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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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801.  クロコダイル・ダンディー
私も最近、「えー今日ってもう木曜日なの? いつの間に・・・」とか言ってるくせに、子供に「今何時?」と聞かれて時計を見ずに勘で答えたら、結構当たってたりすることがあり、これじゃあ、ミック・ダンディと大差ないなあ、と。 というか、これってもしかして、単なる老化現象の一種なんだろうか? という訳で、お上りさんの主人公が醸し出すカルチャーギャップネタ、というよりはもはや、ヘンなオジサンの天然ボケぶりが、愉快な気分にさせてくれる作品で、アクションだのホラーだのが幅を利かせていた80年代半ばに、なんでこんな得体の知れない映画が話題になってるんだろう、と思ってたけど、後にTV放送で見てみたら、確かにこれがなかなか面白い。憎めない。 ただしTV放送の頃にはすでに2作目が公開された後で、「2作目ではヒーロー気取りらしい」とか(まあ、実際その通りですが)、「ポール・ホーガンは奥さんを捨てて競演女優のもとに走ったらしい」とかいうヤな噂も耳にしてはいたんですけれど、それを差し引いても(?)なかなか面白い。ちょっと憎らしいけど。 アメリカ社会には格差を始めとするさまざまな断絶みたいなものがあって、オーストラリアにはそれが無いのかどうかは知らんけれど、とにかくそういうアメリカ社会に野生児ミックが闖入し、騒動と化学反応を巻き起こす。そして、いやいやアメリカ市民だってやっぱり捨てたもんじゃないよね、というラスト。 まあ、全体的には、どのキャラも表面的な描かれ方で、もう少しくらいは物語に、幅なり、掘り下げなりがあってもいいんじゃないの、というような、一種の物足りなさもあるのですが、とりあえず軽いノリで楽しめる作品、ということで。 そういやシドニーオリンピックの開会式だか閉会式だかに、オーストラリアの誇る著名人がワンサカ登場してきて、ああ、こういう場にはポール・ホーガンが呼ばれるんだなあ、と。すみません、他にはカイリー・ミノーグが出てきたことくらしか覚えてませんけど。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-06-06 12:30:52)
802.  GANTZ:O
フルCGで、最初から最後までひたすらバトルの連続、とりあえず「よくやるなあ」とは思いますが。 ただ、ホントに「それだけ」なので、何だか、単にゲーム画面を延々と見せられてるような気分。そういうのをYoutubeでボケっと見てられる人には最適な作品かも知れませんが。 そもそも、死んでも生き返ることができる、という可逆的な設定自体が、盛り上げを損ねるに充分な傷を抱えているのですが、それを補うような要素は特に見当たらず。吉本ネタなんてのも、私の世代にとってはそりゃ懐かしくもあるけれど、だから何なんだ、と。 一応、ストーリーが全く無い訳でもなく、主人公の高校生と大阪のヤンママが・・・って、コレ、合コンレベルのオハナシじゃないですか。 がっくし。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-06-02 20:34:56)
803.  深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 
主人公の男がこれまでの経緯を録音機に「告白」する、という体裁なので、映画全編に彼の独白が散りばめられており、少々煩わしい気がしない訳では無いんですが、要するに「これは一人称の物語なのだ」、ということなんでしょうか。ハードボイルドらしい乾いた印象には、確かに繋がっています。 もう一つ。殺人シーンを敢えて画面外で描くのはいいとしても、その後の死体処理のシーンまで、死体をあまりはっきりと写さないのは、映画の時代背景もあるのかも知れないけれど、いかにも無難な感じがして、ちょっと迫力不足、とでもいいますか。でもこのシーン、いや~な雰囲気はよく出てるし、クルマのエンジンが掛からない、なんていう描写のイジワルさも効果的。 誰が何を考えているのか、それとも何も考えていないのか。エドワード・G・ロビンソン演じる、一番わかりやすそうなオッサンが、一番煮ても焼いても食えないような存在で、暗い作品の中にユーモアをもたらしています。 途中、BGMがなぜか未完成交響曲になったりするのは少し違和感もあるけれど(それと同時に、意味も無く『素晴らしき日曜日』を思い出したりも)、ミクロス・ローザの音楽、この先の展開を暗示するように和声を切り替えたりするあたりは、オペラ的でもあり、なかなか聞かせます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-01 20:42:07)(良:1票)
