1321. 女と男の名誉
《ネタバレ》 昔観たんだけどすごく印象が弱かった作品。結局落とし所がピンと来なかったストーリー。キャスリーンのミステリアスな演出もニコルソンの破天荒なキャラも最終的に生きてこないという、なんか焦点の当て方間違ってんじゃないのかなと、もやもやする筋運び。頭のキレる女殺し屋なんですよ、K・ターナーは。ニコルソンまで振り回されるんだ、悪女の気配がぷんぷん。絶対組織に一杯食わせるはず、と期待して観るじゃないですか。こちらのヨミはてんで外れ、結局印象に残ったのは珍しいJ・ニコルソンの半べそ顔だけだったのでした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2014-04-30 00:24:11) |
1322. ブレイブハート
《ネタバレ》 熱き男メル・ギブソンがベストキャスティングなのは異論無いけれども。話もカメラも演出もさほどずばぬけているとは思えず。ウォレスは初め戦うことを嫌がっていたのに、どの辺から独立の志士に目覚めたのやら??中盤からはなんかこの人も乱暴な略奪者に見えちゃったりもする。なんせ監督と主演をつとめてお姫様と恋仲で、人々の心に残る非業の死を遂げてしかもオスカーつき。メル・ギブソン気分良かっただろうなー。せめて主役は若手後進に譲るとか考えなかったのかな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-25 00:03:43) |
1323. イーオン・フラックス(2005)
《ネタバレ》 映像美押しで100分持ってった感がある。“ブレードランナー”の作りこみ感と同レベルの情熱を感じる未来図に圧倒される。もっともベクトルは正反対を向いているが。とにかく清潔で明るくてつるんとしていて建造物も人も人工的な美しさ。直に神経に働きかける情報伝達の技術等、制作のアイデアとセンスがこれでもかと披露されて楽しい驚きがいっぱい。(こんなに技術が進化してるのに研究成果を紙に残しているのはなんでだ、とは思ったが。←おかげで焚書の憂き目に遭ってるじゃんか) 画に一生懸命仕事して、世界観を作り上げたのは見事だけれど、ストーリーはやや腰くだけ。ハンドラーをはじめ、反政府側モニカン派はどうするのか一切説明無し。この社会の一因となった不妊が自然治癒で治ったとのくだり、脚本家は思考を放棄したねさては。ああそれと“塀の外”も見たかった。外に逃げるって言ってたじゃん。わくわくしちゃったよ 損した。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-24 00:27:46) |
1324. 裏切り者(2000)
《ネタバレ》 そんなに悪くないんだけども。信用できない男ばっかの中に真人間たる母親や恋人を配してバランスも取れているしメインの役者はベテラン揃い。だけどなんでか物足りなく思うのは、主人公のキャラクターが一定してないからか。“裏切られた被害者”の役回りで理不尽を一人背負っちゃってるように見えるけれども、そもそも学校に入るのを蹴ってホアキンとの裏家業をチョイスしたのはこいつ自身なのだ。警官めった殴りもカタギのやることとは思えないし。しかもラストはちゃっかりその罪もチャラにしちゃってる。最後の独白ったらないよ。「裏社会のルールを破ったけれど後悔はしていない云々」を聞くといい子ちゃんぶってるなあこいつ、と思う。そんな清廉潔白な人物じゃないでしょうがアナタ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-24 00:07:37) |
1325. 明りを灯す人
《ネタバレ》 キルギスかあ。この映画を観るまで知らなかった風景が目に新しい。乾燥した空気とみごとに向こうまで見晴らしの良い景色。今も昔も貧困と政情不安に喘ぐ寒村の構図はあまり変わらない。小手先のズルで小金を浮かそうとする庶民、思想は気高い村長、生活のために身を売る若い娘。利権狙いの怪しい連中。ミスター・ライトの朴訥とした風貌そのままに、お話も実に淡々と流れてゆく。淡々としすぎなほどだ。声高に主張しない奥ゆかしさではあるけども、映画として何かもうひと山盛り上がりが欲しかったような気もする。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-17 00:32:13) |
