741. ポーラー・エクスプレス
《ネタバレ》 大人になると色々現実的になってしまって鈴の音も聞こえなくなっちゃうけど、何だか純粋だった子供の頃に回帰できるような心温まるファンタジーでした。CG技術もついにここまできたかって位リアルで大迫力!北極号から飛んでいってしまったヒーローガールの切符をネタにあそこまでハラハラさせるとは!もちろんそこだけではなく、線路を離れた北極号の驀進するサマを観る側も体感できる視点で描かれていたし、北極点のプレゼントの製造・配達工場に紛れ込みながら最後は1番にサンタからプレゼントをもらったヒーローボーイのたった一夜の大冒険。芸達者トム・ハンクスの5役の快演も、ゼメキスとの3度目のコラボからくる安心感からか余裕綽々という感じでとても楽しいです。北極点に向かうまでのドキドキハラハラの大冒険として着目すると、このシナリオはシンプルながら実によくまとまっていると感じました。でもホットココアは一気に飲まないといけないのね、猫舌の俺には厳しいかも…。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-04 18:41:58) |
742. 仄暗い水の底から
《ネタバレ》 怖いというより切ない。製作者側はわざとそれを狙ったのかなと思った。古い団地という設定も雰囲気があるし嫌いじゃないが、20年前のホラーという感じで目新しさはない。「リング」の中田秀夫&鈴木光司コンビだが「自分の身に起きるかも」的な感情移入が出来ない分だけ恐怖が少ないのかなと思った。ただし終盤、部屋のドアから出てくるのが娘で、母親が娘と思って抱えていたのが霊だったシーンの引っ張り方とか音楽の使い方はさすがに上手い。特段怖くは無いが、ジャパニーズホラーの王道を行く演出も見られる佳作だと思う。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-30 10:51:54) |
743. ストーカー(2002)
この役、別にストーカーじゃないですよね。温かい家庭に憧れる孤独な初老。余計なお世話的に浮気した夫を裁こうとするのがちょっと問題ですが、もっと変態っぽいのかと思ってたのでロビン好きとしては安心しました。映像も綺麗だったし、あの目から血みたいのがドバっと出てくる無意味さを除けば結構楽しめる映画だったと思います。ただこれ観ちゃうと、写真出す時も近所の現像屋にずっと出し続けるってのが怖くなるかも・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-24 17:07:27) |
744. 死霊のはらわた(1981)
そのままやったらただの悪趣味で嫌悪感漂うだけのホラーになりそうなところを、コメディのエッセンスをまぶして観客を「愉快な気分で怖がらせる」という作品に仕上げたのはさすがサム・ライミと思うし、デビュー作のこの作品への製作の情熱みたいなものが作品全体から感じられて凄いと思う。メイクとかがチャチでもそれを覆い尽くすバワーがみなぎってて、ブルース・キャンベルの怪演も見事だと思う。コメディ・ホラーというジャンルを開拓したサム・ライミやトビー・フーパー、ピーター・ジャクソンはやっぱり凄いですね。名作だと思います。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-24 16:54:46) |
745. ハリー・ポッターと秘密の部屋
2作目の難しさ、原作があまりにも有名な事への比較のされ方を考えると、個人的にはもう少し評価してあげたいかなと思います。これだけ世界観がしっかりしていると、2時間半強の作品の中では細かな登場人物の背景までは描けなくても仕方ないと思います。1作目よりダークで少し複雑な話にはなっていますが、先が気になる引っ張り方はさすがだし、主役3人を、まるで子供を観るような親の目線で応援したくなる作品には変わりはありません。あと原作は原作、映画は映画。小説とシナリオ。カッコ書きの文字の台詞と、役者が感情を込めて話す台詞に違いがあって当然だと思うし「映画になったらこうなったんだ」位の、同名の別作品を観る位の感覚の方が単純にこの映画の世界を楽しめるのではないかと思っています。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-24 16:47:30)(良:1票) |
746. ハリー・ポッターと賢者の石