804.  日本暴力団 殺しの盃
日本暴力団シリーズ、4作目にして早くも最終作。今回の鶴田浩二、サラリーマン風のネクタイ姿で、何となく冴えない風貌、なんですけどね。でも一応スゴ腕、らしい。 で、セリフは大阪弁。だもんで、少々聞き取りづらい。もちろん、大阪生まれの私が「聞き取りづらい」と言うのは、要するにあまり上手くない、ってことですが。相棒の大霊界こと丹波哲郎もまた、同様。でも、このたどたどしい大阪弁を交えつつトーストを分け合う2人を見ていると、ちょっと微笑ましい。そしてやっぱり冴えないサラリーマン風。それにしても大阪人のくせに、食パンと言えば5枚切りじゃないのかね(いや、時には4枚切りだって食べたくなるんです)。 それはともかく。監督変われば作品も変わる訳で、もうひとつ残念な出来だった3作目に対し、この4作目は降旗康男がメガホンを取ってて、するとどういう訳か、「日本暴力団」なのにちゃんと「男と女のドラマ」になっている、という不思議。男の意地と我儘があって、女の意地と一途な想いがあって、そうすると、「ヤクザ映画のラストはやっぱり殴り込みでしょ」という常識も、ああ、こんなクライマックスがあり得たのか、という驚きと感激に、早変わり。 のみならず、脇役では、これまた一途で、いかつい不器用さ故に観る者の心を打ち、またドラマにも波乱を呼ぶ山本麟一の存在が、とりわけ光っていて。 物語自体は、ナントカ組とかナントカ会とかが色々と登場して、正直、細かいところはよくワカラン(=面倒くさい)部分もあるのですが、別に隅々までワカラなくったって、充分に楽しめ、充分に感動的。おそらくは「組織」というものを描くことへの意識からか、画面上にやたら大勢の人物が収まっているショットが頻出するのですが、だからこそ、最後は「男と女」の二人へと収斂していく様が、印象的だったり。 いい映画です、これは。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-06-01 19:51:16)
805.  待つなジャンゴ引き金を引け
叔父と妹が暮らす故郷の家に、久しぶりに姿を現した男、ジャンゴ。・・・って、だからジャンゴって一体誰なのよ。とにかく例によって例のごとく本作の主人公も、ジャンゴなのです。逆にこのタイトルで、もしジャンゴでなかったら、ビックリしますけども。 ジャンゴが帰ってきたのは、悪党どもに命を奪われた父の、復讐のため。銃を持ち出したジャンゴは仇の姿を追いもとめ、悪党どもを次々に抹殺。で、映画開始30分もせずに無事、復讐を果たすのでした。 もちろん映画がこれで終わる訳もなく、ジャンゴの動きがいささか派手なもんで、次の波乱を呼びおこすことになる訳ですが。 本作でまず驚いたのが、ジャンゴの家には屋根がない? 家の外見を見ると、屋根はちゃんと存在してるみたい、かつ、屋根付近には明かり取りの隙間らしきものがあるみたい、なのですが、特に映画中盤、家の中のシーンでは、屋内全面に燦燦と日光が降り注ぎ、もはやコレ、「明かり取り」などというレベルではありません。確かに屋根無しのセットで撮影すれば、照明の手間が省けて、なかなかのアイデア(笑)だと思うのですが、まず見た瞬間に、「げげっ、こりゃ雨が降ったら大変だ」と直感的に感じてしまうのは、どうにもトホホ。 あと、ジャンゴの早撃ちを始めとするガンファイトが見どころ、ではあるのですが、ヤラレ役の連中の「撃たれる演技」がどうにもヘタクソで、撃たれた瞬間、大仰に両手を挙げてみせ、どっちかっていうと、撃たれたというよりは、一斉に感電か何かをしたような。まあ、「ヤラレました」という事は充分に伝わる演技ではありますが。 復讐するジャンゴに対し、協力者がいて、敵役がいて、続出する死体にボヤく棺桶屋がいて、と、何となく一通りは網羅できている感じもありますが、あくまでそこまでの作品、といったところ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-05-30 09:28:22)
