901. 愛情物語(1956)
実在人物エディ・デューチンの物語。脚色が加えられているにしてもドラマとして見応えがありました。希望と絶望に遊ばれるような人生でもその魂は永遠に生きる事を思わされるラストショットはまさに愛情物語。本作の2年後の早逝が惜しまれるタイロン・パワーの名演が沁み入る名作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-06 00:23:05) |
902. カサンドラ・クロス
《ネタバレ》 作品名は聞いた事ありエヴァ・ガードナー目当てでの初見。無情観漂う音楽でのオープニングクレジットに期待が高まり、冒頭からテロリストが列車に乗り込むまでの一気呵成の展開に、世界中の歳時記・日常を滅茶苦茶にしたコロナ禍にある現在にあって恐ろしさに息を呑みました。自国の細菌兵器戦略の過ちを列車もろとも葬り去ろうとする米国の姿並びに酷く無情な結末はカルロ・ポンティ率いる欧州作品ならではでしょう。エヴァ・ガードナー54歳のお姿は「顔パンパン、ケバッ、怖っ」(ごめんなさい)なド迫力にドン引き。彼女の若いツバメ役マーティン・シーンは坂上忍を思わせる姿。リチャード・ハリス&ソフィア・ローレンはステレオタイプなカップル役。車掌役が観たことあると思ったら5日前に観たライオネル・スタンダー。再見でやっと見つけたけれど彼女とは分からなかったアリダ・ヴァリ。刑事役が意味深なO・J・シンプソン。そして演技上、脚本上で特筆もののMIPと言える御大リー・ストラスバーグ。彼等をまとめて相手するバート・ランカスター。手に汗握る対決でした。鉄道・医化学・政治上でのツッコミどころは数限りなく。どれだけ指摘出来るか数えるのも、そこに目をつぶるのも、人それぞれの価値観考え方でしょう。私は後者で且つ大いに楽しめた傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2021-05-06 00:07:50) |
903. ナイル殺人事件(1978)
初見。人が死なないと成り立たない点と謎解きに強引な点がままある推理小説モノ。後々浮かんでくるツッコミどころが鑑賞中には押さえ込まれる力業があった本作。「ザ・ジェントルマン」デヴィッド・ニーヴンを筆頭に華のあるキャストの格調高い演技のお陰でしょう。お目当てベティ・デイヴィスと渡り合い一歩も退かないマギー・スミスに+1点。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-05 01:22:01) |
904. アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス
いやぁ、これは珍品にして掘出物であるシュワちゃん23歳でのデビュー作。胸を始めとした「筋」と名の付くところ全てが人間離れしたパンパン具合。全編に亘っての「棒」な台詞回し&キレ無くぎこちないアクションが何故か微笑ましい。ストーリーが意外と小じっかりしており、ネズミ男のようなプリッツィもなかなかの味わい深さ。大勢の悪漢達が素手で立ち回っているのに「誰か撃てよ」と突っ込むのは野暮なのでしょう。この後、大スターとなり富と名声を得て、挙げ句に知事としての名誉も得るというのを当時のキャスト・スタッフは誰も想像しなかったのではと思うシュワちゃんの超人振りが感慨深い作品です。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 19:11:27) |
905. アウトランダー
《ネタバレ》 お目当てはジョン・ハートであり、ハリウッド最多死亡回数を誇る名優の死に顔を拝む事。バイキングの王として違和感ないお姿で、登場して間もなく娘と剣を交えているのに「ま~た女と闘ってるわ、ホンマにもう・・」(苦笑)その後出番も多くて久々の拝見でも端正な語り口に相変わらず惚れ惚れ。死亡フラグはしっかり立っており「そろそろかなぁ、まだか、まだか」と待ち焦がれていたら流れ星のようなシーンでのご退場に「何やこれ、何でやねん、・・・・略」監督・脚本家・プロデューサーを叱り飛ばしてやりたい(憤) 目新しさを狙ったかのSF要素は空回り、光る怪物の設定上としても戦闘場面の暗さに肩がこる、禍をもたらした本人が王に治まるというご都合主義な脚本、一切合切が目的外で目くじらも立ちません。返す返すも・・・・自粛。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-04 18:53:36) |
906. エアポート’77/バミューダからの脱出