きっとこういう映画のためにCG技術とか発展したんだよなあと思える位、適材適所に活かされていて、大人から子供まで楽しめる映画だと思います。ファンタジーでありながら笑いもあるし、私のように原作を読んでいない人間には先の読めないワクワク感があり、ドップリこの世界に浸る事ができました。これを書いている段階で「アズカバンの囚人」まで観ていますが、この1作目はホグワーツに入る前の時点から描かれていて、まるで観ている自分まで一緒に入学するような気分になれるので余計に楽しかったです。ロンがチェスの場面で大活躍する事も、オシャマなハーマイオニーが2人を翻弄する所も実に興味深く、擦れていない感じのハリーも実に愛らしく描かれています。ジョン・ウィリアムスの音楽も不思議な冒険の世界の盛り上げに一役買っているし、脇役も皆素晴らしい役作りをしていて、ポッタリアンならずとも多くの映画ファンが楽しめる作品だと思いました。原作を知らないおかげで映画の世界に違和感無く入れたのは幸運だったのかなとも思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-24 16:24:09)(良:1票) |
747. らせん
「CUBE2」や「ブレアウィッチ2」「2010年」のような続編モノの失敗と同じ理由でつまらない。つまり「リング」の理屈無く怖い「呪いの感染」で死んでゆく理解不能だけど恐怖に圧倒される設定の解明を、観客は求めているのかというとそうでもない。「怖さ」に理屈や理由はいらない。だから怖さを解明するという原作の「らせん」の存在はともかく、この映画化は失敗だったと思う。監督や出演者云々の前に題材の選択ミス。 [ビデオ(字幕)] 2点(2005-11-17 18:27:13) |
748. 悪魔のいけにえ
やたら乾燥しているような、それでいて油っぽいような独特な不快な映像は本当に気分の悪さを助長している。殺人鬼モノは沢山あるが、どんな奴が来るか分からない内に、気づけば自然と変態家族の手中におさまっていってしまう一連の展開は、今の時代を考えても実在するのではないかというリアリティがあって恐怖が増す。もう1つ評価したいのはこの映画は、残虐なスプラッター映像はほとんど無い。電ノコの爆音、逃げる女の悲鳴、そして変質者家族の気持ち悪い笑顔。殺られていく部分をあれだけ見せずにこれだけ怖い映画はかなり凄い作品だと思う(リメイクはCG使って足を切り落としたりしてたけど、そういうのが無いオリジナルの方が逆に怖い)。しかも観てて息苦しいし・・・。トビー・フーパー奇跡且つ会心の1作だと思う。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-17 14:43:29)(良:1票) |
749. ユー・ガット・メール
《ネタバレ》 いがみ合っていた2人が、実はEメール同士で心の繋がりから恋愛感情に発展していく様を、当時トム・ハンクス42歳、メグ・ライアン37歳の2人が大人のラブコメを見事に展開してくれました!これはもう、主演2人の魅力につきます!!カッコイイ、綺麗ではなく、庶民的なトム・ハンクスとメグ・ライアンだからこそ、感情移入が出来る素晴らしい映画です!物語こそありきたりな感じもしますが、大人になってからも、こんな純愛できたら素敵だなあと思える作品です!前に日記に取り上げた「ジョー、満月の島へ行く」で初共演した2人。この時2人はトム34歳、メグ29歳。8年越しで3度目の共演ですが、息がピッタリなのが観ててもよく伝わってくるので心地よいのです♪92年の2度目の共演作「めぐり逢えたら」が最も評価された共演作ですが、ほとんどすれ違いで共演部分を見たいファンは、「ユーガットメール」ですっきりしたのではないでしょうか(^^)出会い系サイトで、援助交際ばっかり蔓延ってるご時世、こんな素敵な出会いがあれば夢があっていいなぁと思うのです。「F・O・X♪」なんといっても最後の公園での出会いのシーン!キャスリーンが目を潤ませながら「あなたでよかった」のセリフがジーンときます!ハッピーエンドを分かっていながら、何度でも楽しめる、笑顔になれる映画ですね!!WOWOWで観返したのですが、何度観てもこの映画を楽しめます。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-16 11:53:27) |
750. マイノリティ・リポート
同じディック原作の「ブレードランナー」と比べるとかなり説明が多く分かりやすい展開なのは、さすがにスピルバーグとトム・クルーズという感じ。展開は後半でちょっと中だるみするけど結構面白いと思った。青を基調とした独特な映像も味があって個人的には好きです。でも犯罪予知の結果があんなコロコロコロって出てくるのはコメディっぽいですよね(笑)コリン・ファレルにももう少し目立って欲しかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-16 11:50:47) |
751. アンタッチャブル
