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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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741.  ルドルフとイッパイアッテナ 《ネタバレ》 
原作は20年以上前の小学生の頃に学校の図書室かなにかで読んでいたし、NHKで放送されたテレビ絵本も見ていたので、本作はそのストーリーを丁寧に映像化していてこんな話だったなあと懐かしさがありながら、うる覚えの部分がかなり多かったので新鮮な気持ちで見ることができた。間違って岐阜から東京にやってきたルドルフがイッパイアッテナやブッチーと出会うことによって広い世界を知っていく過程がよく描かれていて、ルドルフの成長物語としてはもちろんのこと、イッパイアッテナとの師弟関係も見ごたえのあるものになっていて、原作の良さは出ていると思う。イッパイアッテナがルドルフにかける言葉はどれも重みがあって深く、考えさせられるものがあるし、ルドルフとイッパイアッテナのそれぞれの飼い主への思いもしっかりと描かれ、それがきちんとドラマになっているのも良かった。ルドルフがたった一人(一匹)で岐阜を目指し、飼い主の家にたどり着いてからの展開は予想がついてしまうものの、やはり切なくついルドルフに感情移入してしまった。でも、そこから一人(一匹)で生きていくことを決意して東京に戻るルドルフの姿には勇気づけられた気がした。欲を言えばルドルフが東京から岐阜に帰るヒッチハイクの部分をもう少し見たかった気がしたくらい(この部分をロードムービー的に描いても面白いかもしれない。)であとは特に大きな不満はなく、最後まで楽しく見ることができたので、見て良かったと思う。そうそう、ヒッチハイク中のルドルフを乗せるトラック運転手の声をNHKのテレビ絵本で語りを担当していた毒蝮三太夫が演じていたのがなんだか嬉しかった。また機会があれば原作を読んでみたいなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2017-08-24 01:11:48)
742.  血と骨 《ネタバレ》 
崔洋一監督が「御法度」で俳優として共演したたけしを主演に起用して手掛けた映画。大阪へ渡ってきたたけし演じる在日朝鮮人の男の一代記を描いているが、とにかくこの男 金俊平の横暴で狂暴なキャラが終始際立っていて、演出やストーリー云々言う前にこのパワフルな主人公の存在に圧倒されっぱなしの2時間半で最後まで目が離せなかった。たけしは自身の監督作以外では久しぶりの主演だったそうだが、まさしくこの役はたけししか考えられないと思うほどにハマっていて、たけしなしにはこの映画は成り立たなかったのではと思う。ただ、やはり全体としては長い原作(未読)をがんばって映画にまとめているといった印象で、重厚で見ごたえある内容にも関わらずダイジェスト感が強くなってしまっているのは仕方がないと分かっていてもちょっと残念。とはいえ、連作でこの物語を見たいかと言われてもなにか微妙な感じ。絶対に感情移入できないような主人公なのだが、彼に振り回されるほかの登場人物たちには思わず同情に近い感情を抱いた。とくに、父親である俊平の暴行から逃れるために結婚し、その夫からも暴行を受け、自殺してしまう花子(田畑智子)が哀れすぎる。その通夜にふらりと現れた俊平が娘を出せと暴れるシーンは唯一、この映画の中で主人公の子供に対する愛情を感じさせていて良かった。(ちょっと笑ってしまったシーンでもあるけど。)ほかの出演者に目をやるとのちに「アウトレイジ」シリーズに出演する國村準や塩見三省が出演しているのが今になって見るとなんだかにやにやしてしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-17 18:34:10)(良:1票)
743.  白昼の通り魔 《ネタバレ》 
