1301. 哀愁
《ネタバレ》 冒頭のシーンで、既にネタバレ全開という、キング・オブ・冒頭ネタバレ映画。 ストーリーは実に重厚で、隙がない。 その分、進行上、都合の良すぎる部分があるのが、ややマイナスか。 女性が自分の不貞に苦しみ、相手の男にそれを知らせたくないとする気持ち、解らなくもない。 だけど、本当に相手の男を信用していたら、打ち明けるべきだと、個人的には思う。 なんせ、それが本当の愛ならば、全てを包容することができるはずであろうから・・・ 少なくとも、私はそう信じたい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-03-13 01:00:17) |
1302. 煙突の見える場所
上原謙、田中絹代、高峰秀子という布陣で、実に豪華キャスト。 内容も普通に楽しめるものだが、日本映画黄金期として考えると、普通の出来かなぁ、というのが正直な感想。 だけど、レベルが高い時代での「普通」であるからして、それでも十分楽しめる作品内容だった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-03-05 22:41:26) |
1303. 女が階段を上る時
《ネタバレ》 やっぱり成瀬巳喜男作品の森雅之はカッコよすぎる・・・究極のダンディズムだ! さて、脚本に成瀬巳喜男が参画せず、あとはお馴染みのキャストとスタッフで作られた、微妙な異色作。 そこの辺りの影響は、ほんの少しだが出ていたようにも思う。 全体的に漂う退廃的なムードは、一見、その他の成瀬巳喜男作品と同じようにも感じられるが、人間と人間との交錯の深さがやや浅かった気がしなくもない。 成瀬巳喜男作品と言えば、切っても切れない男女の仲、深いつながりみたいなものを感じさせる作品が多いが、本作は沢山の人間が交錯するものの、それ以上の深みがない。 別につまらないわけではないが、作品に引っぱられ、のめり込む吸引力が少し劣る気がした。 その影響か、最初から最後まで淡々とし過ぎた感は否めない。 一方で、高峰秀子のラストの笑顔。 これはとても印象的だった。 “真冬を耐え忍び、春の芽をじっと育てる銀座の街路樹のように”、きっとまた復活するに違いない笑顔を、彼女は最後に見せてくれた。 当時の銀座の風景描写も印象的だった。 現在の銀座と言えば、一流外国ブランドのビルが建ち並び、路地裏もそれほどの淫靡さを感じさせない。 どんどん綺麗になり、浄化作戦とやらで変わっていく東京の風景。 そんな郷愁も、本作を観て感じずにはいられなかった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-02-27 17:20:02) |
1304. トゥルー・ヌーン
《ネタバレ》 初めて観るタジキスタン映画。 変に気取ったり捻りすぎたりするところがなく、真っ直ぐな映画作りの姿勢に感心させられた。 話としては、やや物足りなさも感じるが、婚礼という儀式の重要性を思わせる丁寧な描写が、とても印象的であった。 最後で、地雷の犠牲になるところは評価の分かれどころかもしれない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-13 22:51:09) |
1305. アオサギとツル
《ネタバレ》 切ないねぇ~。 男女のすれ違いの話。 素直になれない、嫌いになれない。 色恋はタイミングが全ての鍵を握っている。 ラストも、ほろ苦く切ない。 だけど、こんなことを延々とかけ合っている相手が居るだけでマシなのかも! 真の孤独よりはマシなんじゃないかな? [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-12 02:16:47) |
1306. キツネとウサギ
紙芝居を観るような面白さ! ほんわかとした気持ちになれるラストが良い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-12 02:00:08) |
1307. 獣人
ジャン・ルノワール監督にジャン・ギャバン主演という黄金の組み合わせ。 はっきり言って、この組み合わせで駄作なんてことは有り得ないんだけど、少し淡々と進み過ぎの感はあった。 だけど、やっぱりギャバンの存在感は凄い! スーツを着させても、作業着を着させても、いずれも似合ってしまうから凄い! 最後はこの時代のフランス映画らしい、哀愁にみちた終わらせ方。 むやみなハッピーエンドまみれのハリウッド映画より、断然マシだ。 それにしても、汽車が疾走し、それを汽車の上から捉えた映像は、迫力十分だ。 線路がカーブし、トンネルに入ってトンネルを抜け、鉄橋を渡る。 幼い頃に、電車の先頭車両に乗って、流れていく景色を見て楽しんでいた頃の、それと同じ興奮を味わうことができた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-01 23:24:17) |
1308. 明日ある限り
