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ザ・チャンバラさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1274
性別 男性
年齢 43歳
自己紹介 嫁・子供・犬と都内に住んでいます。職業は公認会計士です。
ちょっと前までは仕事がヒマで、趣味に多くの時間を使えていたのですが、最近は景気が回復しているのか驚くほど仕事が増えており、映画を見られなくなってきています。
程々に稼いで程々に遊べる生活を愛する私にとっては過酷な日々となっていますが、そんな中でも細々とレビューを続けていきたいと思います。

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1081.  ネメシス/S.T.X
数十年に渡って継続中のシリーズであるため、ファン以外の観客が付いて来ていないという問題を抱えていた本シリーズ。テレビシリーズに縁を持つクリエイターが監督を務めてきた映画版の興行成績は回を重ねる毎に落ちる一方であり、シリーズは本格的なテコ入れが必要な時期に入っていました。そこで、外部のクリエイターの力を借りることでシリーズの再浮上を図ったのが本企画であり、『グラディエーター』のジョン・ローガンに書かせた脚本を『エグゼクティブ・デシジョン』のスチュアート・ベアードに監督させるという、なかなか豪華な布陣が敷かれています。脚本の作りはかなり丁寧であり、冒頭の結婚式でさりげなくキャラクター紹介を行い、シリーズを知らない観客に対して最低限必要な情報を与えるという工夫がなされています。さらには、物語の核心部分に関わるクルーの人数を最小限に留めたり、悪役を映画オリジナルにしたりと、シリーズを知らない観客の存在がかなり意識されています。。。 ただし、映画としては面白くありません。ローガンもベアードもSF畑の人間ではないため、題材を扱いきれていないのです。シンゾンは地球の全生物を滅ぼすという壮大な計画を立て、それは実行される寸前にまでいくのですが、「こいつを勝たせると世界が大変なことになる」という煽りが不足しているために、映画に必要な緊張感が伴っていません。狭い星域でチマチマした戦艦戦をやるだけではなく、銀河的な広がりを見せるカットがいくつか必要だったと思います。また、怒鳴ってばかりで熟慮というものが感じられないシンゾンには、悪のカリスマとしての魅力が致命的に不足しています。異民族の軍隊をまとめあげて地獄の底から這い上がってきた復讐鬼にはどうやっても見えないのです。妖しい美しさを放つトム・ハーディはハマリ役だっただけに、脚本のキレの悪さが悔やまれます。さらには、シンゾンはピカードそのものであり、本作は「過酷な環境に置かれれば、誰もが悪魔になりうる」という深淵なテーマを扱っているものの、もったいないことにこのおいしいネタにはほとんど触れられていません。。。 以上の不出来が影響して本作はシリーズ中最悪の興行成績を記録し、映画版スター・トレックは長い封印状態に入りました。本作の失敗が、2009年の完全リニューアルにつながったようです。
[DVD(吹替)] 4点(2013-03-25 01:27:18)
1082.  カンパニー・マン
『CUBE/キューブ』で注目されたものの、その後5年間は沈黙を守っていたヴィンチェンゾ・ナタリの復帰作です。5年間寝かせた企画だけにその出来には注目が集まったのですが、これが実に微妙。独特の雰囲気作りや謎の引っ張り方はなかなかうまく、決してダメな映画ではないのですが、全体として娯楽的な面白みに欠けるし、肝心のオチも非常に弱い。さんざん引っ張った挙句に、そんなベタなオチをドヤ顔で披露されてもなぁという印象です。
[DVD(吹替)] 4点(2013-03-23 03:01:23)(良:1票)
1083.  ウィッカーマン(2006) 《ネタバレ》 