大島渚監督の創造社時代の代表作の一本。連続通り魔が犯行を重ねていく「復讐するは我にあり」的な話だと思っていたのだが、それよりも男(佐藤慶)がなぜ通り魔になるに至ったかがよく描かれていて、この部分はなかなかに興味深く見ることができたし、男の心理の描き方もリアルで、演じる佐藤慶もはまっている。男とかかわりを持つ二人の女(川口小枝、小山明子)との関係も描かれていて、人間ドラマとしても抜かりはない作り。でも、後半は通り魔の男よりもこの男をめぐる女二人の愛憎劇のようになっていて、この部分も見ごたえがあるものの、通り魔の男の話として見ていると蛇足感があり、終盤の新幹線のシーンはけっこう退屈してしまった。ラストシーンを見ると実は主人公は通り魔の男ではなく、川口小枝演じるシノだったのではと思える(このミスリード自体は上手いと思う。)が、やはり最後まで通り魔の男の話で終わってほしかったような気もする。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-11 14:28:57)
744.  アシュラ(2012) 《ネタバレ》 
東映アニメーションが原点回帰を掲げて製作した作品で、社会的に物議を醸し、発禁本となった漫画が原作となっている。こう書くと話題性だけの映画かと思ってしまいそうなのだが、まったくそうではなくきちんとしたメッセージ性のある社会派映画になっていてとても見ごたえがあった。けだもの同然の主人公 アシュラが生きるために人を食う描写はかなりリアルなのだが、同時にアシュラの悲しさもうまく表現されていて、ここに手抜きがないからこそ本作の重いテーマがぐいぐいとこちらに伝わってきて、東映アニメーションといえば子供向けの企画ものアニメというイメージを覆すにじゅうぶん。切ないシーンも多いが、アシュラが初めて心を許した存在である若狭の恋人を傷つけたことで彼女から遠ざけられるシーンは思わずアシュラに感情移入して見ていた。若狭たちに飢餓がきてアシュラと立場が逆になるという展開もうまく、普通の人間であってもひとたび極限状態に陥ればアシュラと同じようなけだものになるという人間の本質をリアルに描いている。アシュラが馬の肉だから食べてと差し出した肉を人肉と疑い、食べようとしない若狭に対してアシュラが必死に説得するシーンは胸が痛くなるほどの切なさで、このシーンが本作の中でいちばん重く感じた。アシュラの声を担当する野沢雅子はまさに名演技で、どうしても自分の世代だと悟空のイメージが強いのだが、あらためて名優の一人だと思うし、また本作は彼女の晩年の代表作になると言っていいほどだ。75分と短い(ところどころ端折られている感があったのでもう少し長くても良かった気はするのだが。)映画だが、見る価値はじゅうぶんにある映画だと感じた。
[DVD(邦画)] 7点(2017-08-04 22:12:59)
745.  座頭市関所破り 《ネタバレ》 
シリーズ第9作。今回は市が父親の面影を見る老人との絡みなど人間ドラマに重点が置かれていてシリアスな話なんだけど、登場人物それぞれのエピソードが丁寧に描かれていて見ごたえのある作品に仕上がっていて面白かった。特に市と老人とのエピソードが良く、老人が実は敵の仲間だった事が分かっても彼を斬らない市には思わず感情移入してしまった。それに今回の市は倒した用心棒(平幹二朗)にそっと上着をかけてやるなど優しさがいつもより強調されてる感じがする。余談だがこのシーンを見て「ドラゴンへの道」でブルース・リーがチャック・ノリスを倒した後、彼に胴着をかけるシーンを思い出した。ブルース・リーはこのシリーズのファンだったようなのでこの映画の影響なのかも。市を演じる勝新の殺陣は今回もすごくてカッコイイが、今回はそれ以上に人間としての市の魅力を存分に感じられる話だったと思う。そうそう、シリアスな話の中にあって中田ダイマル・ラケットによる漫才のような会話や市のモノマネなどちゃんとシリアスになりすぎないよう工夫されているのも好感が持てる。市のモノマネに関しては次の回でも三木のり平がやっていて、人気シリーズとしての安定した余裕が感じられる。
