941. 吸血鬼ゴケミドロ
初見。血みどろの後家さんが浮かんだ「ゴケミドロ」 R指定じゃなかったというのが信じ難い悪趣味な描写はよくこんなものにOKが出たものだと呆れる酷さ。お遊戯会のような台詞回しが聞くに堪えず。製作年時を差し引いても安っぽい映像が観るに絶えず。起承転結の適当さも役者さんが気の毒に思えるえげつなさ。反戦メッセージもこんな代物では響かない。トンデモな題名の斜め上を行く大駄作。 [DVD(邦画)] 1点(2021-04-07 02:08:38)(良:1票) |
942. ラスト・ムービースター
「ロンゲスト・ヤード」での雄姿が忘れられないバート・レイノルズの遺言とも思える作品。浮き沈みはあったとしてもハリウッド大スターの悔恨模様は、我が身の沈みっぱなしで間違いだらけの人生を思い知らされて堪らなかった。最後に救いの手を差し伸べてくれてはいるものの・・・・・・・・ [DVD(字幕)] 8点(2021-04-06 04:33:30) |
943. エンジェル・オン・マイ・ショルダー(1946)
「幽霊紐育を歩く」の二番煎じ作品。地獄界の主である悪魔のニック(クロード・レインズ)が、裏切られ殺され地獄に落ちて来た悪党ギャング(ポール・ムニ)を利用して自分を地獄に落とした判事(ポール・ムニ)への私怨を晴らそうという導入部に期待急上昇。しかしながら、瞬間の憎悪の表情(流石の演技)に比例しない姑息な復讐に醒めてしまいました。鑑賞後に分かった監督とポール・ムニの撮影時ことごとく対立したというのに、間に入ったレインズは何を思ったのだろうか。キャラ上対等な立場で俺様キャラのムニが度々言い放つ「ニヤニヤ笑うんじゃない!」に対してのレインズの微笑は素での嘲笑だったのだろうか。気になるところです。結末と共に総じて今一つな作品です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-04-05 23:22:15) |
944. ダーティ・ダンシング
《ネタバレ》 初見。青臭く且つ瑞々しい青春模様、並びに、洗練・優雅とは無縁ながら躍動感溢れるダンスシーンが眩しい。ラストシーンでパパ・ママ、爺さん婆さんも踊る姿に寂しい思いが癒されました。余談ながら、5月21日から劇場公開されるようで、更なる感慨に浸る事になりそうです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-04-05 23:16:43) |
945. さらばベルリンの灯
ジョージ・シーガル(2021.3.23 没)アレック・ギネス、マックス・フォン・シドー、ジョージ・サンダース、いぶし銀の面々が織りなす諜報戦は華は無くとも緊張感に満ちており画面に釘付け。登場時から「もしかしてこの女性は」との思いが離れなかったインゲ(センタ・バーガー)のラストシーンが余韻を残します。やるせなさを掻き立てられる特筆もののジョン・バリーの音楽と共に記憶に残る味わい深い良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-05 14:15:28) |
946. ヨランダと盗賊
基本、アステア作品に脚本の質は求めないのですが、ファンタジーであっても守護天使を絡めた設定展開の幼稚さに白け返る代物です。それを補う筈のダンスシーンも、間引運転・徐行運転状態で萎えるばかり。興行収入惨敗でアステアが引退宣言をした(後に復帰)というのも頷ける残念な作品です。 [DVD(字幕)] 3点(2021-04-05 13:42:29) |
947. ハイネケン誘拐の代償
《ネタバレ》 詐欺的な広報戦略に引っかかりました。客寄せアンソニー・ホプキンスにガックリ。被害者側&捜査当局側の描写皆無での展開結末に「ああ、そうですか」としか思えません。ハイネケン・グリーンボトルはさっぱりとした美味しさなのですが、本作はサッパリでした。 [DVD(字幕)] 3点(2021-04-05 09:37:17) |
948. フランス組曲
《ネタバレ》 禁断の恋愛模様以上に、「戦争は人の本性を剥き出しにする」劇中の台詞そのままの人々の丹念に描かれた姿に感じ入るものがあり、特に子爵の無残な姿に陥る過程が強烈な印象を残します。エンドクレジットの作者の化身である手稿に+1点。格調ある作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-04 04:01:11) |
