101. 運命じゃない人
《ネタバレ》 評判いいですねえ、この映画。うん、確かに面白かったですよ。でも、世間の評判はちょっと高すぎる気もしますが。ところで、 冒頭で宮田に部屋を貸すように頼んでいた上司が最後に出てきますが、どうも他の要素にくらべると、この上司には仕掛けがないなあ、と思っていました。でも、後から気づきました。あの上司、「デートの相手は24才看護婦だ」って言ってましたよね、探偵事務所で組長が見ていたあゆみの結婚詐欺の資料に「第一外科の看護師」というレパートリーがありましたね。と、言うことは…。 [DVD(邦画)] 8点(2009-09-13 10:00:00) |
102. キサラギ
《ネタバレ》 「なぜ物置きに?」のくだりではボロボロ泣いちゃいました。このシーン以降、いきなり感情移入しちゃって、エンドロールでミキが歌っているシーンでもウルウルしっぱなしでした。謎解きも、伏線の入れ方がうまくて楽しめました。面白い映画です。 [地上波(邦画)] 8点(2009-09-13 09:59:33) |
103. 不思議惑星キン・ザ・ザ
《ネタバレ》 ソビエト版「猿の惑星」と言った感じですが、もっと突き抜けています。一見単なる資本主義批判のようにも、あるいは社会主義批判のようにも見えますが、実は人間存在そのもの、いや、世界そのものを風刺している作品です。この映画を見ていると、「世界」ってのがどんなところなのか、あらためてよくわかります。傑作! [DVD(字幕)] 9点(2009-09-13 00:05:53) |
104. おろち
《ネタバレ》 ストーリー、オチは、なかなかよかった。しかし映画の出来はイマイチ。テンポは悪いし、絵の撮り方もありきたり。セリフも雑。きっと原作はおもしろいんだろうな。 [DVD(邦画)] 4点(2009-09-04 19:56:37) |
105. クライマーズ・ハイ(2008)
これだけ数多い登場人物を、すべて活きた人間として描ききる手腕は、まったくもって見事というほかありません。また、映像のテンポ、台詞、絵の色合いなど、細部にまで神経が行き届いていて、一切穴のない、とてもよくできた映画です。最初から最後まで息もつかせぬ展開。一瞬たりとも飽きさせません。ずっと前のめりになって見てしまいました。おもしろかったー!!! [地上波(邦画)] 8点(2009-08-16 23:35:31) |
106. アキレスと亀
《ネタバレ》 なるほど。最近のたけし映画の中ではなかなか面白い作品だった。「芸術」「芸術家」を皮肉ったコンセプトは、非常にすばらしい。ただ、ラストで奥さんが帰ってきちゃうのは気に入らない。旧態依然とした男尊女卑の感じが丸出しで。あんなものを「愛」だとしてきた古い日本映画の気持ち悪いパターンから、結局抜け出せなかったのが、非常に残念。せっかくなら、そこも皮肉って欲しかった。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-22 22:51:08) |
107. 夕凪の街 桜の国
《ネタバレ》 ていねいに作られていて、絵の撮りかた、役者の芝居など、全体的にいい感じでした。ドラマのつむぎ方もよかったと思います。ただ、物語の結びに、もうひとつ何かが欲しかった感じがしました。映画が終わったとき「え? これで終わり?」とつぶやいてしましました。大仰なラストシーンが欲しいわけではありません。が、どうしても「何か」が足りない気がします。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 00:44:52) |
108. 蛇イチゴ
《ネタバレ》 「ゆれる」のほうを先に見ていました。今作は「ゆれる」より、だいぶ軽いテイスト。平泉成や宮迫の芝居がなかなかすばらしく、また、親戚との会話のディテールなども実に丁寧に、リアリティを持って描かれています。大谷直子が芝居しすぎているのが残念ですが、それ以外は質が高いです。ただ、そのわりに映画全体の満足度はもう一つ。好評らしいラストシーンも、僕は好きじゃありません。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 00:38:50) |
109. 闇の子供たち
