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サーファローザさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 111
性別 男性
自己紹介 日本映画好きです。以前、Yahooブログに1000本掲載していたのが削除されてしまいました(涙)DVDよりスクリーンで観た作品の方が点が高い傾向にあるようです。月に3・4回は東京にある名画座に通ってます。

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81.  足にさわった女(1952)
まず第一印象が「これって52年の作品?」この軽いテンポとユーモアがある展開は当時としてはかなり先を行ってると感じた。アメリカ喜劇的な雰囲気を醸しつつ、キャラクターを日本的個性でやっているので市川流になるのでしょうか。その個性溢れ過ぎるキャラクター達。女スリ役の越路吹雪は、スリといっても良くある「変幻自在」というものではなく、彼女の動作などの個性で持たせてしまう。これはお見事!「次郎長シリーズ」でも笑わせるし、名コメディエンヌですね。彼女の個性を生かすためか刑事役の池部良は平淡な演技に徹した感じで、飄々としていだが、時に大胆な事をシデかしてそのギャップが面白い。そして、なんといっても小説家役の山村聡!あの渋いおじさんがオネエ言葉を操る、柔らかい志茂田○樹のようなインパクト。「ねええ、いいでしょう」って、他の山村聡の作品を観ている方は爆笑しまくりでしょう。越路の弟子分となる伊藤雄之助の間の入れ方も流石(この二人は10年後に岡本喜八「ああ爆弾」でまた笑わせますね)。この二人が居るだけで何かを期待してしまう。市川作品は現在再DVD化がされてますが、初期の作品も加えて欲しいですね。 
[映画館(邦画)] 7点(2007-10-11 13:13:55)
82.  婚期 《ネタバレ》 
高峰三枝子演じる姉に、船越英二と京マチ子の夫婦、婚期を逸し焦っている感じの次女・若尾文子、恋愛と結婚は別と割り切っている妹・野添ひとみ。戦後から立ち直りつつ、ゆとりも出始めた中級階級の家庭が舞台なんですが、うーん、この家族はもう、手を付けられませんな。高峰除くみんなが自己中心的なエゴイストでして・・・それぞれが自分の事しか考えていないので、あらゆる所で衝突が起きる。特に京マチ子 × 若尾・野添姉妹 のいじめ合いは見ごたえ十分ですね。そして、みんなからあれこれ使い回しにされる、先代から遣えてきた女中・北林谷栄婆さん。彼女のドスの効いた台詞回しや、さりげない皮肉がとても面白かった。さすが「婆役の帝王」!どうも、お疲れ様でした(笑) 宮川一夫のカメラも、色んな工夫を凝らしていて面白い。  
[映画館(邦画)] 7点(2007-09-03 13:11:41)
83.  折鶴お千 《ネタバレ》 
お千が警察に捕まり宗吉と別れるシーン。「姉さんが魂をあげます」【胸から口で折り鶴を運びフッと飛ばす】「空より高くきっと出世をして下さい」サイレントなのに泣かせてくれます。スクリーンで観た時にビデオでは気付かなかったシーンがありました。最後に宗吉がお千に再会するシーンで、まずは宗吉の視線、お千は完全に精神崩壊しており表情にかつての優しい目はない。そして視線がお千へ移動し、また戻る、そうすると宗吉の姿が上半身を残し輪郭を闇にすることで境界がない。これはお千の視線で宗吉の「幻覚」でだと思うのですが、まさに幽幻。病室内の空間の中で、キャメラ移動のみで「現実」と「幻覚」を描写している。溝口さん凄いなあ、と思いました。
[映画館(邦画)] 7点(2007-09-03 11:55:37)
84.  夜の素顔
京マチ子の「当たり役」と思えるほど彼女の演技も良かったし、役も合っていますね。 彼女は若年時に親に死なれ・売られ転々としながら育った過酷な環境を経験しており、「成功」のためにはあらゆる手段をもいとまない女性。新藤さんの脚本はこういう作品が多いのですが、今回は悲劇調ではなく、「一人の女性」として描ききっている所に好感が持てた。彼女は常に向上心を持ち、前を向いている。そこには昔味わった「無一文の地獄」を二度と味わいたくないという背景があるのですが、それだけに【エゴ】が美しくも醜くも剥き出しとなります。  そういう、彼女の人生も「しっぺ返し」をくらいます。朱美の一番弟子である若尾文子の「したたかさ」は、まさに朱美に近い人物像で、同じく貧しい過去を持ち、トップに上がるためには手段を講じないのです(京マチ子よりは上品差がある人間に設定)。  その二人の衝突を観るだけでも面白い。ここは役者を信頼しての脚本なんだと思います。 そして、関西最強オバサン・浪花千栄子に驚愕させられました。 (池袋・新文芸座)