併せてオリジナルも鑑賞したかったものの、ステイングレイ社からリリースされていた特別完全版はネットで何万円もの高値が付いているため手が出ず、現在入手可能なユニバーサル版は誤訳・珍訳の嵐でお馴染みのスタジオカナル仕様であるためせっかくの歴史的カルト作とのファーストコンタクトには相応しくないと考え、結局、オリジナルの鑑賞は諦めました。オリジナルに思い入れのある方からは恐ろしく不評の本作ですが(ラジー賞5部門ノミネート+IMDBでのスコアが3.6点)、意外や意外、少なくとも前半部分は楽しめました。謎に包まれた冒頭の事故、見るからに怪しげな島民達、助けを求めてきた元カノすら隠し事をしているという孤立無援感、さらには不快度数の高い雰囲気作りにも成功しており、なかなか見応えがあるのです。人の良さから厄介に巻き込まれてしまう中年警官役にニコラス刑事がピタリとハマっており、特に悪いところが見当たらない程よく出来ていました。前半の時点では。。。 後半、謎の正体が明らかになると、映画のテンションは一気に下がります。【ムラン】さんが詳しく書かれておりますが、島民達の計画に納得感が少なすぎるのです。ニコラス・ケイジが警官隊を引き連れて島にやってきたらどうするつもりだったのか?、携帯していた銃をぶっ放すというリスクは考えなかったのか?、そもそも、生贄にするつもりの男を数日間泳がせていたことの理由がまったくわからないetc…、もうちょっと設定を煮詰めた方がよかったと思います。冒頭の事故や、主人公が見る幻覚も伏線として機能しておらず、どうやって話を畳むのだろうかとあれこれ考えながら観たことを後悔しました。。。 あとは文化的な背景の問題ですが、キリスト教徒が土着信仰から復讐されるという筋書きにも恐怖を覚えませんでした。お寺と神社が共存している我が国はかなりレアな事例であり、世界的には一神教が土着信仰を否定し、破壊するという歴史が一般的です。布教の過程で、キリスト教徒は血なまぐさい事件も少なからず起こしており、そのツケを払わされる日がくるのではないかという恐怖が本作の根底にはあるのです。ただし、キリスト教徒ではなく、宗教を巡る血なまぐさい歴史も経験していない日本人としては、この感覚がピンときません。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2013-03-04 00:47:21)
1084.  ダイ・ハード/ラスト・デイ
クライマックス直前、マクレーンと息子・ジャックが討ち入りの手筈を話し合う場面。作戦を聞いてくる息子に対して、「作戦はない。ただ撃ちまくるだけだ!」と得意気に返すマクレーン…『ダイ・ハード』ってそんな映画でしたっけ? 当初は『コマンドー2』として企画された『ダイ・ハード』第一作ですが、シュワルツェネッガーから出演を拒否されたためにリチャード・ギアが主演することを想定して脚本が書き換えられ、そのギアからも断られたためにテレビのコメディ俳優だったブルース・ウィリスに白羽の矢が立てられたという経緯があります。主演俳優が変更される中でマクレーンのキャラにも修正が加えられていき、その末に出来上がったのはステロイド漬けの80年代アクションヒーローとは程遠い、若ハゲでおっさん体型の等身大ヒーローでした。テロリストとの勝負となれば、1対1の格闘であっても劣勢に立たされる程度の戦闘力であり、おまけに敵を殺傷することには消極的で、撃つのをためらったために窮地に陥ることも何度かありました。彼は正面切って敵と戦うのではなく、緻密に練り上げられたテロリストのスケジュールに干渉し、その戦力を徐々に切り崩していくという戦い方をします。十分な装備がなく、状況も把握できていない段階では物陰に身を潜めておく、戦闘を開始した後にも、複数人の敵に囲まれて戦況が不利になればとりあえず走って逃げる、こうした現実的な戦い方が『ダイ・ハード』の魅力だったと記憶しています。。。 一方最新作である『ラスト・デイ』ですが、マクレーンは襲いかかってくる数十人の敵特殊部隊を冗談言いながら撃破し、武装ヘリからの攻撃を受けても傷つかない、さらには、チェルノブイリの核施設に普段着で乗り込むほどの超人と化しています。もはや『コマンドー』のジョン・マトリックス大佐をも越える程の戦闘力を誇っており、「マクレーンは敵に殺されてしまうのでは?」という緊張感は皆無となっています。見せ場はインフレ状態であり、アクションが派手になればなる程、映画から緊張感が失われていくという負のスパイラルに陥っています。ビジュアル派のジョン・ムーアが監督しているだけに視覚的な迫力はあるのですが、活劇としての面白みがまったくないために、味付けのなされていないステーキを大量に食わされているような感覚に陥ります。このシリーズも、いよいよお終いの時が来たように見受けます。