949. しあわせはどこにある
豊かな毎日を送っている精神科医ヘクターが、幸せとは何かが分からないと患者のカウンセリングが出来ないと痛感し幸せ探しの旅に出る物語。中国:ステラン・スカルスガルド、アフリカ:ジャン・レノ、LA:クリストファー・プラマー。この3人目当ての鑑賞でしたが、顔見せゲスト出演で何一つ響いてこないキャラクターでガックリもいいところ。それぞれの地での体験から得た幸せに異議はありませんが、沁み入る事も、よりどころになる事も無く。製作意欲は窺えるものの平板な作品です。 私的には幸せだと思った瞬間が不幸の始まり、逆も然り、であります。 [DVD(字幕)] 6点(2021-04-03 02:40:02)(良:1票) |
950. 真昼の暴動
《ネタバレ》 刑務所脱獄話に付き物の裏切り者とサディスト当局。生きる価値無い裏切り者の最期を淡々と眺める。それ等を操る看守長を演じるヒューム・クローニンが本作MIP。見た目から言動からまさに蛇蝎の如しであって、好々爺のイメージしかないのでビックリの好演。デビュー2作目のバート・ランカスターの一本調子の固い演技と作戦のアバウトさに気持ち高ぶらず、真っ昼間の強行突撃での暴動模様はナチスもの戦争映画のようで目がテンに。結末のやるせなさを味わっていたところへの先生の台詞は「言わんでいい(怒)」蛇足の極み。ジュールズ・ダッシン監督に期待大だったのが肩透かしを食った作品。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-31 14:59:53) |
951. 幽霊紐育を歩く
《ネタバレ》 「天国から来たチャンピオン」の元ネタ作品でほぼほぼ忠実にリメイクされています。 ベルベット・ボイス vs ハスキー・バリトンボイス 滋味深い「無冠の帝王」ジェームズ・メイソンと威厳と茶目っ気が同居する「元祖 無冠の帝王」クロード・レインズは甲乙つけられなく、二人が37年の時を経て同じ人物を演じている事が何とも感慨深い。 その他でも大きな差は無く、運命のほろ苦さを現した傑作の元ネタも傑作であり、リメイクにおいてウォーレン・ベイティがオマージュを捧げている事が良く分かる逸品です。 [インターネット(字幕)] 9点(2021-03-29 15:57:06) |
952. ブラザー・サン シスター・ムーン
初見。後悔しか浮かんで来ない過去、澱みきってくたびれ果てた現在、希望が浮かんで来ない将来。 この歳で観た本作に心洗われる思いです。 とりわけ歌に。 贅を極めた聖職者の頂点たる教皇(アレック・ギネス)の神に仕える初心を思い出したかのような振る舞いは、重みがあるシーンでした。 心の拠りどころの一つとなる秀作です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-29 15:41:16)(良:1票) |
953. 情熱なき犯罪
《ネタバレ》 クロード・レインズのデビュー2作目にして本格的俳優人生がスタートした作品。敏腕弁護士の皮を被ったペテン師を淀みなく演じています。窮地に陥るともう一人の自分が現われて叱咤激励する演出はエドワード・G・ロビンソン作品(どの作品か思い出せない)でもあり、更に嫌悪感が募ります。丹念に積み上げてきた積み木を丸ごとひっくり返すような結末に「何じゃそりゃ?」と呆れると共に、ダークヒーローらしからぬ惨めっぷりが絵になる姿でありました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-29 12:45:32) |
954. 情熱の友
《ネタバレ》 デヴィッド・リーンお得意の不倫モノ。ロンドン屈指の銀行家ハワード(クロード・レインズ)、年の離れた妻メアリー(監督夫人アン・トッド)、将来を嘱望されている妻子持ちの青年科学者スティーヴン(トレヴァー・ハワード)による丹念に描かれた三つ巴の愛憎劇はハワード貫禄の完勝で幕。他愛ないメロドラマであっても「愛して欲しいと願った事はない」言葉とは裏腹な煮えたぎる嫉妬心を静かに見せるクロード・レインズに魅入りました。 余談ながらヘンリー8世を超える結婚7回というクロード・レインズの愛憎模様も波瀾万丈だったのでしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2021-03-29 06:01:16) |