[DVD(邦画)] 7点(2017-07-30 11:04:27)
746.  ルパン三世 アルカトラズ・コネクション<TVM> 《ネタバレ》 
アルカトラズ刑務所を舞台にしているのは山田康雄、小林清志、納谷悟朗のレギュラー三人がテレビ放送版の吹き替えを担当した「アルカトラズからの脱出」へのオマージュのつもりかもしれないが、それにしてはいつも通りの適当で強引な展開であまり面白いとは言えない。銭形の相棒が実は敵組織のボスであるというのも定番すぎる気がする。その相棒の声は石田太郎が演じていて、「カリオストロの城」の伯爵を思い浮かべてしまいそうになるのだが、正体を隠しているときのデザインがコロンボを模していて、石田太郎の演技もコロンボを意識したものになっているのが、石田コロンボをすべて見た今になって見ると最初にオンタイムで見た時よりもこのキャスティングに笑えるし、この役柄でのクリカンのルパンとの共演は互いに故人から代表的な役を引き継いだ二代目ということもあってか、妙な感慨深さを感じる部分もある。(2017年7月27日更新)
[DVD(邦画)] 5点(2017-07-27 21:35:38)
747.  ドラゴンボールZ 復活の「F」 《ネタバレ》 
「神と神」のレビューで次回作が続編とかだったらイヤかもと書いたんだけど、一応、想像していたような悟空とビルスがやっぱり決着をつけようぜという内容でなかったのは良かった。フリーザをドラゴンボールで復活させて再び悟空と対決させるという筋になっているが、今になってフリーザをメインの敵にするというのは今さら感があり、一応特訓して強くなったという設定にしてあるものの、やはりネタがないのに人気のあった過去の悪役を引っ張り出して無理やりに作った新作という気がする。作風は同窓会的雰囲気で初代シリーズのような感じだった前作とは違い、レギュラーの登場人物を絞り、バトル中心の展開で完全にZの劇場版の雰囲気になっているのは意識してのことだろう。でも、昔のZ劇場版と違い、一時間半もあるためか、バトルシーンがかなり冗長に感じるし、鳥山明自身が手掛けた脚本だが、見ていて悟空ってこんなキャラだったっけと思う部分が多く、戦いの決着のつけ方も伏線があるとはいえかなり強引な感じがする。ただ、エロジジイ的部分などコミカルなところを一切見せずにシリアスにフリーザの部下たちと戦っている強い亀仙人は見ていてかなり新鮮だったし、そもそも亀仙人と天津飯というテレビシリーズのフリーザ(ナメック星)篇に出番がなかったキャラが戦いに参加しているのがなにか嬉しかったりもした。フリーザの極悪非道ぶりは今回も健在で、演じる中尾隆聖もやはりハマリ役だと思う。再登場時は最終形体に変身した状態が多いフリーザなのだが、変身していないいちばん最初の形体で復活するので、この形体になにか懐かしさを感じる。もうこのシリーズはそろそろ潮時かもしれない(「超」見てない。)が、劇場版次回作がもし出れば20作目なので、あともう一本くらい劇場版が出てもいいとは思う。
[DVD(邦画)] 5点(2017-07-20 19:25:00)
748.  暗黒街大通り 《ネタバレ》 
井上梅次監督の東映暗黒街シリーズ最後の作品で、これまでの2作で主演していた鶴田浩二が出演しておらず、高倉健、梅宮辰夫、待田京介の三人が演じる三兄弟を主人公にヤクザの息子に生まれた彼らの考え方に徐々に亀裂が生じていく様子を描いている。最初は仲の良かった兄弟が考え方の違いによってやがて対立し、破滅していくという悲劇的なドラマが丁寧に描かれていてとても見ごたえがあり、待田京介演じる次男が父の敵(安部徹)の娘(中原早苗)と恋愛関係になるという「ロミオとジュリエット」的要素もあってシリーズ3本の中ではドラマとしていちばん面白かったと思う。ただ、長男役の高倉健はほかの二人と比べると若干地味な印象で少し浮いて見えるのはちょっと残念だったかも。それよりも今回は悪役陣が豪華で、前2作にも出演していた安部徹に加え、金子信雄に菅貫太郎まで出ていて、主演の三人がこれに霞んでしまいそうな雰囲気がすごかった。とくに金子信雄のこういうずる賢い悪役はやはりすごくハマっていて見ていて楽しい。冒頭、男が射殺されるシーンから始まるのだが、それが誰なのかいちばん最後になって明かされるのも映画としてはありがちといえばありがちなのだが、やはりうまい構成で印象に残る。
