101. 太陽を盗んだ男
《ネタバレ》 以前観たときとの印象の違いは、城戸誠のどんくささ。壁キャッチボールだろうが、原爆ドリブルだろうが、塀の上のウサギ跳びだろうが、とにかくこの身さばきの悪さは天性だろうというモノばかり。原発突入がストップモーションだったのは、それが理由じゃないでしょうか。ただ、このダメっぽさが本作の仕上がりに、むしろ功を奏したのではないかと。どんくさいニヒリスト・城戸誠vs不死身の県警警部。メチャクチャだけどイイんだと思ってましたが、メチャクチャだから良かったんですね。 [DVD(邦画)] 9点(2016-02-27 09:20:09) |
102. ピクセル(2015)
《ネタバレ》 極めて質の高い悪ふざけですね。1分間に1つはギャグが入ってきます。マイフェイバリットは「オバマの次に好きな大統領です」。だから映画と言うより、ものスゴくお金のかかったコント。だとしても、これは、大好きだ。Tears For Fears のくだりでは鳥肌が立ちました。 [DVD(字幕)] 9点(2016-02-21 13:59:07) |
103. ローマの休日
《ネタバレ》 ギターを振りおろしたときの表情が一番好き。初見は30年前。そのときよりもアン王女が初々しく見えるのは、デジタル・ニューマスターのおかげだけではないのでしょう。観るたびに新しくなるんじゃないでしょうか。 [DVD(字幕)] 9点(2016-02-08 12:53:34)(良:1票) |
104. マルサの女
《ネタバレ》 権藤英樹のピカレスクロマン。「心安らかなのが、一番いいな」からの一連のシーンにしびれる。 [DVD(邦画)] 9点(2015-12-13 07:44:32) |
105. ダイ・ハード
《ネタバレ》 こんなにがんばっているけど、結局離婚しちゃうんだよなぁとか。こんなにかわいい息子や娘もあんな生意気な感じになっちゃうんだよなとか。いやいやご本人だって、こんなにツヤツヤだったのなぁって。初見時には、想像だにしなかったですけどね。なんか自分の来し方重ねて、しんみりしましたよ。だが。本作自体は、文句なしに面白い。慌てつつも実は冷静。マクレーン刑事、かっこいい。 [DVD(字幕)] 9点(2015-11-28 12:27:28)(良:1票) |
106. キサラギ
《ネタバレ》 初見以来、また「キサラギ」みたいのが観たいな、とレンタル店の棚を物色することしばしば。結末を知りつつ再見しても、あらためて面白いと思う。でも、面白いこそなんですよね、なぜ5人の出した結論を信じることができなかったのか、と。最後に入れたもう一筆が、観客へのサービスというより制作側の「逃げ」の姿勢のように見えるんです。「なんちゃって」って言ってるような気がするんだよなぁ。ああ、もったいないなぁ。 [DVD(邦画)] 9点(2015-11-17 15:24:56)(良:1票) |
107. 6才のボクが、大人になるまで。
《ネタバレ》 理科番組で播いた種がドンドン大きくなって花を咲かせる早廻しビデオがありますよね。その力強さに思わず見ほれる例のアレです。アレを人間でやったワケですね。子供が大人に成長していくのって、なんてスゴいことなんだろう。ヒトの親であるような観客は、おそらく我が子とメイソンJrを重ねたはず。彼を演じたエラー・コルトレーンには、本当の父母がいるはず。実の親はこの映画観て身をよじらんばかりに嫉妬したと思いますよ。これはいいです。 [DVD(字幕)] 9点(2015-09-10 19:32:50) |
108. 百円の恋
《ネタバレ》 かく言うワタクシメも「好きじゃねえんだよなあ、一生懸命なヤツ見んの」っていうゲス野郎です。だから、前半の方のつげ義春的というか、業田良家的な世界の方が好きだったな、後半カッコよくなってからよりもさ、とかね。あ、この控え室からリングまでの間をじっくり見せるシーンはいいな、一子にとっては試合に出られたことがピークだからね、むしろ試合シーン全カットでもいいかもとかね。後ろ向きなことを考えながら見ていましたが。しかし。い~い試合じゃないですか。「負けてしかるべき展開であるが、しかしそれはともかく勝て!」と力が入りましたもん。これは、いいぞ。 [DVD(邦画)] 9点(2015-07-11 22:01:35)(良:1票) |
109. アポロ13
《ネタバレ》 んー、もうかっこいいよねぇ。発射シーンが好き。ものすごい重い質量の物体がとてつもない力で飛び立っていくというのがよく分かる。ワタシの中で歴代1位の発射シーン。コックピットの中のメカメカした操作パネルが好きだ。受け口な感じで笑うトム・ハンクスがチャーミング。いるだけできっと何かしてくれる気がするゲイリー・シニーズ。いや、もうかっこいいとしか言いようがないよねぇ。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-05-23 17:24:03) |
110. 少林サッカー