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-30 14:44:51)
85.  石中先生行状記(1950)
青森、岩木山の麓弘前を舞台に、原作者(石中先生)が見聞したエピソードを綴る三話からなるオムニバス映画。成瀬監督にしては(失礼?)、肩の力を抜いて観れて、かつ、ユーモアと田舎の純粋さ暖かさをも丁寧に演出しています。特に第二話と第三話が素晴らしくて、第三話の若山セツ子の清廉で明るい女性がよいし、髪の毛をぴたっとポマードで押さえつけた三船敏郎には爆笑させていただきました。青森(私の故郷であります)に、本当に居そうな「しゃべるのが苦手なシャイで暖かい青年」でしたね。実際、三船さんってああいうタイプの人じゃないかなとも思った。田園風景をバックに若山と三船、そして村の人間との面白い交流は暖まります。観終わった後、とても清々しい気分に。
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-14 17:04:28)(良:1票)
86.  グラマ島の誘惑 《ネタバレ》 
ずっと映画館で観たかった作品。とても奇妙な映画だった。ドタバタ喜劇を押し出したわけでもなければ、痛烈な風刺を込めている訳でもない。無人島に不時着した皇族である森繁と弟・フランキー堺と軍人・桂小金治、そこに従軍婦と何故か従軍女性記者がいて、奇妙な生活が始まる。従軍婦らは本土に帰ったら勲章を貰えるという期待を胸に森繁・フランキーらに仕えるのですが、これは典型的な戦前国民の象徴か。  淡路・岸田の従軍記者らは胡散臭さを感じ、彼らとは群を離れる。食料が無くなり、従軍婦らが栄養失調からマラリアにかかる。その時、岸田・淡路は清潔なワンピースを羽織って登場、B-29の残骸から食料・衣料を調達していた。不満の溜まっていた従軍婦らは、岸田今日子に乗せられてクーデターを起こす。民主的な生活を営むことになった。各自、食料調達部、栄養部等々割当てがあるのだが、ちゃっかり森繁が端っこで「宴会部長」となっているのには笑えた。  もう三橋達也の土人なんて笑うしかない。本土に帰ってから以降のシーンについては、なにか「社長シリーズ」に落ち着いた感じがした感じで蛇足気味。また、皇族批判等のメッセージについてもちょっと意識し過ぎた感じがした。  島で女性陣が笑いながら踊り回るシーンが印象的で、淡路恵子・浪花千栄子・春川ますみはまあ解るんですが(笑)、八千草薫・岸田今日子までもが、あの輪で楽しく踊っているというのは奇跡としか言いようがない。豪華メンバーの中でも彼女達の演技を堪能できるだけでも楽しい。そう、要は、あまり皇族批判とか、原水爆への抗議といった政治的メッセージを忘れて、豪華メンバーの演技を楽しめば良いのかもしれない。
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-02 12:17:14)
87.  銀座二十四帖
ここまで、銀座の街を徹底的に撮るとは・・・ もう物語云々よりも「銀座を撮る」という方を優先しているようにもみえる。森繁さんのナレーションも銀座の歴史・広さなどの統計や全国の「○○銀座」まで様々な角度から調べ、紹介しているし、ヘリで銀座の全景を撮ったりしている。 ジョッキーとして森繁久弥を起用したのは成功だと思う。  その分、物語については面白味は感じなかったが、街を舞台としているので川島さん得意の演出(狭い所で動かす)は発揮しずらい環境もあったかと思う。 その中で、北原三枝は素晴らしい。美しい容姿にときにはコミカルで溌剌とした動きが凄く好感が持てる。彼女がズッコケル、三越のモデルショーのシーンなんかは最高でした。 銀座をここまで撮った作品は他には無いという意味で価値はあるし、楽しめる一品でもある。(NFC「川島雄三特集」)
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-01 12:44:26)(良:1票)
