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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3877
性別 男性
年齢 53歳

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1341.  グッドフェローズ
なんか、うまく映画作ってるな、という感じはするんですけどね。長回ししながらスラスラとカメラと移動させてみたり、対話シーンのやりとりをカメラ切り替えてテンポよく見せたり。後者の方は、ちょっとやり過ぎて、対話の途中で口にくわえてた葉巻が消えちゃったり、持ってた受話器が消えちゃったりと、カットがうまく繋がらなくなってしまったりもするのですが、多分、作り手もそんなことは「些細な事」と、気にしてないんでしょう。 それはいいとしても、作品全般について、どうしてこんな作劇になっちゃうのか、という点については、正直、よくわからないんです。2時間半近い長さがあって、しかもナレーションを多用しつつ描写の省略を多々行ったりしていて。そこまでしてでも、主人公の姿を少年時代から、すべて作品に詰め込む必要があったのか? 唐突に奥さんの独白まで使うにいたっては、すみません、このセンスは理解不能です(逆に言うと、独白を任された割に存在感は強く出ていない)。 肝心の600万ドル強奪という大事件は、まともに作中で描かれないし、それに伴う殺人事件もサラリと流される。あくまで主人公の人生に沿った映画です、とにかく実話なんです、派手なシーンを見世物にする映画じゃないんです、という訳でしょうか。確かにそれも一つのやり方でしょうけど、ちと優等生過ぎるのでは。そしてやっぱりこれも「実話作品」らしく、具体的な年月日をテロップで出し、終盤はそれを時刻表示にまで分解して、うん、確かに緊迫感は出てくる。でもテロップは所詮テロップ。「今何時か」を知りたいんじゃなくて、この先に待つ「何か」まであと何時間何分あるか、こそがサスペンスでしょう。途中から、何のために時刻表示してるのか、サッパリわからなくなってくる。 それもこれも、「実話」に寄りかかり過ぎなんじゃないでしょうか。ラストも主人公の独白任せになってしまい、残念でした
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-10-18 12:57:37)(良:2票)
1342.  ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う 《ネタバレ》 
確かにエロさの面でも圧倒されるのですが(笑)、エロさ以上に、映画の中で展開される世界に圧倒される作品でした。 冒頭からいきなり凄惨な場面が登場し、もう先が思いやられるわい、トホホ、ってなもんですが、一方で登場するのは竹中直人演じる冴えない中年男の「何でも屋」。滑稽でもあり哀愁も漂わせていて好対照、さてこの2つの世界がどう交わっていくのか、と。 竹中直人は芸達者だから、一見冴えない・でも時に勘が鋭く・結局は自らの誠実さに負けていく男を熱演しているし、大竹しのぶも芸達者だから、壊れかけのオバチャンを熱演しているし、井上晴美はこれはもう持って生まれた意地の悪さがそのまんま出た適役(知らんけど多分そんな気がする)。そんな中で、佐藤寛子だけは、ニュートラルな、映画の中でどんな色にも染まりうる存在となっています。 いや、ニュートラルというのは違うかな。彼女は作中でこれでもかと脱ぎまくってますが、シャワー、主人公の妄想、事務所の夜、ラストの廃坑、4回あるハダカのそれぞれが、映画の節目になっているとともに、彼女の多面性を象徴する場面にもなっています。彼女は、誰よりも同情されるべき存在なのか、それとも3人の女の中でも飛び切りのワルなのか。最初の2つのハダカはそれぞれに対応しているようであり、3つ目の一番エロい(笑)場面は、彼女の二面性、いや存在の二重性をそのまま表している(だからこそ、この緊張感)。で、ラストで彼女は自らを一体化させようとし、しかしもはや、分裂していくしかない。おお、まさにエロの起承転結とはこれのこと。 それにしてもこのラストで舞台となる廃坑、スゴいですね。深海のような世界、まさに人外魔境。しかし、前半で竹中直人が彷徨う東京の街も、こんな風に底知れぬ闇を湛えていて、このラストシーンと呼応するものが感じられます。 異世界へのいざないに抗えず引き込まれて行ってしまう主人公を、かろうじてこの世界に引き留めうる存在・東風万智子、いつも、忘れた頃に絶妙のタイミングで姿を現すんです。ナイス。 いや、見事な作品でした。
