81. 裏窓(1954)
現代の捻ったサスペンス映画やスリラーを見慣れている者としてはあまりにストレートで物足りないといわざるを得ない。名作は名作だが懐メロや骨董品的な趣きはあっても時代を越えられる芸術品的なパワーは感じられなかった。 [DVD(字幕)] 3点(2009-05-06 13:33:18) |
82. パップス
「俺たちに明日はない」と「狼たちの午後」に影響された13歳の少年とその恋人が偶然手にした銃でなんとなく銀行強盗。FBIのバート・レイノルズと電話口で対決というシンプルな内容。アル・パチーノばりのオーバーアクトでキレまくる少年に恐れおののく大人たち。銀行を襲う明確な理由もなく「なんとなくやった」という思考と突如として「キレる」狂気は理解不能な恐怖があります。当然こんな主人公に感情移入の余地など用意しておらず、最後までとことん突き放した視点の映画ですが少年犯罪の理由なき犯行が問題化するご時世、ある意味当然の描き方ではあると思います。淡々と事件を見守るようなスタンスでありながらカメラワークの良さもあり様々な立場から事件を体験するような臨場感はありました。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-04-08 20:58:57) |
83. 1408号室
《ネタバレ》 1408号室に入るまでは面白かったです。単なる恐怖体験ではなくトラウマを抉り出し精神的にも追い詰め、無間地獄で自殺に追い込むという趣旨はわかるんですが、なんとなく中途半端に感じます。単に娘が病気になり亡くなってしまった時のことを見せ、思い出させる(追体験させる)だけでは精神的に追い詰めたことにはならないでしょう。もっと主人公の呵責や後悔を煽るようなものでないと終盤に娘(の幻?)が出てきてもあまり意味がないのでは。クライマックスも部屋を燃やすだけで生き延びてしまう肩透かしっぷり。単にお化け屋敷で怖がるジョン・キューザックを見ているような感じでした。そもそも「世にも奇妙な物語」+「松本人志・ひとりぼっちの廃旅館一泊二日の旅」みたいな話を映画にする必要があったのかが疑問。 [DVD(吹替)] 4点(2009-04-02 22:31:48)(良:1票) |
84. クリーン、シェーブン
精神分裂症の男の行動を淡々と映し出す一種のアートフィルム。ストーリーもあってないようなもんだし撮影も自主映画っぽさ丸出しでかなり退屈。90年代はこういう映画を作っては注目され、すぐに消えた映像作家がたくさんいた気がする。 当時は刺激に満ちていたであろうこの映画も今となってはずいぶんと色褪せて見える。 [ビデオ(字幕)] 2点(2009-03-22 19:33:05) |
85. ゴーン・ベイビー・ゴーン
家族で観たんですが、観終わった後に軽く討論会になりました。次の日には内容を忘れてしまうような映画が多い中で、観た人同士でテーマについて討論できる映画というのは貴重です。主人公の行動については観た人それぞれに賛否があって然るべきだし、そうなってこそ問題提起。初監督作にしてこの重量感。なんだかイーストウッドの映画を観ているような錯覚にも教われました。 [DVD(吹替)] 6点(2009-03-20 23:25:13)(良:1票) |
86. ハード・デイズ
かなりブラックな内容。少年みたいなノーマン・リーダス、ヒップホップ・ファッションのエイドリアン・ブロディ、デボラ・ハリーの怪演などは見ものなんですが如何せんストーリーが弱い。主人公のその母親の特殊なキャラの描きこみばかりが強く映画の軸となる出来事やピークとなる展開がないんですよね。ピークを待っている間に映画が終わってしまう感じでした。ノーマン・リーダスファンの女性はマストな映画ではないでしょうか。 [ビデオ(字幕)] 4点(2009-03-20 20:48:06) |
87. ハンニバル・ライジング