806.  ジョン・ウィック:チャプター2
フィニッシュホールドは、三角締めからの射殺、ってか。ひでーなー(笑)と思いつつ、銃を飛び道具というよりも肉弾戦における体の一部みたいに使ったアクションが、スピーディで小気味いい。中には、「デブは撃たれても気づかない」というケースもありますが。 目まぐるしいアクションの連続。こういう場合、えてして、画面がゴチャゴチャして何が行われているのやらよくわからん、ということになりがちですが、その点では本作、どんなに激しい戦いでも、観る者を混乱させることのない、丁寧な描写になってます。中盤の暗がりの中で行われる銃撃戦なんかも、暗いけれどしっかり描いているので混乱せず、むしろ暗さ故に、発砲時の閃光が一瞬の照り返しとなって画面を見事に彩っています。 アクションの見通しの良さには、キアヌ・リーブス自身が体を張って自らアクションをこなしていることも大きく貢献しておりますが。 一方ではアクション一辺倒でもなく、いくつかのゆったりとしたシーンを交えて映画に緩急をつけており、だからこそスピーディなシーンはよりスピーディになって緊迫感を増します。そしてラストには少しアクセルを緩めて、余韻を残してみたり。 それにしても、「庶民むけの銃」は、置いてないのかね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-24 20:32:51)
807.  夜の訪問者
チャールズ・ブロンソンの役どころは、妻と娘との3人で仲睦まじく暮らす平凡なバカボンパパ。じゃなかった、平凡なパパ(似てるもんでつい・・・)。なのだ。 と思いきや、彼には隠された過去があって、不審な電話により、それが明らかになる。ってか、身に覚えがないような事をいいながら、実際には思いっきり身に覚えがあるであろうその電話の内容を、正直にそのまんま妻に伝える、ってどういうことよ? ホントに過去を隠す気があるのか? でもこうやってムダに正直なお陰で、テンポよくオハナシが進んでいきます。 ただ、テンポがいいのはいいけれど、エピソード同士がマトモにつながっていないというか何というか、展開がメチャクチャ。さっきのエピソードがまるで無かったかのように次のエピソードが始まり、敵の一味がブロンソンに何でこんなことをさせるのか(させたいのか)もよくわからないし、妻と娘を人質にとられたブロンソンもまた、トチ狂ったとした思えない行動に走るし、ふと気づいたら敵の一味の人間関係も妙なコトになっちゃってるし。 どうして一本の映画の中で物語がこうもあっちゃこっちゃ行ってしまうのか、ワケがわからないんですけれども、本作の素晴らしさは、そのバラバラのエピソードひとつひとつを、やたら一生懸命に描いていることで。アクション、サスペンス、すべてに全力投球(ただし暴投あり)。例えば、なんでこんなカーチェイスやってるんだか、これもワケわからんのですが(ストーリー上は、無くても一向にかまわない気がするのですが)、しかしそのカーチェイスが、やたら気合が入っててやたらとしつこくって。 ツジツマ合ってるけど面白くないよりは、面白くするためにデタラメやった方が、そりゃ当然、面白い訳です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-16 15:51:56)(笑:1票)
808.  デッド・リミット(1999)
ピーター・ウェラーとトム・ベレンジャーなんて、なーんにも接点が無さそうですが、かつて、『新・明日に向って撃て!』で接点があったりなんかして。あれから20年、ふたりともすっかり大物になった、と言ってよいのかどうか、微妙な立ち位置で、こうやって安っぽい映画でバッタリ出会う気持ちってのは、どんなもんなんですかねえ。大きなお世話ですが。 大使館がテロリストに占拠され、主人公が単身、敵に立ち向かう、とくればいかにもダイ・ハードの劣化コピーっぽく、しかもその主人公がピーター・ウェラーと来れば、およそ劣化の進み具合も見当がつく、というものですが、そういう諦めの境地に立ってみると、これが意外に面白いんです。そもそも、あの「お便所エレベーター」のシーンのバカバカしさからして、なかなかセンスが光っておりますが、孤軍奮闘するはずの主人公はまるで奮闘せず、濡れ雑巾を被ってすまし顔。