[映画館(字幕)] 4点(2013-02-17 00:24:57)(良:4票)
1085.  ゴートゥヘル 《ネタバレ》 
ラッセル・マルケイと言えば、かつては名の知れた監督でした。MTVでの華々しい経歴を引っ下げてハリウッド入りし、若干32歳で『ハイランダー/悪魔の戦士』を興行面でも批評面でも成功させたという、松井・松坂クラスの超大型新人でした。MTVならではのライティングやカッティングを映画界に持ち込んだ第一人者であり、もしキャリアが順調であれば、今頃はデヴィッド・フィンチャーやマイケル・ベイから「お師匠様」と呼ばれてもよい程の人物だったのです。しかし、スタローンとの衝突で『ランボーⅢ』を降板して以降はキャリアの雲行きが怪しくなり、アレック・ボールドウィン主演の『シャドー』の大失敗によってスタジオからの信用を失い、以後はテレビ界での仕事がメインとなっていました。しかし、映画ファンの心の中には『ハイランダー』で見せた素晴らしい仕事は深く焼き付いており、いま一度、彼に活躍の場を与えてやって欲しいと多くのファンが願っていました。。。 そして、『バイオハザードⅢ』での雇われ仕事を経ての本作です。マルケイと食い合せの良さそうなハードボイルドということで期待は高まっていたのですが、冒頭の素晴らしいアクションには、彼の復活を望んできたファンの度肝を抜くほどの熱いものがありました。現役のアクション監督を上回る程のかっこいい見せ場の連続に、渋いナレーションによる援護射撃。我々が見たかったマルケイはこれなのです。主演のトーマス・ジェーンは『ハイランダー』のクリストファー・ランバート系のワイルドな顔立ちだし、すべてが完璧でした。冒頭では傑作の予感すらしたのです。。。 しかし、本筋に入るとメタメタ。多くの人物が登場するややこしい話になるのですが、物語に魅力がないので、謎含みのもったいぶった語り口がウザくて仕方ありませんでした。俺らが見たいのは冒頭でやったようなスタイリッシュアクションであって、個性的なキャラクター達の騙し・騙されなんかどうでもいいんだよ。主人公も冒頭とは別人のように大甘の人間になり下がり、殺し屋なのに人を殺しません。襲ってきた敵にとどめを刺さないから、別の場面でまた襲われるという間抜けなことを繰り返します。敵は敵で、要らんことを喋ってる内に度々形勢を逆転されるというバカっぷり。マルケイ、タランティーノの真似をして大失敗するの巻でした。渋いアクションに徹していれば良かったものを…。
[DVD(吹替)] 4点(2013-02-10 11:00:49)
1086.  プレイ-獲物- 《ネタバレ》 
刑務所からはじまるこの映画、冒頭30分のウルトラバイオレンスには身を乗り出しました。派手さや爽快さではなく、ひたすら痛いバイオレンスの連続。フランスで北野武がやたら支持されていることにも、何となく納得がいきました。しかもその間にてきぱきと話をまとめていき、本編への筋道もきっちり作るという手際の良さ。うだうだと設定をまとめきれない映画も多い中、息をもつかせぬ暴力描写とともにたった30分で下準備をすべて終えてしまった本作の冒頭は、アクション映画の鑑のような出来だったと言えます。そして、本編の内容もかなり興味深いもので、主人公は娘をさらった殺人鬼カップルを追うこととなるのですが、彼もまた、警察やマフィアから追われる身。さらには殺人鬼カップルの罠によって連続殺人犯にまで仕立て上げられ、彼を仕留めるために警察は最高の捜査チームを送り込んできます。果たして彼は、娘を取り戻すことができるのか?どうです、面白そうな話でしょ。。。 しかししかし、本編に入ると映画のテンションはガクっと下がります。理由は簡単で、冒頭のバイオレンスが、本編ではただのアクションになってしまうのです。武装した3人のチンピラから不意を突かれても素手で返り討ちに遭わせていた人間凶器が、街に放たれた途端にただの逃亡者に成り下がります。ただ逃げるだけ、警察に追い込まれても反撃は必要最小限に留め、不可抗力以外の理由で他人を傷つけることは皆無という穏健ぶり。冒頭での期待は一気に崩れました。ビルからのダイブやカーアクションなど派手な見せ場も準備されてはいるものの、私が期待したのは冒頭で繰り広げられたリアルな暴力描写、人間凶器が一心不乱に暴れ回る姿であって、ぎこちないジェイソン・ボーンを見せられるくらいならハリウッド映画をチョイスしますよ。オードブルは高価な珍味だったのに、メインディッシュはファミレスのハンバーグプレートになったかのようなガッカリ感でした。さらにガッカリだったのが、主人公を演じるオヤジの走り方がめちゃくちゃカッコ悪いということ。アメトーークの「運動神経悪い芸人」に匹敵するレベルの走り方であり、冒頭でこのオヤジに心酔した私のハートは一気に冷めました。