豊田四郎監督、香川京子主演の組み合わせ。 これが理由で本作を鑑賞した。 豊田四郎監督作品として観ても、それほど突出した作品ではないし、香川京子の魅力が出ているかといえば、そうでもない。 ただ、手堅い演出とストーリーで、それなりに満足できるレベルではある。 真面目すぎるストーリーと、香川京子がやたらに感情的になってばかりいる部分が難点で、決して楽しい気分になれる作品ではない。 しかし、家族としての絆がいかに大切であるかを感じることができるという点において、どこか小津安二郎作品に通ずるものも感じた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-17 01:38:55) |
1309. 竜馬暗殺
なんか最初は「気取ったモノクロ映像だなぁ・・・」と、げんなりモードで観ていたが、途中から不思議と、このザラついたモノクロ映像の世界に浸っていた。 そして、終わる頃には、むしろ心地よいとさえ感じていた。 モノクロの映像世界に浸っていたら、いつの間にか「完」の文字・・・という不思議なATG作品だった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-01-16 01:22:03) |
1310. ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~
堕落した男についていく女。 この構図をシンプルに描いている。 浅野忠信と松たか子が初めて組んだ主演作というだけで、もう両者のファンにとってはそれだけで十分なわけだが、両者共に持ち味を発揮しているのが更に良い。 [DVD(邦画)] 6点(2011-01-13 23:14:06) |
1311. 密告(1943)
謎解きサスペンス作品としては磐石の内容で、さすがはアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督という感じ。 謎解き作品があまり好きではないので、そこまでハマらなかったが、それでも十分に楽しめるレベルにあり、更に、ラストの犯人と思しき人間が、二転三転する急速な展開は見事。 でもやっぱり、クルーゾーなら断然『恐怖の報酬』が好き!! [DVD(字幕)] 6点(2010-12-19 00:14:06) |
1312. セシルの歓び
もちろんお目当ては“B・B”ことブリジット・バルドー。 ローラン・テルジェフは、相変わらずイワン・レンドル似。 ブリジット・バルドーの美しさときたら素晴らしい! まさに60年代だからこその、奇跡の美しさ! はっきり言って、ブリジット・バルドーのブロンド、スタイル、美しさを堪能する目的以外では、観る価値のない作品! そんだけ、ブリジット・バルドーの魅力満載で、しかも、それ以外に見所なし!! ブリジット・バルドーに始まって、ブリジット・バルドーに終わる。 ブロンド(B)美人(B)、のブリジット・バルドー(B・B)。 究極的には、“B・B・B・B”か?! まあ、いいや。 とにかくブリジット・バルドーが美しかったから! 以上!! [ビデオ(字幕)] 6点(2010-12-17 01:37:52) |
1313. ある歌い女の思い出
《ネタバレ》 日本初ソフト化のチュニジア映画ということで、それを観ることができただけでも満足。 母と同じ悲しい運命を、その娘も辿る・・・という話。 王宮内では、指導者が絶対的権力を持っていて、あらゆる面において欲望を満たすわけだが、とりわけ“性”の問題については実にダークな一面があり、それが本作の主題となっている。 江戸時代の将軍でもそうだし、北朝鮮のキンショーニチでもそうだし、オウムのポアするぞ!と言っていたデブもそうだった。 つまり、閉鎖的組織の中で、絶対的権力を持つ男の指導者は、結局、“性”の欲望を、支配下に置く女性で満たしまくる。 指導者の夜の相手を務めていた母親が、まだ幼い娘を同じ目に遭わせたくないと思い、必死に抵抗する。 立場の弱い母親が、娘を思うその気持ちが痛いくらいに伝わってきた。 しかし、単調さは否めず、ただそういった題材を普通にみせているだけの作品だった。 エキゾチックな趣きはあるので、たまに観るにはそれなりに満足できる内容。 [DVD(字幕)] 6点(2010-12-15 23:49:05) |
1314. 女性上位時代
当時24歳だったカトリーヌ・スパークが、裸体を惜しげもなくさらし、当時の日本人ヤング(ヤンキー、ではない。)を熱狂させたという作品らしい。 今観ると、音楽といいファッションといい、観ていてかなり恥ずかしくなる部分も多々見受けられるが、金髪であのプロポーションと露出度、そしてそれなりに美貌であるからして、熱狂させたというのが頷ける内容。 アイドル映画と言ってしまえばそれまでの内容だが、やはり我々日本人からすると、この60年代のイタリアやフランスの金髪女性は、理屈ぬきの魅力というか、一種の憧れを感じてしまう。 軽い気持ちで観られるファッション映画、そして少しエッチ要素もあってニンマリできるところなど、お手軽でいて、観た後に万事快調!になれる作品だ。 いやぁ~、こういうのもたまには悪くないね! [DVD(字幕)] 6点(2010-12-12 01:01:48)(良:1票) |
1315. 和製喧嘩友達
《ネタバレ》 短い断片のフィルムだが、人間ドラマがその分ギュギュっと凝縮されている。 惚れた女のコを複雑な想いで見送る“和製喧嘩友達”の二人。 十分ストーリーは理解できるし、人生の悲喜こもごもが巧く表現されている、小津サイレントらしい逸品だ。 [映画館(邦画)] 6点(2010-12-05 18:30:24) |
1316. バーバレラ