ダリル・ハンナの存在感にも押され気味です。これじゃあラチがアカンわい、と、映画盛り上げのために中盤からトム・ベレンジャーを投入して戦力補強。ってんだから、もはやダイ・ハードとは完全に別路線。劣化コピーと思わせたこと自体が意識的なミスディレクションだったのではないか、とすら思えてきます。 建物のアチコチには何ともアホらしい仕掛けが色々とあって、さすがは大使館だわい、などと誤った感心をしつつ、終盤にはちょびっとだけ意外な展開に、ちょびっとだけニヤリとさせられたりもして。 大勢の死者が出る悲惨な事件のハズなんですが、妙にほのぼのしています。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-05-12 21:31:10)
809.  日本暴力団 組長くずれ
4作で打ち止めとなった日本暴力団シリーズ、監督名を見るとなかなか豪華だったりするのですが、この第3作だけ、監督さんの知名度がぐっと落ちます。これでオモシロかったら超拾いモノなんですけれど、そうは問屋が卸しません。 主役の鶴田浩二は例によって例のごとく、カタギになってバーの経営者みたいなことをやっており、相変わらず折り目正しく、相変わらずダンディなのですが、その一方で映画の方はだいぶお色気路線が入って来てて、まずこれがどうにもミスマッチ。 ミスマッチがミスマッチで終わらなければ、これはこれで妙味ともなりうるのかも知れませんが、残念ながら、「単なるミスマッチ」止まり。 山本麟一や待田京介も、いくらでもドラマを盛り上げられそうな役柄なのに、イマイチ見せ場を作らせてもらえず。しかしそれ以上に、雑魚キャラぶりに驚かされるのが、若山富三郎。色仕掛けにコロリとやられてしまうエロ親父ながら、それが笑いにも何にも繋がることなく、アッという間に退場してしまいます。 クライマックスはちゃんと「単身殴り込み」をやってくれますが、通り一遍、という印象。せめてラストシーンの雨くらいは雰囲気出てたらいいんですけど、これがまた、ホースでまき散らしたみたいな雨なもんで・・・
[CS・衛星(邦画)] 4点(2020-05-11 20:26:05)
810.  座頭市鉄火旅 《ネタバレ》 
仕込み杖の刀に寿命がきて、もうあと一人切ったら、折れてしまう、という設定が、劇中で無闇に殺陣を演じることへ制約を与える一方で、シリーズに新たな色合いをもたらしています。刀の秘密を知るのは、座頭市と東野英治郎演じる刀匠、ただ二人。周囲は「これがあの座頭市か」と一目置いておべっかを使いまくり、しかし実際にはあの刀にはもはや頼れない、という、何とも言えない居心地の悪さ。 一方で、悪玉の親分がしゃべろうとするのを、マッサージ中の座頭市が首を振り回してマトモにしゃべれなくしてしまう、なんていう悪乗り気味のギャグをかましたりもして。 東野英治郎との関係も作品に微妙な変化を与えていて、座頭市は彼のことを信頼しているようだけど、ホントに信じていいのかどうなのか。「これは師匠の作だ」とか言って仕込み杖を借りたはいいけど、もしかしてそのままパクろうとしてるんじゃないの、とか。でもこれがしっかりと、重要な伏線になっている。 クライマックスでは、新たな剣を手に、ここまでのうっぷんを晴らすかのようにダイナミックな殺陣が繰り広げられます。本作の音楽は、伊福部昭ではありませんが、怪獣映画のような音楽をバックに、ノシノシと路地裏に踏み込んでいく座頭市の姿は、迫力ありまくりです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-05-06 17:45:59)
811.  豹/ジャガー
コルブッチ監督には『続・荒野の用心棒』ってな邦題の作品がありましたが、そのセンでいくと、本作は『続・夕陽のガンマン』とでも名付けるべきですね、闘牛場での決闘シーンでは、円形の舞台に3人が睨み合う形となって、臆面もなく夕陽のガンマンのシーンをそのまんまパクってます。でも残念ながら、続・夕陽のガンマンという映画はすでに存在しているので、『続・続・夕陽のガンマン』とでも名付けるべきですね。なにせ、続・夕陽のガンマンみたいに、円形の舞台で3人が睨み合うもんね。ははは。 実際、本作の背景には革命が描かれていて、そういう激動の時代の中での決闘、という点でも、続・夕陽のガンマンを思わせるものがあります。