[DVD(邦画)] 7点(2017-07-15 22:18:59)
749.  暗黒街最大の決斗 《ネタバレ》 
井上梅次監督による東映暗黒街シリーズ第2作。今回も任侠映画とは違う印象が残る映画になっていてとくに話にアメリカマフィアが絡んでいるところはいつもの東映ヤクザ映画にはないことでこれがけっこう新鮮。鶴田浩二演じる主人公が友人(大木実)と弟(高倉健)の板挟みになるなどドラマ重視の展開で、主要登場人物の中で純粋悪となる人物も安部徹だけというのが少し異色に感じる。確かにドラマ部分はよく出来ていると思うものの、「暗黒街最後の日」を先週に見たばかりのためか、比べてしまうとアクション映画としてはやや物足りなさが残る感じかな。植村謙二郎がドスを片手に乗り込んで行って射殺されるまでの展開はドラマとしては任侠映画の作風に近く、切なさもあり、やはりここがいちばん印象に残った。東映動画時代の高畑勲監督が助監督として実写劇映画に参加しているのが珍しい映画でもある。
[DVD(邦画)] 6点(2017-07-08 16:17:46)
750.  暗黒街最後の日 《ネタバレ》 
東映のヤクザ映画というと明治や大正が舞台で着流しにドスというのを思い浮かべるが、本作はまだ任侠路線が確立する前の映画で、製作当時の現代が舞台で、鶴田浩二演じる主人公ら登場人物たちがスーツにピストルといういで立ちなのが新鮮だし、悪役である安部徹を殺すのが主人公ではないというのも意外に感じる。この後、鶴田浩二とともに任侠映画を引っ張っていく高倉健が二番クレジットで出演しているが、話の中心は鶴田浩二と三國連太郎であり、後年の高倉健と鶴田浩二が共演する任侠映画を見慣れていると少し物足りない気がしないでもないのだが、鶴田浩二と三國連太郎という珍しいこの二人の共演がなかなか見ものだった。高倉健はまだ本格的に売れる前で、思いっきり若手のぺーぺーという感じ(「宮本武蔵」シリーズで佐々木小次郎を演じるよりも前。)なのだが、それもまた新鮮に感じた。井上梅次監督の初の東映作品だそうだが、アクション映画としてもけっこううまい作りになっているのは、さすが日活からフリーになった監督という気がする。クライマックスの入り乱れての銃撃戦はジョン・ウー監督がリメイクしてもおかしくないような壮絶さで、かなり見ごたえがあり、印象にも残る。このシーンに1点プラスの7点。虚しさの残るラストシーンも良かった。
[DVD(邦画)] 7点(2017-06-30 07:57:30)
751.  ズートピア 《ネタバレ》 
久しぶりに見るディズニーアニメ。偏見や差別に対してかなりストレートに、またそれを決して重苦しくなることなく、ディズニーらしく子供にも分かりやすく描いている。しかし、込められているメッセージは子供よりも大人の方が考えさせられるものになっていて、ただの子供向けアニメとは侮れない完成度の高さがあり、そんなところが素晴らしい。主人公のウサギの新人警官と詐欺師のキツネがコンビを組んで行方不明事件を追うという刑事ものには定番のバディものとしての面白さもあり、刑事と罪人のコンビというのは「48時間」を彷彿させるものがあるが、最初に主人公のジュディが署長から言い渡された捜査の期限が48時間であるあたりはやはり意識している部分もあるのだろう。もちろんこの二人(二匹)のやりとりだけでも見ていてじゅうぶんに楽しい。夢を持つことや諦めない心を持つことの大切さについても深く考えさせられる映画になっていて、見終わった後には元気と前向きな気持ちをもらえた気がしたし、まさしくいろんなメッセージのつまった傑作で、本当に見て良かったと思う。
[DVD(吹替)] 8点(2017-06-24 18:08:08)(良:1票)
752.  昭和残侠伝 破れ傘 《ネタバレ》 
