921. オデッセイ(2015)
《ネタバレ》 うーん。火星に取り残されるというとてつもない状況に対して、毒づくことはあっても絶望的にならない主人公。後ろ暗い感じのする人が一人もいない登場人物。だから、これだけ救いがたい状況にも関わらず「帰れないんじゃないか」という心配がまるでないんですよね。だから、後半は段取りをひとつづつこなしているのを眺めるだけの映画でした。置いてけぼりをくったあと、最初のヘルメス号との交信のシーンが好き。 [DVD(字幕)] 4点(2016-07-17 09:28:05) |
922. 青春☆金属バット
竹原ピストルさんが好き。圧倒的な声量と突きつけてくるような歌詞。それでいてナイーブ。そんな彼の10年前の姿を拝めたのは収穫でしたが、…。しかし エンディングテーマ「ならば、友よ」がまた良いだけに、本編中の焦燥感に駆られた彼の表情がツライ。いやいや、こういう(映画の)現場にも立ち続けてきたから、今のピストルさんがいるんだと思いますよ。 [DVD(邦画)] 4点(2016-07-09 07:26:51) |
923. ユーズド・カー
あー、懐かしいなあ。この善悪不明で破天荒な懐かしさは、湯原昌幸、小野ヤスシ、夏木ゆたか、そしてせんだみつおという、あのヤングが脳天気に暮らせていたころの懐かしさですね。ロバート・ゼメキスとスピルバーグの初期作品を見るというより、昭和50年代の日本のテレビバラエティ界におけるアメリカ的なモノを見るという心構えで鑑賞したらいいんじゃないでしょうか(そんな心構えはできない)。 [DVD(字幕)] 4点(2016-06-06 16:24:35)(笑:1票) |
924. シベリア超特急
《ネタバレ》 とてつもなく見るのがおっくうな映画でした。0点とか1点をつけるために、ワザワザワタシは時間を割くのかと。見てみてなるほど。破天荒な作品ではある。しかしこの程度なら、私たちは「シュール」とか「不条理」とかいって処理してきたレベルなんじゃないでしょうか。「チープなところがまたよい」とかね。打ち上げ会のシーンまで見せるメタ構造は、むしろ当世的とも思いましたね。ワタシ、このレビューを書くにあたり、故・ナンシー関氏の書物(「聞く猿(朝日新聞社)」)を引っ張り出しました。ナンシー氏曰く、「世の中が「シベリア超特急」のことを忘れ去ったとしても、私はきっと「「シベリア超特急」という映画があったこと」」を忘れないであろう」と。公開当時、まだ未見にも関わらず彼女を引きつけた本作だったワケです。「この映画の完成のために私財をなげうって資金を調達した晴郎(前著より)」が、学生が卒業制作に向かうがごとく、ごく真面目に作り上げた本作でもあります。オレには、超特急があたかも走っているようには見えたよ。率直な反戦メッセージとか、今こそ見て欲しいとも思いました。最近はこんな風に真っ直ぐに言ってくれる人はいません。そんなこんなで、本作に、ワタシはキッパリと「4点」を献上したいと思います。なんだよ、その「キッパリと4点」って。 [DVD(邦画)] 4点(2016-05-29 08:16:26)(良:1票) |
925. 暗殺の森
《ネタバレ》 ゲシュタポといえば猟犬みたいなモノと思い込んでましたから、愚図で卑怯なソレってのは珍しかったかもしれませんね。なにやら有能なヤツという雰囲気がただようマルチェロですが、物語が進む中、主体的というか能動的に関わるシーンがないではないですか。行き当たりばったり。しかし、それがある意味リアル。こんな秘密警察の人もいたんだろうな、と。殺しをしたかもしれないことが、彼にとって自分の特別性のよりどころだったから、リーノらしき人を見つけたときにはあんな風に取り乱したのでしょう。でも、それが面白いかというと別なんだ。絵画的な映像もあったとは思いましたが、何かありそうで何もない、気持ちの入れようがない主人公の物語のなかでは、それがどうしたという気持ちです。 [DVD(邦画)] 4点(2016-04-30 06:56:48) |
926. フォーカス(2015)
《ネタバレ》 物語のピントがよく分からない物語でした。盗賊会社のようなお話かと思えば、デレデレの恋愛進行に話が収束していくし。中盤のスタジアムでのカケのくだり以降はただ、だまされないぞ、みたいな意気込みで観ていました。引っかけ問題ばっかりのクイズの本みたい。鼻白むよ。ホントは、気持ちよくだまされてなんぼのモンなんですけどね。 [DVD(字幕)] 4点(2015-12-13 22:08:11) |
927. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 期待したほどではなかった、という率直な感想です。イラク戦争を描いた作品は数あるワケです。「ハート・ロッカー」、「リダクテッド 真実の価値」、「華氏911」は観ましたし、他のレビュワーさんが指摘しているものを含め、Wikipediaによれば24本はあるとのこと。その上に新しい色を重ねているとすれば、百発百中のスナイパーが登場したこと。人のいいおじさんのふりして、精密機械のようだ。見所はそこだけですね、なんて観終わった直後は、思っていましたけどね。 しかしなぁ。これを書きながら、ワタシはいったい何を見ようとしていたんだろうと思うと、暗い気持ちになりますね。イラク戦争映画に麻痺しているんじゃないか。何を期待してたんだろう、オレ。 [DVD(字幕)] 4点(2015-07-20 19:16:06) |
928. バグダッド・カフェ
《ネタバレ》 主題曲を聴くための映画があってもいいと思っています。私にとって、「カリートの道」は「You are so Beautiful」を聞くためのものでした。いや、「カリートの道」をおとしめるつもりで言ってるのではありませんよ。8点つけてます。そういうもんだったとしても、いいんだと。本作について。キリキリと甲走った歌声「CALLING YOU」を聞くための110分だったと思っています。それにふさわしい前半、なにやら不穏な風景であったり、ぎくしゃくした人間関係でした。なんかいい感じの神経質なキリキリする雰囲気。しかし、ラスト近くの「バグダッド・ショー」、あれは何だ。「人生をローギアに入れて」「愛があれば大丈夫」。そんな世界観の映画だったかぁ?素人マジックは確かにチャーミングだったが、それだからと言って、こんなに早く宗旨替え(スローライフとか、ラブアンドピースとか)するなよ。あんたらもっと殺伐としてくれてたじゃないか。「なれあいすぎ」と出て行くデビーの気持ちがよく分かる。…あれ、だとするとワタシのこの未消化な感じも織り込み済み?難しい映画です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-04-05 23:55:57) |
929. 小野寺の弟・小野寺の姉
《ネタバレ》 失恋をして涙する片桐はいり(怪優)ってのは、バラエティ番組でクイ気味に芸人と絡んでいく美人女優並に、なんかこう、見てはいけないものを見てしまったという感じがしましたね。告知で見て想像していたのとはまるで違う、乾いてない方の作品。 [DVD(字幕)] 4点(2015-03-28 07:51:51) |
930. かぐや姫の物語
《ネタバレ》 うーん。とっても美しくて才能にあふれているけれども、結婚しない女性がいます。いやあの、ワタシはそういう女性はとても生きづらくて大変なのだと思っています。「美人」という額縁で常に飾られて、一挙手一投足を見守られて。少し冷たくあしらえば、高嶺の花なんて呼ばれるし。動きづらいったらありゃしない。本当の私のことなど知らないくせに。思うがままに生きていたあのころに戻りたい…。ワタシは、昔話「竹取物語」をモチーフにそんな女性を描いた作品とみました。ただなあ。そんな物語を観たいかというとそんなことはなく、観ながら「う、メンドクサイ奴。かぐや姫」とか思ってしまいました。画の質感は好きでした。 [DVD(邦画)] 4点(2015-01-04 13:12:47)(良:1票) |
931. ロボコップ(2014)
監督はブラジル出身。救いようのないバス立て籠もりドキュメンタリー「バス174」を作った人。そんな彼が、「アメリカの映画ってだいたいこんな感じじゃない?」と高をくくって作った映画。アメリカ様が自らの矛盾を薄く批判しているような部分とか、相当ねじくれて皮肉な作品なんじゃないか? [DVD(字幕)] 4点(2014-07-12 17:30:07) |
932. のぼうの城
《ネタバレ》 うーん。最後まで石田三成の人物造形がどうなっているのかわかりませんでした。画面映りは二枚目然としているのですが、出してはならない軍師を出し、誰も賛成しない水攻めをし、撃ってはいけない成田長親を撃つ。大谷吉継に諫められつつも、ダメな矢を何度もつがえる石田三成にガルマ・ザビ(@機動戦士ガンダム)を思い出しました。ラスト近く「あっはっは、負けだ、負けだ。」などと、何かを学んだかのごとくさわやかに言われた日には、部下だったらどう身もだえしたらいいのか分かりません。あんたは陰性の「のぼう」だ。 [DVD(邦画)] 4点(2014-05-15 18:10:05) |
933. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 クーッ、もの足りねえ。せっかくこんなに気持ちのいい球場を作っておきながら、野球そのものの魅力、スポーツとしての特殊性を描かないんだ。例えばスコーンと突き抜けて陽気なところとかダイナミックなゲーム性の高いところとか。グラハムには三塁打を打って欲しかったですよ。ダイアモンドを全力で駆け抜けて欲しかった。 [DVD(字幕)] 4点(2014-03-02 06:48:26) |
934. 88ミニッツ
《ネタバレ》 うーん、これはどうなんだ。まず異常犯罪分析医のジャック・グラムがステキすぎて鼻につく。そんな彼が88分の命を宣告されるもんだから、そこで一気に血圧が上がりました。が、しかし。その後のドタバタがこれでどうして犯人に行き着くの、という迷走ぶり。一枚上手の犯人のシナリオのお陰で、最後の地点にたどり着き、ああいう風な大団円を迎えるワケですが、カタルシスなし。ケッ。これなら、88分のすったもんだの末、命乞いをし、偽証の件もクチを割ってしまい、社会的生命を終えるってのでどうだ。黒幕は、部下であるシェリー・バーンズ。内部告発。二枚目は酷い目に遭ってしまえ、と思っているオレは今、あんまり良くないかも知れない。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-22 00:05:09) |
935. パシフィック・リム
《ネタバレ》 かっこいいと思えるシーンがないんだ。入れ込みたくなるロボット、怪獣がいないんだ。だから、見世物小屋に行ってきた感じです。なにかほめたいんだけど、芦田愛菜がうまかったというのがやっと。3D吹替にて鑑賞。 [映画館(吹替)] 4点(2013-09-01 22:05:19)(良:1票) |
936. 復讐するは我にあり
《ネタバレ》 最後の父親との面会シーン。ただ、罪のない人たちを殺めた男が、死刑になるだけと榎津は言う。その通り、本作は、我利我利の男がその場の思いつきで人をだまし、衝動で人殺しをしたあげく、ついに捕まっただけの話だ。榎津には理由はない。そういう殺伐とした話ということであればそれはそれでいいのに、「復讐するは我にあり」という何か突き詰めた男がコトに及ぶようなタイトル。肩すかしを食らうんだ。粘着質で人間くさい今村ワールドは堪能できましたけどね。 [DVD(邦画)] 4点(2013-07-21 07:37:46) |
937. みなさん、さようなら(2012)
《ネタバレ》 あれー、思ったよりもそうでもなかったぞ。中村監督も濱田岳氏も好きなのに。手堅いコンビのはずなのに。団地で生きていくことを決めた理由はいらなかったんじゃないでしょうか。種明かしが重すぎて、その後の展開にうまく乗れない。ただの団地好きの変わり者で良かったのに。作中でケーキ屋の親父さんが語っていたとおり、ただ単に「団地の中で一生を終える。広い世の中、そんなヤツが一人くらいいても」よかったんじゃないでしょうか。悟がドキュメンタリーの題材として扱われるシーンなどは好きでした。あと大塚寧々さん。なんかいい感じでした。 [DVD(邦画)] 4点(2013-06-15 00:13:14) |
938. 天使にラブ・ソングを・・・
《ネタバレ》 有名なんだけど、手が伸びなかったのはこの邦題のせい。観なくてもだいたい分かったような気にさせてくれます。で、見終わった後には、こんなもんだったんだな、と思っちゃう。ヘリポートで割としたたかなところが良かったので、修道女たちにはデロリスが舌を巻くくらいのクセのあるシーンをもう少し見せて欲しかったです。 [DVD(邦画)] 4点(2013-02-23 16:36:02) |
939. 洲崎パラダイス 赤信号
《ネタバレ》 ろくでもない男女の愛憎劇だから、もっとデロデロするもんだと思うのですが乾いている。因果応報とか一宿一飯の義理とかがまるでない不思議な世界。だから、なんかこう、感情移入できる登場人物がいないんだ。 [DVD(邦画)] 4点(2012-12-29 07:21:41) |
940. さや侍
《ネタバレ》 ひとはたいがいのモンから逃げられるけど、親であることからは逃げられない、というお話と解釈しました。「首が~戻った」のときのうれしそうな野見勘十郎。我が子のために鉄板ギャグをやるときの父親の顔です。ただ、面白いかというと、うーんですね。 [DVD(邦画)] 4点(2012-11-04 17:52:56)(良:1票) |