復讐劇&サイコサスペンスとしては面白い。しかしこれがハンニバル・シリーズの1作なら話は別。この映画で描かれている青年が年老いてもあのハンニバル・レクターになるとは思えない。 [DVD(字幕)] 5点(2009-03-20 20:44:43)(良:1票) |
88. ザ・トーチャー 拷問人
これは「スポーツキル」と並ぶダメホラー。やる気のない撮影と演技で緊張感はゼロ。複線と思わせるような意味ありげな描写がホントに意味がなくてビックリ。主人公がウロウロするだけのクライマックスはまさに拷問なみの退屈さ。 [DVD(字幕)] 1点(2009-02-26 15:22:18) |
89. ジェヴォーダンの獣
《ネタバレ》 こんな話に138分も必要とは到底思えない。とにかく主人公の恋愛ドラマが余計。ヒロイン(とその兄)とかいらないっしょ。ようやく獣とのバトルが始まるころにはこちとら飽きちゃってんだよ。しかも主人公いきなり強くなってるし。一番の見所がモニカ・ベルッチのヌード(どうせならこっちに時間使えや)だけでは悲しすぎる。 後で知ったけどヒロイン役って「ロゼッタ」のエミリー・デュケンヌだったんだ・・・全然気づかなかった。 [DVD(吹替)] 2点(2009-02-17 11:41:49)(良:1票) |
90. ゆれる
《ネタバレ》 兄弟間の軋轢に法廷ドラマを絡めて重厚なつくりにはなっているんだけど、いまいち。都会へ出て好きなことをやる猛と田舎にとどまり家業を継ぐ稔。という図式が短絡的に感じてしまったのが原因かも。つーかドラマとしては使い古されてるでしょ。二人の微妙な心情も自分には感じ取ることができなかった。全体的に役者の演技(とくに香川照之)に助けられている印象でした。 [DVD(邦画)] 6点(2009-02-08 19:24:08)(良:1票) |
91. フューチャー・ゲーム
《ネタバレ》 ボンクラゲームオタクが仲間集めて最高のゲームづくり!というシミュレーションロールプレイング映画。チャプター代わりにレベルがあったりアクションシーンをプレイ画面風にするなどゲーム好きな人には楽しめるかもしれません。ハードがプレステ2ってのが時代を感じさせます。ストーリーも王道を外さない手堅さ。取り立てて凄いところは無いけど安心して見れる娯楽作でした。 [ビデオ(字幕)] 4点(2009-01-25 22:26:29) |
92. マークスの山
サスペンスとしてはなかなかの見ごたえ。様々な事象が天と線で繋がってゆく展開はスリリング。バイオレンス描写も鋭く、特に自らの罪を消し去ろうと目の前の敵に闘争本能を剥き出しにする小林稔侍のファイトはかなりカッコイイ。警察側のゴタゴタは明らかにいらないでしょう。水沢の行動にもいまいち説得力が感じられないことが多く原作を読まないと理解できないのかも。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-01-24 15:13:13) |
93. ICHI
《ネタバレ》 「盲目の剣客」を綾瀬はるかが演じるということで彼女の大立ち回りや殺陣が観れると思って期待したがあまりにも少なくて残念。倒す敵もせいぜい中ボスくらいなんだもん。クライマックスの対決も獅童が弱ってるわけだから勝って当然。もっと盛り上がる見せ場が欲しかった(聴覚が優れているという設定をもっと生かすべき)。大沢たかおの刀の抜けない原因はメンタル面なのに物理的(鞘が引っかかってるみたい)に抜けないような演じ方で変。まあ、飽きずには観られたし綾瀬はるかのファンなのでこの点数。 [映画館(邦画)] 5点(2009-01-22 22:15:43)(良:1票) |
94. ジャンヌと素敵な男の子