《ネタバレ》 原作の小説ほうが、詳しく、より伝わってくるものがありました。映画はちょっと中途半端な出来かな。やりたいことの焦点が定まっていない感じ。でも、世界にはこういう現実があるということを、多くの人に知らせることは重要なことだと思います。そういう機能は果たしている映画でしょう。ラストのサザンの歌は、まったく持って失敗。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-20 00:30:29) |
110. アフタースクール
《ネタバレ》 うまく仕掛けられた脚本は、いかにも内田監督らしい。のっけのシーンから、いきなりミスディレクションしてるんだけど、巧妙でまったく気づきません。前2作よりもこなれてきた印象で、映画としてよくできています。が、それゆえに軽い印象もありますね。「運命じゃない人」が持っていた「味」のようなものは影を潜めた感があり、コアなファンの反応はいまひとつかも。でも、楽しく見れる秀作です。 [DVD(邦画)] 7点(2009-07-09 00:44:06)(良:2票) |
111. グロテスク(2008)
《ネタバレ》 予想外に、いい映画でした。途中までは単なるグロものとして見ていましたが、しだいにいろいろなことを考えさせられるようになります。エロシーンが冗長でイライラしましたが、その部分を除けば、展開もテンポもよかったです。知らず知らずのうちに、3人の登場人物に次々と感情移入している自分に気づきます。もしあなたが男で、女性に「君のためなら、どんなことでもできる」などと言った経験があるなら、ぜひこの映画を見るべきです。心の底から反省することになるでしょう。…僕自身も、反省しきりです。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-09 00:33:00) |
112. カリスマ
《ネタバレ》 とてもメッセージ性の強い作品。言いたいことはよく伝わってきた。メッセージの内容にも共感できる。しかし、それだけ。映画にするなら、映画として面白いものにしてほしい。これなら、エッセイか論文を書けばいい話。最初の人質事件のあたりだけは、映画としての息遣いが感じられた。 [DVD(邦画)] 4点(2009-06-24 10:15:02) |
113. WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース
《ネタバレ》 「運命じゃない人」に比べると、かなりダラダラしていて、仕掛けも甘い。全体的にテンポも悪くて眠くなった。ところどころに光るものはあるにせよ、作品としては5点が限界。でもラスト近くで女が「死ねばいいんじゃない?」と、しれーっと言うところは、よかった。 [DVD(邦画)] 5点(2009-03-06 23:19:06) |
114. 全然大丈夫
いい映画ですね。ひとりひとりの人物の描き方が実に丁寧です。かなり地味で不器用で、普通なら決して脚光を浴びることのないような人々を、とても魅力的に描き出しています。人物も地味ならストーリーも地味。それでも、何度も繰り返し見たくなるような魅力が、この映画にはつまっています。荒川、木村、岡田の3人に加え、ココリコ田中もすごくよい。脇を固めるきたろうや根岸も完璧。ただ、映画を通して見ると、照男の「おばけやしき」関係のくだりが、実はこの映画には必要ないものであることがわかり、そこがマイナス点。劇中で自主映画を撮っているくだりも、いらなかった気がします。でも、地味でも不器用でも、全然大丈夫! という監督のあたたかいメッセージが心に響いてきて、感動しました。 [DVD(邦画)] 7点(2008-11-11 13:53:02)(良:1票) |
115. 天使(2005)
《ネタバレ》 面白かったです。想像していたのとはだいぶ違いました。もっとかったるい感じかと思っていましたが、テンポもよく、次々に別のエピソードに切り替わっていくので、飽きさせません。映像もきれいだし、映画全体に漂う胸キュンな感じも、やりすぎていなくてセンスがいいです。ひとりひとりの人物も、なかなかよく描けていたのではないでしょうか。残念なのは、各エピソードの導入部と、各エピソードの結末が雑なこと。途中はずーっと面白いのに、出発と着地が下手でしたね。でも、笑ったり泣いたりしながら楽しく見れたので、好きな映画です。 [地上波(邦画)] 7点(2008-10-20 22:38:19)(良:1票) |
116. ゆれる