[DVD(邦画)] 9点(2016-10-18 12:13:21)
1343.  愛と青春の旅だち 《ネタバレ》 
久しぶりに観たら何か今まで気づかなかった魅力を見出すかと思ったけど、むしろかえってゲンナリしてしまいました。すみません。 恵まれない生い立ちの主人公、もうちょっとトンガっているかと思ったら、友人や恋人とフツーによろしくやってて、どうもピンとこない。一方、周囲の訓練生には、苦労人の黒人とか、ドン臭いけど頑張り屋のお嬢さんとかいう、何だかわかりやすいキャラを配置して、でももう一つ物語に貢献できてない感じ。見どころは鬼教官だけど、この人も、途中で手の内を見せるのは最小限にして、もう少し鬼に徹してくれたなら。 描き方も冗長な気がします。リチャード・ギアとデブラ・ウィンガーが、デヴィッド・キースを探して彼の恋人のもとに行く場面、こんな風に彼女をなじる描写まで必要なんでしょうか。彼女をなじる言葉は、リチャード・ギアとデブラ・ウィンガーが自分達の関係についてはっきりと意志を示す意味もあるのだろうけど、ちょっと不十分というか、物足りない。むしろ、デヴィッド・キースの死に向けた緊迫感を高めていくにはいささかまどろっこしく、描写の省略でスピード感を上げていった方がよかったのでは。 で、この後、唐突に卒業しちゃう。本当に唐突(概ね、遊んでばかりだった印象が・・・)。ここでルイス・ゴセット・Jr教官と長々と絡むことなく、少ない会話と、新入生とのやり取りにすべてを凝縮させたのは、これは良かったですね。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2016-10-16 09:39:07)
1344.  ネイビーシールズ(2012)
ネイビーシールズの特殊作戦が、オムニバス作品みたいに切れ切れに配置されて、一貫した物語の繋がりが乏しい点、本作の弱いところでしょうし、また、軍の協力のもとに作られた映画らしい都合の良さ(非戦闘員には絶対に犠牲者を出さないとか)、ってのもあるのでしょうが。しかしそれを差し引いてもなお、充分に面白い作品でした。 実際の隊員が出演した、リアリティを追及した作品、という触れ込みなのですが、一方で、例えば冒頭で女性が拉致されるシーンなんて、もうコレ、まるで『キック・アス』にでも出てきそうなシーンじゃないですか。リアリティに束縛されることなく(勿論、ある時は「リアリティ」に貢献するため)色んな演出を注ぎ込んで、それもイヤミが無い程度にサラリと流していく。その「色んな」の中には、「静かなシーンでは、実際に“静か”である」などという、当たり前だけど貴重なものも含まれていて、静かな森では静かに虫の声が聞こえてくる。要するに、音楽の使用も程よく抑制されていて。 この命がけで戦っている男たちも、家に帰れば夫であり父である、という事、押しつけがましく描くことなく、でも我々の意識にはちゃんと沁み込ませる。 なかなか新鮮でした。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2016-10-16 08:09:20)
1345.  オズ
これ、いいですね~。手の込んだアンティークみたいな作品。特殊効果もお見事です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-13 20:41:40)
1346.  キャプテン・フィリップス