シリーズ最後の作品で、本作公開の翌月には「仁義なき戦い」が公開されたとのことで、東映任侠映画としても最後の作品になるのかな。そういうこともあってか、いつもの風花コンビを演じる高倉健と池部良に加え、前作にも出演していた鶴田浩二が再び出演しているほか、安藤昇や北島三郎まで出演していてとにかく豪華な俳優陣が目を引く。それ以外には特別なことはなくいつも通りなのが安心して見ていられるし、前作のように助太刀が入らず、終始風花コンビ二人だけの殴り込みのシーンもこのシリーズらしいものになっていて良かったと思う。しかし、内容としてはいつもよりたくさん登場人物が死んでいる感があってなにかこのシリーズとしてはちょっと殺伐としすぎた印象が残り、なにか違うと感じてしまったのがちょっと残念に思う。前作と同じ佐伯清監督が手掛けているが、本作でも主役コンビなどメインの役柄を演じる俳優たちのよさはじゅうぶんに出ているかわり、脇役陣がそれほどでもない。これが前作では不満だったのだが、二本目ともなると既に慣れてしまい、マキノ雅弘監督や山下耕作監督が手掛けた回との違いの一つとして楽しめるようになっているのが自分でも不思議。ただ、ヒロインとなる重吉の妻役はこの時期東映で高倉健との共演が多かったという星由里子が演じていて、悪くはないのだが、若大将シリーズの澄子など東宝映画での印象が強いせいかイマイチしっくりこない。
[DVD(邦画)] 6点(2017-06-22 22:47:31)
753.  ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国 《ネタバレ》 
前作「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」の続編の体裁を採り、ウルトラマンゼロを主人公に彼の別次元宇宙での冒険を描いている。ウルトラ戦士が総登場し、つくりとしてもかなり力が入ったお祭り騒ぎ的映画だった前作とはうってかわって、ルーキーヒーローであるゼロの本格的デビュー作として製作されているという印象で、前作から比べればウルトラシリーズの劇場版としてはいつもの感じだが、登場したばかりの新キャラが主人公として活躍する内容としてはこれでいいのだろう。ゼロの仲間となる新ヒーローたちは円谷プロのウルトラシリーズ以外のヒーローのリファインになっていて、小ネタも多く、前作ほどではないが、少しでも好きであればそれなりに楽しめる。石坂浩二がナレーションを担当しているのもオールドファンを意識してのことだろうけど、まさに小学生時代に夢中になってこのシリーズを見ていた者としてはやっぱり嬉しいものがある。(出番もけっこう多い。)ゼロと一体化するのはラン(小柳友)という青年だが、一体化している間は完全にゼロの意思だけで動いていたり、変身の回数に制限があるというのが面白かった。でも、今回はいわゆる怪獣らしい怪獣はあまり出てこなかったのでそこがちょっと残念だったかな。音楽は川井憲次が担当しており、とくにベリアル軍のテーマは不安を煽るような曲調が彼らしく、印象に残る劇伴だった。(川井憲次はこういう曲、うまいと思う。)それから一言ほどしかセリフの無い80とユリアンの声優に長谷川初範と萩原佐代子を起用しているあたりもなんか良い。
[DVD(邦画)] 5点(2017-06-22 17:08:41)
754.  長屋紳士録 《ネタバレ》 
小津安二郎監督の戦後第一作で、長屋を舞台に親とはぐれて拾われてきた少年の面倒をいやいやながらに見ることになった女性・おたね(飯田蝶子)を主人公に、人情味あふれる長屋の人々がイキイキと描かれた小津監督らしい人情喜劇で、戦後第一作にしてかなりの傑作だと思う。子供を無理やり押し付けられ、最初は邪険に扱うもだんだん情が移っていくおたねの心情の変化が丁寧に描かれていて実に良い。おたねの心情の変化が最初に感じられるのはやはり干し柿のシーン、盗み食いしたと疑われて怒られ、疑いが晴れても泣き止まない幸平に対して干し柿を差し出すおたねの優しさがなんともあたたかくてたまらないし、次の日おねしょをした幸平が家出したのを本気で心配しているのも良い。(また最初のように幸平が笠智衆演じる田代に拾われて戻って来るのが笑える。)