《ネタバレ》 最初の30分は退屈でしたが、事件が起こってからはグイグイ引きこまれました。嫉妬、憎悪、愛情、憧れ、保身、自暴自棄、信頼、裏切り。様々な感情や思惑が複雑に絡み合うことで、深みと厚みのある物語になっています。蟹江の弁護士、木村の検事が適役で、とてもよかったです。見方によって、「事件の真相」や「猛の証言の真偽」が、いろんな形に見えてくるのも面白いです。ラストシーンは「投げちゃった感」があり、ちょっと残念。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-10-20 22:17:40) |
117. 涙そうそう
《ネタバレ》 にーにーが死ぬところまでは、ほぼ完璧な出来。ひとつひとつのセリフ、ひとつひとつのシーン、ひとつひとつの演技が、本当にすばらしく、いきいきと描かれた登場人物たちを見ているだけでも、涙が出てきます。映画が始まった瞬間から、ずっとウルウルとニコニコをくり返し、表情筋が、かなり鍛えられました。ほんとうに心にしみ入る映画でした。ところが、にーにーが死んでからが、失敗してます…。ここまで泣き通しだった僕が、なんだか急に冷めてしまいました。にーにーが死んだ後に、にーにーから手紙と着物が届く。一番泣けるはずのこのシーンが、この映画で唯一泣けないシーンになってしまいました。実に惜しい! でも、にーにー死亡後のシーンがかなり短いことと、エンドロール後のラストシーンがよかったことで、被害は最小限に食い止められました。総合的には、やはりお気に入りの映画です。 [地上波(邦画)] 8点(2008-10-17 22:14:59) |
118. フラガール
《ネタバレ》 あらゆる「過程」を描くことをすっ飛ばした映画でした。初め興味の無かった紀美子がフラダンスに熱中していく過程。ふてくされていたまどかが、熱心な指導者になっていく過程。頑固な千代が娘を応援しようと思うまでの過程。まどかと少女たちが心を通わせていく過程。そしてまったくの素人だった女の子たちが、がんばってフラダンスを拾得していく過程。普通なら一番丁寧に描くべき「過程」が、まったくはしょられているので、感情移入などできるわけありません。それに、小百合の父親が死ぬ設定なら、「小百合と父親の関係」を描いてからにしなきゃ意味ないでしょう。小百合にとって父親がどれほど大切か、そして小百合にとってフラダンスがどれほど大切か。その二つがこちらに伝わった上で、やっとあの葛藤に感情移入できるわけでしょう。いい役者がたくさん出ているのにみんな大根に見えたり、すべての台詞や行動にリアリティがなかったり、とにかくひどい映画です。・・・としか、僕には思えないのですが、世間の高評価を見ていると、僕にキャッチできない何かが、この映画にはあるのかなあ? という気もしてきます。でも、それが何なのかどうしてもわからないので、僕からは1点もあげられません。 [地上波(邦画)] 0点(2008-10-17 08:29:52)(良:2票) |
119. 口裂け女2
《ネタバレ》 身につまされる、悲しく陰惨な物語です。「口裂け女2」というタイトルですが、前作の「口裂け女」とは、何の関係もありません。また、口裂け女という化け物が、人を襲っていく話でもありません。普通の、現実的な事件を描いた映画です。色彩感覚や映像に対するこだわりがすばらしく、まさに「絵」で物語をつむいでいく映画と言えます。とは言え、「斬新な手法」や「奇をてらった演出」などは一切ありません。地道に丁寧に、この物語に最も合った「絵」を撮っていった。そういう感じの映像です。とても成功していると思います。登場人物の台詞がベタで類型的なのが気になるのですが、それさえ無視すれば、かなり質の高い映画だと言えると思います。 [DVD(邦画)] 7点(2008-10-17 00:01:45)(良:2票) |
120. 音符と昆布
《ネタバレ》 池脇千鶴の演じる「かりん」のキャラが、なかなか魅力的。映画としての息遣いも感じられたし、外灯の写真やピアニカ、金魚、アイロンなど、小道具もよく生かされていたと思います。物語は、連続ドラマの第1話といった感じで、これから面白くなりそうだなあ、と思ったあたりで、映画が終わってしまいます。「続きが見たい」と思わせてくれるという意味では、いい映画とも言えますが、この映画の内容だけで評価すると、やはり6点が限度かなあ。 [DVD(邦画)] 6点(2008-10-16 23:30:09) |