監督誰なんだろうと思って観てたら、ポール・グリーングラスだったのね。成程とも思えば、「ほ~」とも思う。観てる間、節々で、トニー・スコットが蘇ったのかとも思う瞬間もあったりして。実際の事件を元にしていながら、うまく娯楽作に仕上げています。でもトニー・スコットならドサクサまぎれにハチャメチャなシーンを白々しく入れてたかも知れない。 貨物船が海賊に追われる段階、乗っ取られる段階、海賊が乗った救命艇内で船長が人質になる段階、米海軍が救出作戦を実行する段階、それぞれに見せ場を設けて、飽きさせません。また、様々なリアリティ、特に海賊4人の、いかにも我々の価値観の外の存在であるような危険な感じが、映画の緊迫感に大きく貢献しております。ただ、それが、本作の限界ともなっているようにも思えて。 凶暴さそのものといった感じの4人の海賊が、映画終盤では、圧倒的かつ無機質な米国の軍事力を前にして無力な存在となっていく。その頃には4人のキャラクターにもある程度の色分けがなされていて、我々も、彼らに肩入れするとは言わないまでも、「消耗品としての悪役」とは見なせなくなっている・・・と言いたいところだけど、それならそれで、海賊4人の存在それぞれを象徴するエピソードが、やっぱり足りない。そこがリアリティとのせめぎあい、本作の限界かも知れません。 一方で、ラストの、看護師さんの淡々とした言葉と所作が、えらく印象に残ります。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-09 08:29:26)(良:2票)
1347.  スノーホワイト(2012)
白雪姫をアクション映画にアレンジしまくった作品ですが、いやはや、「毒リンゴ食ったら、メッチャ強くなりました」ってのは、予想外も予想外。 毒リンゴで死んだのか気絶したのか、あっという間に生還した白雪姫はさっそくジャンヌ・ダルクに変貌。そりゃカッコいいけどさ、この展開に繋がるべきものが何もないので、いかにも唐突で、盛り上がりに欠けます。 っていうか、この作品、全体的に散漫で、すべてがその場その場の場当たり的、どこでどう気分を盛り上げていいのやら。カットしちゃって良さそうな場面がどこまでも続いて、長い長い2時間でした。
[ブルーレイ(吹替)] 4点(2016-10-08 10:59:54)(良:1票)
1348.  ランボー 《ネタバレ》 
ウチの息子が幼稚園の時に初めて観て、大喜びしておりました。その後は、ロッキーを見てもランボーだ、クリフハンガーを見てもランボーだ、阿部寛を見てもランボーだと(まあ、似てなくはないですが・・・)。2作目や3作目はここまで関心示さなかったんですが、確かに、1作目ではスタローンもずっと線が細くって、ハングリーな感じがして、怒りを内に秘めた危うい印象がある。2作目以降は邦題に「怒りの~」がついているけど、肥大化したスタローンにはもはや怒りもヘッタクレも感じられず、息子が1作目のみにハマったのも、もっともかな、と(4作目はどうしようか)。 スタローン、本当に体張ってます。それも魅力。廃坑のシーンで、松明の火は相当熱かったと思うんですけど(絶対ヤケドしたと思う)全くそれを表情に出すことなく、ランボーになりきってますね。 で、いよいよ反撃に出る。奪ったトラックで走っていく山道は、前半、バイクでの逃走を描いた道でもある訳で、ああ、今、町に迫ってきているんだな、と。映画最初の方で、所払いをくらったランボーがブライアン・デネヒーに連れてこられる場所が「橋」。これが町の境を象徴している。そんでもって、ランボーの乗ったトラックが、ついに「橋」の検問を突破する場面で、ああとうとう町に侵入したんだな、と(でも何で前半と後半で、同じ橋でロケ撮影しなかったんでしょうね?)。 もはや絶対絶命のブライアン・デネヒー、それでも起死回生の逆転を狙い、絶望的な闘いに臨む彼の姿にもまた、シビれてしまいます。警察署の遠くで炎上するガソリンスタンド、アメリカの田舎町にはおよそ場違いなM60を抱え、闇にうごめくランボーの影。柱上トランスが破壊されて電気が消え、近所の銃砲店が爆破される。この警察署を中心に町が戦場と化していく様子が秀逸で、ますますブライアン・デネヒーの男も光ろうというもの。 ラスト、絶妙なタイミングでイイ感じに登場するトラウトマン。え、アンタもしかして、保安官が半殺しになるのを陰でこっそり見てたんじゃないのかよ。という訳で、トラウトマンってのはぜったい悪人だと思います、はい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-06 17:15:07)(笑:2票) (良:1票)
1349.  タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密
