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光りやまねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 418
性別 男性
自己紹介 1959年生まれの48歳。
神戸市近郊に在住の、映画をこよなく愛する
市井の人であります。
ま、コツコツとレビューしようと思ってます。

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121.  レインマン
兄弟、家族というものを今一度考えさせられる素晴らしい作品でした。ストーリーは淡々と進み、その中で徐々に心がつながっていく兄レイモンドと弟チャーリー。とくにホテルの一室で“レインマン”の意味が分かり、チャーリーの記憶が蘇るシーンは感動的だった。ダスティン・ホフマンとトム・クルーズ。この二人の掛け合いみたいな演技が見もので、とくにホフマンの演技にはただただ脱帽。ハンス・ジマーの哀切溢れる音楽も本作品に合っており、とくに心象風景っぽいエンディングはジーンと余韻を残してくれました。ところで、自閉症という心の病を社会に知らしめたと聞きますが、もしそうなら社会的意義のあった作品でもありますね。
9点(2003-05-11 15:36:59)
122.  プライベート・ライアン
冒頭から物凄いシーン。そう、地獄絵図。まるで従軍カメラマンのドキュメンタリーみたいだ。戦争といえばその通りなんだけど、むしろ人間どうしの壮絶な“殺し合い”を見せつけられた感じだ。最前線に赴くという事は、阿鼻叫喚の地獄が待ち受けており、不条理な政治的命令で動かざるを得ないのが実情。しかも、生きるも死ぬも運次第。木っ端みじんならマシな方で、そのほとんどが苦しみ悶えて死ぬ。腰が抜けて何も出来ない兵士。ただ膝を抱えて泣叫ぶ若い兵士。「ママ、ママ …ゴー、ホーム」…悲痛な叫び声が脳裡に焼き付く。監督スピルバーグは音と映像を通して、戦場の恐ろしさをストレートな演出で訴えている。ラストのクライマックス、ドイツ軍の戦車が右方向に向きを変え、遠方からジワジワと接近してくる描写のもの凄い緊迫感。人間の内面から揺さぶる恐怖を描かせたら、さすがスピルバーグだ。言うなれば本作は、ミラー大尉、ライアン、アプムなど主要人物に感情移入させる手法をとり、窮極の戦争シミュレーションを観客に体験させ、厭戦感を植え付ける結果になっている点からすると反戦映画の部類に入るのではないだろうか。
9点(2003-05-04 13:05:53)(良:2票)
123.  フルメタル・ジャケット
万人に分かり易くという意図があるのか、キューブリックの作品にしては少々物足りない。映画は二部構成となっており、前半は新兵訓練所で若者が戦闘マシーンへと完成されるまでの過程がしっかりと描かれている。そんな中、鬼教官に執拗なまでに罵倒され、いじめ抜かれた「ほほえみデブ」の精神が崩壊し、鬼教官を射殺して、銃口をくわえて自決するシーンは鬼気迫るものがある。後半は戦場での生死のはざまを描いており、おおよそ思わぬ出来事で命を落とすものだという事を見せつけてくれた。とくに、凄腕スナイパーの正体がベトコン少女だったとは驚きで、悪夢的な彼女の表情は生涯脳裡に焼付きそう。
9点(2003-05-04 13:05:41)
124.  JAWS/ジョーズ
「激突!」と並ぶスピルバーグ監督の代表作にして、彼のサービス精神と才能が遺憾なく発揮されたパニック映画の傑作。前半はジョン・ウィリアムズの音楽が有名な人喰いザメのパニック物で、後半は海洋が舞台のロマン溢れる冒険活劇。ひとつの作品で2ジャンル楽しめるわけですから、そりゃあ最高です。(しかも全く違和感なく繋がっている) ところで後半、オルカ号で酒盛りをするシーンがあるわけですが、三人三様束の間の会話がはずむ中、クイント(ロバート・ショウ)のサメ談話が印象的でもうゾクゾクものでしたね。しかも一転して壮絶なクライマックスに繋がるという、この演出の卓抜さ! ! これは「プライベート・ライアン」でも言えることなんですが、ミラー大尉とライアン達のなごむ会話のシーンから一気に怒濤のクライマックスを迎えます。嵐の前の静けさとでも言えばよいのか、この静から動へと切り替わる一連のシーンの描き様がスピルバーグは本当に上手い。