1326. エリックを探して
《ネタバレ》 悩める中年男エリックの、抱えてる問題はそこそこ重たいけれど監督は随分彼を生暖かく処遇するのでした。エリック、大丈夫だよ。だって友達があんなにたくさんいるんだもん。別れた奥さんだって懐深く聞く耳持ってくれるし、息子二人もややグレているけれど更正の余地あり。あとはハッパで妄想のヒーローに力づけてもらえれば、一歩踏み出す勇気も出るぞ、と。シリアスに展開するのかと思ったら、逆にユルさは加速してギャングのボス家での騒ぎはほとんどコメディ。なんかなんでも上手くいくなあと思わないでもないけど、主人公が元気を取り戻す話は楽しいし、サッカーに詳しければ倍、詳しくなくてもほのぼのできます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-17 00:18:15) |
1327. トゥルース 闇の告発
《ネタバレ》 紛争下での犯罪を暴く映画は多いけれど、これはまた群を抜いてとんでもない凄まじさ。人身売買プラス女性の人権侵害、加えて加害者が国連配下の組織ぐるみだつーんだから、もう本当に現実のことなの?と疑いたくもなる。 巨大な組織犯罪を相手にもがくヒロインは、大変勇気のある女性だと思う。映画の中では足を引っ張られ、完全勝利することの難しさで終わっていたけれど。人間ってこんな酷いことができるんだ・・、と何度も絶望的な気分になり、こんなことがあっていいわけないだろ、と一人でも多くの人に同意を求めたい気持ちになった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-17 00:03:29) |
1328. フットルース
明るくてイキオイがある、80年代って確かにそんな時代でした。明るい原色のスーツ、デビューしたての若いマドンナ、ふるさと再生だといってお金がばらまかれた日本の田舎。この映画はまさしくそんな記憶の中の一ピースであり、優良ポップスである主題歌と若きK・ベーコンの生真面目な瞳に出会うと、あの賑やかな時代が蘇り、ちょっと軽薄ではあったけど悪い時代じゃなかったよな、と個人的な思いにひたってしまうのでした。お話は、この時代を誇張したみたいに単純明快、わかりやすいことこの上なし。 [映画館(字幕)] 6点(2014-04-02 23:34:15) |
1329. スーパーマン(1978)
《ネタバレ》 ヒーローの原型といえばスーパーマン、あの青の全身タイツみたいのに赤パンと赤マントといった出で立ち、これが78年当時アリだったのかそれともクリプトン星人のセンスに問題があるのかがワタシにとって大きな疑問だったのです。今回、作中でNY市民がスーパーマンを見て「ひどい服だ」と発言していた場面を発見し、ひとつのmy課題をクリアした気分です。 それはさておき、ヒーローの原典とはこうも能天気だったのですね。後世バットマンが「正義とは」云々と煩悶するのとはエライ違い。こっそり裏から人類を支えることを使命としていたはずが、結構な露出度で人助けに参上し、新聞紙のインタビューには自ら出向いて回答。好きな女を助けるためになんと時空すらいじっちゃって満足げ。明るい明るい。色んな鬱屈があったはずの70年代の終わりに眩しいまでの単純正義を放ったヒーローだったのですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-31 00:59:36)(笑:1票) |
1330. トレインスポッティング
馬鹿で駄目で不景気なうえに小汚いスコットランド人たちの青春。と言ってしまうとミもフタも無いんだけども、若さってのはありがたいというか尊いというか、あんなにヘロイン打っても皆わりと健康を害することなく(一人エイズになっちゃうが)、ユアンに至ってはスーツ姿で社会復帰すらできてしまうあっけらかんとした感性がこの映画を苦しくなくさせているような。ラストもとことんあっけらかん。元気なんである。でも赤ん坊が不憫すぎるよ。誰も責任取んないのか。 [ビデオ(字幕)] 6点(2014-03-15 01:23:11) |