《ネタバレ》 手際良すぎる乗っ取り、海面不時着しての損傷具合、海底の浅さ、バルーンで機体が持ち上がるなんて、一切合切スルーして観るぶんには見応えあった救出劇でした。たまたま29歳、50歳、69歳のジェームズ・スチュアートを続けての鑑賞でその息の長い活躍に感じ入ります。オリヴィア・デ・ハヴィランド、ジョセフ・コットン、クリストファー・リー、リー・グラントの顔ぶれで生死は予感通りで後者2人に大泣きさせられるとは思いもよりませんでした。ジャック・レモンも併せて大スター華のある存在感が楽しめた良作です。余談ながら「水難の名女優」シェリー・ウィンタースもキャスティングして欲しかったところです。 [インターネット(字幕)] 7点(2021-05-04 02:02:51) |
907. 媚薬(1958)
ジェームズ・スチュアート&キム・ノヴァクの共に一本調子な台詞回しでのメリハリない演技も相まって、魔法のしょうもない使い方に白けっぱなしでした。エルザ・ランチェスター&ジャック・レモンも今一つ。MIPが猫だというのが何ともはやな凡作です。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-05-03 02:40:50) |
908. イタリアは呼んでいる
絶景&美食にウットリ妄想の世界へ導かれ、任務であるグルメレポートそっちのけのスティーヴ・クーガン、ロブ・ブライドンのアドリブ(らしいです)物真似トークはほぼほぼ内容が分かったせいもあってかニヤニヤ笑いが止まりません。多数のラインナップ中でよく物真似されるアル様、デ・ニーロもさることながら、ヒュー・グラントとマイケル・ケインネタには大笑い。主人公と同世代の身にとって劇中台詞の「40代以上は全力で笑わないとダメ」に同意させられる良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-05-02 15:14:44) |
909. アトミック・ブロンド
リスト奪取と二重スパイの発見というありきたりな筋立ての中で主人公が如何なる魅力を発揮するか。シャーリーズ・セロンはアクションはもとより決して腹の内を見せないエージェントを好演しています。こだわりのアクションに見合ったストーリーをと思ったのでしょう。「三十九夜」が浮かんだスパイグラス(エディ・マーサン 好演に+1点)が目を惹いたのですが、詰め込まれ過ぎた話に集中しようとしても彼女の大立ち回りに阻まれて分かろうとするのを諦めました。キレッキレアクションが持ち味のソフィア・プテラとの一騎打ちを期待していたのですが。どういう意図でああいう関係にしたのか意味不明です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-02 02:54:23) |
910. They Made Me a Criminal(原題)
《ネタバレ》 世界戦を制したその夜に殺人事件に巻き込まれたボクサーが無実の罪で逃走。辿り着いたのはアリゾナの農場。更生中の少年達とその中の一人の姉との触れ合いの中で賞金稼ぎの試合に出場することに。リングサイドで観戦する彼を執拗に追う刑事に見守られての一戦で。 クロード・レインズが気に入らなくて断った役を無理矢理引き受けさせられて生涯に亘って最も嫌いだという本作。彼の演ずる過去の過ちから上司同僚から蔑まれている刑事は少ない出番の大半が屈辱的なものですが、試合会場に辿り着いてからラストまでは、負け組だけど負け犬ではない姿で場面をさらっており、ラストシーンにいたっては「カサブランカ」の元ネタのようで胸熱激痺れ。彼の役者としての凄みを見せつけられた秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2021-04-30 23:19:41) |
911. 真人間(1938)
《ネタバレ》 NYの百貨店、人格者である社長の方針で更生を目的として保護観察中の前科者を雇っています。ジョーもその中の一人であり同僚ヘレンとのロマンスが描かれています。フリッツ・ラング、シルヴィア・シドニー、ジョージ・ラフトの組み合わせとくれば、堅気に成り切れずに凍り付く無情な結末を迎えるだろうという予感。 ヘレンの過去を知った器の小さいジョーが事もあろうに社長の恩を踏みにじる百貨店襲撃に加担するというのを聞いたヘレン。「裏切り者の腐れ外道」の最期を固唾を呑んで見守ったのですが。 オヨヨ~ 「これでいいのだ」との監督の思いが素直に受け入れられない異色作でした。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-30 23:14:45) |
912. ゾラの生涯
