリカへ渡った姉妹。妹は病を得てしまい、頼りの親族も予想外の酷薄さで、姉は否応無しに娼婦へと堕ちてしまう。時代も厳しいし、M・コティヤール扮するエヴァに他にどんな選択肢があったというのだろう。自然と当時の移民の苦労に思いをはせてしまったのですが。でもこれは観てる側が、話の薄さを自分で補完している現象なのであって、脚本単体では語り足らずの印象は否めません。 エヴァも三角関係になる男二人も結局どうしたいの?と問いたくなるほどに性格描写が曖昧で、起こる出来事一つ一つもさらっと過ぎてしまう。コティヤールもホアキンも終始暗ーい顔で熱演しているのですが、誰かに気持ちが入れ込めるほどにはキャラクターを紹介しきれていないのです。なので、観終わった時は「ええー結局なんだったの(特にホアキンの役)」と消化不良な気持ちになっちゃうのでした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-26 23:58:37)
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