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ボビーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1016
性別 男性
ホームページ http://blog.livedoor.jp/gepper26/
年齢 37歳
自己紹介 いつまでもこどもでいたいから映画は感情で観る。その一方で、もうこどもではいられないから観終わったら映画を考える。その二分化された人間らしさがちゃんと伝わってくる映画が好き。

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101.  ただ、君を愛してる 《ネタバレ》 
写真展のシーンは本当に素晴らしいシーンでした。平凡で、ありふれた、当たり前の日常から切り取られた白と黒の写真。それは、静流と誠人の平凡な日々のほんの一瞬の出来事で、誠人はその平凡な日々がいつまでも続くと思っていた。いつまでも変わらずそこにあり続けるものだと、そう思い込んでいた。でも、当たり前は、いつだって不意に終わりを告げるもの。何の前触れもなく訪れた別れに、人は、その当たりまえの日々がいかに幸せで、いかに喜びに満ちていたかをようやく気付く。いつまでもそばにあり続けると思っていた温もりや香りが突然消えてなくなる、それは愛情とはまったく別離の感情ではあるけれど、喪失は必ず誰にでもやってくる。それなのに僕らはそれを忘れ、当たり前の喜びを見失いがち。それがどれだけ儚く、尊いものか忘れてしまう。どんな大きな出来事よりも、日々繰り返される平凡な営みこそが幸せだということに気付けないのだ。いつまでもそばにいると信じ切っていたせいで、言わなかった事や行かなかった場所。もっと笑っていればよかった。もっと彼女に触れていればよかった。もっと早く気付けばよかった。そんな誠人のどうしようもない悔しさや切ない感情が画面から痛いほど伝わってくる。それでも静流が悲しんでいないのは、きっと誠人に出会い、愛することの幸せと喜びを知ったからだと思う。誠人に振り向いてもらえるよう大人の女性になろうとするその純粋な片思いの心も、とても素敵だった。そして最後の静流の写真。それは、美しくなった彼女の姿だった。初めに誠人が出会ったときとはまるで別人のようだった。さらに、池の畔でのキスの写真は本当に素敵だ。「生涯ただ一度のキス、ただ一度の恋」というタイトルのその写真は、彼女の想いが溢れるほど込められていたように思う。人生の全てをその瞬間に注ぎ込んだような写真だった。だからとても幸せそうで、美しく見えるのだろう。そして誠人もその瞬間、静流を愛していた。想いが重なった唯一の写真。その写真の中での二人の想いは強く結ばれていた。だから僕の涙は止まらなかった。人を愛することの素晴らしさを教えてくれる素晴らしい作品。
[映画館(邦画)] 9点(2006-10-28 22:05:36)(良:1票)
102.  シムソンズ
劇中で登場人物の一人が「長くやっていると忘れてしまう」と言っていたが、確かにその通りだと思う。いつからか、なんのために上手くなりたいのか忘れ、ただただ毎日辛い練習を繰り返すばかりで、苦痛ばかりが増えていく。でも、彼女たちはそうはならず、常に初心というか自分たちが楽しむ為にやっているのを忘れる事無く、笑顔でやっていた。それは、やはりスポーツをやり続ける意味なんだと思う。楽しいから、明日もがんばれるのだ。それを忘れていなければ、辛い練習を毎日続けていると、出来なかった事ができるようになって、より楽しくなって「もっともっと」って上を目指せるようになる。楽しさは、向上心と情熱と喜びを与えてくれる。この映画にはその多くが詰め込まれていた。仲間と力をあわせてやることは、たった一つの良いプレーでさえ、物凄く大きな喜びに変わり、それを彼女たちは、常に噛み締めていたように見えた。ミスをカバーし合い、仲間を信頼し、全力を尽くす。これぞスポコン。ひた向きに努力している様子と、その努力が実を結ぶ様子が、見ているだけで嬉しくなる。スポーツの素晴らしさを実感すると共に、仲間の大切さを痛感させられた。
[DVD(邦画)] 9点(2006-10-04 02:26:06)
103.  リンダ リンダ リンダ 《ネタバレ》 