9点(2003-04-26 23:36:18)(良:1票)
125.  レオン/完全版
一匹狼の殺し屋が少女の為に死を決して闘うという筋書きは、まさに男の純愛物語。映画館で、ジャン・レノ演じる主人公がジーン・ケリー主演「雨に唄えば」を観て喜々としている様子から分かるように、孤独で真面目な男の純愛映画に他ならない。サスペンスフルなオープニングシーンからしてゾクゾクさせてくれた。ラストに近づくにつれ緊張感が増していく、見せ場をちりばめたプロットも言う事なし。そして何より、ジャン・レノとナタリー・ポートマンの二人に尽きる。切なさを漂わし、時にはユーモアをも交え魅力たっぷりに好演。芸達者ゲイリー・オールドマンの怪演も、この作品を大きく盛り上げていた。
9点(2003-04-26 23:36:03)
126.  羊たちの沈黙
吸引力に満ちたスリリングな演出、緊迫感溢れるシャープなカメラワーク、見せ場の多い秀逸なプロット。そしてなにより、実力派キャストが見事に演じ切っているがゆえに、安直なホラーやありきたりなサスペンス物で終らせておらず、スキがなく格調高い作品に仕上がっている。鬼気迫るレクター博士を怪演したアンソニー・ホプキンス。勇猛果敢なクラリス役を好演したジョディ・フォスター。まさに相乗効果とはよく言ったもので、この二人の演技力なくしては、これ程見応えのある作品には成り得なかったかもしれません。ガラス越しでの緊張感溢れる対話シーンは言うまでもなく、レクター博士の鉄檻からの脱出劇は見事の一言。ラスト、クラリスがバッファロー・ビルの家屋へ単身突入する場面も見応え十分。まさにサイコ・サスペンスの傑作です。
9点(2003-04-26 23:35:49)
127.  ロッキー
勇気と感動を与えてくれる素晴らしい作品。物語りはといえば単純明快なアメリカン・ドリームには違いないが、視点を変えると不器用で熱い男の恋愛映画ともいえる。ミッキー役のB・メレディスや恋人役のタリア・シャイアといい、この底辺から這い上がろうとする男のドラマに合っておりキャスティングの選択がうまい! ! やはり、クライマックスのラストが最高だった。自分とそして恋人エイドリアンの為に、ボロボロになるまで闘い抜いたスタローン演じるロッキーの「エイドリアーーン……」は、もう場内、感涙のるつぼ。観る者を奮い立たせてくれる、ビル・コンティのテーマ曲も最高です。
9点(2003-04-10 11:41:59)
128.  アンドロメダ・・・
これといった特撮もアクションもなく、キャストも地味なんですが、ジワジワと緊張感が高まっていく展開なので吸引力は充分にありましたね。しかも、科学考証に基づいたり、ひとつひとつの描写が丁寧なこともあり、大変リアルで味わい深い仕上げになっている。本作では、科学者達が身の危険も顧みず謎の病原体を解明してゆく過程が見どころなんですが、ラスト、核自爆装置が作動され、回避に向けての息詰まるシーンも圧巻だった。まさに、SFサスペンス映画の傑作です。
9点(2003-03-31 20:40:33)(良:1票)
129.  海底二万哩
この作品は子供の頃から特別な思い入れがあり、深海をゆったりと潜行するノーチラス号にはもうゾクゾクものでした。頭部は硬質なエビ、胴体はカジキをイメージさせるノーチラス号の荒々しくも美しい勇姿にすっかり一目惚れ。潜水艦の出てくる映画は数多くありますが、これほど毒っ気が強くインパクトのある潜水艦は、そうはお目にかかれないでしょう。見せ場もたっぷりと用意されており、とくに巨大イカとの格闘シーンと人喰い人種の襲撃シーンは力強い描写も手伝いなかなかの見応え。ディズニーの家族向け映画にしては、意外なプロットと個々の人物描写ともに秀逸。特撮は今見ても充分に味わい深く、質の高い古典SFといえるでしょう。
9点(2003-03-24 19:29:12)(良:1票)
130.  猿の惑星
初見は30年程前なんですが、幸い何の予備知識もなかったのでラストは余りにも衝撃的。1970年前後という時代のせいもあったのだと思いますが、現実に起こり得てもおかしくない話しだけに恐怖倍増でした。洞窟の中でビニールの人形を見つけ出すシーンや、テイラー船長とゼイアス博士がやり合う場面も記憶に残る。そして“ドンデン返し”のラストシーンへ。“あっ”、そういう事だったのか。すべての謎が解けた。洞窟の事やゼイアス博士の人間嫌いも…。見事なSF映画でした。