そのあとの写真館のシーンもこの子とずっと一緒にいたいというおたねの心情が良く出ていて、しかし、誰もいない写真館の部屋を映すことによってこの後の展開を暗示しているのが切なく、忘れられない名シーンだ。その夜に幸平の父親が迎えに来て別れた後のおたねの涙は幸平が実の父と会えて良かったというのと、別れることになったつらさ、両方ある涙だと思うのだけれど、とてもあたたかい涙で、とても感動できた。主演の飯田蝶子の演技も素晴らしく、小津作品で飯田蝶子と子供というとやはり「一人息子」が思い浮かぶが、本作もそれに並ぶ飯田蝶子の代表作といえるだろう。小津監督の喜劇センスや子役に対する演出も相変わらずうまく、幸平を茅ケ崎に連れて行くのをくじで決めるシーンのイカサマや、置き去りにしようとした幸平がおたねにずっとついてきて結局一緒に戻ってきてしまうシーンも笑える。もちろん、笠智衆や河村黎吉といった脇役陣も良い味を出していて、中でも笠智衆の口上シーンは印象的だった。それにおたねとおきく(吉川満子)の何気ない会話シーンも良かった。チョイ役ながら殿山泰司や小沢栄太郎が小津作品に出演しているのは珍しい。冒頭から戦後間もない時期であることを感じさせる映画なんだけど、いちばん最後のシーンであふれかえった戦災孤児たちが登場したのを見てこの時代こういう光景が当たり前のようにあって、まだまだ戦争の傷跡が身近にあったことを考えさせられた。
[DVD(邦画)] 8点(2017-06-19 18:19:11)
755.  フィッシュストーリー
それぞれの年代の一見なんの関係もないバラバラのエピソードが一つにつながっていくというのはとても面白いし、時系列の組み換えや演出のミスリードも映画的で良く、最後にストンと落とす終わり方もこの監督、原作コンビの映画らしくてすっきりしていていい。それぞれのエピソードはどれも面白く、中でも多部未華子と森山未來のエピソードは特に印象に残り、ここから一気に引き込まれた。物語のキーとなる「フィッシュストーリー」をうたう逆鱗のパートも普通にバンド音楽ものとしてよく出来ていて面白い。録音シーンを最初から最後まで見せているところなどこだわりを感じる部分も多く、B級臭さも確かにあるものの、全体的によく出来た映画で、佳作と言っていいものになっている。しかし、個人的には「ゴールデンスランバー」や「ポテチ」に比べて少し物足りないと思う部分もあったのも事実。ラストは確かにさっきも書いたようにうまいのだけど、そこへの入り方がやや唐突に思えたのも少し残念だったかな。見て数日経つのだが「フィッシュストーリー」のメロディが今も耳に残ってる。
[DVD(邦画)] 6点(2017-06-09 20:01:32)(良:1票)
756.  日本侠客伝 決斗神田祭り 《ネタバレ》 
シリーズ第4作。このシリーズ今のところ順番どおりに見てるんだけど、4作目にして脚本をひとりが担当しているのがなにか新鮮に感じる。いつもの東映の任侠映画だと悪役であることの多い河津清三郎が最後まで善玉という捻ったキャスティングも面白く、多少違和感はあるものの、これはこれでいいし、善人役を演じていても悪役とは違う持ち味を出している河津清三郎の演技の幅の広さが感じられる。しかし、今までの三本と比べるとなにか物足りないのも事実で、主人公が火消しでタイトルに祭りと入っているといういかにもマキノ雅弘監督らしい盛り上がる設定ながら、どこかマキノ監督の演出もおとなしめで、躍動感もあまり感じられなかったのは残念だったか。高倉健と藤純子、鶴田浩二と野際陽子(←だよね。)それぞれのドラマも何か物足りないし、鶴田浩二の単身殴り込みのシーンも説得力に欠けイマイチグッとくるものがなく、鶴田浩二が殺されてしまったあとに高倉健が殴り込むというのはパターン上分かってはいるが、少々まどろっこしく感じてしまったのもちょっと残念。マキノ監督らしく脇役陣は光っていて、藤山寛美や出番はそれほど多くないものの長門裕之も印象に残る。でも全体としては決してつまらなくはないもののやっぱり物足りなさが残る一編であることは確かである。
