761. アラバマ物語
《ネタバレ》 名作として有名な本作を鑑賞。 法廷で有罪判決が出るとこに、話の設定である時代の黒人差別の厳しさを思い知る。 正義と一言で言えぬアメリカの良心がよく描写されてる。 「大統領の陰謀」の社会派アラン・J・パクラが製作に名を連ねているのに、鑑賞後、納得した。 何より、観終わって、この映画のレビューを読むと勉強になることが多い。 自分の鑑賞能力不足を補ってくれる、このサイトに感謝! [DVD(字幕)] 7点(2018-04-01 00:12:24)(良:1票) |
762. キングス&クイーン
《ネタバレ》 素晴らしい!重厚な世界観に逃げることもなく、大きな歴史の渦をえがいて見せ場を創るわけでもなく、弱い人間たちの世界を実に丹念によく描いてる。監督の体験を素にしたとのこと。そうだろう。地味な話である。それを前半をサスペンスタッチで2人の男女を描き、それが交わった時、思わずこの作品を「素晴らしい!」と心の中で喝采した。弱い人間たちであるが、要所要所に強者を配してる。そうだろう、それじゃなきゃ、破綻している人たちだ。しかし、それが「普通」なんだね。最初から強い人なんていないもの。それでも生きていき、見守られながら、愛されながら、皆落ち着いていく。そのことが最後の詩で見事に謳いあげられる。とても好きな映画です。でも10点ではなく、9点が似合いそうなので、この点数にしました。 最後の詩 「水はのどの渇きが 陸は越えてきた海が 恍惚は苦痛が 平和は戦いの物語が 教えてくれる 愛はその記念碑だ もはや渇きはない 2本の脚で大地に立ち 今、私は安らぎのなかに」 [DVD(字幕)] 9点(2018-03-31 18:09:47) |
763. アウトランド
《ネタバレ》 「真昼の決闘」の宇宙版ですね。 ショーンコネリーがSFに出てるので興味を持って観ました。 コネリーが警察のような制服が似合うのは分かってましたが、それが宇宙基地が舞台だと 基地内の無機質ぶりに制服の青が映えるんですよね~。 これは案外、その後のSFに生かされてない映画の知恵ですのに・・ (この映画の最初のレビューに同感です。確かに「AKIRA」がこれですよね!) まぁストーリーは地球が舞台でもいいような凡庸な話で残念です。 コネリーはカッコつけて地球に戻りますが、残された女医の身の危険とか考えないんだろうか? 結局、巨悪に一矢報いることなく、麻薬事件は未解決のままですね。 とか考え始めたら、面白くなくなるので、これはこれでコネリーの男っぷりに乾杯したらOKな映画です。 [DVD(字幕)] 6点(2018-03-30 23:40:17) |
764. 光る眼
《ネタバレ》 面白いと思う。 幼い子どもが大人に特殊な能力で立ち向かうのは漫画「童夢」でデジャブがある。 「童夢」の初版本が1983年なので、カーペンターはひょっとしたら、どこかで 大友克洋の作品を見たかもしれない。 大友克洋にもカーペンターの影響が感じられるが、双方インスパイアを受けていたのかもしれないと 思うと、楽しくなる。 まぁリメイクなので、深読みかもしれないが(笑) 前のレビュワーさんもおっしゃってましたが、「シャイニング」でもデジャブありましたな。 [DVD(字幕)] 7点(2018-03-24 16:40:32) |
765. ジョン・カーペンターの要塞警察
《ネタバレ》 警察署を襲撃・・・なんちゅう過激な・・ でもどっかで観たことあるような・・ あぁそうか、平成にいる自分はリュックベッソンで経験済みだ。 (「レオン」「キス・オブ・ザ・ドラゴン」) 籠城ものといえば、アメリカ人ならアラモ砦だろうと思ったら、 この映画のタイトル、最初の予定では「アンダーソン・アラモ」だったとか・・ カーペンターはいいね。 アイデアで勝負してきて、男くささで味付けする。 アイデア抜きだとウォルターヒルの映画みたくなってしまうね。 でもいきなり女の子を銃で撃つなんて、こりゃ映倫も眉をしかめたろうに(笑) [DVD(字幕)] 7点(2018-03-17 22:20:10) |
766. ダーク・スター