[DVD(字幕)] 4点(2013-02-06 18:34:38)
1087.  エイトレンジャー
最低限のレギュラー番組しか持たず、いざとなれば一本の映画のための入念な役作りが可能なジャニーズメンバーもいるにはいますが(木村拓哉、稲垣吾郎、山下智久etc…)、一方で関ジャニ∞は複数のレギュラー番組を抱え、歌も現役で頑張っている超売れっ子。おまけに7人全員を主役とした映画となればスケジュール調整が困難であったことは容易に想像できるわけで、堤幸彦監督は相当な制約条件の中で本作を完成させたことと思います。悪条件下でも納期を守って映画を完成させた点は素直に評価できるのですが、内容面ではお世辞にも良い映画とは言えません。テレビの2時間ドラマならともかく、お金をとって映画館で見せるような出来ではないと思いました。。。 スケジュール通りに映画を完成させるということが最重要視された現場だけに、ひとつひとつの場面へのこだわりは薄く、手間のかかる撮影からは逃げています。もし本作が純粋なコメディ映画であれば、この程度の作り込みであっても監督や役者のセンス次第で乗り切れる可能性もありましたが、曲がりなりにもヒーローを題材とした作品でこの手抜きぶりは致命的です。ヒーローに対するリスペクトがない、目を見張るような見せ場もない、さらには関ジャニなのに舞台が関東(スケジュール上、関西で撮ることは不可能だったのでしょう)、これでは評価できません。【ムラン】さんが仰られている通り、脚本はかなり練り上げられているのですが、なまじ出来の良い脚本のために、かえって撮影現場での手抜きが目立ってしまっています。監督も諦め気味だったのか、ラストではセブンイレブンとのダイアップをかなり露骨な形で見せてしまっています。あれは映画で許される領域を逸脱しており、もはや立派なCMです。アイドル主演のヒーロー映画なのに、見えてくるのは撮影現場の現実ばかり。夢がありませんよ。
[ブルーレイ(邦画)] 4点(2013-01-28 01:32:52)(良:1票)
1088.  地球爆破作戦
『ターミネーター』や『ウォーゲーム』の雛形となった映画という点で歴史的意義は感じられるものの、完全に色褪せた映画だと感じました。コンピューターの考えは浅はかだし、対抗する科学者達の戦略も弱く、「なるほど!」と唸らされる展開がありませんでした。さらには、世界大戦の恐怖を背景としている割に緊張感もなく、シドニー・ルメット監督の『未知への飛行』のようなポリティカルサスペンスを期待すると裏切られます。。。 公開当時、テーマの先進性ゆえに客が入らなかったという悲劇の歴史と、日本においては数十年間にも渡ってソフト化されなかったという稀少さが、本作の価値を実態以上に押し上げているのではないかと思います。70年代、80年代にテレビの洋画劇場で本作に触れた方々がその内容にブったまげたことは容易に想像できるものであり、ソフトによる再検証ができなかったことによって、伝説が一人歩きするに至ったのではないでしょうか。
[DVD(吹替)] 4点(2013-01-07 00:26:07)
1089.  メン・イン・ブラック2
娯楽作としてよくまとめられていた前作から5年、悪ふざけの部分だけを大幅に強化して恐ろしく出来の悪い続編となっています。構成の緻密さは失われているし、冗談は下ネタばかりで面白くありません。おまけに、1億4千万ドルという膨大な金額の製作費はどこに使われたのかと思うほど見せ場にインパクトがなく、まるで良いところがありません。本作以降、シリーズが10年間凍結したことにも納得のいく仕上がりでした。
[DVD(吹替)] 4点(2013-01-06 19:43:39)
1090.  ヘルタースケルター(2012)