88.  楊貴妃 《ネタバレ》 
昔映画館で観た時は寝てました。今回、DVDで鑑賞しました。 楊貴妃について詳しく解らない(鑑賞後に少し勉強)のですが、香港チームとのタックで脚本や時代考証にも向こうの名前があるので、考証は徹底的にやったんだと思いますし、それをしっかり再現しているのだと思われます。  しかし、それがこの作品では窮屈なものになった印象を持ちました。  楊貴妃が自らの意思で成り上がったわけではなく、担ぎ上げた楊一族が成り上がってそれが群衆・兵士達の不満・反乱に繋がる訳で、楊貴妃を「悲劇の主人公」として描く形。 溝口健二はこれまで女性内面の美や醜らを描写(献身愛・不義の愛、転落・復活、救済、、、)するのが上手いと思いますが、今回は、人形のような皇帝と貴妃ですので表面をなぞっただけになってしまった感が。それは、脚本が日本語は仕方ないとしても旧派調ぽい(確かに時代は古いが)というのもあるし、そもそもこの考証どおりの設定では描けないのかなとも思う。 いっそ、楊貴妃が民の不満や皇帝の安定ために成り上がった楊一族を断罪してしまうとか、逆に権力の恐怖がゆえに暴君となってしまうとか、史実と違えども彼女が変貌する契機を設けるか、もしくは、楊貴妃に絡む山村聰や進藤英太郎や山形勲のところをもっともっとエネルギーある悪人に仕立てないとなかなかキツイかなと思った。  最後のナレーションは雨月物語のようだし、雨月では改心した小沢栄太郎もこちらではのし上がって殺される役で本領発揮?だったかな。
[DVD(邦画)] 6点(2018-01-21 04:12:48)
89.  黒の奔流
山崎努・岡田茉莉子の名優の演技の良さを生かしきれていない印象も。田宮二郎が演じそうな出世意欲に飢えた弁護士が女中を弁護し救済したことで変調していく、そこには松本サスペンスの妙もあって面白い展開なんですが、何かが噛み合っていないっすね。岡田茉莉子(無論大好きな女優)の格の高さが、女中~ストーカーという役柄には不具合だったのか?時に砕けてしまう渡邊監督の演出にあるのか? 最後の湖でのシーンもコメディに近い演出にみえてしまいましたね。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-01 11:41:16)
90.  どん底(1957)
役者が強く喚いたり、強い主張をしたりする黒澤明の演出の一部にはロシア文学の影響を感じます。特にゴーリキあたり・・・この原作は未読ながら、やはり、劇のような台詞回しが黒澤演出を感じさせます。これが、時代劇であれば良いのですが、現代劇とかになるとどうも違和感を持ってしまう。それに、「白痴」でもそうなんですが、ロシアの原作をした場合、舞台設定が消化不良で役者達の巧い演技が作品の質をなんとか高めているような印象があります。山田五十鈴の狂人ぶりなどは、なんか日本・江戸?という設定とは離れているような気がする。面白いのだが私にはなにか引っ掛る作品でした。 私個人の推測ですが山中貞雄の「人情紙風船」を意識しているのかな?と感じさせるシーンがいくつかありました。山中貞雄はさらりとみせている(庶民的な世界)のに対し、黒澤明は力が入り過ぎているような・・・
[DVD(邦画)] 6点(2010-11-02 20:36:39)
91.  お嬢さん社長
川島雄三松竹時代の作品。お嬢さんのひばり嬢が菓子会社の社長になるのは強引だったが、専務に諌言したり、宣伝で番組に出演したり、会社経営を建て直す部分をしっかり描かきつつ、ドラマあり、歌あり、得意のユーモアとテンポまで加わり見応え充分の逸品と仕上っている。美空ひばりの才能を生かしつつ、所々に川島節を持ってきているのは流石。「美空ひばりを前に出して一本撮ってくれ」とまだ若くて力のない川島雄三が言われて、「ハイハイやりますよ」と撮った感じがする。 
[映画館(邦画)] 6点(2010-04-08 18:08:42)
92.  私の兄さん 《ネタバレ》 
いや、後の長谷川一夫の存在感を考えると貴重な作品ですね。ハンサムボーイなんだけど、台詞がかなり軟弱。まだトーキーが普及しきれてない時期もあるのかな。私も河村黎吉の名演に惹かれました。見た目は普通のおっちゃんに見えるんですけど本当に巧いですね。早逝が悔やまれます。「同年に封切られた『或る夜の出来事』(フランク・キャプラ監督)の影響も指摘された」とNFCの解説にあるようにモダンなシーンがいくつか観れた。お坊ちゃんの林長二郎がお嬢さんの田中絹代を乗せてタクシーで甲州街道で八王子までいくんですが、森林ばかりで「ど田舎」でした(笑)二人で定食を食べる時のやり取りが島津演出の特長なんだと思います。  【NFC田中絹代特集】