《ネタバレ》 カーペンターの記念すべき学生の頃の作品。 しかもエイリアンのダンオバノンと組んで・・(この映画の後、仲が悪くなったらしいが) 4年の歳月がかかった割には、世間に認めてもらえず、挫折を感じたと本に書いてあった。 とにかくチープなのは仕方ないが、カーペンターってこれからずっと自主映画のような匂いを 作品に漂わせるんだよね。 これは、その記念すべき最初の作品なのだね~。 AIが生意気で、哲学論争もちかけると、悩むのがおかしい。 エイリアンも笑える。 彼のユーモアが随所に見られ、とにかく笑える。 [DVD(字幕)] 7点(2018-03-17 14:56:38) |
767. バード(1988)
《ネタバレ》 ジャズ史をちょっと勉強してから観たので、面白かった。 逆に知らずに観たら、どこまで話に入りこめたか・・ あのチャーリーパーカーをしても時代の流れに屈したか・・ ビバップで一世風靡した巨人(身も心もボロボロだったけど)もロックンロールの登場という 時代の波についに倒れることになるのが印象的だった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-03-17 10:32:17) |
768. アイズ(1978)
《ネタバレ》 どんでん返しの為の、どんでん返しの作品、という感じですか・・トミーは若い頃はサルみたいな顔ですね。当時はあのような髪型でも良かったのだろうか?フェイダナウェイは今、観てもきれいなんだがなあ。ダサいトミーとキレイなフェイのラブシーン。観てて、ちょっと退きました。 (再見) カーペンターが原案・脚本というので、再見した。 カーペンターの初期の頃で、彼のアイデアは会社の言いたい放題の注文で無茶苦茶になったと言ってた。 本当は身内に犯人なんて話ではなかったらしい。 でも彼のお金をかけずに面白い話を創ろうとするアイデア直球のスタイルは、この頃から変わってないなぁ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2018-03-14 09:47:33) |
769. カティンの森
《ネタバレ》 これはストーリーを見せる映画ではないですね。 カティンの森事件が主人公で、その周りにいる人々の描写で見せる映画でした。 最初はこの事件のことを調べずに観たので、ソ連がやったのかドイツがやったのか、 全然分からず、ただ翻弄される奥さんたちをぼ~と観てました。 映画は結局、人物が動くという展開はなかったのものの、出てきた手帳から、事件の模様が語られて終わります。 でも、ラストの事件を観ると、戦争というものが国を制圧するためなら、何でもありなんだというのが、痛烈に伝わります。 恐ろしい史実ですね。現実にあったんですね・・ [DVD(字幕)] 7点(2018-03-11 20:11:11) |
770. ダフト・パンク エレクトロマ
《ネタバレ》 どこか「2001年」の空気感に似てるなぁと思いながら観てました。 感じる映画なんでしょうけど、あえて僕の感じた世界観を言うなら、 人間のいなくなった後の機械たちの郷愁・・といったところでしょうか。 確かに前のレビュワーさんの言われた通り、70年代のSFに多かったテーマですね。 今は中々読むことができないですが、SFマンガの短編などにこういうのが多く、 板橋しゅうほう先生の作品などの世界観にばっちり当てはまります。 でもこの映画は、映画的にカッコいいシーンも多く、漫画とは違って、映画としても面白く仕上がってます。 [DVD(字幕)] 7点(2018-03-11 14:27:04) |
771. 8 1/2
《ネタバレ》 フェリーニの良さは自分には分かりにくかった。何故かというと、彼の映画のイメージのセンスは、影響を受けた後のいろんなジャンルの創り手によって、進化しており、それを観てきた私には分かりにくかったのだ。これは映画だけでなく、マンガ、小説においても言える。噂に聞いた伝説の作品をいざ、観てみると、ちょっと物足りなかったりする感じ。しかしこの作品は、にもかかわらず、風格がある。有名な映画である。最初は戸惑った。いつになったら物語がはじまるのか?しかし慌てない。これは「去年マリエンバードで」か?それならと思い、肩に力を抜いて、観てみた。最後まで見て、トリュフォーの「アメリカの夜」よりも、正直な映画創りの実感だろうと思った。