1331. ナイト&デイ
《ネタバレ》 しょてからしまいまで「そんな馬鹿なー」な展開なんだけども、なんか楽しいことは楽しいんですよ。いつにも増して超人的な運動能力&頭脳のT・クルーズと小じわが増えても大口笑顔がキュートなC・ディアスがいきいきと楽しそう。展開のもたつきを防ぐべく、足引っ張りそうなキャメロンの意識を所々トバすなんざ超荒業。ハイジャックやらカーアクションやら主役には絶対に当たらない銃撃戦も盛り込み、南の島だの豪華列車だの闘牛ショーだの、まあ色んなとこへ連れてってくれました。娯楽大作を作るぞ、という制作の意気込みは大変高いです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-03-10 00:07:07)(良:1票) |
1332. カティンの森
《ネタバレ》 ポーランドのトラウマを描き続けるワイダ監督。行方知れずの将校の妻を物語の中心に据えてはいるものの、視点が色々な人物にくるくると移って観賞しづらい。彼のこれまでの作品では一市民のドラマをもっと上手く描いてきたと思うのだけど。もっとも、骨太でリアルで容赦の無い筆致は相変わらず。軍人の大量虐殺はソ連によって行われたと、ソ連統治下では公に口にできない二重の理不尽さ。飲み込む人あり、抵抗する人あり。一筋縄でいかないポーランドの苦悩がべったりと描かれて息苦しい。 ラストの惨殺シーンは正視出来ないほどの酷さだ。人間が壊れている。ワイダ監督が突きつけてくる戦争の狂気、その淡々とした空気が恐ろしい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-16 00:26:37)(良:2票) |
1333. ドライヴ(2011)
《ネタバレ》 一言で言うと任侠ですなあ。惚れた女のために一度は抜けた裏社会に、今回だけと舞い戻る。銃撃戦の血生臭さや陽の光の当て方等はけれんみ溢れてて、洋画お得意のハードボイルドというよりは往年の東映ヤクザ映画のテイストに近い。人妻のキャリー・マリガンが幼顔のせいで浮いてるけど。 冒頭の逃がし屋ドライバーの力量発揮の場面は印象的だったし、なんせタイトルがドライヴなので、クライマックスは当然運転技術の卓抜さで敵を出し抜くのだろうと思ってしまった。素手で殴ったり刺したりとは意外すぎた。うそぉ、と落胆したのは私だけかい? [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-10 00:06:57)(良:1票) |
1334. アーティスト
良かったのはわんこかな。無声映画だから、ストーリーまでオールドファッションなのだろうか。サイレントではSFもマフィア抗争モノも豪華客船事故も無理なのか。白黒の濃淡はさすがに現代技術の映像だから滑らかで美しいものの、話が今さら観たいと思うネタじゃないので飽きちゃった。アカデミー会員の方々は、きっと“文化度の高い”フランス人に自らの映画史を評価されて喜んじゃったのだろうな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-27 16:42:59) |
1335. あの頃ペニー・レインと
《ネタバレ》 いや私はペニーはグルーピーだと思うんだよね。ブレイク前のバンドを青田刈りしてメンバーとうまいことやっちゃおう、という極めて志の低い女たちの一人。バンドの連中もまた、ビール一箱でよそのバンドに彼女らを差し出す賭け品にしちゃってる。全く美しくないではないか。ところがそこに、15才の初恋もまだのような少年ライターの純情フィルターをかけると、不思議なことに甘酸っぱい青春の一ページ的なオハナシになるのだった。この子のおぼこい感性が「あの娘はグルーピーじゃない バンドエイドだ!」と主張し、生死の境目でバンドメンバーも一瞬己を恥じる仕掛けまである。でもさ、ペニーにそんな純な成分がどれほどあったかねえと思うんだ。「あなたの想像より2倍は遊んでるわ」と自分でカミングアウトしてたし。モロッコに行って何かすべきことでもあるのかしら。世間の評価ほど、主役二人に入れ込めず瑞々しさも感じられずの観賞でした。電話で説教したオカンが良かったので1点プラス。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-26 23:47:47)(良:1票) |
