101. 九龍の眼/クーロンズ・アイ
前作は「不正はゆるさーん!」という熱い思いがジャッキーを動かしていたのに、この作品ではバトルに至る理由が薄弱で、私情でレストランめちゃくちゃにしたり、挑発されて公園で乱闘したり、犯人グループに動かされたりするジャッキーなんですよね。だから見ていて気持ちのいいもんでもないし、爽快さもあまり感じない。/ラストの舞台も味気ない工場だし、敵とはいえアパアパにパーム弾を投げつけて優位に立つジャッキー。 やりようによっては名勝負になりえたのに、アパアパの強さとジャッキーの反則勝ちみたいな印象だけが残って終わってしまう。前作の派手さ、ストーリーの良さに比べたらあらゆる点で劣っていることは否めません。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-23 18:22:32) |
102. サイクロンZ
ジャッキーがベニー・ユキーデと対峙した時、体中に漲る気迫がビリビリ伝わってくる。細い足場に難なく側宙決めてしまうユン・ピョウの高所アクロバットやスタントマンの高所からの二段落ち、ガラス激突落ちも見事。/タイトルの「サイクロンZ」とは、倒れ際のユキーデに決まるジャッキー(じゃなくてチン・カーロッ)の旋風脚の技名なんだ!と無理矢理解釈。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-23 14:54:42) |
103. 天使行動
香港映画は、日本の当時のトップスター・西城秀樹にも容赦しない! 「インターポールの優秀なエージェント」という、一見楽そうな役に飛びついた自分自身をさぞや恨んだことでしょう。代わりにムーン・リーと長いことネチっこいキスできたんだからよかったじゃないか、うらやましいぞ。いや「ムーン・リーとキス」が契約に入ってたから飛びついたのか?うん、分かるよ、秀樹の気持ち。/内容は、よくできた、よくある香港アクションもの。ラストバトルでムーン・リーが大島をぶん回して鉄板にドガン!と打ちつけるシーンがすごすぎ。脳裏に焼き付きます。黄正利vs西城という、二度と見られない夢の対決(短いけど)もあります。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-20 16:36:03) |
104. ポストマン・ファイツ・バック
《ネタバレ》 パッケージを見ると「ポストマンを生業としているチョウ・ユンファが因縁のある敵と戦うために戻ってくる話なのだなぁ」などと想像してしまいますが、この物語の主人公でありポストマンを演じているのはレオン・カーヤンです。(一応ユンファにも見せ場は用意されてますが)/ラスト近くになると、敵味方関係なく死んで死んで死にまくる阿鼻叫喚の展開。ヒロインなんか「死ぬ必要あんの?」というくらい無理矢理の死を迎えます。/ラスボスであるエディ・コーは忍術使いなんですが、どうみても全身黒タイツ・・・。仲間がことごとく殺され、怒りに打ち震えるレオンとの壮絶なクンフー対決を期待していたら、さにあらず。エディ忍者もどきは形勢不利とみるやいちいち煙と共にドロンしやがり、正にレオンにとって「振り上げた拳の下ろし先」の見つからないような戦いを強いられます。/いま新たにDVDとして発売された理由がいまいち分からない作品であります。 [DVD(字幕)] 5点(2006-02-11 20:41:24) |
105. 霊幻師弟・人嚇人
《ネタバレ》 『鬼打鬼』に比べるとかなり面白くないです。まず格闘シーンと呼べるのは「ウー・マvs悪役3人」と「サモ・ハンvs悪役3人」だけで、尺も短くあっさり風味。/後者のシーンは、チュン・ファト一味に殺されたウー・マの霊魂がサモ・ハンに乗り移って仇討ちに行くという設定で、これがとんでもなく強いもんだから、チュン・ファト一味は一方的に叩きのめされ、なんだかカタルシスの欠片もありません。そこで終わってればいいものを、最後にはさらに出来の悪いエピソードがくっついています。/コメディ部分で笑えたのは、ウー・マの死因(実は生きている)を探るべく包丁で解剖しようとしたり、ケツの穴を覗いたりと、されるがままいたぶられるシーンくらい。アクション映画ではなく、あくまでコメディ映画だとしても、それほど笑えるシーンもなく・・・という感じで、なんとも中途半端です。悪役の女性が小池栄子に似てます。 [DVD(字幕)] 4点(2006-02-10 14:37:39) |
106. クローサー(2002)
映画としては純粋に面白かったと言えますが、やはりCGバリバリのマトリックス系表現方法に「あぁ、これもか…」と思ってしまう。スー・チーvsカレン・モクのシーンも格闘というよりダンスだし。もう香港は「生身でもここまで表現できるんだ」というアイデンティティーを失いつつあるのかなぁ、と寂しくもあります。倉田保昭がネオのような弾丸避け体勢から元に戻るとこなんて見たくない…。 [DVD(字幕)] 7点(2006-02-07 12:00:24) |
107. タイガー刑事