代表的なCGアニメ映画が、CGアニメならではのデフォルメ、誇張表現で我々を楽しませてくれるのに対し、本作はかなりリアリティに走ってます。ここまでくると実写(プラス一部CG)でもいいだろうに、なぜフルCGに取り組んだのか? って、大した理由は無いのかも知れませんけれども、もしかして、ありとあらゆる演出を完璧に制御したかったのか。セットも、演技も、頼みさえすればそれなりに思い通りのものを準備してもらえるかも知れないけれど、本作では、「光」までも思い通りに制御しようとしたのかも。夜の図書館、雷、懐中電灯の光・・・。 物理的には理にかなっているのかも知れない、だけどそれが、やや人工的な冷たさにも感じられたり、かえって不自然にも感じられたり。 似たような話でいくと、昨今の音楽で頻繁に用いられる、打ち込みの作業。アレを、最高の音楽家の監修のもと、ひたすら丹念に微妙な音楽の表情を打ち込んでいったら、果たして理想的な名演奏が出来上がるのだろうか? 少なくとも、例えばフルトヴェングラーの無茶振りに対しウィーンフィル等が負けじと食らいついていくようなあの異常な緊迫感を生み出すのは無理でしょう。って、まあ、そればかりが名演の条件でもないでしょうけれど、仮にいくら徹底した楽曲分析や究極の演奏技術を凝らしたところで、なお残ってしまうファジーな部分。音楽には欠かせないものなんでしょう。 無論、本作も、すべてがデジタル信号に還元される人工的なCG(昨今は実写もデジタルだったりしますけど・・・)とは言え、モーションキャプチャらしいファジーさも見られます。ただ全体的には、わざわざフルCGを採用した魅力はなかなか見えてこず、逆に、計算された変な冷たさがちょっと気になってしまう。クライマックスでは大いにハメを外して、たっぷり楽しませてくれるんですけどね。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2016-10-06 16:34:39)
1350.  ネバダ決死隊
特殊任務を帯びた南軍の部隊が、北軍の金塊輸送隊を襲う場面から映画は始まります。ダイナマイトを用いた派手なアクションが冒頭から炸裂。爆発とともに馬に乗った兵士たちがバタバタ倒れる一方で、馬が涼しい顔で平然と立ち上がってしまうのはご愛敬。撮影のために馬を傷つける訳にはいきません。 首尾よく作戦は成功と思いきや、北軍兵士から「戦争はすでに南軍の敗北で終結している」との驚きの言葉が。南部のために戦う誇り高き軍人から立場は一転、単なる強盗、単なるゴロツキに。まあ実際に、一行の中にはリー・マーヴィンみたいなどっからどう見てももともとゴロツキ、みたいなヤツも交じってはいるのですが。自警団に追われる身となった彼らは、通りかかった駅馬車の乗客を人質にとり、一軒家に立てこもる。という訳で、立てこもり映画の醍醐味が満喫できる、オモシロ作品です。一軒家を囲む自警団こそ、いかにもゴロツキ、しかし自分達は戦争が終わったことを知らなかったとは言え、兵士を殺害し金塊を奪った身、しかも今もまた、無関係の人たちを人質にとっている。その人質たちとの微妙な関係、片やリー・マーヴィンの不穏な動き。屋外の敵との攻防戦は、クライマックスに至るや、火災に嵐、見どころ盛り沢山です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-06 15:01:37)
1351.  アイス・ジョーズ<TVM> 《ネタバレ》 
地面の中に人食い生物がいるってのは、『地に飢えた白い砂浜』とか『トレマーズ』とか、まあ一応世間的には「有り」な設定なのかも知れませんけど(本作の場合はスキー場が舞台で、「雪の中」ですが)、あくまで人を襲うのはサメでなければならぬ、しかも背ビレを出して襲いかかってこなければならぬ、というのが、律儀というか、何も考えてないというか・・・。 雪の上をサメの背ビレが走ってくる、見るからにマヌケでちっとも怖くない。いや、実際にこんな背ビレが襲ってきたらそこそこ怖いかもしれないけど。でも、今どき、こういう「背ビレだけ」というCGの節約、心がけとしてはいいんじゃないですかね(雪の中からCGサメが姿を現してしまうと、もう手の付けようがないくらいマヌケに)。 あと、雪山でジョーズ映画、だけどちゃんとビキニをお姉さんを登場させてくれるサービス。