映画は一人ではできない芸術だ。混乱の内に映画作りが始まってしまう芸術家の正直な感情の吐露だろう。そう思うと、ちょっとユーモアのある作品だ。それにしてもフェリーニって巨大な建築物や船を映画に出すのが得意ですね。さらにニーノロータの名曲が冴える。この映画の彼の曲は特に好きだなぁ。 (再見) 画面から目をそらさせぬ演出にうなった。これは映画の教科書だったんだ!大筋の分かってた2度目の方が面白かった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-03-10 13:21:57) |
772. スターマン/愛・宇宙はるかに
《ネタバレ》 なんと安上がりな作品! それでもここまで面白い! カーペンターはお金を使わず、映画をどこまで面白くできるか、挑戦してるみたいだよ!? カーペンターSFとしては異色だけど、この一点でカーペンターの映画になっている。 「レイダース」のカレンアレン嬢が相変わらず可愛い。 ジェフブリッジスがまたはまり役。この人、ホントボ~っとしてる表情がよく似合う。 ラストのクレーターでのアクションは、漫画「AKIRA」を思い出した。 大友克洋さんも当時のカーペンターにかなり影響受けたんだろうなぁ・・ [ビデオ(字幕)] 7点(2018-03-08 13:01:03) |
773. クリスティーン
《ネタバレ》 クルマに乗ると人が変わるっていうもんね。 そこらへんがこの話の元ネタなんじゃないかな? カーペンターらしく、設定が奇抜で、話のスジはシンプル。 そして夜のシーンが多い。 結局、クリスティーンは鉄くずにされちゃうんだけど、 今の映像技術なら、ラストの鉄くずが元のクルマに復元していく映像も可能だろうなぁ。 見てみたいね、そんな映像。 でも「トランスフォーマー」みたいのかなぁ・・。 [ビデオ(字幕)] 6点(2018-03-07 10:15:43) |
774. ゼイリブ
《ネタバレ》 ほらね~、こんなアイデア勝負の作品があるから、旧作あさりも捨てたもんじゃない! 特にカーペンターB級は面白そうなのが多そうだよね。 魂を失った人間への風刺を効かせたSFアクションもの。 カーペンターのは古き良き力で勝負のアメリカ人が出てくるものが多いよね。 「ニューヨーク1997」のスネークとかね。 このB級SFの雰囲気がとにかく好き。 絶体絶命で孤立しても、アメリカ人スピリッツを失わない。 この真っ直ぐなたくましさに惚れ惚れしてしまう。 暗い夜のシーンが多いんだよね。 この調子でカーペンターSFを漁ろう♪ [ビデオ(字幕)] 8点(2018-03-05 01:23:37) |
775. ダークマン
《ネタバレ》 B級の鏡! 他の監督が創ったら、普通の娯楽作品で終わるんだろうけど、このサムライミらしさって何だろう? スピルバーグやデパルマと違って、アクションやサスペンスに演出の才を見せないんだけど、 彼独特の美意識のアメコミ風映像やメイクが味があるんだよね。 やはり「死霊のはらわた」で認められたので、好きにやらせてもらったんだろうね。 伸び伸びとB級らしさを謳歌してる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-03-04 23:26:13) |
776. ブレードランナー 2049
《ネタバレ》 レプリカントが子どもを産む奇跡。そしてその子がレプリカントたちの心の支えでもある「思い出」デザイナーであるという設定。もうストーリーテリングここに極まれり!という感じです。 監督はヴィルヌーブですが、製作のリドリースコットは、「エイリアン」の最新作でも強いAIであるアンドロイドがエイリアンの産みの親であるなんていう発想しますからね。 SF古典の「1984」のレプリカント版といった感じで話はとても面白いです。管理と自由というテーマは映画でもおなじみのテーマですしね。 が、しかしレプリカントには感情移入しづらいのも確か。 やはり人間らしさとは何か?愛とは何か?というテーマを掘り下げた展開にした方が、観終わって充実感あります。 でも映像もアイデアも確実にスゴイですし、見応えあります。 何年かしたらまた観たいですね。旧「ブレードランナー」と続けて観たく思います。 [DVD(字幕)] 8点(2018-03-03 18:57:49)(良:1票) |