ハードボイルド系刑事もので、クンフーシーンは中盤のドニーvsウッズくらいです。ドニーが気のいい兄ちゃん風キャラなのが新鮮。シリアスなストーリーに不釣り合いなジャッキー・チュンのコミカルな顔が終始気になった。 [DVD(字幕)] 6点(2006-01-31 14:38:14) |
108. リベリオン
日本で上映された頃にCMをやっていて、ラストバトルのシーンがチラっと映るんですが、そのシーンを見た瞬間<私の好きなタイプのお馬鹿映画だ>と思い、レンタルが出るまでけっこうわくわくして待っていたのですが、いざ鑑賞してみたらけっこう重いテーマ/<馬鹿をマジメに>やってるとばかり思ってたら、監督さんはいたってマジに作ってんですね。騙されたとまではいかないけど裏切られた感が強いので、悪い部分ばかり指摘しちゃいますが、世界観にもう一工夫ほしいし、ストーリーも間延び気味。あっちこっち行ってる間にアクションをもうワンシーン入れられるだろ、と思う。/ガン=カタアクションは、戦ってる間は美しく見えるシーンもあるし新鮮なアイデアには賛辞を贈りたいのですが、なんか小粒というか、ガン=カタの前では敵が徹底的に弱いということもあり、決着がついた後の爽快感があまりなく、アイデアを生かしきれてない印象。/銃のグリップから釘みたいのが出て戦うシーンは、スローにするとポカポカ殴ってるみたいで妙にマヌケな絵に見えます。とくにラストバトルは敵さんにもっと頑張ってほしかった。/ガン=カタシリーズ第1弾という触れ込みらしいので、第2弾があるならもっと突き抜けた演出を期待します。 [映画館(字幕)] 6点(2006-01-25 16:03:54) |
109. サンゲリア
ガキの頃、カブトムシの幼虫探しに腐った肥料など掘り返したり、そんな環境で育ったせいか、ウジやミミズの這った死体がモリモリと這い出てきても平気な自分がいた。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-13 15:27:12) |
110. タイガー・オン・ザ・ビート
《ネタバレ》 いい加減で女好き&真面目でマッチョの刑事コンビもの。前半~中盤までのクンフーシーンは打撃音がスカスカで迫力もイマイチ。しかしラストバトルだけはものすごい気合の入ったデキで、劉家輝vsコナン・リーのチェーンソーを持っての激しいぶつかり合いは、手に汗握ります。/壁際に隠れた周潤發がショットガンに紐をくくり付けて、隠れたまま壁の向こうの敵を撃つトリックもカッコいい。 [DVD(字幕)] 6点(2006-01-06 22:50:50) |
111. ソウ
《ネタバレ》 閉じ込められて、相手と言い争ったり協力したり、最後には人間の醜さむき出しながら脱出─みたいなのを想像してましたが、大筋は数年前に量産されてたサイコサスペンスのような感じでした。いや、グイグイ引き込まれておもしろかったですけどね。/ついでに『完全解読』サイト見てみました。"ゴードンが生還した場合"に浮気がバレて家庭崩壊、救われない人生のように書かれてますが、彼に家族に対する愛が無いわけではなく、自分の足を切断してまで家族を助けようとしたゴードンに、家族はついていてくれるんじゃないか─と思いたい。/しかし6時間も首を真横に向けてうつ伏せてたら、首おかしくするぞ。 [DVD(吹替)] 7点(2005-12-30 22:33:30) |
112. 香港・東京特捜刑事
《ネタバレ》 目の前で部下の命を奪った強盗犯に復讐を誓った日本の刑事・フジオカが"東京のカタキを香港で討つ"ために香港に乗り込むのですが、周囲の迷惑顧みず復讐のターミネーターと化すフジオカ。いくら犯人を追うにしても、異国の地で一般車両を誤射して大炎上はマズイだろ。/そんなフジオカもラストバトル直前に自己犠牲精神を発揮してあっさり絶命。レイチェルに「復讐の誓い」を託すとか共有するようなシーンがあったならまだしも、ほんとに「ラストバトルに邪魔だから」という香港映画らしい死に方により、今まで積み上げてきたストーリーがすべて"おじゃん"に。エンディングを迎えても、この報われない感はなんだろう…。/シンシア・カーンの、車に挟まれた狭い場所でのディック・ウェイとの格闘や時折見せる三角飛び蹴りなどは見所なのですが、ラストの格闘シーンはカットごとの繋がりが合ってなくて、一方を倒したと思ったら次でいきなり攻撃されてるカットから始まるなど、かなり雑な感じです。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-12-28 14:47:39) |
113. レッド・リベンジ -復讐の罠-
《ネタバレ》 ほんとに関係ないところから「ちょっと待ったぁ!」という感じで飛び込んできて、騒動を大きくするユン・ピョウの役が、ストーリーにアンバランスさを加えているような気がする。/中盤のバトルでユン・ピョウがビリー・チョウの尻に尖った物を突き刺して、それに全体重がかかってしまうシーン、観てる方も痛たたたた…。ラストバトルはイマイチ爽快感無し。/お坊っちゃんのようなコリン・チョウがかわいいです。 [ビデオ(字幕)] 5点(2005-12-27 17:50:18) |
114. 神鳥聖剣