たまに大げさに騒いだり、その後にぽっかりとその騒いだ分だけ元気がなくなる。高校生の頃って大体そうで、後先なんていちいち考えてない。今が楽しければ、それ以外に理由もいらなかった。仲間と一緒に何かに向かって努力して、結果はどうあれ自分たちが満足するためにひたすらやる。この映画はもしかするとどんな青春映画よりも地味で、でもどんな青春映画よりも自分が感じてきた青春の温度と限りなく近い気がする。意外といつも喋んない奴が突然まじめな事話したり、行き当たりばったりで良い風に転がったり、目が覚めたら時間が過ぎててその事実を認めるまでに意外と時間が掛かったり、結局告れなかったり(で、後で後悔する)。不思議と、地味なことが記憶の中で一番鮮明だったりする。今まで観てきた青春映画の多くは、常に楽しさや興奮するような物を積み重ねてる事が多い。それは観ていて楽しいけど、リアリティはないし、共感もほとんどない。薄暗い見慣れた廊下や遠くから聞こえる練習の音、全然人の来ない展示のクラスや焼きそばの美味しさなんかは、地味だからこそ胸に響いた。意味の無いような台詞や地味すぎて気付かないような台詞が、本当にリアルで、あるある、なんて思いながら笑っていた。この映画は、僕の中でこれ以上のリアルはないような青春が、全てのシーンに欲張りなほど盛り込まれていて、胸が一杯になった。あと、最後、ステージの上に靴下を脱いで、裸足で登場するのは、僕の中での青春の最もエロいと思っていたスタイル。
[DVD(邦画)] 9点(2006-09-14 01:52:57)(良:2票)
104.  X-MEN:ファイナル ディシジョン
どちらかを選べば、必ずどちらかを失う。どこにでも存在するテーマと内容でした。その力もあってか、とても面白いと感じました。キャラクターや時代設定などに共感がない分、そのリアルなテーマが深く心に残りました。キャラクターの個性豊かな点は、作品を重ねるごとにどんどん魅力的になっていくのを感じました。例えば、一作目から少しずつ登場していた壁をすり抜けることの出来る少女が今回の作品では、節々で良い活躍をしていましたし、触れることの出来ない少女の決断や、氷を操れる少年VS炎を操れる少年の、善悪対決も一作目からの積み重ねで成長を描き、また面白味に深みを出していたように思います。何を選ぶかは人それぞれではあるが、間違った事や犯してはならないことなどは目に見えている。でも、しなければならないという辛い決断も時にはある。そういった繰り返しの中で人は成長し、生きていく。一見、ミュータントの能力ばかりに目がとらわれがちではあるけれど、根本的なテーマにある人間本来のリアルな決断に共感しつつ、考えるきっかけを与えてくれたことに感謝したいです。エンターテイメント性、訴えるメッセージ、両方が共に高い完成度を誇っていたように思います。
[映画館(字幕)] 9点(2006-09-12 20:03:38)(良:3票)
105.  運命じゃない人
日本版『パルプ・フィクション』+『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』と言ったら大袈裟です。でも、そんな感じです。時間軸を行ったり来たりしながら、四人の登場人物に視点を置いて物語が語られて行きます。ストーリー自体は複雑ではないのに脚本がとても巧妙に作られていて、お馬鹿なぼくにもとても簡単に理解し楽しむ事ができました。登場人物たちがみんな揃いも揃って不器用で冴えない奴らばかりで、みんなすごくちっぽけな人間に見えます。でもそれがなんとも言えない爽快感だとか小さな感動を与えてくれます。また、登場人物たちにはそれぞれの目的があり、その目的を果たすためみんな必至になって悪戦苦闘しますが、やはりみなさん不器用なのでことごとく空回りします。おバカさんの為の上質おバカムービー。
[DVD(邦画)] 9点(2006-08-25 19:54:52)
106.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
作品の中で非現実的なタイムリープをやりたい放題行っているのに、目が向くのは、現実的な三人の行くへだけ。聞きたいくない事、やりたくない事、やられたくない事、やってしまった事。主人公の少女は自分の想い通りにしたいが為にタイムリープを繰り返し、ミスをやり直すためにタイムリープをし続けた。その結果、彼女は取り返しの付かないミスをする(ここでの葛藤は、観ているこっちまで苦しくなる)。無邪気に使っていた事を後悔し、やり直す事のできない現実に涙を流す。そして、彼女が最後にしたタイムリープは、自分の為じゃなく、大切な人の為。そして未来の自分の為。彼女は少女から大人になる為に、進むべき目標を見つけた。あぁ、この映画はなんて素晴らしいのだろう。今を楽しむという、青春の原点を思い出させ、そして見せ付けてくれる。あぁ、素晴らしい!あぁ、高校生に戻りてぇー!