ただし、チンピラみたいな軽いノリの革命家と、フランコ・ネロ演じる凄腕ガンマンとの奇妙な友情が物語の中心で、敵方の用心棒ジャック・パランスと戦う、という、比較的ストレートなオハナシには、なってます。だけど、この三者がそれぞれに一癖もふた癖もあって、物語に起伏をもたらします。 ジャック・パランスの髪型(いかにも似合わないパーマ)は、どうなのよ、と思いつつ、さらには何でこんな映画のこんなシーンで素っ裸にされてるんだよ、と思いつつ、それでも敵役としてはなかなかの貫録。 彼に刺客として任命された男の後ろで、別の男が農作業用のフォークを作ってて、刺客の男からカメラがそれると、男の悲鳴が聞こえ、フォークを腹に突き刺されて絶命した男の姿がカメラに捉えられる、などという、若干アホらしい見せ場も楽しいし、上述の「円形の決闘」がクライマックスかと思わせて、物語はそこで終わらずにさらに見せ場を作るのもまた楽しいところ。 出色のマカロニ・ウェスタン。パクリ的な部分も含めて。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-06 16:53:07)
812.  暗殺教室~卒業編~ 《ネタバレ》 
いやー面白かった。と自分が言うとは、見始めた段階では夢にも思わなかったけど。 前半の、背中から触手を生やした女生徒がニコチャンマークみたいな先生と戦う場面。空を飛んでいるのやら、宙に吊るされているのやら、よくわからない空中戦が、CG一辺倒ではないダイナミックな戦いを演出します。 男子生徒同士の格闘シーンでは、これでもかと風が吹きまくり、これでもかと枯れ葉が舞って、よくわからんがこれもとにかくダイナミック。 一方で、ニコチャンマークのせんせーの指の、クネクネとした、しっとりとした動き。先生がまだニノだった頃、ガラス越しに桐谷美玲と触れ合う、光の手なんかもそうですが、うん、派手なシーンばかりがCGの見せ場じゃ、ないんですよね。 もちろん、派手なシーンもしっかりやってくれるのが、クライマックス。ここも、実写の派手な爆破シーンがあって、その上でCGモンスターの戦いへと突入する。あれやこれや伏線もここで回収されて、なかなかの盛り上がり。 ふざけた顔のせんせーが、一瞬、怒りの表情になるのは、お約束みたいなものかも知れませんが、ラストは再び、ふざけた顔とふざけた声の陰に感情を押し殺し、その分、周囲の感情を揺さぶって、感動を呼びます。
[地上波(邦画)] 8点(2020-05-06 15:43:30)
813.  それでも夜は明ける 《ネタバレ》 
せっかく書いた、最後の望みとも言うべき手紙を、燃やしてしまわねばならぬ無念と絶望を、消えゆく残り火が表現していて。 こういう要素がもっとあれば、映画の印象をさらに強めるのでしょうが、本作にはあまりそういう「演出じみた要素」が無くって、「事実を事実として切り出してみせること」に力点が置かれているように思われます。事実がすでに充分、衝撃的だから、それ以上に何も付け加える必要は無い、とでも言うかのような。 もちろん、カメラは各シーンから滲み出る感情を、常に掬い取ろうとはしているのでしょうが、総じていうと、やや淡々とした印象にはなってます。主人公が何に希望を持ち、何に絶望したのか。悲惨な事象は画面上に次々に登場するけれど、だから見てて「道義的な問題」は感じるけれど、そこには主人公の心情が充分に投影されていないようにも思えます。 せめて、やがて壊してしまうことになる、ヴァイオリンと主人公の関係くらいは、もう少し深掘りしてもよかったのかな、とか。 特に、ラストで家族と再会するシーン。見せ方として、本当にこれで良かったのか? 家族の中に、赤ん坊を抱く見知らぬ男が一人混じっており、主人公はそれを見てどう思ったのか、そして我々はどう思うべきなのか。わたしゃてっきり、妻の再婚相手なんだろう、と思ったんですけどね。で、もし主人公も同様に思ったのなら(多分、そうではない気がするけど)、「実は娘さんの夫です」というオチは、ハッピーエンドを彩るちょっとしたユーモアにもなりえたと思うのですが。本作はここも淡々としていて、あいまいで、感情に訴えかけてこないので、「娘が結婚した」「自分に孫ができた」という事実の提示でしかなく、はたまた、妻が再婚していて主人公がカワイソウと思ったのはわたしの勘違いだったという事実の認識でしかない。ちともったいないラストだと思うのですが、勘違いした私が悪いんですか??