《ネタバレ》 極貧から文豪として富と名誉を得たゾラがアカデミー会員の地位を捨てドレフュス事件に関わる事を決めた時に見たのは、別れた親友で「芸術家は貧しくあるべきだ、腹の膨らみと共に才能に贅肉がつく、足下が見えなくなる」と諫めたセザンヌの肖像画だったのが感慨深い。ゾラの法廷での演説、ドレフュスのあの「悪魔島」からの釈放シーン、ゾラの葬儀での弔辞、煽動者を使う権力者と容易く煽動される者達等見どころ満載で、ポール・ムニ驚きの重厚な演技に喝采を送る名作です。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-04-30 23:02:23) |
913. 最後のギャング
《ネタバレ》 エドワード・G・ロビンソンは最初の10分そこそこは何時もながらの「世界は俺様を中心に回っとるんじゃ!」ご意見無用!という Gangster オーラを放ちまくりでウットリと。そこからラストまで囚人仲間、妻、かつての手下等に手酷く裏切られいたぶられるというトホホな展開。身も心もズタボロ状態で見せる入獄中に生まれた息子への一念は「エドワード! 日本一・・もとい、ハリウッドナンバーワン!」な絶品演技。まさに因果応報なラストショットに思わず合掌してしまいました。29歳瑞々しいジェームズ・スチュアートは「アメリカ国民の良心」を示す好演に好感。無法者の末路そのままのタイトル通りの秀作を堪能しました。 [DVD(字幕)] 8点(2021-04-30 15:30:23)(良:1票) |
914. クロワッサンで朝食を
地味で淡々としながらも目が離せなかった作品。フリーダとステファンの関係がいかにもフランス映画的。財を成し豊かな暮らしを送るフリーダが噛みしめる寂しさに、財の無い私はどうなるのだろう・・・・・・・・ ジャンヌ・モロー貫禄の着こなしに脱帽です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-30 01:35:09) |
915. マローダーズ/襲撃者
デイヴ・バウティスタ目当ての鑑賞。VSブルース・ウィリス はもとより上腕二頭筋&大胸筋を拝むことすら出来ず(悲) そこは諦めるとして、クリストファー・メローニ演ずるモンゴメリ捜査官がそこそこ渋くて事の成り行きに興味津々でしたが、入り組んだ(過ぎる?)話に集中できずリタイア(泣)となり数時間後仕切り直し鑑賞で何とか完走。やはり話を膨らませ過ぎていて唐突な結末に歯痒さが残ります。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-30 01:19:38) |
916. スタークラッシュ
冒頭からエンディングまで「無茶苦茶でごじゃりまするがな!」で埋め尽くされた「吸血鬼ゴケミドロ」も裸足で逃げ出す一品。クリストファー・プラマー&ジョン・バリー(エンニオ・モリコーネは賢明にもオファーを断ったとか)は何の義理あっての参加なのか知りたいところに+0.1点。 [インターネット(字幕)] 1点(2021-04-29 18:37:08) |
917. テルアビブ・オン・ファイア
劇中劇のテルアビブオンファイアが超絶つまらない。こんなのを面白がって見ているユダヤ&パレスチナの人々も意味不明。 作品作りに多くの人々の思惑が絡んでいる事を思わされたところ 意外と素敵であった音楽 クスリとも笑えなかった本作がコメディ作品だったという事に心底仰天したところ それぞれ1点ずつ。 [DVD(字幕)] 3点(2021-04-29 02:11:16) |
918. ダイヤモンドの犬たち
《ネタバレ》 中盤からピーター・フォンダが善人か悪人か分からなくなり混乱したままお開きとなりました。締めの台詞が「地球は狭い」とは。何をふざけた事言うとるんじゃ・・・・以下自粛。 [インターネット(字幕)] 2点(2021-04-28 01:48:14) |
919. ならず者(1943)
ウォルター・ヒューストン、トーマス・ミッチェルの癖の強さに高まる思いが、ジャック・ビューテルの棒読み台詞回しにその都度冷まされてしまいます。ダラダラした展開に気持ちが削がれる一方に。ハワード・ヒューズが金に物言わせて道楽に興じた凡作に引っ張り出された名優二人がお気の毒。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-04-27 04:52:08) |
920. 美女と液体人間
初見。50年前位にTVで観た「人食いアメーバの恐怖」で理髪店シャンプー台から徐々に湧き出たアメーバに気づかず青年の頭を突っ込む・・・唯一記憶に残るシーンが蘇りました。また観たいですね(思わされたところに+3点)。 観るに堪える起承転結で映像も精一杯頑張っていてまずまず楽しめました。瑞々しい平田昭彦の台詞回し&歌う姿のすらりとした白川由美のお姿が好印象です。 [インターネット(邦画)] 9点(2021-04-25 13:31:09) |