いったいいつまで風呂入ってるんだよ、と言いたくなるくらい延々と風呂に入っているのですが、もちろんここにもサメは襲い掛かる。風呂の中でサメに襲われるなんて、いや、なかなか無いことですよこれは。 いったいこのサメ、全部で何匹いるのやらよくわからず、断続的に襲撃シーンが繰り返された後、パニックは突然、終結してしまいます。主人公たちが襲いくるサメと麓で死闘を繰り広げている一方で、山の方では、そんなことは露知らぬ日本人のお姉さんスキーヤー、さあ滑ろうと思うと何やら丸太のモニュメントらしきものが散乱している。邪魔だわね、と一本一本丸太を立てていくとアラ不思議、麓で戦っている主人公たちの眼の前から、サメが一匹一匹消えていく。どうやらこの丸太、サメを封印する結界か何かだったらしいのだけど、それを復元しているお姉さんも気づいていないし、主人公たちもあまり事情が呑み込めてないし、何より、まさかそんなのがオチだなんて我々も信じられない。まさか万年雪じゃあるまいし、毎年雪が解けたら倒れてしまうやんか、とかツッコむ気もおこらない。いや参りました。 ま、恐怖の発端はツマラないものでも構わない、と、『スウィートホーム』で黒沢清も言ってたことですし(言ってないか)。
[DVD(字幕)] 2点(2016-10-06 12:51:24)
1352.  江戸の悪太郎(1939)
古い映画で欠落もあり、映像の状態は良好とは言えないですが、演出の粋というものは十分に堪能できます。一部の場面を除き、音声の状態は比較的良いので、この点で興を削がれることもあまり無いでしょうし。 長屋モノですね。傘張りを生業としている浪人のアラカンは、子供たちに勉学を教える先生でもあるのですが、ひょんなことから、身元不明の少年を自宅に住まわせることになる。この少年、少々オッチョコチョイでやることなすことトンチンカン。それもそのはず、正体はとある大金持ちの娘さん、結婚がいやで逃げ出し、浮浪少年の恰好に身をやつしていたもの。アラカン、そうとも知らず、いちいち言動に呆れたり説教したり。このあたり、厳しく愛想が無いようでいて、ツッコミ切れずに何となく折れてしまうヒトの良さなんかも感じられて。アラカンの端正(と言ってよいんだろうかこれは)な横顔が、いい味出してます。 という騒動を描いた映画かと思いきや、物語は突然、謎のカルト教団との戦いへ。長屋の子供の一人が家出している間に、彼の母親が謎の入水自殺を遂げる。大事なお金を落として家に帰れぬ子供の焦燥感、子供を探す母親に訪れる異変、このあたりの一連の描写が実に印象的。カルト教団に関わる場面で流れる音楽が、ちょっと幻想交響曲の「怒りの日」をモチーフにしたみたいで、何とも言えぬ怪しさを醸し出してます。 で、いよいよカルト教団に乗り込むアラカン、物語はクライマックスへ。ヒーローもののようでいて、あくまで長屋モノのテイストを貫いているのも、いいですね。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-06 12:10:12)
1353.  ハンナ 《ネタバレ》 
戦うことを運命づけられた少女ハンナ。彼女が父のもとを離れる時、それは宿命の敵との戦いの火ぶたが切られた瞬間でもある。その敵とは、彼女の「母」ともいうべき存在、ケイト・ブランシェット。という、「母」と「娘」の対決、みたいなオハナシで(もう少し複雑な裏事情はありますが)、そう思って観ると、何だかエリック・バナが、絵に描いたようなダメパパにも見えてきてしまうのですが、そうは言わせじと、見事な長回しの(疑似かも知れないけど)格闘シーンを見せてもくれますが。 いずれにせよ、ハンナ役のシアーシャ・ローナンの、何とも言えぬ透明感、そしてカッコよい走り。彼女が旅する中で出会う、アメリカ人の少女、まあこちらは何という俗世まみれ感(笑)。2人の人生がそこでクロスする訳ですが、この対比は、いやはや、なかなか・・・。 それでもハンナは走り続ける。映画の冒頭がいきなりなら、ラストだっていきなり。対決の決着がついた瞬間に映画は終わります。このスピード感。 ところで、トム・ホランダーの悪役はなかなかユニークでしたが、少し「時計じかけのオレンジ」魂が注入されてましたかね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-30 12:50:08)
