781. 空白
《ネタバレ》 古田新太が俳優というより、その辺のおっちゃんの顔してるので、 鑑賞後、まるでNHKの「ドキュメント72」を観終わった後の感じと似てて、 いい作品だなぁとしみじみ思った。 後半、古田の顔が柔らいでいくのに、ほっと安心できた。 松坂君は、邦画界の中でも傑出してるイケメン。 [DVD(邦画)] 7点(2022-07-03 21:57:37) |
782. ラリー・フリント
《ネタバレ》 「アマデウス」の評価が大きすぎたため、 フォアマン監督のイメージが芸術的な方に行ってしまったが、 「カッコー」にしても、この映画にしても、 こういう社会派が彼の本来の持ち味なのかもしれない。 この映画の肝はラストの裁判にある。 趣味と法の問題をごっちゃにしないこと。 エロかろうが、下衆だろうが、風刺は風刺である。 最後のアメリカの判決は見応えあるので、ここに記述します。 「修正第1条は自由な発想を保障するものである。 自由な発想は個人の自由だけでなく、 真実の追求と社会の活力として重要である。 公共への論議は、動機のいかんに関わらず、 修正第1条により守られる」 ラリーが、可哀そうなアルシアのために 裁判を茶化して彼女を喜ばせていたのを、 アメリカ人は何も言わないが分かっていたのだと思う。 この映画は、熱いラブストーリーですよ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2022-07-01 11:39:22) |
783. 竜とそばかすの姫
《ネタバレ》 仮想空間の「美女と野獣」の野獣の正体は? とても面白い着眼だった。 いい映画でした。 もう泣けて、泣けて(笑) 「おおかみ」も大好きな映画だったので、 こんな素敵な作品、創られたこと、嬉しく思います。 [DVD(邦画)] 7点(2022-06-30 11:08:30) |
784. サテリコン
《ネタバレ》 この頃のフェリーニは、武の映画が笑いで観るのを止めさせないように、映像演出で見せ続けていく。 今では当たり前の手法だが、この頃は新しかった。 ところが、この映画はそれだけではない。 中盤、あたりから、これはドエライ映画を観ているのでは・・と思い始める。 そうなんです。 フェリーニの凄さは「道」でも「8・1/2」のお洒落な感じでもなく、 この映画ではなかろうか!・・と思ったくらい、僕も多少、フェリーニを舐めてました。 多分、これを観て、キューブリックは「時計じかけ~」を思いついたのではないかと思うくらい。 ホドロフスキー、大友克洋、メビウス・・・たくさんの作家が この映画でインスピレーションを受けたのではと思うくらいの衝撃! まぁ休憩しながらでも、最後まで観ましょう! きっと何かが残るはずです♪ [DVD(字幕)] 7点(2022-06-26 20:52:48) |
785. ジャズ大名
《ネタバレ》 岡本喜八さんのコメディ。 明治維新の頃、アメリカではジャズが生まれてきてた。 もしそれが日本に上陸したら、どうなるかを面白く描いた映画。 日本の音楽、祭りのノリ、それらが全部ジャズになっていくラストは、圧巻である。 文明論的、知的コメディの傑作。 実際のジャズの日本への影響は、阪本順治監督の「クラブ進駐軍」に詳しい。 [DVD(邦画)] 7点(2022-06-26 10:27:05) |
786. BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
《ネタバレ》 「ブリッジオブスパイ」や「ペンタゴンペーパーズ」の社会派を 次々に発表する時期、あまり話題にならなかったスピルバーグらしい作品。 CGをふんだんに使ってて、大作ともいえる作品なのだが・・ 原作がイギリスで人気のロアルドダールで、彼の「チャーリーとチョコレート工場」のように 非常に含蓄のある子供向けのお話。 ただ軍隊が出てくるところが厳しい。 「ナイトメアービフォークリスマス」でも、軍隊が出てくるし、 英米の子供向けのお話に軍隊が出てくるところは、日本の作家もよく考えた方が いいのかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-20 10:56:41) |
787. トリュフォーの思春期
《ネタバレ》 「大人は判ってくれない」の兄弟的な映画。 あちらが子ども時代の大人の圧力を描いてた分、 こちらは、子どものいたずらをあまり責めない。 ほのぼのした映画ではあるが、虐待が入ってて、 先生の名説教で見事、話を締める。 [DVD(字幕)] 7点(2022-06-19 00:01:15) |
788. 龍三と七人の子分たち
《ネタバレ》 たけしの映画で一番、笑ったかも・・ 「アウトレイジ」で尖がった部分をやったからか、 肩から力が抜けて、見事な娯楽作品になりました♪ とにかく見せる術をたくさん持ってるから、 あっという間の2時間でした。 [DVD(邦画)] 7点(2022-06-18 23:57:49) |
789. アモーレス・ペロス
《ネタバレ》 イニャリトゥ監督は、見せ方が上手い。 どのエピソードも飽きさせない展開で見せる。 終わってみると、一つの事故現場の3人のエピソードが絡むことなく、 2時間半綴られていくだけだけど、これが面白い。 この監督ならではの、カタルシスといった感じ。 犬がどのエピソードにも重要なのだが・・ 闘犬で稼ぐ兄嫁に惚れた男の話、事故で怪我したバツイチと一緒に住むモデルの話、 テロリスト上がりの殺し屋の話。 どの話も面白い。 殺し屋が最後、殺さないのがまた良い塩梅ですな。 [ビデオ(吹替)] 7点(2022-05-22 22:26:20) |