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-05-06 15:13:05)
814.  マネーモンスター
経済番組、ってったっていかにも軽薄そうなテレビショーの司会をジョージ・クルーニーがやってて、その本番中、「お前のせいで大損した」という男が闖入し、番組を乗っ取ってしまう。ショーで踊ってたお姉さんが出てくるのと入れ違いにスタジオに侵入する描写など、同時進行性を手際よく描いていて、物語はテンポよく番組ジャックへと進みます。 経済を操ろうとするクルーニーが、逆に経済に手玉に取られてしまったり、犯人を懐柔しようとすればするほど格差問題が浮き彫りになったり、多分に社会批判の要素を含んではいるのですが、「批判のための批判」にはならずに、しっかり娯楽映画として楽しませてくれます。最初は、犯人のキャラがちょっと弱いか?とも思ったけれど、見ているうち納得。これも物語に必要な要素のひとつ。人間が動かしているはずの「経済」は、もはや誰にも制御できない、一種のモンスター。このモンスターを前にしては、犯人も主人公も無力で、物語はどう転がっていくかわからない。その展開の中で、人間関係の変化していく様が、本作の見どころになってます。 事件の経過の生中継、ということで、「視聴率」という観点を映画に加えるならば、さらに新たなモンスターが物語に追加されることになった訳ですが、作品のテーマとしてそこまで手を広げなかったのは、少し物足りなさも無い訳ではないけれど、スマートな纏め方、と言えるかも知れません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-06 11:19:37)
815.  翔んで埼玉
とことんバカバカしい設定でオブラートにくるんでいるけれど、差別というかなり微妙なテーマを含んでいて、「誰がみてもこんなのウソに決まってるでしょ」という作りになっているとはいえ、製作陣も結構、気を使ったのではないか。と(いや、実際には大して気を使ってないかも知れませんが)。 そういう訳でこれは、弾圧の映画。そして革命の映画。バカバカしくとも、あの埼玉ポーズ(とでもいうのか)のやり取りには、なかなか引き込まれるものがあります。そして、川を挟んで群衆同士が睨み合うシーンの、あの熱さ。バカバカしいけど。 それにしても、その革命の先頭に立ってる連中ってのが、どうみても、ホントに革命が起きたら真っ先に処刑されそうな連中なんですけどね・・・そういうのを含めて、他では絶対に見られない映像の数々。これは、映画革命か。  それにしても、これは映画とは関係ないけれど・・・過去、大災害に直面した日本人が、互いに協力し手を取り合ってそれを乗り越えようとしてきたその一方、新型コロナウィルス危機を前にすると他者に対する忌避がたちまち排斥や差別に直結してしまい、やはりまだまだ日本人は「ケガレ」の概念からくる差別意識に捉われているのだな、と思う次第。
[地上波(邦画)] 7点(2020-05-04 16:18:50)(良:1票)
816.  カイジ 人生逆転ゲーム 《ネタバレ》 
SLAVEカードを何番目に出そうと、要するに、自分がSLAVEを出す時、相手がCITIZENカードを出したら、SLAVE側の負け(※)。 なので、SLAVE側が負ける確率は4/5 3回やって、3回とも負ける確率は、4/5 × 4/5 × 4/5 = 64/125。 引き分けは無いのだから、3回やってSLAVE側が1回は勝てる確率は、1 - 64/125 = 61/125。 なので、61:64でSLAVEがわずかにEMPERORより不利とは言え、まあ、トントンと言っていいでしょう。 これでレート10倍、だそうですから、期待値としてはSLAVE側が圧倒的に有利。むしろ美味しすぎるのでは? という説。 ⇒興味のある方は、「サンクトペテルブルクのパラドックス」ってのも、調べてみてください。  それにしても石田のおっさん、どうしてあんな土壇場の平均台の上で、長々と身の上話を始めてしまうのか。これじゃ、(本人は「足が震える」などと自己申告してるけど)余裕があるんだか無いんだか、よくわからない。身の上話って、映画の中のもっと早い段階(明らかに余裕のある段階)でしておくべきでしょう。