[映画館(邦画)] 9点(2006-08-23 21:33:28)(良:2票)
107.  タイヨウのうた 《ネタバレ》 
YUIの演技は良かったと思う。初めてであれだけ出来れば十分。初々しい演技と、弱弱しい台詞の喋り方にはとても好感を持てた。YUIが歌うシーンに随分と長い尺を取っていたのも、あれはあれでいいと思う。主人公の少女の弱々しさとは反対に、歌っているときの力強さが、命がけで力いっぱい歌っているようなに見えて、夏の蝉のような儚さと青春の清々しい感動を覚えた。主人公の少女と恋をする青年役の演技も、その年齢の男の子の真っ直ぐで純粋な心をしっかりと捉えた演技をしていたと思う。病に苦しむ主人公の話は結論的に死に行き着くのは当然の結末ではあるが、そこで主人公を取り囲む残された人々がどういった反応、対応を示すかが観る者の心を引く。この作品の良い所は、人生の中で、最初で最後に人を愛すことの喜びと幸せを知り、そこから多くのことを知り、人と触れ合い世界を広げて、そして去っていったという、一見ありきたりではあるが、その中に込められた彼女の喜び、幸せがYUIの歌う曲を通して強く感じることが出来た。主人公がCDの中に吹き込んだ歌声を、彼女の家族と彼女が愛した青年、親友の少女だけでなく、ラジオを通して多くの人の心に届いたという終わりはとても良かったような気がする。彼女がこの世を去ったことで、涙を流すシーンを入れるよりも遥に、爽やかな笑顔と共に終わっていた事が何よりうれしかった。そして、この作品によってYUIの横顔の美しさ、演技中の愛くるしさなど様々な面でYUIという人間が好きになりました。素敵な映画だったと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2006-06-30 02:01:20)(良:3票)
108.  ビフォア・サンセット
『恋人までの距離≪ディスタンス≫』の良さを落とすことなく、いや、むしろ、『恋人までの距離≪ディスタンス≫』の良さをより引き立てるような役目を果たしていた。常に会話の一部として出てくるのが、9年前のあの日の出来事とそれからの日々のこと。それはもう、『恋人までの距離≪ディスタンス≫』を観た後、感動した人ならきっと一度はこの二人はこの後どうなってしまうのだろう?と考えた筈。その想像でしかなかった部分を見せてくれた。しかもそれが前作の良さ、良かった所を一切汚すことなく、見たいと強く願っていたその部分を見せてくれた。見れたその部分も、ロマンチックではあるが、ひじょうに現実的で、切なく、でも、淡く美しい。二人の間にははっきりとした愛があった。それだけで僕にとっては十分すぎた。
[DVD(字幕)] 9点(2006-06-25 03:05:45)
109.  河内山宗俊
見せるものは見せる。いらないものは見せない。とにかく自分の目でしっかりと観て、己の頭で考えろと言わんばかりの無駄のない脚本。そのテンポの良さはもう、82分という作品の長さからもはっきりとわかる。濃縮というか、凝縮というか、とにかく、82分に詰め込まれた内容の濃さ、厚みに感動する。維持をはる馬鹿な男、自分の欲ばかりに動く男、何にもなり切れない愚かな男、誰かの為に死ねるのなら幸せだと言って血を流した男、言葉少なくただただ男らしい生き様を見せ付けた男。どれになるかは、自分次第。その瞬間に何のために生き、そして誰の為に生きたかで、男の本当の強さが試されるのではないかと感じた。面白い。面白すぎて、悔しい。
[DVD(字幕)] 9点(2006-06-25 01:55:55)(良:2票)
110.  めし
やはり女性を描く天才です、成瀬巳喜男監督は。全てが女性中心に回り、男はその全ての引き立て役に過ぎず、喜びも悲しみも結局は、気まぐれで繊細な女性の心理で変化する。その変わり目、変わる瞬間、変わっていく心情。それらの繊細な心理は男にはわかるはずがないのです。でも、そのわからないはずの心理描写を、映像の中に切り取って、描いてしまう成瀬監督。すごいとしか言いようがないです。歩く様、眠る様、ご飯を装う様。その全てから、女性の深層心理がひしひしと痛いくらいに伝わってきます。辛く退屈な日々から逃げ出し、全ての荷物を降ろしたとき、軽くなったその頭と身体から眺めた景色の中の生活は、何気ない平凡な姿に過ぎなかった。柔らかく自然な俳優たちの演技、平凡を絵に描いたような淡々とした暮らし。時代は違うが、そこにある日本と日本人に深い共感と、爽やかな感動を味わいました。