「ヌードを売りにする映画に傑作はない」とよく言われますが、まさにそれを地で行く映画。沢尻エリカは気前良く脱いでいるのですが、それ以外に映画としてのアピールポイントがないのです。エリカ様がいきなりおっぱいを出して観客を驚かせる冒頭こそが最大の見せ場であり、それ以降は図ったように盛り下がっていきます。中盤を過ぎると脱ぎっぷりも悪くなってくるし(笑)。。。 題材は間違いなく衝撃作でありながら、観客が想定しうるイベントしか準備できていない脚本があまりに弱すぎるし、蜷川実花の演出は悪い意味で脚本に引っ張られています。「和製ダーレン・アロノフスキーか!」と思わせるような素晴らしい場面も時折覗かせるものの、演出は全体としてワンパターンであり、さらには冗長。観客がわかりきった場面でやたらもったいぶって間を取ったりと、監督のテンションと観客の関心がいまいちシンクロしません。良くも悪くも、エリカ様を見せるための映画にとどまっています。
[DVD(邦画)] 4点(2012-12-26 00:59:20)(良:1票)
1091.  ハングリー・ラビット
眠たくなるほど鈍重な娯楽作(『スピーシーズ』『ダンテズ・ピーク』etc…)の合間に、突如としてキレのある傑作(『追いつめられて』『バンク・ジョブ』etc…)を撮るロジャー・ドナルドソンの、現時点における最新作。ドナルドソンが得意とするサスペンスアクションにして、ニコラス・ケイジが出演を熱望した優秀な脚本というだけあって期待は高まったのですが、残念ながら今回は悪い方のドナルドソンでした。サスペンスに必要な緊張感も意外性もなく、予定調和の物語がダラダラと進行するのみ。とにかくツッコミどころの多い作品なのですが、最大の問題点は、闇の仕置組織の存在に説得力を持たせられなかったということです。犯罪者の行動を詳細に把握し、あらゆる機関に根回しをするという高い組織力を持ちながら、ターゲットの殺害という最も重要な場面においてリスクの高いド素人を使う点があまりに不合理。この点を誤魔化す方便がなかったために、かの仕置組織が大マヌケの集団に見えてしまっています。ここんとこ出演作が連続しているニコラス・ケイジは代わり映えのしない演技で面白くないし、終始「雇われ仕事です」という顔をしているガイ・ピアースも魅力に欠けます。
[DVD(吹替)] 4点(2012-12-12 14:43:35)
1092.  レギオン
『ターミネーター』と『要塞警察』を足して『コンスタンティン』風味に味付けしましたという、何ともB級な映画。こういう闇鍋状態の映画は嫌いではないのですが、本作についてはいただけない出来だと感じました。命懸けの攻防戦とは程遠い小競り合いばかりで盛り上がるべき見せ場がないし、おまけに、合間に挿入される人間ドラマが無駄に長くて苦痛になります。人類を滅ぼそうとしている敵と対峙している時に、自分の生い立ちを順番に語っていくという間抜けなことをやってはいけませんよ。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2012-12-03 00:50:13)
1093.  エアフォース・ワン 《ネタバレ》 
『ダイハード』をまんまなぞったシナリオなのですが、残念なことに本作には『ダイハード』程の緻密さがありません。大統領は素手でテロリストを倒して回るという荒唐無稽ぶりだし(現役刑事のマクレーンですら、テロリストとの格闘では終始劣勢だったというのに)、対するテロリスト側はロクに連絡を取り合っていないために事態の把握が著しく遅れてしまうという間抜けぶりを晒します。おまけに、機内に敵がいるとわかった後にもまともな対応をとらず、「荷物室に閉じ込めときゃいいさ」と悠長に構えているのだから困ったものです。乗員リストを確認して、敵の素性を特定する努力くらいはしましょうね。互いを出し抜き合う高度な駆け引きなどここにはなく、あるのは熱血バカの大統領と戦略ゼロのテロリストの泥仕合。これでは面白くありません。さらにはイベントの詰め込みにも失敗していて、ところどころは派手なシーンがあっても、全体としてはスリルも興奮も持続していません。。。 主人公が大統領であるという肝心の設定に至っては、これがまったく活かされていません。