チープなBGMと共に雪山で一人演舞をするアンディを空撮すると、ここまでマヌケな絵づらになるのか。オープニングからして「安っ!」という感じで、マンガちっくな演出(ツッコミに100tハンマー出てきたり、手が巨大化したり)は、ジャッキーの迷作「シティハンター」とか、90年代初頭のマンガのようなバブリーなノリですな。リチャード・ンの魔王役もなにがなんだか・・・。/クリスマス・イブにこんなものを観てしまった自分が憎い!地雷です。 [ビデオ(吹替)] 1点(2005-12-25 02:41:00) |
115. デビルマン
世の関係者、観た者すべてを“脱力と混乱のずんどこ”に叩き落とした「那須博之」という男こそが、真のデーモンだったということだ。 [DVD(字幕)] 1点(2005-12-16 14:52:32)(笑:2票) (良:1票) |
116. クライム・キーパー 香港捜査官
メインキャストが出会ったらとりあえず戦う!。クンフー、アクションシーンの合い間に話の筋の部分──というくらいアクション偏重な作品ですが、破綻せずにまとまってるあたりは、他監督が撮ったシリーズの3、5に比べるとさすがユエン・ウーピン。/若き日のドニーのアクションですが、ズド!とソバット入れてキュッ!と戻る時の速さや、ぐるぐるズドン!パンチ、細かいフェイントなど見てて実に面白く、実戦で使えそうな気がして(気がするだけ)、真似してみたくなります。シンシア・カーンも、走るワンボックスの屋根や、鉄筋の階段での格闘シーンはマジですごいです。とにかくクンフーアクション詰め合わせのようなこの作品、ストーリーにこだわらない人にはオススメ。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-12 23:41:13) |
117. プロジェクト S
『ポリス・ストーリー3』から派生した作品で、よくある刑事アクションものですが、アクション+コメディ超特急のような『3』に対して、こちらは、恋人に「お願い、自首して!」的な泣かせようとするストーリー。/ルンが犯人を尾行した時に、犯人から丸見えの位置でチラ見、犯人としっかり目が合ってからわざとらしく辺りをキョロキョロしてごまかすが、逃げられる──というありえない馬鹿らしいシーン(ルンがドジな刑事を演じてるわけじゃなくて、ストーリー進行上)があるのが気になった。/あとジャッキー&エリック・ツァンが女装して出てくるシーンは、このシリアスな内容の作品にストーリー上なんら関係なく、完全に蛇足です。/ということで、損はしないが特に・・・という感じ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-04 17:47:04) |
118. 少林寺・激怒の大地
《ネタバレ》 緩急のつけ方、盛り上げるべきシーンになった時の勢いはこの監督らしい。少林寺が乗っ取られるまでの流れ・引き込み方はうまく、館長が火だるまになるシーンでは多くの門弟の叫び、悲壮なBGMと相まって、観てる方も「館長ーー!」と叫びたくなります(笑)/遊牧民の馬の群れが逃げ出して草原を駆け回っている場面を、なぜか延々と撮り続けるわけ分からなさもあったり、悪役を演じるユー・ロングァンに比べて、「もしや本物の僧なのか?」と思ってしまうほど主人公の俳優としてのオーラの無さがもったいない。遊牧民の長役の人が目黒祐樹にそっくり。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-01 15:46:37) |
119. ガッツフィスト 魔宮拳
《ネタバレ》 家宝の壷が盗まれ、犯人の手がかりは坊主頭、そして変装の達人ということで、カツラをかぶって正体を隠しているチャーフィと、途中から仲間になるホイサン、カーウィンのコンビが、目星をつけた奴をかたっぱしから襲う・・・というかなり無茶なストーリー。/魔宮の奥で待っていたロー・リエとの最終決戦。チャーフィがカツラと服を脱ぎ現れたのは・・・「少林寺三十六房」の○徳です!/その戦闘中に別の部屋に入り、上から垂れてきたのは・・・またもや「少林寺三十六房」の頭を鍛えるサンドバッグ!頭でガスガスしながら闘ってます。そう、これは○徳のサイドストーリーだったのです(無理矢理だけど)。/ホイサンのおとぼけキャラがいい味出してます。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-30 13:59:30) |
120. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ V/天地撃攘
なりゆきで海賊退治をするストーリーで、並んだ壷の上で戦ったり、重力を無視した戦闘が展開する辺りはワンチャイテイストなんですが、我らが黄飛鴻も西洋化の波に抗えず、とうとう拳銃を使用してしまいます。ちょっと使うどころではなく、弟子も含めてバンバン海賊を撃ち殺します。いくら相手が悪者でも、黄飛鴻に女性の目玉を銃で撃ち抜かせるとは、なかなか思い切った演出です。/その違和感さえ乗り越えれば、内容的には他のシリーズ作品と同じくらい(『天地大乱』は特別として)の面白さかな。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-11-29 21:39:30) |