こういう大傑作があるから映画を観るのはクセになるんですよねー。衣装、音楽、配役の豪華さ、展開、テンポ、結末、大物の存在感。どれをとっても1級品!乳母車落下のシーンのあの緊張感はデ・パルマの底力。若かりしケビン・コスナーもカッコいいっすね♪ [DVD(字幕)] 9点(2005-11-16 11:43:43) |
752. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
EP1より闘いの場面が増えてCGを多用する意味が出てきたと思う。またジョン・ウィリアムスが作ったシリーズ初の「愛のテーマ」があまりにも美しく素晴らしい。ヨーダが闘う場面は思わず鳥肌!ジョージルーカスはよっぽどヨーダを愛しているんだなと思った。アナキンが徐々に不満が募ってくる予兆みたいなものが見えて、監督が作りたかったEP3までの繋ぎとしては予想以上に面白かったと思う。しかし成長期の女性は3年でガラっと変わりますね。アミダラを見ていると本当にそう思います。 [映画館(字幕)] 8点(2005-11-16 11:26:03) |
753. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
マーティとドクの世界にドップリ浸りたい私にとっては、舞台がちょっと前の現代であれ、未来であれ、西部開拓時代であれ関係ない。しかも「3」ではドクの恋愛模様が楽しめる。勿論シナリオもとても魅力的でハラハラドキドキもある。因縁のビフとの対決はここでも楽しめる。最後の汽車に押されて加速したデロリアンを追う活劇模様は、何度観ても大興奮だ。汽車ごとタイムマシンにして現代に戻ってくる(しかも子供もいるし!ドクやるじゃん 笑)締まった大団円まで含めて個人的にケチのつけようがない。こういう娯楽映画は細かい所にケチをつけずに世界に浸ったモノ勝ちだと思うので、私は後世に残るシリーズの完結編として9点を付けたいと思います。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-14 15:40:47) |
754. CUBE2
単純に「CUBE」を謎多き不思議な閉鎖空間ホラーとして観た私としては、CUBEの建てられた背景の説明とか、4次元によってより複雑さを増した展開とかは求めてないんですよ。あとこのCUBE明るすぎて怖さが助長されない。むしろ「1」と同じあのCUBEに別の人間達が入れられ、同じように汚い人間の心理が垣間見えて、更に新しいトラップ(悪趣味だけど)がお目見えする方が観たいんじゃないかな?と思うのです。もうそれこそ第一線級の俳優を並べて。トム・クルーズとハリソン・フォードとメル・ギブソンが罪をなすりつけあったり(笑)唯一の女性参加者のアンジェリーナ・ジョリーを奪い合うコリン・ファレルとオーランド・ブルームとか(笑)それはともかく、複雑になればなる程、私は「え?こういう展開は求めてないんだけど・・・」と思うのです。今度公開される「CUBE ZERO」もそれが心配です・・・。 [DVD(字幕)] 3点(2005-11-14 15:28:06) |
755. パール・ハーバー
当時付き合ってた彼女が「アルマゲドン」で泣いたという事で、同じスタッフだから安全パイでこれでいいやと思って劇場に観に行った。現実離れしてるけどそう割り切れて楽しめる「アルマゲドン」と違い、これは仮にも事実を基にしたもの。CGにお金がかかってるものの、ひたすら長く、日本の描かれ方もメチャクチャで、挙句の果てにハッピーエンド風に盛り上げられても俺は日本人だからなあという複雑な心境。やっと終わった3時間後、彼女との会話は言葉少なだった。そしてそれから暫くして俺は失恋した。「パールハーバー」がきっかけで「映画センスに長けてる彼氏」という称号だけでなく、彼女自身も失った俺が違う意味で泣いた映画となった・・・。 [映画館(字幕)] 2点(2005-11-14 15:11:45) |
756. エレファント
映画としては確かに退屈。「フォーンブース」と同じ81分なのにもっと長く感じた。でも確かに今の時代って昨日までそんな兆候もない奴が、突然こういう事をする世界だから逆にリアル。色使いとかにこだわりはあるものの、説明も台詞も派手な構図も全く無い最初の1時間は眠い。でもこれが事実に基づいているという前知識があるから目が背けられない。ラストの「どちらにしようかなー」というシーンに恐怖のあまり鳥肌が立った。ゲームで人を殺す事に慣れている痛みを知らない世代の一部が巻き起こした事件を、ガス・ヴァン・サントはリアルに描いたのだと思う。学校生活なんて誰しも楽しいばかりじゃないし退屈。それをリアルに描くとこうして展開的には退屈になるのだと思う。犯人の視線での発砲も怖かった。だてにパルム・ドールを獲っていないと思う。でも何度も観返したい映画でもない。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-14 12:18:56) |