1336. マイ・ブラザー(2009)
戦争で心が破壊されてしまうテーマの映画はこれまでにいくつもある。今作は“ブラザー”とタイトルにあるので、兄弟がいかにして心の問題に関わってくるのかと思いきや、ブラザーというよりファミリーと言った方が合ってるかも。 粉砕された精神をそう簡単に修復できるはずもなく、後遺症が快癒に向かう方向へと描けた作品を私は知らないのだが、結局この話もそこのところは投げっぱなしで終わっている。結果、これまで幾多も試みてきたことの焼き直しに留まっているという印象。 トビー・マグワイアの熱すぎる芝居を、J・ギレンホールが器用にさらりと受け止めて上手いこと中和していると思った。弟の方が印象に残った。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-22 23:15:07) |
1337. 鷲は舞いおりた
たぶん原作はもっと違うんだろうなー、と思わせる情感の乏しさ。戦時下のスパイものにしては、どことなく全体的にユルいような。真昼間から落下傘降下したり村人たちがのほほんとしてたりで。ドイツ軍の偽装がばれた時、村人のじーさんが一言「外国人ばっかり」だって。ここ笑うとこじゃないよね?と思いつつ吹き出してしまった。もっと手綱を引き締めた演出にしてくれたらラストの悲愴感も高まったのになあ。 あとやっぱりドイツ軍の軍服はかっこ良いなあ。M・ケインが軍帽を被り、ドイツ軍人の姿を現した時はあまりのかっちょ良さにぞくぞくしちゃった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-18 23:10:11) |
1338. マイ・ビューティフル・ランドレット
1985年、不景気真っ只中の英国。くすんだ空、活気の無い街並み、素行の悪い若者に汚いコインランドリー。幅を利かすのは目端の利く移民のみ。なんにも良いことなさそうな人生にも、ほんの少しは希望の陽が差したり、人を信じたり愛したりのドラマは発生するのだね。ビターな現実話だけど、不思議と“まあいいか そんなに悪くはないよね”と思ってしまうのはD・デイ・ルイスの飄々とした雰囲気がそうさせるのかな。 [映画館(字幕)] 6点(2014-01-11 23:42:53) |
1339. 21グラム
《ネタバレ》 私もこの時系列ツギハギの嵐にはやり過ぎを感じてしまった。登場人物が重たく苦しいお芝居しててただでさえ観ててしんどいのに、脈絡無く切り替わる場面のひとつひとつをとても記憶していられない。特にナオミ・ワッツなんて状況によって顔立ちや雰囲気までがらりと変えられるカメレオン女優なので、子供部屋を片付けてた一主婦が次のショットで安モーテルの廊下で赤パン丸出しでタバコ吸ってる女と同一人物だとは脳が理解しないんである。観直せばああそういうことかと分かるけど、いつでもそんな観賞環境でいられるわけではないし。俳優陣は安定の演技力で鬼気迫るほどの苦悩を表現してて圧倒的だけど、いかんせん演出に興を削がれた感じがする。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-10 00:54:53) |
1340. コンタクト
難しい理論はわからないけれど、宇宙の話を聞くのは大好きです。そしてJ・フォスターも好きです。なので頑固な賢い科学者にジョディがぴったりはまったこの映画、なかなか心地良かったです。純粋に科学を突き詰めたいエリーと、いろんな思惑乱れる周囲との軋轢、俗世のやり切れなさもうまいこと挿入されてリアリティを増していたと思います。ただ、宇宙というとあちらは即宗教が絡んでくるのですかね?その辺の感覚が今ひとつわからないのと、後半ファンタジックに過ぎる描写がやや興ざめに感じたので点数はこんな感じで。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-23 00:07:54) |