《ネタバレ》 見直してみて、「見直した」ってヤツです。もっと天真爛漫に、ただ可笑しい映画だと思っていたのですが。「この興奮と尊敬の念は歌以外には伝えられない」。2回やる卵のキス。敵チームのプールの訓練シーン。ハエのシーン。「愛じゃない」。「退屈しのぎにひとつ踊りましょうか、引っ込んでろ 私が踊る」。何の効果も生まない「少林羅漢陣」。妙な味付けがふんだんに施してある。コクの深い作品だったのですね。テレビで半年に1回くらいやって欲しいと思う一作です。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-05-21 12:09:37) |
111. ヒックとドラゴン
《ネタバレ》 息子を信じたい父親の気持ちとリーダーとして取るべき行動のジレンマ。息子を信じ切れなかった無念。あえて、族長ストイックの物語としてとらえたい。 [DVD(吹替)] 9点(2015-05-16 19:36:12) |
112. 北の国から '84夏<TVM>
《ネタバレ》 言い尽くされているなか、付け加えるとしたら、正吉こと中澤佳仁氏の表情のすがすがしさ。中澤氏が「北の国から」シリーズのみで芸能界から身を引いたいさぎよさが、本シリーズを名作としたことに寄与していると思う。ワタシの中では、正吉は正吉のままだ。 [DVD(邦画)] 9点(2015-04-09 17:54:02) |
113. 疑惑(1982)
《ネタバレ》 宗治君には、男だったら大事なもの守るためなら、一生重荷に背負っていかなきゃいけないウソがあるのだよと言いたい。福太郎氏には、本当に息子を大事に思っているなら、そんな重荷を残さず、一人で黙ってやれと言いたい。そんなしょうもない男と対比するように「炎の女と氷の女の華麗な対決」とされる本作ですが、桃井かおり(炎の女)の圧勝じゃないですか。最後まで、画面を支配していたのは彼女でした。激昂したり、毒づいているときはもとより、法廷で少しぼんやりしている表情にも引きつけられました。 [DVD(邦画)] 9点(2015-03-29 07:36:37) |
114. フライト・ゲーム
《ネタバレ》 これは奥行きの深い作品でした。犯人グループのビル(リーアム・ニーソン)への信頼感が半端無い。彼が最善の策を採るであろうことを前提として、犯人は計画を進めていきます。だから、身を持ち崩した中年男ビルのことが、物語半ばを過ぎても本当は悪の手先かも知れない疑惑を払拭できません。こんなに不安定なまま、話が進んで良いのか。ホントは、別タイトル・同一主人公の「一作目」があって、他のみなさんはもっと心安らかに観てたのかも、他の方のレビュー見てからここを書き始めました。ないようですね。いや、こんな鑑賞後の気持ちは初めて。満足。 [DVD(字幕)] 9点(2015-02-21 08:44:45) |
115. オール・ユー・ニード・イズ・キル
《ネタバレ》 面白い。観る前のイヤな予感は杞憂でした。先が気になって、グイグイ映画の世界に引き込まれます。こんなの久しぶり。ワタシの好きなシーンは、おんぼろヘリコプターを発見してから、リタにコンタクトを取らない決断をしたくだりです。トム・クルーズって、どうしてこんな不思議な味のある役者なんだろう。大満足。まさか本作につけるとは思わなかったけど満点です。【2020.5.19】事情(10点は30作品以内にしたい)により、9点にしました。 [DVD(字幕)] 9点(2014-12-29 09:14:38) |
116. 赤い風船
《ネタバレ》 とにかく、いたいけでたまらない。我が子の小さい頃を思い重ねて、心かきむしられるよう。 [DVD(字幕)] 9点(2014-11-02 14:36:04) |
117. 白ゆき姫殺人事件
《ネタバレ》 なたね @nata_01 赤星雄治(無関係)って、ワロタ(笑 。うまいよ、原作超えてる。さすが、中村監督。☆4つ半 [DVD(邦画)] 9点(2014-10-11 13:04:37)(良:1票) |
118. 俺たちに明日はない
《ネタバレ》 再見。静かに始まり、一瞬の爆発のあとひっそりと終わる物語。銀行強盗に自己紹介されて、照れる共犯者。恋人の本当の年齢を拉致されながら知り、憮然とする被害者。監督はコメディとして作ったのではないか? だとしたら、こんな奇形なコメディは今後ありえないでしょう。 [DVD(字幕)] 9点(2014-06-21 20:19:22) |
119. コンプライアンス 服従の心理
《ネタバレ》 バカは罪だ。世の中の不幸のほとんどはバカのせいだ。バカはイヤだ。そんなことを陰々滅々と考えながら、己の身を焦がすような思いで観続ける。こんなことはありえん、と思えないんだ。とてもイヤな本作ですが、冒頭から救いようのないある作中人物の世間話でこの物語を閉じるあたりに監督の並々ならぬ底意地の悪さを感じる。でも、傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2014-03-10 16:28:49) |
120. 今朝の秋<TVM>
「ながらえば」、「冬構え」、そして本作。扱っているモチーフもテイストも全然違いますが、日本の湿っぽい「グラン・トリノ」と呼びたい。潔く老いて居ることを教えてくれます。すばらしい! [DVD(邦画)] 9点(2014-01-20 19:16:42) |