790. チャーリーとチョコレート工場
《ネタバレ》 ロアルドダールはいいね♪ どんどん映画化してほしい。 ティムバートンの漫画センスが活かされた配役に唸りました。 「ナイトメアー」のようなオープニングから、 ロアルドダールの話のいい流れで、見せ場にはミュージックビデオのようなノリで、 ところどころに往年の名画へのオマージュがあり、好感が持てます。 ラストもいい話に括って、大人も子供も楽しめる1本になってます。 [DVD(字幕)] 7点(2022-05-22 13:51:06) |
791. 菊とギロチン
《ネタバレ》 大正時代、関東大震災直後、社会主義思想者たちの 魂の叫びを女性相撲士たちが受け止め、もがき苦しむ話。 いつの時代も。社会の不条理は、 弱い男にしわ寄せが行き、それを女たちが受け止め、 権力者たちと戦う構図は変わらない。 [DVD(邦画)] 7点(2022-05-20 14:49:55) |
792. ミッドナイトスワン
《ネタバレ》 ラストの女の子のバレエが見事! これまで描かれてきた痛みや涙が、ここに凝縮! それがよく表れていたのが、ラストの踊りのときにインサートされる 草薙との思い出の場面。 踊りに深みが増した。 果たして、審査員に届いたのだろうか? せまい東京での、こってりした日々の生活の味(蜂蜜生姜味?)が 世界で陽の目を浴びるだろうか? [DVD(邦画)] 7点(2022-05-08 19:29:35) |
793. ファーザー
《ネタバレ》 考えさせられる映画だった。 アンソニーにとって、思考の立脚点は、 親と子であったようだ。 しかし、二人の娘のうち、一人は事故死している。 かくして、彼の思考の混乱ぶりが、 老後、一気に押し寄せる。 そして、彼はとうとう考えることを放棄して、 ラストとなる。 音楽が、心に刺さる映画だった。 (ところで、あの男医、ジーンハックマンの息子?似てるんだけど・・) [DVD(字幕)] 7点(2022-05-06 23:36:10) |
794. TOKYO FIST 東京フィスト
《ネタバレ》 塚本監督の「鉄男」は、まだ観てないが、 やはり、漫画家の大友さんの影響を受けてる気がする。 血がドバーッと出るあたり。 でも、男と女の関係に肉薄する辺りは、 塚本監督の真骨頂。 「6月の蛇」といい、「斬」といい、 男の哀しさで、観てて、心臓がドキドキする。 [DVD(邦画)] 7点(2022-05-05 23:28:28) |
795. 弾丸ランナー
《ネタバレ》 面白かった。 走ってるときに、すれ違った女性に 妄想抱いて走るシーンが好き💛 鑑賞後、大友克洋の「RUN」を 読み直した。 こちらもおススメ♪ [DVD(邦画)] 7点(2022-05-04 10:54:56) |
796. フラッシュバックメモリーズ 3D
《ネタバレ》 これは珍味な傑作。 音楽の原型というか、腹に響く音楽だった。 この映画のスタッフの岩井澤さんが、 この音楽の魅力を分かりやすくアニメーションにしたのが、 「音楽」というアニメ。 こちらも必見!デス。 [DVD(邦画)] 7点(2022-05-02 01:13:51) |
797. シルビアのいる街で
《ネタバレ》 田舎から出てきた男が、 何の実績もツテもなく、堅気の彼女をつくろうとしたら、 どうしても、こうなるよねぇ・・ 全世界共通の男の哀しさ。 シルビアは、男なら誰もが抱く、心の「恋人」。 美しい女性たちと対照的に、男の滑稽さが 痛いほど、刺さってくる。 [DVD(字幕)] 7点(2022-03-13 01:14:40) |
798. 冬の華
《ネタバレ》 職人降旗の力技。 ゴッドファーザーとあしながおじさんを組み合わせた名作。 コッポラの名作はニーノ・ロータの音楽の中、殺戮が繰り返されるが、 本作ではクロードチアリとチャイコフスキーの音楽で盛り上げている。 高倉健が、見事はまり役。 とても心に残る佳作。 [ビデオ(邦画)] 7点(2022-02-23 17:55:32) |
799. 12モンキーズ
《ネタバレ》 テリーギリアムが、あの世界観を活かしつつも、 サスペンスタッチに挑んだ、一皮むけた作品。 劇中、ヒッチコックの鳥が出てくるが、正統派サスペンスの映画を勉強した跡がある。 これまでの「バンデットQ」や「バロン」とは違い、箱庭ではなく、 街にカメラを持ち出した、後の彼の映画につながる興味深い一本。 女性を描いてる意味でも彼を語る上で、欠かせない。 なんというバッドエンド。 鑑賞後の絶望感とアームストロングの歌の落差が心に残る。 [ビデオ(字幕)] 7点(2022-02-20 01:04:44) |
800. BLUE/ブルー(2020)
《ネタバレ》 映画好きな人間としては、ドラマ性がイマイチで残念だったですが、 ボクシングをしてる人間群像として観れば、よく出来てると思います。 男たちの詩という感じでした。 瓜ちゃん(松山ケンイチ)が、小川(東出)の試合に熱くなっているのを見て、 この人と私は縁がなかったのだと千佳ちゃんが涙を流していたのが、非常に心に刺さりました。 本当は、瓜ちゃんがこれから、どう生きるか、第2の場所で芽が出るか、 またボクシング界に何らかの形で戻ってくるか、そこまで観たかったです。 しかし人生って簡単に答え出ねえんだよ!っていうのが、メッセージだったかもしれません。 [DVD(邦画)] 7点(2022-02-19 02:47:05) |