[DVD(字幕)] 9点(2006-06-25 01:32:36)
111.  火火(ひび)
高橋伴明監督に直接質問することが出来た。「タイトルの火火というのは、どういう理由があったんですか?」すると判明監督は「田中さんが付けたんだよ。火と火でよろしくって」そんな単純な会話にも満たない言葉だったが交わすことができた。実際に監督直々に映画の説明をしていた。白血病のリアルな映写の時、窪塚君は直々にリアルな演技を進んでしたとか、本当に様々な裏話から、特に感じ取って欲しい部分だとか、丁寧に語られた。親子の深い絆、信頼、愛情。どこにでもありそうだけど、どこにもない、本物の親子。どこまでやれるか、どこまで尽くせるか。胸が痛くて仕方なかった。残そうと思えば永遠に残すことが出来る焼き物の美しさとは違い、人間はいつか必ず灰になる。でもそのとき、誰にどういう形で愛され、また愛し、そのときを迎えるか。どんなに辛くともそこに温もりがあるのなら幸せなのかも知れない。この映画から伝わってくる最も大きく、美しいメッセージは、「ありがとう」だと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2006-06-19 00:45:12)(良:1票)
112.  稲妻(1952)
もう、構図が素晴らしいの、とにかく。タイトルの稲妻にあるように、最後、高峰秀子演ずる娘の部屋に、母がやってきて口論になる。その場面で窓の向こう側に一筋の稲妻がピカリと走る。それだけ、たったそれだけの演出でこの映画の凄さが身にしみる。家族という囲いの中で巻き起こる様々な事件、出来事。そられの積み重ねが人を変え、人生を狂わせて行く。滑らかな台詞回しから漂う穏やかさ、静けさ、美しさ。この成瀬巳喜男という監督は、日本人女性を華麗に写す天才だったのかも知れない。いや、天才だったのだろう。
[映画館(字幕)] 9点(2006-06-19 00:31:05)(良:1票)
113.  生きるべきか死ぬべきか
20世紀最悪の悲劇を、20世紀最高の喜劇にしてしまった。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-06-18 23:45:13)
114.  クリスマス・クリスマス
この映画は、ものすごくピュアで暖かいハートの感じられる、とっても純粋なファンタジー映画。ストーリーはとにかく馬鹿馬鹿しい。馬鹿みたいな役者によって、馬鹿みたいな登場人物たちが馬鹿みたいに暴れ周り、スクリーンの中で楽しそうにはしゃいでいる。でもその馬鹿馬鹿しさは純粋さの象徴であり、気付いたら馬鹿みたいな彼らと一緒に馬鹿みたいに笑っていた。夢や希望の薄れてしまったこの世の中で、ファンタジーを信じることで、荒んだ世の中も信じたくなる。まだこの世界も捨てたもんじゃないなって思えてくる。口に鳥の糞がついたら、舐めればいいじゃん。手のひらから髪の毛みたいな毛が生えてきたら、チアリーダーになればいいじゃん。雪が降らないなら、心を込めて捏造しちゃえばいいじゃん。高層ビルにいまひとつインパクトがないなら、眉毛を書いちゃえばいいじゃん。幸せが来ないなら、眉間のシワをなくせばいいじゃん。どんなに不幸でつまらないことも、ポジティブに考えてみたら幸せで楽しいことで溢れてくる。映画って、やっぱりこういうことを教えてくれるから大好きだ。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 23:02:42)
115.  カナリア