955. ナイト・アンド・ザ・シティ
《ネタバレ》 1950年版が未見状態で本編だけを観ればペラペラ喋り倒すデ・ニーロの持ち味が良く出た可もなく不可もなくと言ったところ。しかしながら、エンドロール冒頭での「ジュールズ・ダッシンに捧ぐ」にこんなのを捧げないで欲しいと言いたいです。とりわけラストでのデ・ニーロのテヘペロ感が腹に据えかねます。 [DVD(字幕)] 3点(2021-03-28 03:39:42) |
956. 狼男(1941)
《ネタバレ》 「透明人間」「オペラの怪人」のクロード・レインズがどのような狼男を演じてくれるのか、はち切れんばかりの期待は空振りに。しかしながら、狼男になってしまい、無自覚に人殺しをしてしまう息子の恐怖感を分かろうともしない超絶厳格な貴族役は見応え満点。この世との別れを覚悟した息子に持たされた銀のステッキを狂ったように振り下ろし続けるシーンからエンドマークまであまりにも切ない姿でありました。品格漂う怪奇モノの金字塔たる傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2021-03-28 03:21:16) |
957. KAFKA/迷宮の悪夢
ジェレミー・アイアンズ、アレック・ギネス共演と言うことで鑑賞。理不尽系統の物語に相応しい二人は美しいモノクロ映像(+1点)に映えるのですが、置いてけぼりを食らった感で歯痒い思いであります。カフカに精通している方には楽しめるのでしょうか。本筋から外れますが「君が出世できない理由は、機械的に仕事をしているだけで、自分から仕事に興味を持つことをしないからだ」には激しく同意するところです。 [DVD(字幕)] 5点(2021-03-26 06:58:28) |
958. ウエストワールド
1973年での着想に感嘆します。冒頭で「見たことあるけど誰だったか?」気になって一旦停止して確認した「シーラ号の謎」でジェームズ・メイソンと渡り合っていたリチャード・ベンジャミンは可も無く不可も無く。そのまんまクリスのユル・ブリンナーの彼ありきで作られたかのような圧倒的な存在感に尽きます。少し腹が出てはいますが騎乗姿はビシッ!と決まっていて、猛禽類の眼差しは相変わらず強烈。「ターミネーター」の元ネタ(に違いない)姿で何処までも迫り来る様は忘れられない恐ろしさ。テクノロジーの暴走を考えさせられた秀作です。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-26 06:32:23) |
959. 脱出(1972)
《ネタバレ》 初見。急流下りのサバイバルものだと思っていたのが、殺人が絡んだ話だったというのに仰天。「豚のように鳴け」は特筆もののえげつなさ。このシーンをはじめとして映像の生々しさと迫力が強烈な印象を残します。人間の見た目と異なる本質を浮かび上がらせる展開もお見事。しかしながら、人里離れた所に住む人々の描写と罪のほっかむりを許す結末がいけません。幻滅です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-24 02:12:16) |
960. 風雲児アドヴァース
《ネタバレ》 終わってみれば、ドン・ルイスが誕生したアドヴァースを修道院の門前に遺棄するまでが本作の見どころでした(+2点)。成長したアドヴァースの血沸き肉躍る活躍にいやが上にも期待が膨らんだのですが。都合良過ぎる展開に於いてキャストの青臭い芝居をダラダラ長時間見せられた果てのしょうもない結末に開いた口が塞がりません。一体これのどこが風雲児なのか問い詰めたい邦題にも呆れるところです。いくら超絶男前であっても本作のフレデリック・マーチはダメでした。 2021.3.23 追記 「かなりのコケ具合」作品の中にあってドン・ルイスだけはその憎たらしさが妙に印象に残っていました。クロード・レインズだったというのが先ほど分かりました。「エーッ! 本当に?」と言うことで再見。「本当や!」あの少しかすれた感じの声(WW1従軍時のガス攻撃で右目失明と共に声帯が傷ついたそうです)はまさしく彼のもの。 憎ったらし~さが活かされていない脚本がやはり残念ですが、「損はしていないかな」と言うことで3点追加です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-03-23 04:08:36) |