1354.  ドノバン珊瑚礁
何ともバカバカしくって、何とも楽しい映画。南の島に響くジョン・ウェインのダミ声が、いいですね。 まだ見ぬ父に会いに、太平洋の南の島にやってきた女性、しかし医師である父は、現地の女性との間に3人の子供をもうけている。そこで、周りの連中がそれを隠そうと要らぬ気を起こして・・・という他愛のない話で、何かにつけドタバタが巻き起こる。ストーリーと無関係に、画面の中ではひっきりなしに意表をつくような何らかの「事件」が起こっていて、これが楽しいんですね。唐突に海へ飛び込む、あるいは落ちる。唐突にケンカが始まる。ドアを開いたらとてつもない突風が吹きこんでくる。教会の尋常ではない雨漏り、このエピソードは最後に、世にもバカバカしい奇跡で幕を閉じる。女性とジョン・ウェインとの関係も、遠くから靴を投げつけるのに始まって、最後の強引なラブシーンまで、一筋縄ではいかぬ波乱万丈、いつも何かの「事件」に裏打ちされてます。 という、楽しくもバカバカしい世界を包んでいる、南の島の風景。土着の文化に、東洋と西洋が入り混じり、宗教も何でもアリアリ、すべてを包み込む。そのおおらかさが、またいいんですね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-09-30 12:18:46)
1355.  バッド・ガールズ(1994)
ジョナサン・カプランって聞き覚えあるんだけど、誰だっけ誰だっけ。あ、『告発の行方』。 こちらも女性を中心にした映画だけど、びっくりするぐらい「女性映画」になってない。娼婦がひょんなことから客を殺害してしまい、お尋ね者の身に。で、どこでガンさばきを身につけたか、女ガンマンとして活躍する、わりと能天気な西部劇。しかし女優4人並べて、これがちっとも娼婦らしく見えない。だって、彼女らの過去も、現在の境遇も、ろくすっぽ描かれないし、ハダカの描写もかなり抑えまくりの安心印だし。不遇が描かれなければ、そこから抜け出すことの喜びなり興奮なりも感じられません。 もしも、ムズカシイこと抜きで娯楽作品として楽しんでください、ってんだったら、もうちょっとカッコよく描いてくれればいいんだけど、スローモーションの使い方のあまりのダサさ。うう、つらい。 ゴールドスミス御大の音楽も、何だか勝手に盛り上がってる感じ。 女優さん4人は、結構がんばってるんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2016-09-26 20:43:54)
1356.  ダレン・シャン
謙さん! カツラがズレてますよ!・・・・って大きなお世話。 ちょっと悪趣味なところもあるファンタジーですが、そんなに悪くないと思うんですけどね。でも、続編ありますシリーズ化します的な終わり方は、やっぱりやめた方がいいですよね、結局単発のまま放置されてしまうのは、何ともカッコ悪いし。 ウィレム・デフォーなんて、何だかもう、深入りせずに逃げ出す気満々という感じだしなあ(そういう役なんでしょうけど)。 CG多用のファンタジーって、どっちかというとデカいモンスターを描きたがるところがあるように思うんですが、本作では、極彩色のクモとか、あの小さいヒトたちとかを、丁寧な動きで描いていて、こういう作品には好感が持てます(いやもちろんデカいモンスターだって丁寧に描いてくれれば大歓迎ですが)。クライマックスの劇場での戦いも、シチュエーションを活かし、なかなかの盛り上がり。 続編は特には不要です、ハイ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-09-25 08:54:13)
1357.  弾丸ランナー
ただひたすら走る作品であるにもかかわらず、ちゃんとエロシーンを取り込んでいるあたりに、映画というものの無限の可能性を感じます、ハイ。 タイトルとは裏腹に、まあ、ここでの「走り」はそんなカッコいいもんじゃないんですけれども、泥臭くって、映画のラストも含めてヤケクソみたいな、そういう魅力、ですね。ラストは「レザボア・ドッグス」とか「トゥルー・ロマンス」とかいった流れかもしれないけれど、そこに至る過程は、空前絶後。
[地上波(邦画)] 6点(2016-09-23 22:52:43)