現実は常に目の前にある。しかしそれに目を向けようとせず、自分たちの住みやすい架空の世界を作り上げた大人たちがいた。それに一度すがりついた大人(人間)はなかなかそこから抜け出すことができない。目を向けようとしない大人によって勝手に連れ込まれた世界に依存してしまった一人の少年は、現実への戻り方を完全に見失っていた。そんな少年の前に現れた現実世界の一人の少女。二人は一つの目的のために歩き始めた。そんな現実の世界を歩く二人の姿と行動に、現代社会への痛烈な批判を見て取ることができた。一人で生きていくことのできない二人の子どもが、大人と同じレベルで現実に立ち向かい、生きていくことの難しさや生きることの重みを訴えていた。そして二人は最後に現実の中の現実にぶつかり、答えを見つけ出した。大人でもそうそう出すことの出来ない答えを見つけた。二人は現実から目をそらさず、「生きる」と言った。今まで観てきたどんな映画よりも「生きる」ことの重みを感じた。重い内容の作品だったのに、見終わった後の爽快感があまりにも清清しく、全体の印象をとても綺麗にした。この映画を社会的に子どもと呼ばれる間に観ることが出来てよかった。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 22:56:54)
116.  村の写真集 《ネタバレ》 
まず、人の代わっていく姿というのは本当に観ていて気持ちが良い。というより嬉しい。 それがたとえ映画の中の架空の登場人物であっても嬉しい。頑固な父の変わっていく姿、反発する息子の変わっていく姿。まさに典型的だ。二人の間には父と子という姿はあるのだが、二人の間には目にも見えるほどの大きな隙間と距離があった。しかしその距離が徐々に縮まっていく中のたくさんのドラマは本当に美しい。誰かが死んだわけでもなく、これといった大きな感動があるわけでもない。それなのにぼくは涙を止めることができなくなるほどの美しさを見た。冬の一歩手前ののどかな風景と、父と息子の寄り添い合って歩く姿が、今の現代には欠けてしまった何かがゆっくりと丁寧に描かれていて、ぼくは自分でも理解できないほど何度も何度も泣いた。もしかすると、今まで観てきた映画の中で一番涙を流し続けた作品かもしれない。涙の量なんて一回一回測ってないないからわかる筈もないのだけれど、そんな気がした。親と子の切っても切り離せない心の繋がりを教えてくれる素晴らしい映画。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 22:53:54)(良:1票)
117.  コーチ・カーター
まず、この映画に登場する選手たちのプレイが本当にクールでカッコイイ。会場の臨場感や興奮感がNBAの試合を見ているような感覚にさせてくれる。それほどこの映画に登場する人たちのバスケのスキルが高い。今までにも多くのバスケの映画を見てきたけれど、この映画ほどバスケの素晴らしいプレイを見せてくれた作品は他にはなかった。役者が形だけのバスケをするのでは絶対に伝わることのない興奮を、この映画はぼくに与えてくれた。またこの映画の見所は彼らのプレイだけでは語れない。やはりストーリーがある程度分厚く、“バスケットボールをする”という条件に適した基盤となる内容がしっかりとしていなければならない。その点、この作品は他に類を見ないほど素晴らしい。弱小チームが強くなっていく、という一種のスタンダードな内容は、有り触れてはいるけれど、観ている側に最も強い興奮と感動、そして共感を与えられる内容は、これが群を抜いていると思う。主人公であるカーターコーチはサミュエル・L・ジャクソンが演じている。頑固だが信念を貫き通し、教えるプレイヤー達を強くさせようと心から思い、願っている。荒れた街の弱小チームはそんなコーチを易々とは受け入れない。街中では、麻薬の売買が当たり前のように行われ、その街の高校生の三人に一人は刑務所に入る。そんな街をも変えようとするコーチは、プレイヤー達にバスケを通して、ルールを守ることの大切さや、自分の将来の輝きは必ず掴めるのだという希望を徹底的に教え込んだ。毎日のように街中で一日に数人の命が銃で奪われる。そんな真っ暗な未来から救いあげ、命と人生の輝ける未来の素晴らしさを教えた。この映画はバスケのかっこよさを全面に押し出しながら、生きること大切さや素晴らしさを教えてくれる最高の映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-22 22:49:02)(良:1票)
118.  キング・コング(2005)