[DVD(邦画)] 6点(2017-05-26 21:15:36)
757.  ポテチ 《ネタバレ》 
「ポテチ」というタイトルから見る前はどんな映画なのか想像できなかったのだが、見始めてすぐに引き込まれた。主人公である泥棒・今村忠司(濱田岳)のある秘密をめぐる物語で、今村が健康診断に行った話や尾崎という野球選手に異常に固執しているなどさりげなく伏線を張り巡らし、結末に向かっていくのだが、その伏線の張り方がやはりうまいし、また68分という短い映画だが一切無駄がなく、巧みな構成で濃密な映画になっていて見ごたえはじゅうぶんにあり、面白かった。前半は喜劇色が強く、今村も少し変わった言動をする男という印象なのだが、同時に魅力的でもあり、彼の秘密が明かされたとき、彼の母親(石田えり)に対する思いや、どんな気持ちで尾崎に固執していたかが痛いほど分かって、もう共感せずにはいられなかった。タイトルにもなっているポテチを恋人(木村文乃)と食べるシーンで、今村が間違えて恋人の分に買っていたコンソメ味を食べてしまったにもかかわらず、恋人に交換しなくていいと言われ、思わず泣き出してしまうシーンは見たときに思わず大笑いをしてしまったのだが、最後まで見ると、ここも切なく、見終わってから再見すると印象が最初とは全然違うものになるだろう。(二度見れば良かった。)ほか、前半で今村が言っていたリンゴが木から落ちた話や三角形の内角の和の話も無意味な話に終わらず、ちゃんと映画の中で効いているのがいい。ラストの代打の尾崎が(互いに親子と名乗ることはない実の母親が見ている前で)放つ場外ホームランは、それによって人生の何かが変わるわけではないけれど、でも、主人公たちの人生に希望の光を灯すようなそんな一発であったと思いたい。ぼく自身もこのシーンには元気をもらえたような気がした。
[DVD(邦画)] 8点(2017-05-15 23:17:26)(良:2票)
758.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 
あまり期待してなかったというか、予備知識がほとんどない状態で見たのだが、典型的な巻き込まれ型サスペンスで最初からテンポもよく、展開もスピーディーで伏線の張り方や回収の仕方もうまく娯楽映画としてなかなか面白かった。中村義洋監督はこの前見た「白ゆき姫殺人事件」でもそうだったのだが、本作でも真犯人は誰という方よりも、濡れ衣を着せられた主人公・青柳(堺雅人)がいかに逃げるかに重きを置いていて、(単に原作がそうなっているだけかも知れないが。)そこがけっこう面白いし、最後まで真犯人を明らかにしないのもこの手の作品だとずいぶん思い切った印象があり、コレにモヤモヤする人もいそうだが、本作については真意がそこではないので別に違和感は感じないし、これでいいと思う。それに見終わった後、結局犯人は誰だったんだろうと想像してみるのも楽しい。よく考えたら重いテーマなのだが、全体的に軽いつくりでリアリティもなく、漫画チックな感じがミスマッチな感じがするのだが、そんなに気にならなかった。後半部分はちょっとご都合主義的すぎたかなという気がしないでもないがギリギリ許容範囲というところで突っ込みながらもそれも含めて楽しんでいた。ファーストシーンがラストにというのはいかにも映画的で良いなあ。整形して別人として生きていかなければならなくなった青柳を思うと少し切ない気持ちになるんだけど。出演者に関しては堺雅人と竹内結子は去年「真田丸」でずっと見ていたので少し引きずってしまうかもと思っていたのだが、よぎることもなく見れたのでちょっと安心した。ほかの出演者たちも概ね好演しているが、中でも通り魔・キルオを演じる濱田岳が良い味を出していて印象に残る。「はじまりのみち」の便利屋役も良かったが、やはり最近の若手俳優の中ではわりと好きな役者だ。あと、青柳を追う刑事を香川照之が演じていて「鍵泥棒のメソッド」を思い出していたら、青柳の整形後の姿を演じていたのは滝藤賢一。「半沢直樹」は見ていないのだが、思わず少し見てみたいと思ってしまった。中村監督の映画を見るのはまだ2本目で、伊坂幸太郎原作の映画を見るのも本作が初めてだったのだが、このコンビの映画は何本かあるようなので、この中村、伊坂コンビのほかの映画も見たいと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2017-05-03 00:53:08)(良:2票)