777. OK牧場の決斗
《ネタバレ》 西部劇は数多けれど、なぜ「荒野の決闘」があんなにもてはやされるのか? たしかに名優ヘンリーフォンダが頑張ってるけど・・ 「白昼の決闘」の方がずっと面白いじゃんと思ってた。 だけど、「荒野」も「OK牧場」のこの映画も、アメリカ人が誇る史実なんだね。 こんな基本的なことも知らなかった(恥) ワイアットアープって早撃ちで有名らしいけど、この映画ではそこはクローズアップしない。 その代わりにカークダグラス演じる悪漢ドクホリディとの友情が丁寧に描かれている。 結局、この二人でクラントン一家をやっつけちゃうんだもんね。 (ドクホリディは病人なのに!?) この頃の映画は、アメリカ人が男の意地を大事にする国民性って高らかに歌い上げるんだよね。 第2次世界大戦後の自己正当化が必要だったのかもしれない。 いずれにせよ、健全な娯楽映画に仕上がってる。 この後、同じ題材の「トゥームストーン」を観るつもり。 ベトナムを経て、同じ題材をどう描くか、興味あります。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-02-20 02:45:30) |
778. トゥームストーン
《ネタバレ》 「OK牧場の決斗」を先に観てたので、ストーリーよりも違いを楽しむことに専念できた。 メキシコ国境が近い場所なので、その辺がよく描けてた。 ワイアットアープも「OK」みたいに善人一辺倒でなく、俗っ気のある、それでいてタフな人物に描けてる。 「ニューヨーク1997」のスネーク、カートラッセルがアープというところに90年代のアメリカ人好みの正義漢といった感じを受けます。 悶々としてる頃のアメリカの世相が感じられます。 ドクホリディが面白いですねぇ。カートダグラスも悪くないんだけど、より病人っぽいのが本作のドクです。 ラストのリンゴとの対決が「OK」との違いで一番面白かったところ。 アープとの1対1の決闘を横からドクがやっつけちゃうんだもん。ズルいのか、ズルくないのかが分からない(笑) より史実に近いのかもしれませんね。 OK牧場の戦闘シーンがストーリー中、ほとんど。 リアルに描写したかったんでしょうね。それ程この決闘はアメリカ人にとって人気の史実なのでしょう。 「ランボー2」「コブラ」の監督らしいけど、いやいや本作の方が才能感じます。 どうして今まであれほどの凡作を撮ってたのかが不思議なくらい。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-02-20 02:42:37) |
779. ぼくの伯父さん
《ネタバレ》 もう前のレビュワーの方もおっしゃってますけど、ほんとチャップリンです(笑) デザイン重視のモダンな生活にふりまわされる人間たち。 デザインに合わせて、生活をする金持ちたちと、マイペースでのほほんと生きてる伯父さんの対比が絶妙です。 デザインとは何のためのものか?と見直される前の感覚のデザインが笑いを誘います。 犬がまた元気でね。犬と子どもたちが活き活きしてます。 終始、のんびりしたBGMがリラックスした気分にさせてくれます。 こんな牧歌的な人たちももういなくなりました。 観終わって、少し寂しい気持ちになりましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-18 22:09:10) |
780. 魚が出てきた日
《ネタバレ》 ブラックですね~。 漫画家の大友克洋氏が何度も観てるDVDのなかに本作があったので、鑑賞。 軍人や軍事兵器が絡む割には、登場人物はみんなどこか間が抜けている。 それであれよあれよという間に、最悪の展開に。 タイトルの「魚が出てきた日」はこういうことかという展開になる。 終わってみると、笑えないブラックさに、クールと思える人もいるだろうなぁと思った。 面白い娯楽作品ではありますが、うすら寒い終わり方です。 派手なアクションに飽きた人には、おススメかも・・ [DVD(字幕)] 7点(2018-02-18 22:06:26) |