公人としての責任と個人としての感情の板挟みになることこそがこの企画のキモだったはずなのに、どいつもこいつも私情の垂れ流し状態なのです。妻子の生命を二の次にしてでも自身の安全を確保することが公人たる大統領の責任であるにも関わらず、ハリソン大統領はシークレットサービス達が捨て身で作ってくれた脱出のチャンスを棒に振り、クライマックスでは駆け付けた救助隊の手までを煩わせる始末。副大統領はさっさと指揮権を自分に移して事態への強い対応を図るべきだったのに、「こういうやり方は私の美学に反する」という理由で決断を遅らせてしまいます。凄いと感じたのは、登場人物たちのこれらの行動が、劇中ではあたかも立派な行為であるかのように描写されていること。個人としては美しい心がけであっても、公人としての危機対応としては最悪の行動です。結果、脅しに負けたハリソン大統領がテロリストの要求を飲むに至っているのですから、何ともお粗末な倫理観だと感じました。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2012-11-03 17:38:20)(良:1票)
1094.  ランパート 汚れた刑事 《ネタバレ》 
ジェームズ・エルロイによる何本目かわからない汚職警官ものですが、出演者がとにかく豪華。『L.A.コンフィデンシャル』以降、エルロイ作品に出ることはハリウッド俳優にとってのステイタスとなっているようですが、ここまでのメンツは過去最高ではないでしょうか。主人公を演じるウッディ・ハレルソンはかなりのハマり具合だし、ロビン・ライトは驚くほどのいい女ぶりを披露。シガニー・ウィーバーやスティーブ・ブシェミがひょっこり顔を出す場面ではお得感も味わうことができて、俳優のみに注目すればかなり充実しています。。。 ただし、肝心のお話はかなり残念な出来でした。この映画、とにかく状況説明が不足しています。主人公が社会的にどれほど追い込まれているのかという描写であったり、ロビン・ライトが主人公のどこに惹かれたのかという描写であったりがほとんどないために、ドラマへの感情移入がかなり難しくなっています。さらには、各場面の見せ方もヘタクソ。例えば、主人公が強盗被害者を誤射するという重要な場面において、編集が杜撰で一体何が起きたのかが観客に伝わらないという間抜けなことが起こっています。俳優は揃っているだけに、もうちょっと腕のある監督さんが撮るべきでした。
[DVD(字幕)] 4点(2012-11-03 17:36:35)
1095.  ジョナ・ヘックス
ジョナ・ヘックスが復讐の鬼と化す過程は数分のイントロで処理し、いきなり本筋に入るという構成となっていますが、こんな処理が許されるのは歴史も知名度もある『インクレディブル・ハルク』クラスのヒーローであって、ジョナ・ヘックス程度の知名度でこの処理は少々厳しいと感じました。また、ヒーロー・ジョナ・ヘックスの誕生に深く関与したクェンティン・ターンブルをヴィラン(悪役)とした本筋の内容から考えても、両者の因縁の源流となる導入部分はしっかりと描く必要があったと思います。。。 本筋は本筋で、これまた著しく盛り上がりに欠ける仕上がりとなっています。ヒーロー誕生の過程を削った以上、映画はいきなりサビから突入し、理屈抜きの大暴れが見られるものと期待したのですが、チマチマとした小競り合いばかりで派手な見せ場はありません。さらにはジョナ・ヘックスが異常なまでに弱く、派手な大暴れどころか地味な戦闘ですぐピンチに陥ってしまいます。生身の人間との1対1の殴り合いで劣勢に立たされるに至っては、トーマス・ジェーン版『パニッシャー』をも下回って史上最弱のアメコミヒーローに認定してしまった程です。死者と話せる能力が大して役に立っていなかったり、お供の馬・犬・烏が見せ場になると行方をくらましてほとんど存在価値がなかったりと、本作は基本設定までを持て余している始末。俳優たちはなかなかのハマリ具合でシリーズ化すればそれなりに盛り上がった可能性もあっただけに、内容のみすぼらしさが悔やまれます。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2012-10-27 21:31:50)
1096.  BOX 袴田事件 命とは