《ネタバレ》 エイズという重い題材を軽妙なミュージカルにしてしまうセンスはスゴイがバランスが悪い。誰とでも寝たがる尻軽女ジャンヌがエイズの青年と付き合うことで変わってゆくのかと思いきや最後まで尻軽なので全く感情移入ができない。病気で変わり果てた自分を見せたくないという彼の意志を知り、本当の愛を見つけたのならジャンヌにそれなりのリアクションをさせるべき。それが他のナンパ男と寝るってのはありえないでしょう。これがリアルだって言いたいのならこんな映画つくる意味ない。結局エイズというテーマを語る気はなくラブストーリーを盛り上げるための要素としてしか捉えていないのは問題。内容はこんなですが、ヴィルジニー目当てなら一見価値ありです。ダンスあり(歌は吹き替えっぽい)全裸ありチャイナドレスありとその美しいお姿を存分に拝めます。 [ビデオ(字幕)] 4点(2009-01-15 15:54:59)(良:1票) |
95. ボスニア
主人公だけでなく籠城した隊員それぞれのドラマを時間軸を分解し、丁寧に描いていくという変わった演出。トンネルの中の極限状態で次々と死んでゆく隊員たちの姿は強烈で一度観たら忘れられない。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-12-29 11:50:47) |
96. スポーツキル 地獄の殺戮ショー
こんな映画よく劇場公開に踏み切ったもんだわ。俳優の演技をただ撮ってるだけの演出と呼べない演出。シーンの移り変わりも不自然で話がつながってないし、登場人物の行動も意味不明すぎ。「SAW」やら「ホステル」やらに触発されたオタクが遊び半分で撮ったような自主映画。みんなでギャーギャー騒ぎながら観れるようなイベントムービーにすらなっていない。ブヨブヨが売りのグラビアアイドルが脱衣ゲームをする特典映像のほうが楽しいって一体どういうことよ?? [DVD(字幕)] 1点(2008-12-12 17:20:17)(笑:1票) |
97. HOLE/ホール(2005)
《ネタバレ》 覆面男二人組によって井戸の中に監禁された男のお話。ほんの少しの食料くらいしか与えられず何日も監禁されたあげく最後まで覆面男の正体も監禁目的も明かされずに開放されます。絵に描いたような狐につままれた気分になります。覆面男の片割れが良いヤツだったりするのも謎です。おそらく真相などはなく監禁された男の心理を疑似体験させることがテーマなんでしょうか。妙にインパクトに残る映画ではあります。 [DVD(吹替)] 3点(2008-12-08 10:23:33) |
98. ボンテージ・ポイント
宣伝文句はSMを題材にしたエロティック・サスペンスを謳っていますが大嘘。「ディボース・ショウ」や「隣のヒットマン」あたりに近い軽めの犯罪コメディです。出来としては可も不可もなくという感じ。リーリー・ソビエスキーの女王様コスプレ(ジャケのような過激なのはないけど)がなかなかカワイイので、彼女のファンの人にはかなりオススメです。 DVDのキャッチコピー「このヒールの1踏みで、あなたは8回昇天する。」は一体どういう意味でつけたのかとか、なぜ8回なのかとか今でも謎。 [DVD(字幕)] 5点(2008-12-08 09:48:13) |
99. 悪魔のシスター
若き日のデ・パルマの才気が爆発しまくった超絶技巧の数々を堪能しました。すばらしいスプリットスクリーンやカメラワークを見るだけでも価値はあり。これでストーリーがまともだったら傑作だったのに。 [ビデオ(字幕)] 5点(2008-12-06 00:09:16) |
100. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 これは驚きました。TVドラマのスケールアップ版などではなく見ごたえのある「一本の映画」に仕上がっています。堤真一の濃密な演技が全体を引っ張っていますが、そこに絡む福山雅治のドラマでのキャラ作りが生かされた良い意味での「軽さ」がまさに黄金比のバランスを保っており他にはない独特の雰囲気を醸し出していました。柴咲コウは一見存在感皆無ですが、観ていて疑問に思ったことを湯川に代弁してくれるので助かりました。気になったのはダンカンの胡散臭さと石神が自殺を考えるほど生きることに絶望していたようには見えなかったことくらいか。 [映画館(邦画)] 7点(2008-12-01 19:40:06)(良:1票) |