1358.  オール・ユー・ニード・イズ・キル
揺れるカメラが描写する混乱の戦闘シーン、これは、臨場感の表現でもあろうし、またCGのアラを見えにくくして「リアリティ」を出すためのものでもあるんだろうけれど、確かに、何とかうまく逃げ切った、という印象です。戦場の描写はいかにもソレっぽいし、さらにはルーブル美術館なんて、これだけ巧みに描いてもらえると、ちょっと感激。 で、内容はと言うと、これもまあ、確かに物語の発端となる序盤から、ジワジワ盛り上げて、楽しませてはくれるのですが。ただ、残念な面もありまして。何が何やらいきなり戦場に放り込まれた主人公が、死ぬたびに時間が戻って「人生やりなおし機」状態。失敗するたび何度でも繰り返すことでだんだん状況もわかってくるし、戦闘もこなれてくる。ってのがテーマなら、それをどう面白く描くかを期待してしまうんですが、残念ながら本作では「以下、同文」とでも言いたげに、大きく端折ってしまう。端折るなら、その端折り方こそが、映画の見せ場になるだろうに。本作の場合、設定の「説明」に終わってしまっている印象、別にこんな設定にしなくったって、例えば「中途半端に予知能力が使えます」という設定でも大差ないでしょう、むしろ不必要に「説明」のための尺を浪費してしまっただけ、とも。 それを差し引いても、結構楽しめたんですけど、でも、もったいない。
[地上波(吹替)] 7点(2016-09-23 22:24:20)
1359.  巨人と玩具
開高健が小説を発表してから間もなくの映画化だと思うのですが、まーずいぶん雰囲気が違います。どういう訳か、登場するお菓子メーカーの名前まで原作からちょっと変えてたりして。 原作がいささか肉付けに欠けた解説調のストーリー進行だったのに対し、この映画、超ハイテンションでこれでもかこれでもかとひたすらセリフをまくし立てる。開高作品でも「日本三文オペラ」あたりをこの勢いで映画化してたら、それはもう大変なコトになっちゃってたかも。 というテンションの高さがスリリングな作品なんですが、どーして選んだ題材が「巨人と玩具」という小説だったのか、これが謎なんです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-09-22 18:06:18)
1360.  桃太郎侍(1957)
市川雷蔵が一人二役で、雷蔵ファンは2倍楽しめる作品。なんだかどうだか。 跡継ぎをめぐるお家騒動、あわや毒殺されそうになる若殿が雷蔵で、さらに若殿には生き別れの弟がいてこれも雷蔵。ちょっとイナセな浪人で、なぜか桃太郎などというふざけた偽名を使っている。で、この桃太郎が若殿サイドと陰謀サイドの両者からスカウトされてしまったことから否応なく騒動に巻き込まれ、やがて自ら若殿の身代わりとして、陰謀に立ち向かっていく。わかりやすくて楽しいオハナシ。実際、両陣営が相手方のことを名前ではなくただ「敵」と呼んでいるのがこれまたわかりやすい。 雷蔵がクリソツの二人を演じていますが、どっちがどっちだか我々が混乱するようなこともありません。活躍する方が桃太郎、活躍しないで声の高い方が若殿。ただ、周囲の人間がこの「同じ人間が二人いる」という事態をどうと捉えているのかは、正直、ちょっとわかりにくい・・・。ま、深く考えないことに。 ちょっと演出がもたつく面もあったり(桃太郎が顔にアザのようなモノを貼っているのが、正体を隠すためなのやら何やら、中途半端)、殺陣ももうひとつキレがなかったり(雷蔵だからしょうがない?)するのですが、明るく楽しく、ホンの少ししんみり、結構楽しめます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-09-22 17:40:56)
030.08%
1190.49%
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41614.15%
53619.31%
663316.33%
7122331.55%
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93749.65%
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