ちょっとエッチな大人向けSF映画。 フランス・イタリア・アメリカ合作だからこその味わいアリ。 とにかくジェーン・フォンダが美しい。 ブロンドに長い足に白い肌。 当時30歳とは思えない魅力を発している。 下らないと言ってしまえばそれまでの内容だが、体の力を抜いて観られる娯楽作として十分楽しめる。 言わば、脱力系エッチSF映画の金字塔だ。 目の保養として、金髪のエッチなおねえちゃんのコスプレを観たいなら、ハズレのない作品。 監督のロジェ・ヴァディムは、相変わらずブロンド美人を選ぶセンス、そして演出がにくいほどに上手い。 というか、単なるスケベ(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2010-11-13 19:43:49)(良:1票) |
1317. 好奇心
ルイ・マル作品らしく、無難に楽しめる内容。 扱っているテーマ自体は過激なものではあるが、それがいたって普通に淡々と流れる辺り、いかにもフランス映画、いかにもルイ・マル作品である。 我々、日本人が持つ欧州の国に対する開放的なイメージ。 そして、性にも開放的だというイメージ。 そういったイメージがあるので、際どい内容でも、日本映画みたいにジメジメした感じにならない。 過激な内容を、洒脱な音楽と共に軽くみせてくれる感じが、なんとも重くならず心地よい。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-28 23:42:38) |
1318. 追跡者(1948)
《ネタバレ》 川島雄三監督によるサスペンス映画で、上映時間は1時間と、かなり異質な作品。 登場人物も非常に少なく、コンパクトにまとまっている。 佐野周二が刑事を階段から突き落とそうと画策するシーンが秀逸。 それを未然に防ごうと佐野周二の女が間に入ってくる辺りの展開も面白かった。 気軽に楽しむにはうってつけのサスペンス邦画で、川島雄三ファンなら間違いなく観るべし! [映画館(邦画)] 6点(2010-10-18 23:08:54) |
1319. 女優霊(1996)
《ネタバレ》 1995年当時、WOWOWで見た予告編があまりに怖すぎて、封印すること15年。 絶対に観てやるものか!と気合いを入れて避け続けてきたホラーなのに、何故か観ることに・・・ いや、何故ってのもおかしいんだけど、要するに、嫌い嫌いと意識していると、ついには観たくなってしまったというオチ。 ガキの頃から、ブサイクでチョー嫌いな女のコがいても、嫌いすぎてかえって意識してしまい、そのコの方ばかり見てしまい、何度も目があってダメージ大という、苦い青春時代を思い出す。 まあ、自分の青春時代の話はどうでもいいとして・・・ 先述したWOWOWでの本作の予告編がずっと脳裏に焼きついていた。 その予告編の中でも、特に怖かったのが、舞台のセットから落下して、足が不自然に曲がったまま、口をパクパクさせている少女が出てくるシーンだった。 この落下した少女は、鑑賞した結果、幽霊でなく、幽霊に突き落とされた普通の少女だったわけだが、最後に出てきた幽霊よりも、やはりよっぽど気持ちの悪いシーンだった。 足が曲がって口パクパクは、マジしんどい! このシーンで体が熱くなり、汗が出てきたので部屋の扇風機をつけたら、近くに置いてあった紙っぺらが“バサッ!”と動き、「ひぃぃぃーっ!」と、飛び上がってしまった。 結局、強がって観ていたものの、立派に怖がっていた私です(苦笑)。 どうやら私は、ホラーを観ても、寒くなるどころが、体が熱くなる体質みたい。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-10-16 23:55:56)(良:1票) |
1320. 曖昧な週末
香港の夜を舞台に、スピード感あふれる音楽とテンポで進む内容は、とてもスタイリッシュでかっこいい。 クラブ(レイヴパーティ)のシーンが出てくるが、そこはまさに男女の欲望むきだしの場所で、香港の都会の夜を楽しむことができる。 実際にここまで凄いクラブが、香港に存在する(した)のかは謎。 音楽・酒・クスリ・SEX・・・ こういう場所にどっぷり浸かってみたいけど、確実に社会復帰できない廃人になる気もする。 さて、この作品は香港映画好きの中では、“衝撃のラスト?!”ということで有名らしい。 まあ、確かに衝撃ではあるのだが・・・ なんだろな、微妙に分かりづらいのも手伝って、あのラストで爽快!という気分にはなれなかった。 どちらかと言えば消化不良な感覚。 冒頭からスタイリッシュな映像とノリノリの音楽で飛ばすもんだから、かなり引き込まれたんだけど、時間軸が交錯して、主人公が入れ替わる辺りから、なんだか怪しくなった。 それであのオチだから、やっぱりアンバランスと言う他ない。 もっとも、終始かっこよさげな雰囲気を出しておいて、あのラストだからこそ、ずっこけていいのかもしれないが。 ラストは、ちょっとした悪ふざけとして軽くとらえないと、楽しめないと思われる。 個人的には、時間軸ずらしも要らないし、あのラストも当然要らないし(笑)、ゲロネタも要らない。 お願いだから、フツーに作って欲しかった。 映像も音楽も出演陣も全て魅力的だっただけに、余計にそう感じてしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-15 21:07:31) |