9点(2003-03-07 18:41:38)
131.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
冒頭のタクシー会社での面接からわかるよう、トラヴィスという男は世間一般の感覚からいうとかなりズレている。ベッツィを誘った時もそうだったし、シークレットサービスとのやり取りなんてほとんどイカレている。ベトナム帰りで不眠症という設定もそうだが、ロバート・デ・ニーロがこのアウトロー的な役に大いにハマっておりアブナイ雰囲気充分である。このような性格の持ち主が、社会に受け入れられず孤独と疎外感にさいなまれるとなると、常人では理解し難い行動に出るのであろう。オレはこのままでは終らない、何かひとつ大仕事をやってやる…。この映画のように一躍ヒーローに躍り出るか、狂気じみた犯罪者になるかどうかは両刃の剣。つまり何かが引き金となり、ゴミのような連中を拳銃で片っ端から一掃することだってあり得る。普通の感覚の持ち主だと、そんなものは都会の産物なのでしょうがなく、警察や政治家にまかせればよい事だと納得する。ところで、何事も無かったかのようなエンディングシーンからすると、この出来事はあくまでもトラヴィスの願望であり妄想として見てもおもしろい。またスコセッシ監督の夜のニューヨークを演出する、映像と音楽による巧みな雰囲気作りも、この孤独な男のストーリーによく似合っていた。
[DVD(字幕)] 8点(2007-08-19 21:07:51)
132.  グローリー 《ネタバレ》 
奴隷制度が廃止となる北軍の勝利というのは、長いアメリカ黒人史の中でもとりわけ重要な位置付けにあるものと思われます。またそれは他国の者が想像する以上に、黒人にとって勝利しなければならないものだったに違いない。この映画では、奴隷として酷使される黒人の様子がワンシーンでさえ挿入されていないので、他国の者からすると、黒人の白人に対する憎悪の気持ちや志願兵となりたがる動機付けなどが少々理解しにくいかもしれません。その辺の事情は「ルーツ」(映画ではなくテレビドラマだがよく出来た作品です)なんかを見ると、白人の手によりアフリカから捕獲され家畜同然のように酷使される黒人の様子が描かれているので、彼らの気持ちがよーくわかります。黒人の犠牲で成り立つ既得権益を執拗に維持しようとする南部の白人、それに対し、ただ人間としての自由と尊厳が欲しかった黒人という両者との構図。黒人志願兵たちの言う我々すべての黒人の為に戦うという言葉はズッシリと重く、またラストの玉砕覚悟の突撃シーンは感動的ですらある。事実、人間が生み出す“悪”が存在する以上、侵略なんかではなく正義の為の戦争もあり得るのだ…この作品を見終えてそんな事を思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-30 00:10:38)(良:1票)
133.  フランケンシュタイン(1931)
皆さんのおっしゃるとおり有名なシーンが数多くある怪奇映画の古典ですね。人造人間の造形はもちろんのこと、別監督の手によりリメイクされたりでいかに映画人に愛されているか見ておおいに納得です。(怪物というより、あえて人造人間という言葉を使わさせていただきます) 人造人間が少女と花遊びをするところや炎上する風車小屋での哀しいラストなど共に有名ですが、個人的にはフランケンシュタイン博士が人造人間を蘇生させるまでの過程が好きなんですよね。こだわりにこだわったケレン味たっぷりな実験装置に凝りに凝ったセット美術。怪奇物の雰囲気をこれでもかと言わんばかりに醸し出しておりゾクゾクさせてくれた。科学が今現在のように発達していない当時、死体に強力な電気エネルギーを与えると生き返るのでは、と本気に思った観客は少なからずいたのではないだろうか。そのくらいハッタリ度充分な演出です。またこの映画は単なる恐怖ものではなく、神をも恐れぬ科学の暴走が悲劇をもたらすという側面を持っています。ところが、同じホエール監督が手掛けた続編(むしろ番外編という感じだったが)「フランケンシュタインの花嫁」では、笑うに笑えないブラックなトーンに包まれたパロディ色の強い作風となっており、両作品のその余りの方向性の違いに唖然としたのを覚えています。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-04 00:35:28)(良:1票)