冤罪事件が悲劇的なのは、一度でも有罪判決を受けて収監されてしまうと、それをひっくり返すことに相当な月日と労力が必要とされる点です。「無実を示す証拠がみつかりました」でハッピーエンドとはならず、過ちを認めたがらない司法にこれを認めさせるというプロセスが必要となるのですが、とにかくこれが至難の業で、司法はあらゆる手段・口実を使って時間稼ぎをしてきます。「自分の在任中には問題が起こって欲しくない」という小役人根性がその根底にあるわけですが、他人の人生をあまりに軽んじたその態度には空恐ろしさを感じさせられます。。。 本作は、日本における冤罪事件の代名詞とも言える袴田事件をテーマにしています。かつて死刑判決を言い渡した裁判官自身がその誤りを認めている点、係争が半世紀にも及んでいる点、死刑囚・袴田巌が長期に及ぶ拘留生活により精神疾患を患っている点、これらにおいて、この事件は独特な性格を帯びています。裏を返せば映画的においしいネタが転がりまくっているということであり、果たして監督はこれをどう料理するのかと期待していたのですが、残念ながら映画の出来はガッカリなものでした。己の意に反して有罪判決を下さざるをえなくなった裁判官の葛藤が映画のメインとなっているのですが、彼の心理描写にクローズアップしすぎて事件の概要を伝えることが疎かになっているのです。。。 この事件における裁判官は3名、そのうち主人公を除く2名は検察側の意見を支持したのですが、容疑者がシロであることがあまりに明確なこの事件において、彼らが事実認識を歪めてまで有罪判決にこだわった理由が描かれていません。さらには、半世紀にも渡って再審請求が棄却され続けている理由も描かれておらず、観客が当然抱くであろう疑問がことごとく無視されています。おまけに、主人公の人生と昭和史を重ねるという構成はまったく効果をあげていないし、雪山で幻覚を見るラストは意味不明。あんな観念的な場面を撮る前に、まずは事実関係の描写を積み上げなさいよとイライラしてしまいました。演出は笑ってしまうほど稚拙で、重要な場面においては主人公がひとりごとを言ってその考えを観客に伝えるという最低の表現方法がとられています。演技指導が行き届いていないためかどの俳優もとってつけたような不自然な演技を披露しており、この監督さんは仕事をしていたのかと怪しくなってしまいます。
[DVD(邦画)] 4点(2012-10-27 11:20:15)
1097.  BLACK & WHITE/ブラック&ホワイト(2012)
『T4』に続く、McGによるジェームズ・キャメロンへのストーカー大作第2弾。今回は90年代のキャメロンを支えた撮影監督ラッセル・カーペンターまでを召喚して21世紀版『トゥルーライズ』を製作しているのですが、これが恐ろしく時代遅れなアクションコメディに仕上がっています。オフィスや自宅、果ては行きつけのレンタルビデオ屋までがおしゃれでピカピカという現実感ゼロの街を舞台に、CIAエージェントが顔バレを一切気にせずバカな騒動を起こすという何ともカックンなお話。80年代や90年代ならばこんな作風でも受け入れられたのですが、ジェイソン・ボーンが汚い路地裏を走り回り、ジェームズ・ボンドまでがリアル路線を選ばざるをえなくなった21世紀においてこのテンションはかなり厳しいと感じました。その上、主演2人も役不足です。この手のアクションコメディを演じるべきはトム・クルーズやピアース・ブロスナンのようなアクションヒーローを演じてきた俳優であって、アクションにおける代表作を持たない若手では様にならないのです。そして、さらに問題なのがヒロイン役のリース・ウィザースプーン。キャリアのピークを過ぎてしまったウィザースプーンでは、伸び盛りのクリス・パインとトム・ハーディに見劣りしています。彼女は相変わらず美人ではあるのですが、それでも二人の戦士を魅了するだけのオーラは放っていません。そして、主人公二人が抱く恋心に説得力がなければ、観客は物語に魅力を感じないのです。
[DVD(吹替)] 4点(2012-10-21 22:47:20)(良:2票)
1098.  バンコック・デンジャラス