[映画館(邦画)] 6点(2009-11-06 00:29:43)
93.  真夏のオリオン
久々に映画館で映画を観ました。太平洋戦争末期の潜水艦モノで「ローレライ」と同じ原作者の作品です。かなり原作をアレンジしている印象。やはり、この時世に「戦争モノ」を造る場合、正面から切り込んでも商売にならないのでしょうか?(改めて硫黄島のすごさを実感した次第)前の方のレビューにもあるとおり、「大衆向け」で「訴えやすい普遍的なテーマ===愛」を前面に出ていると感じた。それはそれで良いのですが、全員・アメリカ兵を含め「性善説」に基づいて役作りがされているような感じが気になった。最後のシーンは「ありゃないだろーよ???」と思ったのですが、「ローレライ」同様、これは原作者の持ち味なんでしょう。その「ローレライ」の原作がとても面白かったのですが、この作品を含め、映画になるとどうしても「各々が戦争と対峙する」観念描写が薄れてしまいます。また、人間に主軸を置いた内容と解っていても、戦闘シーンの船の少なさが凄く寂しく映った。
[映画館(邦画)] 6点(2009-06-17 22:10:58)
94.  殿さま弥次喜多
「立場によるズレ」というのは、「水戸黄門」などで有名で、普通の人かと思いきや、実は偉い人だったという「ズレ」を観る者を楽しませるというのがありますね。特に、最後に悪者を懲らしめて観客もザマをみろと共有する形なわけで日本人ウケすると思います。弥次喜多モノも、様々な役職(大岡越前・徳川将軍)と形は変えども、殆どがこの形になっている。 将軍候補がお堅い城勤めに飽き飽きした二人が城を脱走して江戸の街で大騒ぎをするという内容で、全般的に、ユーモアとテンポが爽快で、また、中村錦之助・賀津雄コンビも相性抜群で楽しめた。 大河内伝次郎や杉狂児もコメディータッチで出演していてビックリ!かつてマキノ監督の傑作「弥次喜多道中記」で片岡千恵蔵と名演した鼠小僧・杉狂児が愛嬌の良いじーさんになってて面影を残しているけど、大河内伝次郎はみんなに馬鹿にされる役柄もあってか痛々しかった。 美空ひばりは演技が巧いなあ。
[映画館(邦画)] 6点(2008-04-01 16:29:57)
95.  箱根山 《ネタバレ》 
箱根が資本競争に飲み込まれてしまう。その模様を描いており、シリアスなテーマでありながらも青春劇をミックスしていて、もう「製作者の意図」どおりに作ったと解ってしまいます。それでも、しっかりと楽しめる作品に仕上げる辺りは流石。 箱根も現在では「富裕層」「一般庶民層」に棲み分けされた感があるのですが、当時は、道路・レジャー施設の開発競争が盛んだったという雰囲気が映像でも良く解る。その、箱根開発競争を説明するナレーション(活弁士のような、中島そのみの声が◎)と、ライバル社のバスのチキンレース(箱根ターンバイクを二台のバスが並び競って上っていく)には爆笑。加山雄三の「さわやか出来る男」ぶり、忠義も重んじて気持ちの良いほどの好感振りが憎らしい(笑)そして、星由里子の清楚な印象。この二人は開発競争で汚れていく箱根の、本来の清々しさを象徴。脇を固める俳優陣が豪華で、森繁久弥と小沢栄太郎とのやり取り、旅館での東山千栄子と藤原釜足のやり取りはもう職人芸の域で、観ていて楽しい。森繁さんは何かやらないと気がすまないのでしょうね。
[映画館(邦画)] 6点(2007-10-23 17:14:24)
96.  親不孝通り 《ネタバレ》 