134.  隣人は静かに笑う 《ネタバレ》 
ミステリーにサスペンス系はオチを知ってはマズい、ということでなるべく予備知識なしで、しかも評価の高そうな作品だけピックアップして見ているわけなんですが…。まぁーとにかく本作の結末にはオドロキましたね。もしこれがお決まりのラストを迎えたなら、凡作ハリウッド・ムービーってことでビデオで充分、よって5点。てな感じなんですが、ところがこの結末ですからね。もう一度最初からバッチリ見ようという気にさせられるし、そくざに巻き戻しタイトルロールから見直しましたね。隣人が引っ越して来た時からラストの赤い乗用車まで、すべて隣人が仕掛けた計算済みの罠であったわけですね。国家の治安こそが正義であり善であることを信じて止まない愛国主義者、国家の強権に対しあくまでも牙を剥くテロリスト集団という構図。プライバシーや個人情報保護法についてもそれなりには触れており、この辺り考えさせられなくはない。おおよそこのような映画というのは、多種多様な問題を抱える当のアメリカとは違い、他国という距離をおいて見れる立場にあるからこそ驚愕サスペンスとして成り立つのであろう。今後、米国内でこのような映画はまず作れない。そういった意味では異色であり貴重なサスペンス映画でしょうね。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-13 23:22:02)
135.  アイスマン(1984)
4万年前のネアンデルタール人が北極で氷塊として発見される。科学の力で蘇生に成功するものの(こんなことは科学的に可能なのだろうか)、引き起こされる悲劇を通じ見る者に様々な問題を投げかける。ある意味奇想天外ともいえるお話しなんですが、作品そのものはやや大人向けに作られておりなかなか良く出来ています。言葉の壁はもちろんのこと、4万年前もの隔たりのある文明の壁。自由に空を飛べる巨大な鳥を神と崇める原始人に我々人類のルーツを見る。(演じるは何とジョン・ローン) 原始人を一人の人間とみなすか否か、あるいは貴重な研究材料にすべきだと意見の分かれる科学者たちなどなど…この辺り多分に考えさせられるものがあります。その一方、シリアスな展開の中にユーモラスなシーンもあり最後まで興味を持って見れる。郷愁を誘う音楽も印象的な本作は、SFドラマの隠れた名作と言ってよいと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-16 23:43:31)
136.  ひかりごけ 《ネタバレ》 
この映画は三國連太郎に尽きます。同僚の死肉をモグモグと、何事もないかのように食べる時の顔の表情がインパクト大。やはりこの人、名優中の名優だが怪演もホントに良く似合う。しかも演技だけではなく口から発する方言も素晴らしく、独特の味を醸し出している。第二次世界大戦中、4人を乗せた輸送船が冬の北海道の羅臼沖で消息を断ち、船長だけが生き延び無事生還したという実話を基にした作品。原作は武田泰淳の同名小説で、監督は熊井啓。洞窟に避難するものの、辺り一面氷雪に覆われ身動きがとれない。しかも食べ物が何もない。一人また一人と餓死するわけだが、生き残った者がその死肉を食って生き延びる。何というこの世の不条理。船長(三國連太郎)が繰り返し口にする「なんともってねぇ」「がまんしているんです」…これらの台詞、様々な意味に受け取れ妙に説得力を持つ。実話もさることながら、やはり戦時下という狂気に満ちた時代だからこそオゾマシさが倍増するのであろう。本作は90年代の邦画を代表する、優れた群像劇のひとつと言ってよいと思います。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-08-30 23:22:23)
137.  宇宙からの脱出