そうすれば、「身の上話をした段階から平均台の上まで」が、我々にとって、「このヒトには死んでほしくない」と思える時間になる訳で、その時間をたっぷり取ることができたはずなのですが(意地の悪い人は、「死亡フラグ」と呼ぶのでしょうが)。 もしかしたら、作り手もそんなことは百も承知で、でも映画の中にそんなマッタリした時間帯を作る訳にはいかぬ、テンポよく物語を進めねばならぬ、ということなんでしょうか。でもそのせいで、おっさんは、何の余韻も残さず映画から消え去り、何の印象も残さず我々の意識から消えていく。 それにこのシーン、風が吹いて危機一髪、ってんなら、旗か何か、強風を表現するものを画面に配置するような工夫があってもよいと思うのですが。  (※)自分がSLAVEを出す前に相手がEMPERORを出して終了しちゃうケースも、ここに含みます。もしも終了せずにゲームを続行すれば、「自分がSLAVEを出した時に相手がCITIZENを出す」ケースに該当することになるので。
[地上波(邦画)] 4点(2020-05-04 15:12:28)(良:1票)
817.  さらばバルデス 《ネタバレ》 
イタリア製だからと言ってマカロニウェスタンではなく、ジョン・スタージェスだからと言って王道ウェスタンではなく、ディノ・デ・ラウレンティスだからと言って超大作ではなく、チャールズ・ブロンソンだからと言って・・・いや、ブロンソンらしいシブい映画でした。 普通なら(シェーンなら)「風来坊の主人公が少年のもとにやって来て、ラストで再び旅立っていく」というパターンになるところでしょうけれど、本作では逆に、少年の方がどこからともなくやってくる。ブロンソンは荒野の一軒家にひとり、生活しており、いかにも気難しそうだけど、言う事はなかなか親切(ちょっと少年を甘やかし過ぎかも?)。町の人とはあまり馴染めない一方で、先住民とは交流を持ったりしてて。 「誰のものでもない」と思っていた荒野は、気が付いたら「誰かのもの」になっていて、自由だと思っていた世界は、気が付いたら自由ではなくなっている。一匹狼のような主人公は、居場所を失わざるを得ない訳で。 中盤、主人公がリンチにあうのは、いわば復讐へのお膳立てであり、しかもクライマックスでは銃を持った男たちと一戦交えることになるのですが、本作は完全決着をつけさせることなく、主人公に復讐を果たさせることなく、ただ静かに彼を立ち去らせます。「どこからともなくやってきた主人公」ではなく、「もともとここに住んでいた主人公」が、立ち去らざるを得ない、という不条理。 さらば、西部劇。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-05-02 13:42:20)(良:1票)
818.  ワイルド・バレット 《ネタバレ》 
父親に虐待されてる隣のロシア人の息子が、主人公宅からピストルを持ち出して、父を撃ってしまう。そのピストルってのは、警官殺しに使用されたという、かなりヤバい奴。という訳で、ピストルを持って家を飛び出した少年と、その行方を追う主人公。さらには肝心のピストルも少年の手を離れてしまい、三者三様に動き始める。 ってんだからコレ、かなりオモシロい作品、のはずなんですけどね。書いてるだけでもワクワクしてきます。邦題の「ポール・ウォーカー主演だから『ワイルド何とか』でいいだろ」という安直さが、さらにワクワクさせます。さらには、悪徳刑事の暗躍、アヤシゲな夫婦の登場、主人公の妻の活躍と、盛り上げる要素には事欠きません。 という訳で、オモシロい作品になるはずのせっかくの「いいネタ」をこれだけ揃えたのに、だったらもうちょっとウマい見せ方あるんじゃないの、と、ちょっと勿体ない。 画面を何となく暗くして何となく揺らしてやれば、何となくダークな雰囲気になるだろう、といった感じの、もうひとつ見栄えのしない映像が続き、サスペンスフルなはずのシチュエーションでもあまりドキドキさせるものが感じられません。コワいシーンのはずなのにコワくない。物語も、さまざまな登場人物を配置してやや複雑化しているのを、うまく捌ききれず、何だか繋がりが悪い印象。終盤には「意外な真相」を3連発くらいカマしてくれるけれど、もともとゴチャゴチャしているので、せっかくの意外性も「え? あっそう」止まり。 と、いろいろ文句を言いたくなるのも、基本的には本作に魅力を感じるからで、「オモシロい作品を作ってやろう」という意気込みは、これは確かなもの。無表情だった少年が最後に感情を露わにするのも、定番の演出ではあるけれど、しっかりツボを押さえてます。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-05-02 10:40:15)