殺し屋とはフィクションの世界でこそメジャーな職業ではありますが、現実の世界で彼らに会ったことのある者はごく少数。ほとんどの人がよく知らない職業だけに、これをどう描くかには脚本家や監督の発想力が重要となってくるわけですが、その点について本作は完全に赤点です。。。 本作の殺し屋は、なんと現地入りしてからターゲットの情報を受け取ります。プロならば事前に依頼内容を精査し、ジョブの成功と身の安全を考慮した上でこれを引き受けるかどうかを決定すると思うのですが、そういう慎重さは皆無のようです。現地での行動もかなり適当。金に困っていそうな地元のチンピラを助手として雇い、そのチンピラに依頼者との間の連絡係をいきなり任せるという、恐ろしく危険な行動をとります。自分との関係を第三者に洩らされたり、敵対組織や公安に捕まって尋問を受けるというリスクは考えないのでしょうか?肝心の暗殺場面も脱力で、簡単に現場の下見を済ませるとその翌日には早速殺しを実行するというお手軽加減。よくぞこれでヤクザな世界を生き抜いてこられたものだと感心します。。。 その上、この殺し屋の心はオープンカフェ状態。使い捨てのつもりで雇った助手に対して素直に友情を抱き、彼に頼まれれば殺しの技を伝授してやるし、街を歩けば聾唖の薬剤師に一目惚れし、彼女の実家にまでお邪魔する始末。もはや車寅次郎に匹敵するレベルのおおらかさであり、ストイックなプロの世界など微塵も感じさせられません。冒頭で得意げに披露した殺し屋4箇条も言った端から破っていくという有様で、どうしてこんなにおかしな脚本になったのかが不思議で仕方ありません。
[DVD(字幕)] 4点(2012-10-07 01:56:06)(笑:1票)
1099.  S.W.A.T.
「特別狙撃隊S.W.A.T.」のリメイク企画は80年代から存在していましたが(一時はアーノルド・シュワルツェネッガー主演で話が進んでいた)、本作はそんな長い期間を経てようやく映画化まで漕ぎ着けたという期待の一作。映画会社はこれをシリーズ化する気満々だったようで、やたらめったら見せ場を詰め込む通常のアクション大作とは明らかに異なる造りとなっています。前半部分ではチーム結成までの経緯が丁寧に描かれ、訓練の場面では見た目の派手さよりもリアルに見えることが優先されています。俳優たちの銃さばきも様になっており、アクション大作としては珍しく地に足のついた内容となっているのです。「傑作ではないが、程よくまとめられた佳作かな」なんて思いながら見ていたのですが、映画は後半で一気に崩壊します。麻薬王による「俺を逃がせば1億ドル」発言をきっかけにL.A.全体が戦場と化すという展開があまりに突飛すぎて、映画についていけなくなるのです。こんな荒唐無稽な話は『ダイ・ハード』や『バッド・ボーイズ』でやればいいのであって、リアリティへの目配せをしてきた本作でやるべきではありませんでした。また、中盤までほぼ姿を消していたジェレミー・レナーが、クライマックスになって突如ラスボス化するという構成も不自然。彼をラスボスの位置に据えるのであれば、コリン・ファレルや警察組織との相克をより明確に描いておく必要がありました。
[映画館(字幕)] 4点(2012-09-29 23:49:26)
1100.  運命のボタン 《ネタバレ》 
一歩間違えれば『フォーガットン』になりかねなかった内容を、終始バカっぽくなくまとめあげた監督の手腕は評価します。観客に先読みさせない構成もよく出来ており、ミステリー映画としてはそこそこの完成度だと思います。ただし、視覚的な見せ場がほとんどなく映画としての面白みに欠ける上に、膨大な量の伏線を追いかけることにも疲れてしまい、中盤以降は観ていることが苦痛になりました。観客にネタが割れた時点でさっさと話を閉めればよいものを、その後もダラダラと映画を続けたために、ムダに冗長となっている点もマイナスです。。。 一方、ドラマ作品としては完全に赤点。序盤とクライマックスで主人公の性格に顕著な変化が見られないし、「自分ならどうするか?」と観客に考えさせる内容にもなっていません。これについては、ボタンに係る突飛なルールを主人公が簡単に受け入れてしまうという不自然さをカバーできなかったことと、大金に目がくらんだ主人公のイヤらしさを描けていないことが原因だと思います。この映画は導入部に命をかけるべきだったのに、ここを疎かにしてしまったために全体がダメになったのです。
[DVD(吹替)] 4点(2012-09-18 18:50:38)(良:1票)
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