本作はラストに尽きます。スタージェス監督らしい渋く味のある演出なんですが、中盤辺りまで坦々と進むだけでちょっと退屈。ところがハリケーンの眼を利用するという着想からにわかに盛り上がり、カタルシス充分なエンディングシーンまで一気に見せてくれた。あたかも、翌年に起こるアポロ13号の出来事を予見していたかのような展開。冷戦という当時の緊張する米ソ間に於いて、ソ連の宇宙船を登場させるという発想も素晴らしく、独特の効果音を取り入れたラストのドラマは斬新かつ見応え充分。ラストに必ず何かある、衝撃的なシーンが用意されていると監督を信じてホントに良かった。
8点(2005-03-25 17:42:10)
138.  日本誕生
ラストに尽きる! 平和な大和の国を願う日本武尊(ヤマトタケル)の怒りが爆発する、ラストのクライマックスは圧巻の一語。日本特撮の父、円谷英二の節目を飾る集大成と言ってもよく、伊福部昭の荘厳なレクイエムを背景に特撮の幻想的シーンが存分に堪能出来る。このラストシーンを拝見出来ただけでも大満足で、評価は大きく跳ね上がりましたね。なんでも東宝映画1000本を記念して作られた、東宝スター総出演のスペクタクル大作。正月番組の隠し芸大会さながらのルックスで、みなさん御苦労さんって感じで物語は進みます。しかし盛り上がりに欠ける平坦な展開は否めず、しかも180分という長丁場も手伝い、うーんさすがにダルいな~という感じがムラムラと沸き起こってくる。(もっとも、乙羽信子演じるアメノウズメのヘンてこな躍りだけはウケたが) 唯一の見どころといえば、三船敏郎演じるスサノオノミコトが八岐大蛇を退治するくだりだけだし…。さすがの名匠稲垣浩も歴史大作モノにありがちな轍を踏んでしまったか、と思いきや前述したようラスト10分で起死回生の大逆転劇。やー、映画って野球と同じで最後までグッとこらえて見るものですね。つくづくそう思いました。
8点(2005-03-01 21:50:07)
139.  海軍特別年少兵
戦況の悪化が著しい太平洋戦争末期、本土を死守するべく硫黄島に於いて日本軍守備隊二万三千余(年少兵三千八百名含む)のほとんどが玉砕壊滅したという。この映画は疑うことを知らない14、15歳の少年たちがプロパガンダ教育により祖国のため自ら志願兵として海軍に入隊、そして厳しい訓練を経て悲劇的な結末を迎えるまでを描いたもの。監督は今井正で物語は叙情的に展開されいゆく。生粋の海軍魂の持ち主である鬼教官・工藤上曹(地井武男)、軍隊に於いてなおも愛の教育を説こうとする教官・吉永中尉(佐々木勝彦)との対立。この辺りの人物描写、歪曲せず等身大で描かれているのではないだろうか。また、庶民や社会の末端で生きる人々の戦争や国家に対する本音、軍の命令に従わざるを得ない教師による志願兵募集の場面、恐ろしい憲兵や特高警察による反戦思想を持つ者の連行シーンなどなど、暗く悲しい時代を記録的な意味合いを持たせフィルムに収めている。年少兵を演じる15、16歳ぐらいの少年俳優たちを軸に坦々と進められるため少々盛り上がりに欠けるかもしれませんが、この作品のテーマ性を全面に出すというコンセプトなら致し方ないところ。しかし監督今井正の力感ある演出と構成、何より脇を固める実力派俳優たちが作品そのものをしっかりと引き締めており、完成度は高く本作を世に出した功績は十分にあると思います。
8点(2004-12-23 14:48:00)
140.  疑惑(1982)
まーとにかく、桃井かおりに尽きます本作は。あたかも自然体で臨んだかのような演技はハマりにハマり過ぎており、作品を大いに盛り上げてくれた。あの極妻こと、志麻姐ごに対峙させても一歩も引けを取ってはいません。山田五十鈴の突然の登場シーンもインパクト大。桃井かおり演じる球磨子は本当に保険金殺人を犯したのか? それともあれは事故だったのか? 前科四犯の毒婦、状況からすると限りなくクロに近く、しかも警察やマスコミに痛烈な悪態をつき捲りとことん敵に回す。《ネタバレ》犯人に違いない、いや万が一犯人でなくともこんなヤツは有罪にすべきだとするマスコミとそれに同調する世論。秋谷記者(柄本明)が女性弁護士(岩下志麻)に言う、「あんな女、たとえシロであっても弁護する必要はない」はまさに世論を代弁している。この辺り、ただの娯楽サスペンスに終らせてはおらず、やはり松本清張&野村芳太郎らしい作品です。
8点(2004-12-06 11:07:23)
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