819.  キャスパー 《ネタバレ》 
この屋敷には、怨念がおんねん。ってヤツなんですけれどね(←ゴメンナサイ!)。「この世に心残りがあるまま死んだら成仏できない」ってのは、洋の東西を問わず共通の考え方なのかな、と思いつつ、それにしてもどうしてこんなに陽気なのやら。恨みつらみとは無縁の世界。まるで、化けて出られるなら死んでもOK、とでも言わんばかりのノリがあって。 というあたりは多少、ブラックな部分もあるのですが、基本は、オバケと少女の交流のオハナシ。 イーストウッドが仮に、他人の映画にカメオ出演するとして、それがどうして、よりにもよってこの作品なのか、という不思議。映画の裏に働く力学ってのは、ワカランもんです。 しかしそういうのも、スピルバーグの人徳がなせる業なのか、どうなのか。例によって例のごとく、世の中にゴマンと存在する「製作総指揮:スピルバーグ」作品の一本、なワケですが、実際、「スピルバーグなら確かにこんな風に撮りそう」ってな感じの、誇張と茶目っ気のあるシーンがテンコ盛り。いや勿論スピルバーグ自身が撮影する訳もないんでしょうけど、要するに、いかにもスピルバーグ・ファミリーの映画だなあ、というテイストが溢れています。バカバカしくても、憎めない。 ラスト近く、キャスパー君が人間の姿になって階段を下りてくる場面の、印象的なこと。これはもはや、タイタニックにおけるレオ様のお姿にも匹敵するといっていいんじゃ、なかろうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-04-30 21:19:11)
820.  デアデビル
有毒廃棄物を浴びただけで滅法強くなってしまう、という悪魔の毒々モンスターみたいなシステム。いや、一応トレーニングで強くなった、らしいんだけど、どうみても、主人公が苦労して強くなったような印象は皆無です。一方で視覚を失う、というハンディキャップを背負っている、らしいんだけど、いやコレ、「見えてる」でしょう。視覚を失ったハンディとか、その分、他の感覚が研ぎ澄まされて広がった新しい世界だとか、そういったものは、あくまで本人が言っているだけで、作品からは何も感じられません。 座頭市には周囲の人間とは異なる座頭市独特の動きがあって、独自の世界を作り上げている。特異なキャラであるはずの本作の主人公に対して、同じように奇抜な格好をして同じように格闘してみせる“エレクトラ”の登場は、マイナスでしかないと思うんですけどね。 ただ、そうは言っても、映画最初の方で、「デアデビルが高所から飛び降りる姿を、着地点の水たまりの反射で捉えた」シーンがあってこれが何ともカッチョよく、こういうシーンをじゃんじゃん連発してくれることを期待しちゃうんですけどね。だけどこれが、続かない。マトリックスみたいな顔でマトリックスみたいな動きをしてみせるのはご愛敬だとしても、やたら細切れで見にくい格闘シーンが続くばかりで、いささか面白味に欠けます。 敵役もコリン・ファレル演じるブルズアイは、何が売りのキャラなのかよくわからず、唯一目を引くのはマイケル・クラーク・ダンカンの超ムキムキぶり。これは確かにスゴイ(でも、これだけムキムキなら、もっと強いかと思ったけどナー)。 という訳で、無事、シリーズ化されることもなく、ベン・アフレックは後にバットマンとして生まれかわり、何だかそれって、覆面レスラーがライバル団体に移籍して別のマスク被ってリングに上がるみたいな不義理、のような気もしないではないですけど。ま、いいんですよね、きっと。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-04-30 20:39:21)
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