題材がいかにも増村さんがやりそうな作品ですね。オープニングで引き込ませる。アメリカ人学生と川口浩が賭けボーリングをやるんですけど、その模様を、二人の投げるショットを素早く繋ぐ。当時からすれば斬新な(スピード感溢れる)オープニングですね。オーニングで魅せる監督といえば、増村さんとあと川島雄三くらいでしょうか。 川口浩の姉(桂木洋子)は、証券会社のディーラーである船越英二と付き合っていて、妊娠するが、中絶&別れ、要は捨てられる。唯一の誇りともいえる姉の姿に激怒した不良学生・川口浩は、復讐するため船越の妹である野添ひとみに同じ事をする。途中で結末は予測出来たんですが、それでも、テンポ良く進む展開が飽きさせない。川口浩の不良学生振りを観ているだけでも面白味がある。 でも、不満に思ったのは女優陣。(以下ネタバレ)桂木洋子は中絶したが、野添ひとみはおろさなかった。桂木洋子は野添と川口の姿に感化され、一度は捨てた船越英二を決して放さないと決意するというものだが、私にはこの野添・桂木の演技が甘いと感じた(念のため、二人は私の好きな女優です)。野添ひとみの妊娠が発覚して、船越英二に会った瞬間に川口浩の復讐が成立するんですが、野添ひとみは「自立して川口浩の子供を育てる」という決心をします。その「女の強さ」が野添ひとみにはみえない。同じ事が桂木桂子にも感じた。二人とも「お嬢さん」といった上品の一方的なイメージしか見えなかった。増村監督が描いていたイメージはもっと凄いところにあったのだと思う。 強く印象に残ったシーンがあって、野添ひとみら女学生7人がワゴン車でピクニックに行くんですが、川口浩が運転を引き受ける。川口浩は山道を荒々しくドリフト気味に駆け上る。かたや、女学生連中は車内でピクニックを合唱したり、ファッション談義をしていて運転には全く気に留めない。ワイルド、スピード、そしてモダン。初期増村作品を象徴しているかのような全快のシーンです。 
[映画館(邦画)] 6点(2007-10-23 16:44:58)
97.  紅の翼(1958)
「ねえ、殺し屋さんよ。空の上にいるあいだは人間を信用しなくっちゃね、 お互い信じ合わないとね」これは裕次郎だからこそ似合うこの台詞ですよ。「芦川いづみはいつ出てくるんだ!」と思ったら、中盤に滝沢修先生と一緒に出てきました。今回はチョイ役に近い状態で私も不満です。物語はセスナの中で起きる3人が中心なんですが、アクロバティックな飛行を織り込んだり、裕次郎が飛行・操縦知識を説明したり飽きさせない工夫が随所にみられた。(池袋・新文芸座)
[映画館(邦画)] 6点(2007-10-11 15:14:02)
98.  名刀美女丸
戦争末期に作られた芸道もので、幕末を舞台とした仇討ちと刀鍛冶がテーマで、幕末忠「親」蔵といったところか。題材は良いのだが、全般的に演出が冴えない。「刀の製作に身を削る」ウーン、戦時中、日本刀は武士の魂とされていたので国策なんでしょうね。刀鍛冶の執念(幻想シーン)や山田五十鈴が仇討ちするシーンなどは見所があり、もっと良い作品に仕上がる題材だと思う。年齢的に一番脂の乗った時期であろう山田五十鈴が戦争により出演作品が限られたのは残念であるし、この後、溝口作品に登場しないのも凄く残念で仕方ない。私は田中絹代より山田五十鈴とのコンビの方が好きなんです。(NFC「溝口健二特集」)  
[映画館(邦画)] 6点(2007-10-11 15:05:45)
99.  瀬戸内少年野球団
「少年野球団」というタイトルから、「野球青春モノ」かと思ったら、野球のシーンは少なかった。主役となる子供達なんですが、ただただ、戦争の敗戦を受け入れて過ごすしかない。それでも、今の子供達に比べたらとても逞しい。集団で一つの事に打ち込むという意味で野球というスポーツは良いですね。終盤の米兵達との野球試合のシーンなんかがこの作品の温かさを象徴していると思う。夏目雅子の美しさが際だっていたが、岩下志麻はちょっと可哀相な役柄だったな。(シネマート六本木) 
[映画館(邦画)] 6点(2007-10-11 13:23:46)
100.  天使も夢を見る
これはまさに松竹得意のメロドラマ調。ちょっとあり得ない展開が続くのだが、しかし、川島節・ユーモアが散りばめられており、ただのメロドラマにしていない。  特に、鶴田浩二・佐田啓二がそれぞれ社長とやり合う場面においてはテンポの良さとユーモアが込められており痛快。30数席の狭い会場が爆笑!メロドラマに喜劇的な要素が融合し、実に気持ち良い作品であった。 個人的には川島雄三はこの辺りから、悪癖が抜けてウケの良い作品を作り始めたかなと思っている。  フィルムがボロボロで途切れる場面が多かったが、逆にこういう作品を上映してくれた事にも感謝しないといけませんね。 (ラピュタ阿佐ヶ谷 津島恵子特集にて)  
[映画館(邦画)] 6点(2007-07-30 16:04:05)
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