759.  あいつと私(1961) 《ネタバレ》 
裕次郎と芦川いづみのコンビによる石坂洋次郎原作の青春映画で監督は中平康。冒頭から登場人物たちが早口でしゃべり、テンポがよく、コメディタッチで明るく、いかにも日活らしい青春映画という感じで、見ていてけっこう楽しかった。芦川いづみをかなり久しぶりに見たのだが、やはりとてもキュートで可愛らしく、やっぱりいいなあと思うし、本作にはブレイク前の吉永小百合もヒロインの妹役で出演しているのだが、それでもやっぱり芦川いづみのほうが魅力的で個人的には好みだし、本作は彼女の視点ですすんでいくので、実質的な主人公は彼女演じるゆみ子というのも嬉しい。裕次郎も生意気できざったらしい青年役なのだが、なぜか厭味ったらしくなることなく逆に好感が持ててしまうから不思議で、このコンビの青春映画だと本当に安心して見ていられる。二人が大雨の中、木の下でキスをするシーンがとくに印象的で、なかなかの名シーンだ。日米安保反対運動が出てくるあたりは当時の時代の空気感が出ている。恋人に裏切られる友達や、裕次郎演じる黒川の出生の秘密など深刻なエピソードもあるのだが、それらをあまり深く追求しないのでドラマとしては若干の物足りなさを感じる部分もあるのがちょっと残念なのだけど、そこまで気にはならない。裕次郎のうたう主題歌がコミカルでかつインパクトがあり、矢鱈と印象に残るのだが、本作に合っているかは微妙。でも、けっしてこの歌自体は嫌いではない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-29 10:54:14)
760.  北陸代理戦争 《ネタバレ》 
深作欣二監督による東映実録ヤクザ映画の一本。このジャンルだと広島や九州が舞台というイメージが強いのだけど、本作はタイトルどおり北陸の雪国が舞台になっているのが新鮮。主人公の暴れ振りがとにかくすごく、演じる松方弘樹もノリノリで演じていて、実に楽しそうなのが印象的だった。(当初この役には菅原文太が予定されていたみたいなのだが、キャラ的には松方弘樹の方がハマっているように思う。文太でも見てみたかった気はするけど。)映画がはじまっていきなり冒頭から出てくる主人公が相手を雪に埋めてその周りをジープでぐるぐる旋回するというリンチ方法は雪国が舞台ならではという感じでとてもインパクトがあり衝撃的だ。この最初にやられる西村晃扮する主人公の父親の絶叫する姿などは異様にリアルで、もしかしてマジで埋めちゃってるのかと思ってしまうほど。でも、それ以外はそんなに勢いもなく、「仁義なき戦い」なんかに比べるとかなり平凡で中途半端な印象が残る。(面白い映画であることは確かなのだが。)それにネタとしては当時現在進行中の事件を扱っているあたりもネタ切れというかこの実録路線というジャンルの限界というものを感じされる部分もあり、公開中に主人公のモデルとなった人物が殺されてしまったなんてエピソードを聞くと本作が実録路線最末期の作品で、深作監督にとっても最後のヤクザ映画になったのも分からない話ではない。出演者に目をやっても松方弘樹以外で印象に残る役者が少なく、中でも深作監督の映画の顔とも言える千葉真一がそれほど印象に残らないのはちょっと残念な感じ。その中で主人公の小心者の叔父を演じるハナ肇がシリアスな役柄でありながらコメディ・リリーフとしても存在感を出していたのは良かった。予告では渡瀬恒彦が出ている(撮影中の事故で降板。伊吹吾郎が代役。)が、今年になって松方弘樹も渡瀬恒彦も亡くなってしまったのが惜しい。
[DVD(邦画)] 6点(2017-04-22 23:23:47)
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