757. デス・キューブ
まず配給会社と製作・販売してる会社。ロゴをパチるのいい加減ヤメレと言いたい。「CUBE」がヒットしたから、そのロゴやら雰囲気やらパクりまくり。間違えて借りちゃった人、公認の続編と信じちゃった人が本当に被害者だ。「CUBE IQ」「CUBE IQハザード」もだったけど、これ原題「デスゲーム」だろ?しかも「CUBE」ってロゴが「DEATH」よりデカいってどうよ?内容もシュワちゃんの「バトルランナー」をしょぼくしたような展開。ジャケとロゴをマネしないでオリジナルで勝負してくれ!安心してよ、内容が面白ければ口コミで広まるから。そんなに観客はバカじゃないって。真面目に作っててシナリオもメタメタの低予算映画を、騙す気満々で販売するのは本当にタチ悪い。2度と観ません。155本目のレビューで記念すべき初の0点献上。 [ビデオ(字幕)] 0点(2005-11-13 23:44:25) |
758. きれいなおかあさん
展開がこじんまりしすぎてて物足りなかった。ただ、襲われた末に得たお金で補聴器を買いに行く所や、行き場の無い怒りをぶつけるコン・リーの表情は素晴らしいとしか言いようが無い。補聴器の事でバカにされて辛い子供に言う事を聞いてもらえないあの母親の立場を考えると、彼女にとって子供の人生は全てだから、ああいう感情になるんだろうなあと思った。あまりに社会的弱者に辛い設定だが、学校の先生という救いがあって良かった。本当に耳が不自由という子供を使ったので一層のリアリティは出た。でも感動を押し付けないまでも、もう少し何か展開を広めてほしかった気がする。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-13 23:29:21) |
759. ピアノ・レッスン
16歳の時、自分の中で恐らく初めて観たR指定の映画が「ピアノ・レッスン」でした(苦笑)しかし、そういったレートは無関係にこの映画は男の私からしても大傑作だと思います。先日部屋を片付けていたらこの映画のビデオが出てきました。そして16の時に観て傑作だと思ったこの映画を、今観たらどう思うだろうかと思って12年ぶりに観てみました。昔はマイケル・ナイマンの美しい音楽(サントラも買いました)と陰鬱でありながら幻想的な映像。16の私には刺激的だったストーリーなどに目を奪われましたが、28になって観ても、その映像や音楽の美しさ等、当時惹かれたものはそのままやはり「美しい」と感じました。ストーリーに関しても官能的なピアノのレッスンは描き方が女性監督の視点からしてやはり美しく(ハーヴェイ・カイテルはあんまり美しくないけど 笑)、魅力的にうつりました。ただ12年前と違って、サム・ニール演じるスチュワートは、せっかくお嫁さんに貰ったのに心を閉ざしたままあまり感情を表に出さないエイダに不倫をされて、可哀相だよとか同情してしまいました(苦笑)多分人のいいサム・ニールに12年前より感情移入してしまったのも要因ですけどね。でもやはりこれは女性の映画。目だけで感情を全て演じきったホリー・ハンター。そして天才的な演技力を見せつけた娘役のアンナ・パキン。2人の存在感に尽きますね。やはり名作でした。この映画には物語以外の部分にも不思議な魅力が沢山感じられます。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-08 15:47:55)(良:2票) |
760. ネクロマンティック1【完全版】
《ネタバレ》 死体回収業の男子君がネクロフィリアの彼女と死体をテイクアウトして3P。でもそのお持ち帰りがばれてクビ。そしたら彼女も失った。途方に暮れて女を買うが不能。それを嘲笑った女を殺し草むらで死姦。朝方それを発見した男もスコップで殺す。結局最後に男は自殺って感じで。ストーリー的にも面白くない。時折盛り込まれる草原をシャレコウベを投げ合う男女とか、イマイチ意味も分からない。映像もチープ、だけどそれが逆に妙に気味悪い。最後自殺するシーンで、うさぎが殺されるシーンが巻き戻し映像(しかも倍速)になってたけど、つまり「もう1度時を戻して人生やり直したい」的なブットゲライトのメッセージなのか?と真面目に考える程の映画でもないかと自己嫌悪。ただこの映画、音楽だけは妙に哀愁漂ってて好きなんだよね、あのオープニングの曲もいいし、ピアノのも好き。エンディングにもオープニングでかかった曲がフルでかかる。ただ動物虐待はホラーじゃない。うさぎ、ネコを殺すシーンは悪趣味過ぎて絶対許せません。日本でしか観れないという意味と、ホラーとして観るとえらい目に遭いますという意味で2点献上。 [ビデオ(字幕)] 2点(2005-11-08 15:34:29) |