1933年のオリジナルにとても忠実に描かれていてとてもよかったです。ジャングルでの恐竜や巨大な虫、ブロードウェイの街を暴れまくる姿やエンパイヤステイトビルによじ登る姿、どれも忠実でオリジナルで興奮した僕の心としてはとても嬉しかったです。オリジナルの良さをそのままに、現代のVFXを駆使し、リアルに再現する。どれも観てみたいと思っていたものばかりでした。ピーターのオリジナルへの愛情や尊敬を見て取ることが出来ました。全てがリアルで、キングコングのサイズを等身大で感じることが出来たのもとても大きかったです。キングコングの感情やアンの想いをストレートに表現し、キングコングにさえも感情移入してしまいました。映像の素晴らしさだけでなく、ストーリーの面でもとてもリアルで、世界恐慌の時代の映写までもリアルで、とにかくリアリティーを追求したのが素晴らしかったです。本当にピーターのリアルを追求し、求める姿勢に心を強く打たれました。そして、ラストでキングコングが胸に手を当てた姿には、思わず込み上げてくるものありました。個人的にはオリジナルと同じくらいの評価と点をつけたいと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-25 23:39:37)(良:1票)
119.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版
人は何かを失うことでしか次の何かを得ることが出来ない。両手をどんなにめい一杯に広げても、その掌の上に乗るものの量や大きさは決まっていて、欲張って乗せたりすると当たり前のように脇から零れていく。人生は何かを捨て、何かを選び、また何を諦めながら続いていく。本当に大切なことなんてわからない。一年後に何が残っているかもわからない。だけど人は後戻りのできない一瞬一瞬の繰り返しの中で生きている。そんなの当たり前でわかりきっていることだけど、でもそれでも人はいつも過去を振り返り、「あの時はこうしていればよかった」とか「あの時、なぜいってやれなかったんだろう」とか悔みながら生きている。過去に戻りたいと誰もが願い、誰もが頭の中では過去に戻っているだろう。この映画はそんな誰もが戻りたいと思った過去に日記を読むだけで戻れるという一人の青年の話。羨ましいと思って観ていたけど、終わってみると羨ましいなんて感情はどこかへ消えていた。“切ない”この感情は色んな映画で感じてきたけど、この映画ほど衝撃的な切なさは今まで感じたことがない。心の深いところに直接染みこんで来る切なさは、体全体に広がった。痛み、涙、張り裂けそうな想い。エンディングで流れるoasisの『Stop Crying Your Heart Out』がぼくの涙の蛇口を開けっ放しにした。『Stop Crying Your Heart Out』を引き立てるためにこの映画があるような気がするし、この映画を引き立てるために『Stop Crying Your Heart Out』が存在するような気もした。何から何まで切ない色で染められたこの映画は、ぼくの心に深く深く残った。。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-10 23:59:44)(良:1票)
120.  犬猫
平凡な映像、平凡な脚本、平凡な登場人物。どこにでもいそうで、どこにでもありそうな生活。平凡を辞書で引くと“特別すぐれた所や変わった点が無い様子”とあった。この映画はまさに平凡だ。ありふれた生活と風景、それと人生があった。美人は三日で飽きると言うが、この映画はいつまでだって観続けられそうだ。美人ではないが、美人よりも輝いていて、愛しい。静けさや静寂や無言の中だけに生まれる不思議な心地好さ。最高に共感できる瞬間。この映画の中にはそれらがたくさん散りばめられ、本当にいつまでも眺めていたかった。本当にいつまでだって観ていられそう。この映画はまさに日本映画だ。日本にしかない日本だけの日本人の為の映画。僕はこの映画の静けさの中にいつまでも埋もれていたい。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-19 14:30:07)(良:1票)
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